五十嵐   諒 議員 質 問
○議長  次に、20番五十嵐 諒議員。
 〔20番 五十嵐 諒議員 登壇〕
○五十嵐 諒議員  20番五十嵐 諒であります。 私からは3点の問題について質問いたします。
 一つには、市長の施政方針と16年度予算についてであります。
今、日本の社会経済は悪路の一途をたどっております。構造改革を掲げて誕生した小泉内閣が総理となって2年半、日本の社会状況、国民の生活は、どう変化したのでありましょう。目に余る犯罪の急増、失業者と倒産の増、年間3万人を超す中小零細企業主と労働者の自殺の急増、日本国憲法と自衛隊法に明確に違反するイラクへの海外派兵、年金改正のさらなる負担の増加、そして地方交付金削減という弱い地方自治体への財政面からの締めつけ、日本の歴代総理の中で小泉総理ほど憲法の言葉の重みを薄くし、言葉をゆがめ、言葉巧みにごまかし、国民を操っている権力者はいなかったと思います。
しかし、このような政治の良識から外れた政治手法でもって国民と世界の国からの信頼を得ることはでき得ないと私は断言できます。
世界に「武士道」の著書を通じ日本の紹介、日本の心を広げた新渡戸稲造は、人間の道徳として「五常の徳」を紹介し、「仁」とは思いやりの心、「義」とは正義の心、「礼」とは礼儀、
礼節の心、「智」とは叡智工夫の心、「信」とは信用、信頼の心にあるとし、さらに「八つの徳」として、「忠」とは偽りのない心、「孝」とは親兄弟を大事にする心、「悌」とは年長者をいたわる心、これらの思いは日本人の「良心」
であり、武士道精神の「大和魂」にあるとしています。現代人である我々の中にもこの精神は脈々と受け継がれていることは大きな誇りであると思っております。しかし、残念ながら、今の日本の国の政治、小泉総理に、この武士道精神を見ることはできません。はかまの5本の線「忠・孝・和・愛・信」も、この「五常の徳」を意味しております。中でも武士道が「義」を最高の支柱に置き、為政者の良心、評価の判断にもなります。新渡戸稲造の武士道精神を日本の為政者に置きかえた場合、小泉総理の政策と政治手法をどう国民が評価するのかにありますが、余りにもひどい政治の流れになっております。
構造改革、国益といった美名のもとで、どっちが得かという打算主義だけの弱肉強食の政治になろうとしています。地方の経済、地方の中小企業者は悲痛の声となり、労働者の賃金は安くなるばかり、日本はおかしくなったという心配する声がますます大きくなってきております。自治体の8割が小泉改革によって悪い方向に向かっているとの回答は、小泉改革が言う、改革が進み景気はよくなっているとの国民への言葉とは裏腹の実態にあると思います。
こうした国民の所得の低下による市税の落ち込みとともに国からの地方交付税と臨時財政対策債が大きく減額される中での南陽市16年度一般会計 123億 9,800万円、前年比較マイナス11%の予算編成は大変であったものと、その苦労をねぎらいたいと思います。
これまでにない厳しい財政における市長の施政方針の考え方、予算の組み方に賛同する立場で、次の点を質問いたします。
補助金を減らし、税源を国から地方に移す国、地方財政の三位一体改革に対して、市長は責任者としてどう評価をされますか。
二つに、今後の自治体の目指すべき方向として、施政方針にあるハードからソフト事業への転換を進めていく場合の基本方針をどうとらえておられますか。
三つに、財政対策要綱の方針として進めてきた繰り上げ償還、平成4年から15年までに総額49億 2,184万 3,000円に上っております。南陽市の財政危機を乗り切ってきた一つの要因として評価できますが、16年度からの繰り上げ償還の見通しをどう考えておられるのか。
四つに、まだまだ低成長が続く中における南陽市の適正なる財政規模の考え方についてお尋ねをいたします。
2点目には、協働のまちづくりと克雪対策について提言させていただきます。
ことしは、一般的予想に反して降雪累積が5メートルを超える大雪となりました。市民の皆さんの御労苦も大変であったものと推察いたしますが、職の任務に当たられた職員、早朝から除雪の業務に当たられた運転手の皆さんに感謝の意を表するものであります。
