伊 藤 俊 美 議員 質 問
○議長  次に、13番伊藤俊美議員の一般質問を行います。13番伊藤俊美議員。
 〔13番 伊藤俊美議員 登壇〕
○伊藤俊美議員  13番伊藤俊美であります。
 既に通告してあります雇用対策についてお尋ねをいたします。
 昨年の10月に共同通信社による国内主要企業 100社トップアンケートが発表されました。
 日本の景気が本格的な回復軌道に乗る時期について、平成14年度に本格回復するという期待が経営者の間で強かったのが、既に回復軌道に乗ったとの回答はゼロ社でありまして、足踏み状態、緩やかに後退、後退していると答えた会社が 100社のうち実に93社であり、相変わらずの不況と答えているわけであります。
依然として、日本経済の先行きは不透明のままであるというのが現状であります。
しかし、景気が回復するのは平成15年秋以降と答えた会社が56社と過半数に達し、わずかながら期待をしてよいのではと思っておりますが、何を信じ、何を期待をして生きていったらいいのかと迷っている人は少なくないわけであります。
 ここ毎日の新聞やニュース報道では、イラク戦争が終わりやれやれと思っているうちに、北朝鮮問題、株価の下落、不良債券問題、やみ金融問題、そして白装束集団など、異様なまでの雰囲気に驚いている間もなく、今度は新型肺炎SARSが発生、各旅行会社が大きな痛手をこうむっているわけであります。
 また、一流会社の会長の使い込み不正疑惑で逮捕、そしてきわめつけは宮内庁病院皇太子妃雅子様の主治医である堤教授が、補助金流用問題で辞職するという、まさに想像しがたいような事件が連日マスコミをにぎわせているのであります。
 また、先ごろは、刃物で無差別に切りつけたり、通学中の児童の背中に灯油をかけて火をつけたり、草刈り用のくわを持ってなぐりかかったくわ男が出現したりと、住民が本当に安心して歩くこともできないようなきょうこのごろであります。犯行の動機というと、いずれも失業で、仕事を探しても適当な仕事がなく、当然お金もなく、いらいらしていた。だれでもいいから殺してすかっとしたかったというのが理由であります。
 これからも当然こういう事件、強盗や殺人が起こる可能性が多分にあるわけであり、とても人ごとではないと思っております。
 何でも事件が起きてから動いたのではおそいわけでありますので、市としても危機感を持ち、重要な課題の一つとして雇用問題に取り組む努力をすべきだと考えます。
 そこで、お尋ねをいたしますが、平成不況が依然として続いており、完全失業率が過去最高だった昨年8月・10月と並ぶ 5.5%、失業者も 390万人に達して、有効求人倍率も0.60倍となり、雇用情勢は悪化の一途をたどっており、今や我が国の雇用は戦後最悪の状況を更新する中で、相次ぐ企業の倒産、リストラ等々でまさに社会的不安、死活問題になりかねない現況であり、本市としても重要な課題として、対応、対策を講じていかなければならないと思います。
そこで、次の8点についてお尋ねいたします。
 1.南陽市の失業者数の実態について。
 2.失業者数の年齢層について。
3.市内の高卒、大学卒業生の就職内定率について。
4.市内の事業所のパートタイマーの実態について。
5.当市の雇用相談や内職相談の件数と内定率について。
6.緊急地域雇用創出特別交付金の活用、成果について。
7.雇用対策には企業誘致あっせん事業が重要な課題だと思っていますが、現在の進捗状況と今後の見通しについて。
最後に、市として今後どのような対応、対策で失業者の雇用確保に向けて取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。
 以上、当局の誠意ある御答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○議長  ただいまの13番伊藤俊美議員の一般質問に対しまして答弁を求めます。
 市長。
 〔荒井幸昭市長 登壇〕
○市長  13番伊藤議員の御質問にお答え申し上げます。
 初めに、南陽市の失業者の実態でありますが、統計上、発表された数字はございませんが、4月中に米沢公共職業安定所を訪れた市内の新規求職者は 201名となっていることから、全体の有効求職者数はおおむね 770名程度でないかと推定をいたしておるところでございます。
 2点目の失業者の年齢層についてでございますが、これも米沢ハローワーク管内の年齢別求職状況では、24歳以下が17.9、25歳から34歳までが20.6、35歳から44歳が17.2、45歳から54歳が23.9、55歳以上が20.4%となっておりますので、恐らく市内の失業者についてもおおむねそのような構成率かなと、こう思います。
