鈴 木 英 昭 議員 質 問
〇議長  次に、8番鈴木英昭議員、お願いします。
  [8番 鈴木英昭議員 登壇]
〇鈴木英昭議員  おはようございます。8番鈴木英昭です。早いもので、今年も残すところわずか20日余りとなっております。今年もあらゆる産業において、不景気で不透明な厳しい種類の年だったんではないのかなと振り返っております。来年15年度は、南陽市、また南陽市民にとりまして暗いイメージをかき消す、明るい年でありますよう願いながら、通告しております3項目について質問させていただきます。
  初めに、水田の生産調整対策並びに農業対策費の一部についてお伺いをしたいと思います。今から32年前、余剰米対策として本格実施されたのが減反政策でした。当初は、二、三年協力すれば米づくりに頑張れる日が必ず来るという思いの中でのスタートだったと記憶しております。また、とき同じくして、それまで米食中心だった日本の主食が、特に若い世代においては主食の多様化など米離れが進み、米消費量に反比例するように減反面積の上乗せ、さらに追い打ちをかけるように米価の下落へと進み、農業に対する意欲の衰退など、農業離れの傾向の中で、細川政権下で受け入れたWTO協定のミニマムアクセス米150万トン受け入れ、ますます減反を強行し、その分を輸入するという農家の実情を無視した農政の中で、ますます農家にとって厳しい状況に追い込まれて現在に至っていると言っても過言でない一面もあると思います。今まで32年間、生産調整、そして減反の拡大の繰り返しという経過の中で理由づけされてきたのが、供給過多による価格を防ぐため生産量調整をし、農家収入の安定を図り、農家を育成するためというねらいでしたが、結果はさらに厳しい価格の下落、そしてさらには農業離れの方向に進んでしまい、将来を展望できる農政とはかけ離れたお粗末な農政になってしまったと思うのは私だけではないと思います。このたび農水省が米政策改革大綱を発表、来年度はさらに減反5万ヘクタールを増加し、現在全国で約300万ヘクタールの水田がある中で、106万ヘクタールを減反すると正式決定しております。また、6年以内に減反政策を転換し、農業者がみずから自主的に生産調整を行う体制づくりをすると。さらに、米づくりの中核を担える農家の育成を進めるのがねらいとなっているが、ここに来て、またまた過去に繰り返されたねらいを示しているということは、私はこのような性格は今までにない、さらに不透明で混乱が生じる結果になるんではないのかなと心配しております。
  そこでお伺いしたいのは、今まで32年間、減反政策は紆余曲折の中の繰り返しだったと感じておりますが、このような結果をどのように総括をしておられるのかお聞きをしたいなと思います。
  2点目は、平成15年度の減反面積が5万ヘクタールの増加の形態となっておりますが、今までどおり多分傾斜配分なども加味されての配分になろうかと思いますが、南陽市への配分面積と各農家に対する減反割のパーセントが今お示しいただけるならお聞かせいただきたいなと、そのように思います。
  3点目は、今年の6月の末ごろに、生産調整未達成につき転作の実施を要請する情報誌が各農家に配布されております。内容は、現在では残念ながら33ヘクタールの不足があります。目標が達成できなかった場合、助成金の受け取り、また各種補助事業の採択関係に不利益が生じるため、不足している33ヘクタール分を青刈りなどで協力をいただきたい。また、さらには未達成の農家には適正に取り組むよう、関係者一丸となって推進をしていくということになっておりますが、その後その結果をお聞きする機会がありませんでしたので、その内容についてお伺いしたいなと思います。
  4点目は、減反政策とは直接関係しておりませんが、ウルグアイ・ラウンド農業対策費についてお伺いさせていただきたいと思います。皆さんも御承知と思いますが、ウルグアイ・ラウンド農業対策費とは、農産物の輸入自由化を受け入れる条件の代替として、農業生産コストを減少、また生産効率の向上を図るために田畑の整備、さらには農道整備など、農業環境整備を目的とする財源6兆円を予算決定した経過があったと記憶しております。今政府の財政改革会議では、歳出の削減、さらには事業内容の見直しの動きの中で、今まで農家にとっていろんな意味で期待を持たせておりますウルグアイ・ラウンド農業対策費も、現在では不透明になってきておるような感じがしております。このような中で、この対策費による南陽市内での農業に関係する環境整備があったのかどうか。また、先を見通しての要望事業など、出された経過、また現在も出しておられることがありましたらお伺いしたいなと思います。
