田 中 貞 一 議員 質 問
○議長  2番田中貞一議員。
 〔2番 田中貞一議員 登壇〕
○田中貞一議員  2番田中貞一であります。よろしくお願いいたします。
 本年は、天空も大地も大変異常な年であり、全国各地で甚大な被害をこうむりました。中越震災では、マスコミを通しまして自然災害の恐ろしさを画面で実感をいたしました。また、本市におきましても、降ひょう、大雨、突風等により甚大な被害を受けました。被害を受けられました皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
 中越地震発生当日の夜、緊急援助隊の招集により5名の消防職員が20時30分ごろ新潟の被災地へ向け出動いたしました。中条インターチェンジで県内全部の応援隊と合流し、山形県隊として長岡市に入り、その後、小千谷市へ、そして南陽援助隊はヘリにて山古志村に情報収集及び救助活動の目的のため入ったということでありました。
12月2日、消防団の幹部会の特別研修の中で、隊長を務められた大竹係長においでいただき、生の声で災害の実態を教えていただきました。団幹部も身の毛もよだつような活動内容をお聞きし、万が一にもこの地で発生したらば、その対策を十二分に考えておく必要が一番重要であるというふうに結論づけました。今後の本市防災において大いに役立てていかなければならないことであると考えております。
5名の隊員の方々には、長時間にわたる不眠不休の活動、心より御苦労さまを申し上げる次第であります。また、サポートされた消防職員の方々にも心より御苦労さまを申し上げます。
さて、さきに通告いたしております件について質問を申し上げます。
本市では、平成15年から19年まで5カ年の財政危機のりきりプランを実施されております。その戦略プランの数値目標、19年度末での実現目標値として、経常収支比率の85%、起債制限比率の14%未満、それに人件費の抑制、そして財源の確保、各市税ごと、税目ごと98%以上を確保する、それに向けて頑張っておられるわけでございますが、2年目に当たり、その見通しをお聞きしたいと思います。
次に、第3次行政改革大綱の中の三つの基本である、民間委託の推進の進捗率、そして職員数の抑制の見通し、不要不急財産処分の取り組みの状況等についてお尋ねをいたします。
次に、定住人口対策についてでございますが、6月議会で初めてこの質問席に立たせていただきました。市長には思いやりのある明快な御答弁をいただきましたが、初体験が先に立ちまして、思いの5%も目標達成できませんでした。再度、本市の定住人口対策及び安価な宅地の政策について御質問を申し上げます。
第4次総合計画及びマスタープランの中でも定住の促進及び拡大は非常に重要な課題であるとうたわれております。市の発展を支える土地政策については、「計画なければ開発なし」を基本理念とし、「土地利用基本計画を策定する必要がある」とあります。私は、中・短期的に見ても、大変大事な本市の基本であると考えております。近い将来、近隣の自治体が大幅に人口を減らしても、本市だけは人口の減りを最小限に食いとめながら市勢の発展を目指すため、今からその施策が必要と考えますが、市長のお考えをお尋ねいたします。
次に、構造改革特別区域の指定を受けて、本市の都市計画及びマスタープランの計画の実現を目指すということで、用途地域及び都市計画区域の見直しの検討を推進することがマスタープランの中にありますが、私も当然時代の進化に合わせて見直しを行い、市民の負託にこたえるべきと考えます。現在国が打ち出している構造改革特別区域の指定を受けて、その見直しを行えないかと考えますが、市長及び当局の考えをお尋ねいたします。
次に、農業政策でございますが、本年度より米の生産数量配分方式に変わりました。売れる米産地と売れない米産地とでは翌年からの配分数量に差が出ることとなり、ますます売れる産地を目指さなければならない時代に入りました。売れる米産地としての振興策をお尋ねいたします。
本市農産物のPRの件でございますが、本市の米を初め野菜その他の果物にしても、大変おいしいものが生産されております。耕畜連携循環型農業の最先端的に、本市では堆肥の購入に当たり、車1台当たり 3,000円の補助政策を実施されております。現在 132ヘクタール分の供給実績とのことで、私は非常に高く評価を申し上げる次第であります。このすばらしい政策をさらに一歩、全国の自治体に先駆けて進めていく必要があるだろうと思っております。野菜にも果樹にも対応できないか、御質問を申し上げます。
おいしいものがたくさんあるが、なかなか山形及び東北の方はコマーシャルが下手だということがよく言われております。年間、各農家から出荷される贈答用の箱の数は相当の数と考えられます。農林課及び商工観光課が一つになって、市内観光のイベントや宣伝のチラシを作成し、JA及び農家の協力を得ながら、その箱の中に入れてもらえば、相当の宣伝効果が全国に出るものと思われます。そこで、本市の農産物の安全・安心のPR策とあわせてお尋ねをいたします。ひとつよろしくお願いを申し上げます。