 それから、3点目の就職内定率でありますが、市内に住所を有する高校生については、3月末現在92.6%、 113名の方の就職が内定しており、未定者は9名となっております。大学生については、市内在住者については把握しておりませんが、米沢ハローワーク管内の米短の80.8%、山形大学工学部96%の就職内定率になっておると報告いただいております。
それから、4点目のパートタイマーの実態でございますが、市内の事業所でも従業員総数の中のパート従業員比重が高くなりつつあると聞いておりまして、特にサービス業や卸小売業にはその傾向が一段と強く見受けられるようになってございます。
それから、5点目の雇用相談等についてでありますが、就業関係では平成14年度中に 517件の相談があり、家庭の状況や働く意思などを確認の上、 274件、率にして52%の方を米沢公共職業安定所に紹介をいたしております。
内職については、相談件数は 357件でありますが、内職を希望する登録者 122名に対しまして53件、率にいたしまして43%の方を事業所に紹介をいたしておるところでございますが、数字的にはもっと上がってしかるべきなのかなと、こう思いますが、今の世の中のこういう経済状況下ではまあまあいたし方ないのかなという一面もあるように思います。
それから、6点目の緊急地域雇用創出特別交付金の活用等は、平成14年度では不法投棄対策事業ほか4件の事業を実施し、延べ総数で 710名の方の雇用の場を確保したところであります。平成15年度では、同じく不法投棄対策事業のほか5件の事業を実施し、雇用予定人数として延べ総数 1,170人を予定いたしておるところでございます。
それから、7点目の企業誘致の今後の見通しでございますが、伊藤議員は特に企業誘致に熱心な議員でございますが、市といたしましても企業誘致は重要な課題だという認識は強く持ってございます。しかし、現在は、製造業中心に生き残りをかけた経営が強いられ、企業の設備投資意欲は冷えきっておりまして、現在の厳しい経済情勢下では、各自治体が単独で行う企業誘致は非常に困難な状況にあると思います。
このような状況から、県及び各自治体が一体となって、企業誘致事業をより効率的に進めるために、「山形県企業誘致促進協議会」を設立してございます。この協議会及び置賜地域部会と連携を密にしながら情報収集と地域のPRを行っているところでありますが、現在の経済情勢下では、本市を含め各自治体も企業誘致に苦慮しているのが実態であります。
それから、8点目の失業者の雇用確保でございますが、現在の情勢を踏まえながら、県並びに公共職業安定所との連携を図りながら、就職面談会の開催や企業訪問を通じて、求人要請あるいは緊急地域雇用創出特別基金事業による雇用の場の確保、専任の就業相談員の配置による就業・内職相談業務の充実など、さまざまな対策を実施いたしておるところですが、一自治体としての取り組みだけでは、おのずと限界がございますので、現在実行中の施策を継承しながら、今後とも関係機関団体との密接な連携を図りながら、雇用の確保に努めてまいりたいと存じますので、御理解をお願いしたいと思います。
なお、せんだって、平成15年度の新規学卒者の激励歓迎会がございまして、市内で53社延べにして 117名の新規の学卒者が市内の企業にお世話になっておるということでありますので、申し添えておきたいと思います。以上でございます。
○議長  再質問に入ります。
 13番伊藤俊美議員。
○伊藤俊美議員  ただいま御答弁いただきまして、ありがとうございます。
 まず、南陽市の市内の失業者の数ですけれども、約 770名というわけでありまして、本当にこれは大変な数字だと私は思っております。
 失業者の年齢層から見ましても、やはり働き盛り、本当に約55歳ぐらいまでの30代、40代の働き盛りの方が約60%ぐらいの人が失業しているというような現状であります。これは重要な、市としても重く受けとめないと大変なことになるんじゃないかと思っております。
 私のところにもしょっちゅう仕事探してくれというような要望が来ているわけでありまして、やはりこれは市挙げてやっぱり取り組んでいかなければならない重要な問題だと思っております。
  市内の高卒、大学卒に関しましても、結構
92.6%ということで高卒の方は大分いいようでありますけれども、約10名くらいの人はまだ決まっていないというようなことで、とにかくぶらぶらしている方も大分おります。そういう意味で、何とかこの点も改善するにはどうしたらいいのかというようなことを、これから考えていかなければならないと思っております。
 また、パートタイマーみたいな、一時フリーターという、そういうのがすごく若い人にふえております。そういう意味で、その点をとってもやはりこれからどんな方法があるのか、どのような方法をとって正社員にしていくのかというようなことが、いろんな自治体で研究しているようなところであります。そういう意味で、私もいろんな心配ごとがあるんですけれども、私が心配しているのは、完全失業者のうち、1年以上、長期失業者ですね、それが30%に上っているというようなことでありまして、やはり求人する方と雇用される方の間にもいろんなギャップがあるんですね。今問題になっているのは雇用のミスマッチということで、いろんな条件のずれとか、仕事の不一致とか、そういうようなことで、ミスマッチが多分にあると今言われておりまして、厚生労働省の方でもこの点に力を入れているわけです。