  続いて、雇用促進勤労者施設などの対応についてお伺いをさせていただきたいと思います。国の方針で進められております行財政改革の一端として、例外に漏れず厚生労働省所管の施設も削減する方向で現在施設の査定並びに譲渡手続に入っていると聞いております。南陽市には、勤労者並びに市民の健康な体力づくりやレクリエーションの場として設置された沖郷勤労者体育センター、さらには研修、コミュニティーの場として多くの方が利用している宮内のワトワセンターや、勤労者の住宅難解消を目的として建てられた雇用促進住宅など、合わせて3カ所があると思います。譲渡については設置されている自治体に、もしそこで希望がない場合は民間に、それでも受け手がない場合は解体、取り壊し処分をするということですが、多分3カ所とも南陽市で譲渡を受けることになろうかと思いますが、各施設の取得価格並びに今後の維持管理費の予想額、さらには施設管理の方法などをお伺いしたいなと思います。
  最後に、斎場施設整備についてお伺いさせていただきたいと思います。現在南陽市は、長井市と供用で伊佐沢の緑ケ丘斎場を利用しているわけでありますが、多くの市民から市内に斎場をつくれないのか、また人生最後の今生の別れは市内の斎場で荼毘に付したいという要望などを耳にしているのは私だけではないと思います。私は、この思いの中には、伊佐沢の緑ケ丘斎場は不便だということではなく、生涯南陽市民として頑張ってこられた、そして南陽市に愛着を抱いてこられた方を思うとき、最後の別れの場所も南陽市内であってほしいという願いが市内に斎場をという声になっているものではないのかなと、そのように受けとめております。我々生を持って生まれた以上、必ず最後には必要になる斎場は、環境の整った市内の斎場でという思いは市民の大半だと思います。
  そこで、荒井市長は斎場整備について前向きに考えておられ、常に抱負を語られておりますが、近い将来整備を必ず進めると受けとめてよいのかどうか、さらに予想される着工年度、そして施設などの素案などを検討されておられるならお伺いしたいと思います。
  以上で、登壇からの質問を終わりたいと思います。
〇議長  答弁を求めます。
  市長。
  [荒井幸昭市長 登壇]
〇市長  8番鈴木議員の御質問にお答えを申し上げます。
  初めに、水田生産調整対策の減反政策についてでございますが、これは国の施策であるため、メリット、デメリット論ではなく、どのような結果をもたらしたか、私なりに総括をしてみたいと思います。減反は、需給バランスによって米を安定的に供給し、農業所得を確保していく施策として講じてきておりましたが、ここ25年間に経済のグローバル化や食生活の変化によりまして、議員御指摘のとおり消費量が半減したため減反が拡大され、今日に至っておるところであります。現在の問題点としましては、年ごとの作柄によって事業効果が大きく影響されてきた経過がございます。次に、米の総量調整の偏りによって、産地銘柄など、消費者ニーズに沿った作付が十分できなかったこと。三つ目は、米以外の作物自給率向上への貢献度が少なかったこと。四つ目は、負担の限界感が感じられたということ。次に、五つ目が協力者と非協力者間の不公平感を増幅させたなど、いろんな課題を抱える結果となりましたが、このたびの農水省の米政策改革大綱で、遅くとも2008年度までには稲作経営の安定と消費者及び市場重視への転換が示されましたので、今後はこの大綱に基づいて対応することになると考えております。
  第2点目の平成15年度の新たな減反政策の見通しでありますが、先ほど2番長谷部議員にお答えしたとおりでありますが、県全体として3万1,640ヘクタールの増になるということであるようでございます。また、心配しておるのは、共補償事業の交付基準単価の一部減額改正が行われるやに承っておりますので、この2点については大変心配をいたしております。
  それから、3点目の14年度生産調整につきましては、配分面積が738ヘクタールで、転作率が35.4%となっております。高い水準だろうと思っております。実施見込み面積は、地域間調整による35ヘクタールを含めまして739.3ヘクタールで、達成率が102%となっております。
  第4点目のウルグアイ・ラウンド関連事業についてですが、本市では総額13億3,000万円ほどの事業が実施されております。主な内容といたしましては、園芸関係が8件で2,300万円、畜産が12件で4億2,000万円、水稲及び畑作は9件で6,600万円となっております。また、沖郷地区排水対策や羽山堂ため池整備等の農村整備関係が6億8,600万円、吉野、金山地域を中心とした山村振興特別対策が9,400万円余りとなっております。
