髙 田   豊 議員 質 問
〇議長  次に、6番髙田豊議員の一般質問に入ります。
  6番髙田豊議員。
  [6番 髙田 豊議員 登壇]
〇髙田 豊議員  6番髙田でございます。私からは、教育問題について御質問いたしますが、まずもって荒井市長におかれましては2期目の当選まことにおめでとうございます。お体にはくれぐれも御留意いただきまして、特に議会中の血圧にはくれぐれもお気をつけいただきまして、ますます御活躍いただきたい、このように思っております。
  また、漆山中学校の皆様におかれましては、学校教育の一環としての議会傍聴、本当に御苦労さまでございます。
  それでは、質問に入ります。今年4月から、学校が新たな制度でスタートいたしました。教科内容を削減した新学習指導要領に基づき、子供がゆとりを持って学び、親と地域が積極的に教育にかかわることを期待したものでございました。ところが、学力の低下の懸念が高まると、文部科学省は指導要領を最低基準と位置づけまして、補習や宿題を推奨する学びのすすめを発表いたしました。いずれも賛否はあろうかとは思いますが、文部科学省の迷走ぶりには国民も、特に中学生や高校生を持っておられる親は戸惑っていることと思います。一方、地方分権という時代背景と規制緩和が進んでいる現在、25人学級や市独自の副教本づくりなどを始めた自治体もあるようでございます。決して学力だけがすべてではないというふうに思いますが、現在の受験事情は内申点よりも本試験での点数重視に変わってきているのも実情であると思います。そこで、今後この南陽市として個性を出しての教育の具体策は持っていらっしゃいますか、まず1点、御質問をいたします。
  2点目は、学力低下を心配し、塾や家庭教師などに頼る家庭が増えたと聞いております。学校側の説明では、授業時間は削減されていますけれども、教科書の内容も削減されていますので心配はないと、このように言っているようでございます。しかし、大学受験に至ったときに全国的なレベルとして不安はないのか、私は心配であります。新聞や雑誌を見ますと、首都圏や関西の私立の中学校また高校では、週5日制を実施しない方針を打ち出した学校が約8割でございます。こういった学校出身者と現状の教育を受けた生徒との差は本当にないのでしょうか。そういう不安を持った親も少なくないと聞いております。個々の子供の興味や適性を重視する以上、お金も人手も必要となるのは当然だとは思いますけれども、学習面も興味の分野の一つとして考えた場合、もう少し学校としての受け皿があってもいいとは思います。学力の低下の不安や親への負担増に対し教育長としてどのように受けとめていられますか、御質問いたします。
  以上申し上げましたが、明解なる御答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  答弁をお願いします。教育長。
〇教育長  6番髙田議員の御質問にお答え申し上げます。
  初めに、今後の教育についての第1点目の市の個性を出しての具体策はあるかについてですが、平成12年4月、地方分権一括法が施行され、教育の分野についても市町村教育委員会の主体性が強まってきております。南陽市教育委員会では、小中学校の管理規則の改正に着手して、さらに生涯学習の推進と学校教育、社会教育の連携、融合及び開かれた学校づくりの支援に取り組んでおります。特にその中で取り組んでいる施策及び事業として、生涯学習関連では中央公民館の設置並びに地区公民館の地域委託化、連携の推進と南陽えくぼプラン、学校教育の振興を図るために特色ある学校経営事業、学校アドバイザー事業及び心の教室相談員事業、教育相談室専門員の配置事業等に取り組んでおります。
  2点目のゆとり教育に対する教育長としての受けとめ方はとのことですが、授業時数及び教育内容の削減が行われ、ゆとりの中で児童生徒一人一人の個性がよりはぐくまれるようにカリキュラムの改定が行われました。市内小中学校では、授業の中で基礎、基本の定着に取り組み、削減された教育内容についても子供たち一人一人が興味、関心に合わせ取り組めるように総合的な学習の時間や選択教科で対応が図られています。今後は子供たちの実態に合わせ、発展的な内容についても順次取り扱っていくように指導してまいりたいと考えております。
  完全学校週5日制及び新学習指導要領の説明については、市内全校で保護者向け説明会を実施するなど、その趣旨の説明に努めております。また、その制度の概要及び各学校の取り組みについては、市報に掲載し、市民の御理解をいただけるように努めております。
  南陽市内の児童生徒の学力については、南陽市教育委員会として年度初めにその実態について調査し、学校課題の解決や指導法の改善に生かすべく資料の提供を行っているところですが、移行措置期間中の学力の実態として、各学年、各教科においてほとんど全国平均を上回っており、良好な傾向であるというふうにとらえております。
  保護者の負担増については、休日の過ごし方にもかかわって、小学校低学年は第1、第3土曜日に学童保育を実施しているところであります。
  以上です。
〇議長  6番髙田議員の一般質問の途中でありますが、ここで暫時休憩いたします。再開を2時15分といたします。
    午後 2時00分  休  憩
                   
    午後 2時15分  再  開
〇議長  再開いたします。
  再質問に入ります。
  6番髙田豊議員。
〇髙田 豊議員  教育長、御答弁まことにありがとうございます。