4年に1回回ってくるうるう年、市議会議員改選の年は、どうも大雪に見舞われる当たり年のようであります。南陽市は、2月9日、助役を本部長に「豪雪対策本部」を立ち上げ、今日に至っておりますが、設置しての教訓すべき課題をどうとらえておられるのか。
二つ目に、雪は大変厄介なものですが、雪は逆に東北人独特の人のよさ、人間性をはぐくんできた文化の味を持っております。四季の移り変わりのすばらしさにはいつも感動させていただく喜びをもらっております。しかし、やはり雪は厄介な品物です。特に近来、ひとり暮らしの高齢者の家庭がすごくふえてまいりました。何とかお互いに助け合う互助の精神を市民ぐるみで育てていく必要があります。私もいろいろな方々と話し合ってきましたが、ある地域では、夏でも普通車がやっと通れる道路を、この大雪の中でも車が通れるように、日曜日にはみんな協力し合って排雪作業をしているところもあります。お金も出し合って除雪機械を持っている方に油代程度を支払っているすばらしい地域もあるわけです。私は、こうした互助の精神で安全・安心の地域づくりを啓蒙していくためにも、労力以外に対する助成金制度を創設していく必要があると考え、提案するものであります。
三つ目に、私たちがこの雪と共生して暮らしていかなければならない運命である以上、互助の精神で雪と向き合っている地域、企業、団体などを評価していく上で「モラル評価制度」を検討すべきことを提案するものであります。
 3点目に、映画「おにぎり」の普及活動についてであります。
 斎藤監督が大変な苦労と危機を乗り越えられて、この映画完成に2年間の時間をかけてこられた情熱が見事に実を結ばれたことに、一市民として心から敬意を表させていただく次第であります。映画の内容もすばらしく、幾度も感動と涙をもたらしてくれた心に長く残る作品になると思います。監督みずからが「予想を超えるよい映画に完成できた」と語っておられるわけです。
市民の方には3日間上映し、 4,502名見られたわけですが、もっと多くの市民の方に見てほしかったと思う次第であります。私はこのすばらしい映画を子供たちに見せる機会を与えるべきと考えます。学校行事として、またPTA行事としてでも、親子で見る機会を与え、経費は行政でもって負担するぐらいの気持ちがあってしかるべきと考えるわけであります。
二つ目に、映画「おにぎり」記念館の建設並びに設置の検討をすべきではないかということであります。人もお金もかけて完成させた南陽の映画ですから、「一丁上がり」でなく、今後のまちづくり、お米という産業と町の活性化に結びつけていく作業が極めて大切ではないかと思うものであります。まちづくりに映画制作委員会の力をかりるのも一つのやり方でもあると思います。いずれにせよ、2年間ぐらいの期間をかけてプロジェクトによる夢を描いて市民に希望を与えることが、この映画の求めているところだと思います。
以上、3点について質問と提言を申し上げましたが、市長を初め市当局の元気のある御答弁を期待し、質問といたします。
○議長  答弁を求めます。
市長。
 〔荒井幸昭市長 登壇〕
○市長  20番五十嵐 諒議員の御質問にお答え申し上げます。
施政方針と16年度予算についての1点目、小泉内閣の三位一体の改革の評価についてでございますが、このたびの予算編成に当たりましては、地方交付税の大幅減額が大きな要因となりまして、歳入の伸びが見込めない厳しい予算編成作業でございました。
国、地方財政の三位一体の改革は、国から地方への補助金の削減、地方への税源移譲、国から地方に配分される地方交付税の見直しの三つをセットで実施することと言われておりましたが、現時点でも不確定部分を積み残した、将来の地方財源の安定確保を示し得ない内容でありまして、深刻な財政状況にある地方の立場としては不満の残る内容であります。私はこのようにとらえておるところでございます。地方の実情を反映されるものとなるよう、市長会など関係団体と歩調を合わせ、要望を行ってまいりたいと思います。