○議長  ただいまの質問に対し答弁を願います。 市長。
 〔荒井幸昭市長 登壇〕
○市長  2番田中議員の御質問にお答え申し上げます。
 初めに、第3次行政改革大綱の現在までの取り組み状況ですが、その前に財政指数ということで、経常比率85%、制限比率14%内を守れるかどうかというお話を賜りました。9月議会で15年度の決算について申し上げた経緯がございます。経常比率で89.6%、制限比率で13.1%というふうに決算の中ではなってございますが、これからの見通しは、歳入が分母になるわけなんですが、三位一体改革等で分母が小さくなって、分子、出る金が大きくなれば、当然数値的には悪化するだろうと、このように見込んでおります。ただ、頑張って知恵を出して何とか制限比率を14%台に抑えないと、自主起債ができなくなるということになれば、いろいろな事業に支障が出てくるので、その辺はきちっと数値等をにらみながら財政計画を立てていきたい、このように思うところであります。
第3次行政改革大綱の今までの取り組みの状況でありますが、本大綱は平成14年度から18年度までの5年間の計画として策定いたしまして行政改革に取り組んでおるのは御案内のとおりでございます。まず、可能な分野の委託の推進、その結果職員をふやさない、不要不急財産の処分、これを大綱の基本方針として推進しているものであります。
現在までの取り組み状況につきましては、今月の市報で、16年度上期の主な取り組みについて、職員数の適正化と補助金の抑制等について、具体的に市民の皆さんにお知らせをしたところでございます。本大綱は行政改革の指針となる5年間の行動計画として市政全般にわたる広範な分野について取り組んでおりまして、実現可能なものから積極的かつ効果的に推進をしてまいりますので、これからも御協力そして御理解を賜りたいと思います。
2番目の定住人口対策についての1点目、短・中期的なビジョンについてでございますが、第4次総合計画では、平成22年の目標定住人口を3万 6,000人としておりますが、交流人口を含める場合には人口を3万 9,000人と見込んでおるところでございます。
ちなみに、平成12年の国勢調査に基づく国立社会保障人口問題研究所が公表しました人口推計では、平成22年には3万 4,233人と統計上、推計を出しておるようでございます。また、30年後には2万 8,546人という人口が出されておりますが、私は常に他市に先駆けまして、乳幼児保育センターの開設やすくすくサポート事業の実施、就学前乳幼児の無料医療制度などの対策、それから学童保育の対策など、少子化対策をきちっと実施いたしておりますから、先ほどの御質問にもお答えしたとおり、今後も、30年たっても、これらの事業をしっかりと継続してまいるならば3万人は切らないだろうと、このように考えているところであります。
安い宅地政策につきましては、6月定例会の一般質問の中でも答弁をさせていただきましたが、基本的には計画的な市街地整備を図り、ゆとりと潤いのある定住環境の形成を推進して、「住む魅力」を高めていくことが重要な課題だろうと、このように認識をいたしているものでございます。
本年度においては、山形県住宅供給公社が分譲している赤湯駅西住宅団地で6区画が販売されておるようであります。また、民間開発の事前協議も行っているところであります。
今後とも、安い宅地の提供につきましては、「住む魅力」を高める中でさまざまな角度から検討してまいりたいと思っておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
2点目の特区、特別区域認定を受けての都市計画及び人口対策等の計画についてでございますが、いわゆる構造改革特区は、経済の活性化のために規制改革を行い、民間活力を最大限に活用するため、地方公共団体等の自発的な立案によりまして、地域の特性に応じた規制の特例を設け、地域における構造改革を進める制度でございます。
議員御提案の趣旨からいたしますと、農地の有効利用増進事業等が想定はされますが、現段階では予定はございませんので、御理解を賜りたいと存じます。
なお、いろいろな具体的な事例があれば御提案いただければ、我々当局としても関係機関なり関係者と相談して検討してまいりたいと考えておるところでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
次に、農業政策についての1点目、今後売れる米の振興策についてでございますが、御指摘のとおり、米の生産調整が、これまでの減反面積配分から生産数量配分に変わりまして、今後は「売れる米づくり」が水田農業のキーワードでなかろうかと、このように思う次第でございます。売れるためには、消費者の動向を十分考慮した、安全で安心な、しかもおいしい米であることが第一に求められていると思いますが、今年度より、市単独の事業として、先ほど議員からもありましたように、「安全安心型農業振興支援対策事業」として、畜産農家の生産する堆肥を水田に投入した場合、一定の補助をするほか、堆肥の分析や、無農薬や無化学肥料栽培による有機栽培や特別栽培を促進するための 