  次に、勤労者福祉施設についてでありますが、沖郷公民館併設の南陽勤労者体育センターは、買い取りの予算を9月議会で議決いただきましたので、現在雇用能力開発機構からの譲渡手続をいたしております。金額は1万500円であります。来年度からも、今までどおり市の体育施設として使用できますよう、3月議会で条例改正を予定いたしております。ワトワセンターにつきましては、9月に雇用能力開発機構が現地調査を行い、現在評価額の算定を行っているところでありまして、今年度中に譲渡条件の提示がある場合は、議会とも相談して検討してまいりたいと思います。なお、ワトワセンター等につきましては、維持管理につきましては現在も市が負担をしているということを申し添えさせていただきます。また、雇用促進住宅については、平成15年度以降に具体的な話があると思われますので、その時点で判断することになろうかと思います。
  次に、斎場整備でありますが、老朽化による移転改築問題の際当時は、候補地の事を含めまして、市民皆さんの了解を得るまでには至らなかったという経緯もございまして、現在の長井市の緑ケ丘斎場を使用いたしておるところでございます。この斎場は、長井市、南陽市、飯豊町の2市1町で利用をいたしておるものでございます。しかしながら、その後多くの市民の皆さんが斎場設置を熱望しておられると判断いたし、各地区の座談会に行ってもこの斎場問題が大きく取り上げられ、お話をいたしますと、一番関心があるようにも私なりに受けとめをさせていただきました。そのために、私の2期目の公約の一つとして斎場建設を掲げたところでありますので、議会始め市民の皆さん、あるいは今お世話になっている関係市町の御理解をいただきながら、慎重に進めてまいりたいと考えております。施設建設の見通しにつきましては、年度は限定できませんが、私の2期目の任期の中で実施に向けてぜひ実現を図りたいということで、庁内に事務レベルの検討委員会を立ち上げた段階でありますので、今後は課題整理に努めますとともに、進捗状況を見きわめながら議会に御相談させていただきたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
  以上でございます。
〇議長  ここで暫時休憩いたします。再開を11時15分といたします。
    午前11時00分  休  憩
                   
    午前11時15分  再  開
〇議長  再開いたします。
  再質問に入ります。
  8番鈴木英昭議員。
〇鈴木英昭議員  それでは、何点か質問させていただきたいと思います。
  ただいまの市長の答弁の中で、ウルグアイ・ラウンド農業対策費の内容で、南陽市内に13億円のさまざまな事業があったという説明があったわけでありますが、この点についてちょっと確認をさせていただきたいなと思います。これは、この事業の中に今まで本来行われてきた農林予算関係で整備した以外に、このウルグアイ・ラウンド農業対策費によってプラス13億円の事業箇所があったということなのかどうか確認をさせていただきたいなと思います。
  それから、もう一点、村山地方の東部農免道路、間もなく完成するということで、今工事の最中でありますが、ここでは農業対策費を利用して広域的に各市町村が共同で運動を展開し、このすばらしい農免道路の着工につながったということをお聞きしております。そこで、南陽市を中心ということではありませんが、そのような内容で置賜地方で広域的にその対策費を利用してさまざま整備したい、また整備するような動きといいますか、運動を展開したというような経過があったのかどうかお伺いしたいなと思います。
  それから、総括につきましては、先ほど市長が言われたとおりでありまして、これは国の政策でありますんで、南陽市にとってはその内容に沿って協力していくというような方向がやはり一番妥当だと思いますので、それはそれとしてお聞きをさせていただきたいと思います。
  また、最後の斎場整備について、先ほど市長の方から過去に設置を目的としてさまざま場所選定、また関係者と話し合いの場を持った経過の中で、協力体制が組めなかったために南陽市独自の斎場を設置することができなかったというような話があったわけでありますが、多分今後この斎場整備について事を運ぶ段階では、やはりこの場所選定について一番苦労されることになるんではないのかなと、そのように思うわけでありますが、私はこの斎場ということをひもといてみますと、これは祭りを行う場所だということで大変崇高な場所だと、そのようにいろんな文献の中に入っております。多分宮内の吉野町、あの火葬場の雰囲気を頭に置かれまして、大変寂しいところだなと、またちょっと嫌な場所だなと、そういうイメージがあって、今までさまざま協力する気持ちになれなかったんではないのかなというような感じもしておりますし、多分時代の流れでこの斎場を含んで周辺を環境整備すれば、もっともっと受け入れやすい雰囲気といいますか、そのような体制に変わっているんではないのかなと、またそのように期待をしてみたいなと思います。