 そういう意味で、若年層についてミスマッチ、仕事の内容とか、そういうのが浮き彫りになっている。また、就職を希望しているんですが求職活動をしないということで、もう適当な仕事はないんだと頭から決めつけて、「仕事探しあきらめ組」なんていうのもあるというようなことで、本当にこういう人がふえているのが今の現状であります。そういう意味で、そういうフリーターみたいのを何とか取り除いて正社員にしていくような方向をとらないと、これから生きていくのに大変な状態になるわけでありますので、行政指導で対策を取り組んでいかないと、これはうまくないなと思っております。
 そういう意味で、ミスマッチ対策として厚生労働省の方で進めておるのが、企業に短期間試行雇用してもらうという制度であります。その間に仕事をする上で必要な研修とか訓練を受けさせまして、正社員への道を開くということで、2001年12月から厚生労働省の方でスタートさせておるわけです。そういう意味でトライアル雇用ということで、それによって試行期間中に適性や能力、意欲を見きわめることができるということで、求職者の方でも大変利点が多いということで、求職者にとっても職場の雰囲気、業務内容を実感することができて、入社後にミスマッチでやめたりなんかしないというようにするということで、大変大きな成果を上げているところがたくさんあるわけですね。
 昨日も、坂口厚生労働大臣が、若年層のそういうフリーターの人を救うには、このトライアル雇用しかないんだというようなことで、政府としても力を入れていきたいと、支援して総合対策をしていかなければだめだというようなことで打ち出したわけであります。
 また、中高年の失業者に対しては、求職者の職業選択や能力などの相談に乗って助言を行うというキャリアカウンセラーというのが、各ハローワークあたりに設置されておるわけです。
 そういう意味で、今全国で 1,000人規模のキャリアカウンセラーが設置されておるわけでありますけれども、政府でこのたび発表したのが、全国でやはり5万人くらいのキャリアカウンセラーを配置して取り組んでいかないと、今の失業者の問題には対抗できないというようなことで、今その点で予算化のための要望をしているというようなことであります。
 そういう意味で、各自治体の方でキャリアカウンセラーというのを設置しているという自治体もかなりあるわけです。そういう意味で、やはた 770名の方が失業しているわけなんですね、そして働き盛りの人が約60%だというのが、今の南陽市の状態でありますので、何とかしてこういうことに対してプロジェクトチームをつくって行政で対応していかなければならないと思っておりますので、その点ももう一度お聞きしたいと思います。
そして、緊急地域雇用創出特別交付金の活用ですけれども、これはすばらしいと思います。 2003年で終わることだったんですけれども、
2004年まで今延ばしてるということで、ですから来年までまだあるわけですね。そういう意味で、まずこの事業に関しては各地域でもいろんな工夫で、地域独特の工夫でしていいわけですけれども、ただいま市長が言いましたように、 1,170名の雇用もことしは考えておるんだというようなことで、すばらしい事業だと思っておりますので、ぜひこの点についてはいろんなアイデアを考えながら生かしていただきたいと、そのように思っております。
それから、企業誘致あっせん事業でありますけれども、昨年ですと、企業誘致委員会で福島県いわき市に行ってまいりまして、いろんな企業誘致についてお聞きしてきたわけでありますけれども、やはりいわき市でも雇用対策が最大の課題だというようなことで、雇用対策で一番の解決方法は企業誘致なんだというようなことで、今ある企業団地をリース式にするのなんか自然であって、無料にしたらどうだというようなことも要望したいというようなことで、企業誘致の課の職員の方がそのような意気込みでおりました。
そういう意味で、今、南陽市でもいろんな造成とか計画もあります。やはり坪4万円以上もする土地を買って、来る会社なんてないわけであります。ぜひ、リースとか、造成についても宣伝していけば、南陽市ではこうこうこういうふうな値段でやりますよというような宣伝をすれば、必ず企業も来ると思いますので、その点でそういう考えはないのかどうか、もう一度お尋ねをいたしたいと思います。