一方、地方自治体も厳しい三位一体の改革を乗り切る展望をみずから開く努力も必要でなかろうかと考えますので、今後とも御指導あるいは御協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。
2点目のハードからソフト事業転換への基本方針についてでございますが、大規模な施設等整備につきましては15年度で大方完成の時期となりました。赤湯駅前交流広場、あるいは交流プラザ蔵楽、あるいは新生橋歩道、あるいは向山野球場の整備、大筋ハードの事業は完成となります。今後は、これまで整備した施設や社会資本をいかに有効活用してまちづくりを推進していくかが大変重要になってまいります。つきましては、市民皆さんが主体的に地域課題や活性化に取り組むソフト事業が求められるものと考えてございます。
予算編成の特徴として、市民との協働によるまちづくりの視点を重視いたしております。児童、老人、保健、福祉、救急医療、義務教育等のソフト経費が充実していることがおわかりいただけるものと思います。これらソフト事業を着実に推進し、日本一安全で安心なまちづくりを一歩一歩前進させるための予算編成でありますので、御理解と御支援をいただきたいと存じます。
3点目の平成16年度からの繰り上げ償還の見通しについてでございますが、繰り上げ償還の目的には二つがございます。一つは、翌年度以降の予算編成の公債費負担を軽減すること、もう一つは、公債費負担適正化団体になって道路事業等市民に直結した事業の推進にブレーキのかからないようにすることであります。
三位一体改革によりまして交付税等の巨額の減収は財政指標を軒並み悪化させます。そのため3月補正に繰り上げ償還を計上させていただいております。今後とも必要となるわけでございますが、今後の計画はそのときの状況判断を的確にしていきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
4点目の適正な財政規模の考え方についてでございますが、これまでも議会等で何回も申し上げているとおりでございまして、今後の税収あるいは地方交付税等をにらめば、 110億円程度が現在の財政力に見合った規模ではないかと存じております。しかしながら、一般財源が今後とも減少していくことになれば、そのレベルも下がるざるを得ないものと存じております。できるだけそうならないように英知を結集しながら努力はいたしてまいりたいと存じます。
次に、協働のまちづくりと克雪対策についての1点目、豪雪対策本部が設置されての課題についてでございますが、このたびの設置につきましては、平成5年度以来の設置となりました。豪雪対策本部設置につきましては、積雪状況や今後の降雪予想等を踏まえ、不測の事態に備えるべく速やかに対応をいたしたいものでございますが、今後に課題等を残さないよう万全の対策を講じておるところでございます。
3月に入りまして安心をしておったところですが、御案内のとおりでございますから、また専決処分等で、きょうあたりも全市、全地域を除雪しているものでありますので、その辺も含めて御理解をいただきたいと思います。
これからも安全・安心なまちづくりの柱の一つとして危機管理対策を講じてまいりますので、これもひとえに議員各位と市民の皆さんの御協力をお願いしないと行政だけではなし得ない大事な事項でありますから、よろしくお願いしたいと思います。
2点目の市民ぐるみの除排雪活動を目指した助成金制度の創設についてでございますが、市道認定路線以外の生活関連道路の除雪につきましては、県内他市町において3割から5割程度の助成金制度を設け対応をいたしておるところもございますが、当市におきましては、一定の基準を満たす路線については市の除雪計画に組み入れまして、除雪総路線 923路線のうち 277路線、 281キロのうち33.8キロの除雪を実施いたしております。このように、市道も含め市民生活に欠かすことのできない路線については、幅員が極めて狭隘であるなどの限られた箇所を除き、ほとんどの路線を市で除雪している状況にありますので、現段階では新たに助成金制度を設ける考えは持ってございませんので、御理解をいただきたいと存じます。