  そして、またこれは私からの希望でありますが、どうせ斎場をつくるんであれば、やはり環境のよい、できることなら南陽市を一望できるといいますか、ある程度見晴らしのいい場所にぜひとも考えていただきたいなと。やはりこの斎場というのは、本当は人里離れた、全く閉ざされた場所につくるべきではないなと、私はそのように感じておりますし、多分皆さんもいろんな面でさまざまな斎場においでになったという経過があると思いますが、上山ですか、あそこは本当にとんでもない山奥の中につくられているということで、その遺族の方も、また現在上山市民も、本当にこんなところにと今になって大変後悔しているような気持ちといいますか、その辺の言葉も聞こえているわけでありますんで、どうかその辺やはりこの場所でよかったなと思われるような場所をぜひ選定基準に加えていただきたいなと、そのように考えておりますんで、お願いをしたいと思います。そして、またそれについてお伺いしたいなと思います。
  以上です。
〇議長  市長。
〇市長  第1点目の総額13億3,000万円は、ウルグアイ・ラウンドの関連事業だけの数値を申し上げたものでございます。
  そのほか、2点目ちょっと聞き取れなかったんですが、農免道路の件について経済部長の方から答弁をいたさせたいと思います。
  それから、斎場の場所の設定で大変御心配をいただいております。過去の経過につきましては、議員も御案内のとおりだと思います。いろいろ前市長当たられましたが、全部結果的には地域の反対等ありまして、だめになった経緯がございます。そういうことを勘案すれば、やはり地域で反対が出ないような、しかも御指摘のとおり、最後にやっぱりひとつのお祭りだろうと、こう思いますから、余り人里離れた、上山引き合い出していただきましたが、それがいいか悪いかは別としても、やはりまちの中、例えば8区の中間点、どこからでも同じような時間で、しかも斎場公園としてきちっと整備をしていきたいなと、こんなふうにも思っております。ついでにですから、炉をつくるときにペット、今犬猫たくさんいますから、そういうペットも炉の中に入るような、ペット専用の炉も設置した方がいいのかなと。ただ、今あくまでもそういう仮定の中での話でありますが、庁内に今そういう委員会を立ち上げさせていただきましたから、いずれ煮詰めながら議会の方とも十二分に話し合いをしながら進めていきたいな、かように考えていますので、御理解をいただければと思います。いろんな御提言いただきまして感謝しております。
  以上です。
〇議長  島津経済部長。
〇経済部長  紅はなの丘構想の話だと思いますけども、南陽市におきましては吉野地区と金山地区の一部を含むところで構想が計画されたわけですけども、第1期分を村山地区、第2期分がこちらの方の南陽市の方というふうになっていたわけですけども、今第1期の方も遅々として進まないというふうな状況になっておりまして、このような経済情勢が続いておりますので、見直しをかけられているというふうな状況でございます。構想は今生きているのですけども、そういうふうな状況で評価委員会等にかけられて、今後進むべきか、やめるべきかというふうな今審議しているような状況でございまして、南陽市に来る公算は非常に薄いのではないかと、こう思っているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
〇議長  再々質問に入ります。
  8番鈴木議員。
〇鈴木英昭議員  じゃ、1点だけ。
  私の説明不足だったかどうかわかりませんが、今この紅はな農道、仮称といいますか、そのことを引き合いに出させていただいたわけでありますが、聞きたかったことは置賜で、広域的にそのような中の整備箇所を運動をした経過、または現在そのような運動を展開しているということがあるのかどうかということをお聞きしたかったわけでありますんで、その辺をもう一回お聞かせいただきたいなと思います。
〇議長  島津経済部長。
〇経済部長  広域的にやった農道といいますと、梨郷地区の寺坂農免道路があると思いますけども、あと北部農免道路等もそうなると思いますけども、今現在新たに農道の計画を要請しているところはないと思っております。
〇鈴木英昭議員  南陽市だけでなくて、置賜全体。置賜エリアとか、そういう内容で。
〇経済部長  今のところ、全体での構想はないと思っております。
〇議長  鈴木議員、御苦労さまでございました。