補助制度を実施いたしたところでございます。初年度のことしは、堆肥を投入した米づくりが 130ヘクタール程度に達しまして、環境にも配慮した有機的な栽培の推進によって、安全で安心な、そしておいしい米づくりのために一定の役割を果たしているのではないかと、こんなふうに思う次第でございます。
2点目の本市農産物の「安全、安心、おいしい」のPR策についてでございますが、本市農産物の置かれている立場については、一つに全国ブランドの農作物はサクランボのほかはごくわずかに限られておりまして、本市農産物に関する認知度はまだまだ低い状況ではないかと思います。
二つ目は、輸入、量販店、調理食品、外食、産地宅配便などが増加し続けていることによりまして産地間競争がますます激化いたし、同時に流通形態が多様化しているということも認識をする必要があるのではないかと思います。
それから三つ目に、国民全体の価値観や生活様式の変化も手伝いまして、消費者の農作物に対しての健康、安全、安心意識が高まっていることも事実でございます。
そのほかの課題もありますが、おおむね以上の課題認識を踏まえた消費拡大などのPR活動が重要であると思います。特に、消費者の求める「健康、安全、安心」は最も高い関心事であるわけでありますから、行政と農業団体が、減化学肥料、減農薬や有機農業などを推進し、出荷前は事前分析事業を実施いたしているところでございます。
現在、県産品が安全、安心な農産物であることを県の展開する「おいしい山形」プランの推進機構で行っております。市もその一員として、年3回開催しております南陽市農業祭や新潟市や首都圏で開催するイベントにおいて、南陽市産農作物の安全性とおいしさを積極的にPRいたしておりますので、議員各位のさらなる御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。以上でございます。
○議長  再質問に入ります。
2番田中貞一議員。
○田中貞一議員  それでは、再質問させていただきます。
 6月に続き、また定住人口ということを取り上げさせていただきました。今現在、赤湯駅近くの借家に住まわれている若い三、四十代の夫婦の方々で、よそから来ておられる方々がたくさんおられます。私は消防関係で西置賜の団長さんなんかとも話をするときがあるんですけれども、「またおらのところの若い人、おまえのところに行った」というようなことがあります。南陽市に入ってきている、そしてその人たちが将来家を建てて南陽市で暮らしたいときに、なかなか10万円未満の土地がないということで不動産屋に相談すると、高畠町に行くと六、七万円であるということで、高畠駅かいわいを紹介されるという実例があるんだそうです。
そうしますと、ただでさえ南陽市が高齢化がずっと高くなってきているわけでございますので、若い人に南陽市に安い土地を求めて家を建ててもらって、そして子供をいっぱい産んでもらうということでいきますと、非常に市の将来が力強いものになるというふうに私は考えます。年寄りばかりの時代になりますと消費活動も鈍りますし経済の方も大変になるということから、何とか荒井市長のうちにこういったことの基本をしてもらいたいということで2回連続で質問させていただいたわけでございます。これからいろいろな中で御検討いただきたいと思っております。
あと、農業の問題なんですけれども、現在、エコファーマーなりなんなりという難しい片仮名の用語のタイプのものがいろいろ出ております。そんな中で、11月1日から畜産関係で堆肥の野積みがだめだということで、補助事業を受けながら、その施設を全国どこの畜産農家も導入したわけでございます。そうしますと、いずれ全国どこの自治体の中の畜産農家も堆肥が余ってくるという現状が目に見えております。そうしますと、今南陽市でせっかく車1台 3,000円ずつの補助金を出しますよというすばらしいこの政策も、ほかの自治体も恐らく追いかけてくるのは時間の問題だと思います。
そんな中で、もう一歩先にその政策を進めていただいて、今市長から答弁あったように、有機、減農薬、減化学肥料といったような、南陽市の農産物をブランド化するような高いレベルに、ハードルを高くして、そこに設定するような政策というものが、経済団体の指導もあわせて、その辺に持っていっていただければ、非常に将来の南陽市の農業が力強く、いい農業ができるのではないかと思います。そんなことで、もう一度その辺もお願いしたいと思います。
また、PRの方ですけれども、東北の方は宣伝が下手だということがよく言われます。農林課及び商工観光課あたりが、特に商工観光課では今回菊まつりの中でも大分入場者を減らしておりますので、南陽市の年間のイベント、南陽市の紹介などを含めた、小さいチラシでいいと思うんですけれども、そういったものをJAそして農家の方々に協力をもらいながら、贈答品の中に南陽市の宣伝を入れてもらうというようなことを、印刷代だけでできる安い宣伝方法だと思いますので、御提案を申し上げますので、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○議長  ただいまの再質問に対し答弁を願います。