 それから、市の雇用相談ですけれども、 517件ということで、大変なまず状態でありまして、内職相談もかなり来ております。そういう意味で、行政みずから立ち上がって、この失業者問題に対しての自覚を持ってやっていただきたいと、そのように思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。では、その点についてお願いします。
○議長  答弁を求めます。
 市長。
○市長  まず、求職者の市の対応という御指摘いただきました。
 もちろん市も就業相談員、これは独自で採用してございまして、いろんな働きで頑張っていただいております。それから、所管の商工振興課も企業訪問をしながら、そういう雇用の問題に取り組みをいたしておりますが、現実的には、
市内の企業を回られていろんな話を承るわけなんですが、「いや、こっちの方が参るんだよ。どうしたらリストラできるか。どうしたらうちの企業生き延びられるか」という相談が多くて、「ああ、そうですか。では、うちで1人、2人紹介してください」という企業がほとんどないのが気がかりであります。
 世の中、御案内のとおりの景気の悪さであるし、景気の悪いのはやっぱり、景気というのは 三つの要素から成り立つわけでありまして、一つは個人の消費、これが一向に進まない。二つ目は企業の設備投資意欲、これも全然だめ。三つ目が株価、株価があんなに、バブルのときよりもっとダウンしたということでは、この三つが景気を支える大事な要素でありますから、これが意気上がらないというようなことで、市内の企業の方々も非常に四苦八苦しながら頑張っていただいております。
 だからといって、我々も失業者がいることは非常に心を痛めておりまして、何とか1人でも2人でもという気持ちで頑張っていかなければならないし、緊急雇用創出事業でもお願いをしていかなければならないだろうと、こう思います。
 ただ、やっぱり職業選択の自由もありまして非常に難しい。議員御指摘のとおり、トライアル就業、こういうことがもっともっと世の中の一般的な就職の要件、要素になってくれば、また違うのかなと、こう思いますが、企業は企業なりにやっぱり正社員を置くよりも、パートとかアルバイトを雇用した方が、いろんな諸経費等がかかりませんから、そこで何とか採算を合わせて頑張っているというようなことで、非常に難しい課題でありますが、避けて通れない課題でもあるわけでありますから、行政としてできる範囲で頑張っていきたいなと、こう思います。
 それから、企業誘致の件、前にもお答え申し上げたとおりでございまして、今、1区画しか西工業団地ありませんが、将来的に造成する場合には、議員言われるようにリース方式にするのか、あるいは注文方式で既地的じゃなく、こういう土地をどういうふうに造成してほしいかとか、そういうものをきっちりと取り上げながら対応していかなければならないだろうと、こう思います。
 企業誘致も大事でありますが、まず市内の企業が元気を出していただけるような形の中で、企業の皆さん方と相談しながら頑張るほかないのかなと、こんな思いでいるところです。
 ただ、残念なことに経営者協議会、これがもう解散いたしまして、商工会がこれから中心とした話し合いにはなるだろうと思いますが、非常に厳しいということは私も企業を持っておった身でありますから、十二分に理解できておりますし、今後ともいろんな形の中で頑張っていきたいと思っております。そんなところです。
○議長  再々質問に入ります。
 13番伊藤俊美議員。
○伊藤俊美議員  市長より活性化に向けた前向きな答弁をいただきました。ありがとうございました。
 やはり働き盛りの失業者の対策ということで、とにかくその点については本当に私も頭を悩ましております。そういう意味で、何とかそういう雇用対策のプロジェクトチームをつくりたいというようなことで、市の方でも。そうすると、キャリアカウンセラーとか、そういうものも皆、行政主導でしていただければ、市民の方も大分助かるわけであります。
 どこに行ったらいいかわからなくて、やっぱりハローワークに行ってももう満杯なんですよね。あふれているような状況で、何も相談できないというような状況が続いておるようでありますので、やはり身近に市の行政としてそういうプロジェクトチームがあるんだぞというようなことを、つくってやはり対策に当たっていかなければならないんじゃないかなと、そのように思っております。
 失業者がいれば税収も減るわけでありまして、滞納もふえてくる。みんなそういうふうにつながってくるわけであります。そういう意味で、滞納額も今大変ふえる一方であります。市民の方に不安をもたらすような市政ではうまくないわけでありますので、いち早く取り組んでいただきたい。
 そして、行政と議会が一致団結して、危機感を持って失業対策に取り組んでいかなければならないと思っておりますので、我々も頑張ってまいりたいと思います。市当局としましても、ぜひ御活躍をお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長  御苦労さまでした。