  まず、1点目の問題でございますが、埼玉県の志木市というところでは、1学級25人程度を基準に4月から実施をしているようでございます。また、10月からはチューター学習といいまして、中学3年生を対象にボランティアが個別に学習指導を行う予定というふうにこの新聞には書いてございます。また、愛知県の犬山市では、非常勤講師を28人、市費で去年から賄っているようでございます。こういうことを教育長に言っても、財布を握っているわけではございませんから、きつい問題だとは思いますが、これ市長に答弁いただくとすっぱりと断られる可能性がありますので、市長には答弁を控えていただきたいと思います。
  まず、2点目の中で、塾に行っている生徒の市内の傾向、こちらの方わかったら猪野次長、お願いしたいというふうに思います。
  また、南陽市の学力は全国平均を上回っているというふうな答弁がございましたが、もう少し詳しくわかったら教えていただきたいと、このように思っております。
  あとは、関連でございますけれども、ゆとり教育の中で図書館の問題なんですが、土曜日、日曜日や子供が長期休暇に入ったときに1時間ぐらい早くならないものか、これもお願いしたいと、このように思います。
  再質問はこんなところです。
〇議長  猪野教育次長。
〇教育次長  じゃ、私の方からは塾に通う子供たちの傾向と南陽市の学力の実態、もう少し詳しく御説明申し上げたいと、このように思います。3番目のゆとり教育の中の図書館教育につきましては、柴田次長の方からお話ししていただきたい、このようにお願いしたいと思います。
  じゃ、まず学力の実態でございますが、南陽市、平成6年から今日まで9年間、今調査しているわけでございますけども、今年度4月中に市内小中学校の小学校3年生から中学校3年生までの教研式学力検査を実施いたしました。その結果に基づいて報告します。中学生につきましては、過去9年間の中で最高の数値を示しております。小学校につきましては、昨年度同様、もしくは昨年度よりもやや学力的に低下をしておりますが、全国平均並びに全国の通過率よりも1.2ポイントから4.2ポイントぐらい南陽市高くございます。管内他市町村と比較しても、学力の面では決して劣ることなく、逆に上位を示しているようでございます。以上で報告終わりにさせていただきます。
  次の第2点目ですけども、塾でございます。塾につきましては、学習塾関係につきましては、小学生が2,158名市内にいるわけですが、その中で現在学習塾に通っている子供たちが213名でございます。これは、9.8%の割合であります。中学生につきましては1,236名中187名、15.1%の割合で塾に通っています。塾に通っている子供たちに通い出した理由というものを聞いたところでは、アンケート調査、過日いたしましたけども、小学生の傾向としましては、やっぱり頭がよくなる、成績が上がる、それから親に行ってみないかと言われて行ったというような動機が主でございます。中学生につきましては、自分の希望する高校に入るためだとか、少しでもテストの成績をよくなるようにしたいとか、週5日制になったし授業が進度が早くてわからなくなってきたので自分から進んで塾に行ったとか、非常に今日的な教育界の動向を押さえて塾に行く子供たちが増えてきたような気がします。ただ、各学校からこれは上げてもらいましたけども、ある学校は非常に今年塾に行く子供たちが増えていると、ある学校は昨年よりもずっと塾に行く子供たちが減っていると、このように南陽市の中でも若干地域格差が出てきているのかなと、そんな気がします。
  以上です。
〇議長  柴田教育次長。
〇教育次長  お答えいたします。
  現在図書館につきましては、平日8時まで夜間の開館を行っておりますし、県内では一部9時までやっているところがございますが、県内では開館時間が長い方でございます。まだ開館して2年目でございますので、利用状況を十分今把握している状況でございますので、その動向を見ながら今後検討してまいりたいと思います。
〇議長  再々質問に入ります。
  6番髙田豊議員。
〇髙田 豊議員  今の御答弁の中で、ある学校は塾に行っている子供たちが非常に増えているというような御答弁でございましたが、その学校は学校で何かがあったとか、そういうことではないのか、まず1点お聞きいたします。
  また、登壇しての質問の中で、首都圏の私立の学校、そちらの方の学校とこちらの方の公立の学校、この違いを申し上げましたけれども、今後数年間して、それで学力の差が出てくると思われますか、それとも出てこないと思われますか、その2点お聞きいたします。
〇議長  猪野教育次長。
〇教育次長  学校名は伏せさせていただきたいんですけども、非常に地区によっては塾の数が多い地区があります。私どもの調査としましては、ある学校の学区には七つぐらいの塾があるんです。そういうことで、塾としての競争もあるだろうし、また子供たちがやはり週5日制の問題だとか、それから中学校になってもっと勉強したいとか、しないと高校に行けないとかという危機感のあらわれで今年度多くなってきていると。学校によって、中学生で19人ぐらいその学校は増えています。逆に43名、昨年同期と比べると43名の子供たちが減っているという校区もありますので、これから2学期、3学期とかけて実態を調査しながら適正な対応も考えていきたいと、このように思っております。
  それから、学力問題でありますけども、山形県が都会の学校よりも学力面で落ちるということはないと思います。我々それだけの自負を持っております。特に本年度、市内の七つの中学校では、夏季休業中に少ない学校で中学3年生を対象に4日間、多い学校は13日間補習授業をやっております。先生がついて一生懸命子供たちに勉強を教えております。都会では、一切そういうことはありません。全部塾任せ、家庭任せであります。そういう意味で、私は南陽市の先生方、南陽市の学校が地域の子供たちのために献身的に頑張ってくれる限り、学力の低下現象はないと思っております。
  以上であります。
〇議長  これで、6番髙田豊議員の一般質問は終わりました。御苦労さまでした。