 市長。
○市長  まず、定住人口をふやすには、南陽市は非常にいい場所にあるようです。例えば、長井に通う、山形に通う、あるいは米沢でも、非常に中間的な場所でありますし、国道を含めた道路網の整備も進んでおりますから、非常にいい住宅環境にあると思います。
 ただ、議員御指摘のように、やっぱり土地が、10万円以下の土地というのはなかなかないようでありまして、その辺をどのような形で解決できるか、これが一番大きな課題だろうと考えざるを得ないわけです。定住人口がふえなければ、御指摘のとおり、やっぱり高齢化に一段と拍車がかかるということも承知いたしております。これからどういう形で宅地を安く求められるのか。大分土地の単価も安くなりつつありますが、やっぱり古いところを売って建てるという場合と違って、新たに土地を購入して住宅を建てるというのは、かなりの負担を伴うことであって、大変な気持ちも理解をいたしております。ぜひ、人口減少に歯どめをかけるためにも、そういうPRをしながら、南陽市の環境、あるいは通勤の区域も一番いいところにありますから、頑張っていきたいと思います。
それから、農産物の御指摘をいただきました。送る場合に、年間イベント、行事予定をその中に南陽市として入れたらいいんじゃないかというふうなお話を賜りました。いいアイデアだと思います。ただ、行政だけでできる課題でもございませんから、関係機関とも相談をしながら、そうしたい。
前にある議員からもこの議会の場で、ブドウの箱に南陽市のPR的なものも印刷できないかという声をいただきましてJAと相談しましたが、いろいろな不都合な面もありまして結果的にはできなかったということもありますが、なお前向きに年間イベント計画表なるものをどういう形でできるか、関係機関と煮詰めてまいりたいと考えておりますので、これからも御指導、御協力をお願いしたいと思います。
 あと、堆肥等の問題がありますが、南陽市はいち早くそういう手だてをさせていただいて御理解を賜っていることを大変心強く思いますが、今後の課題として、議員御指摘のとおり、全国的にそういう施設をつくらないと畜産できない状況下にあるわけですから、堆肥が大幅に余ってくるような過剰供給の形になることも当然だろうと思いますが、どういう形でそれらをクリアしていけばいいのか、研究課題、検討課題として担当課の方で検討し、畜産あるいは酪農組合なんかの御指導をいただきながら前向きに対処していきたいなと考えておるところでございますので、御理解と御指導をお願いしたいと思います。私からは以上です。
○議長  再々質問に入ります。
 2番田中貞一議員。
○田中貞一議員  それでは、再々質問ということで、一つ、市長は土地政策の中で、仕入れ単価が高い、10万円未満の土地はなかなか出ないということであります。私はインターネットなんかで特別構造改革特区などの資料を引っ張っていろいろなことを勉強してみたんですけれども、福島県須賀川市では「しあわせ定住特区」ということで、都市計画法令を云々ということで出ているんです。構造改革特別区域認定を受けて、今の都市計画、南陽市 800何十町歩の用途区域の中のまだ 200町歩ぐらいが農地のままだということがありますけれども、残っている 200町歩を宅地造成すると思うと、仕入れ代が高くて、当然3倍もかければ10万円を突破するというのはわかります。ならば、構造改革特別区域の認定を受けて、都市計画法及び農地法の特例などを受けながら、その周辺あたりにも新しいそういったものの計画を持っていけないものかなと思っているんですけれども、その辺どうでしょうか。
○議長  それでは、ただいまの再々質問に対し市長より答弁を願います。
 市長。
○市長  今初めてそのような都市計画法の問題なり農業の法律の問題なり御提言いただきました。私自身まだ詳しくそういう住宅特区的なものの知識がございませんでしたので、恐らく非常に難しい問題をクリアしないとできないだろうという認識は持っておりますが、せっかくそういう御提言をいただきましたので、担当課の方に、どうすればできるのか。今のお話では、恐らく一つの課ではできませんね。都市整備課もあるし農林課もあるし、農業委員会なんかもまた関連があるわけですから、総体的にどういう形でできるかどうか検討をさせたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。以上です。
○議長  了解ですか。(「ありがとうございました」の声あり)
 ただいまの再々質問をもちまして、2番田中貞一議員の一般質問は終了いたしました。
 以上をもちまして、通告されました5名の一般質問はすべて終了いたしました。まことに御苦労さまでございました。