3点目の協働の克雪に向けた市民のモラル評価度の検討についてでございますが、冬期間における安全で快適な道路交通を確保するためには地域住民の方々の協力が不可欠であることは御承知のとおりであります。このため、除排雪作業時等におけるルールやマナーを守っていただくべく、これまで市報への掲載や各地域の除雪説明会等において市民への周知に努めてまいりました。
しかしながら、市内の現状を見ますと、地域挙げて協力していただいている地域もありますが、地域によってはかなりの温度差があることもまた事実であります。
今後は、先進的な協力事例等を具体的に紹介するなど、より市民の理解と協力が得られる方策について広く検討してまいりたいと考えておるところでございます。
次に、映画「おにぎり」の普及活動についての1点目、市内小・中・高校における無料映写会の実施についてでございますが、御承知のとおり、本年1月17日から19日の3日間、延べ12回、映画完成披露南陽市民上映会を市民会館で開催をいたしたところでございます。市民入場券は小学生以上の市民の方を対象にしたもので 5,739枚の申し込みがありましたが、議員御指摘のとおり、3日間で鑑賞された市民の方は 4,502人となってございます。鑑賞された市民の皆様からは非常に好評で、多くの感動の声が寄せられておるところでございます。
入場券の申し込みは、大部分は子供さんを含めた御家族での申し込みとなっておりましたが、上映会当日の入場者は圧倒的に大人の方が多かったようでございます。
このたびの市民上映会は小・中・高校生を含む全市民を対象に開催したということでございますので、今後小・中・高校生だけを対象にした上映会の計画はいたしてございませんので、御理解をいただきたいと存じます。
2点目の映画「おにぎり」記念館の設置検討についてでございますが、映画の普及については1月24日から県内劇場で先行ロードショーが1カ月以上にわたり行われているのを初め、2月中旬からは県内各市町村を会場にした地域上映会が行われております。現在、県内44市町村のうち半数の23市町村での上映会が決まっており、既に上映会を終了したところも数カ所ございまして、ほぼ県内全域で上映会が行われるものと思っております。
映画「おにぎり」制作委員会では、4月中旬からの全国公開に向けまして、現在準備を進めておりますので、ことしの春以降、全国各地で上映されていくものと期待をいたしております。
なお、議員御提案の映画「おにぎり」記念館の設置につきましては、いろいろな問題等も勘案すれば、現在のところ設置は考えてございませんので、御理解をいただきたいと存じます。以上でございます。
○議長  ここで、休憩といたします。
 再開を午後1時にします。
   午前11時59分  休  憩
───────────────────
   午後 1時00分  再  開
○議長  再開いたします。
 午前中に引き続き、一般質問を行います。
 これより再質問に入ります。
 20番五十嵐 諒議員。
○五十嵐 諒議員  先ほど市長から御答弁をいただきましたけれども、今回の三位一体の評価については、市長自身も極めて厳しくこの問題については評価をしているんじゃないかと、大変不満であるということと、関係団体としての強い要望を申し上げていきたいということも申し上げられました。
 現在、こういう状況の中で本当に私も市民の間をずっと回って歩いているんですが、予想以上ですね、経済の低下は。話を聞いてみますと、大変な企業の状況が考えられます。フリーターが 417万人ときのうテレビで言っておりましたけれども、給料なり賃金も切り下げの競争になっています。
そういう状況の中で、私は今回の新年度予算、大変考えた上での予算の編成だなと思います。今後、財政を乗り切っていくということで財政危機のりきりプランを実施していくということになるわけでありますけれども、経常収支比率については極めて、過去20年の中では一番高くなっているわけです。そういう状況になると思います。私の資料で言いますと、昭和59年で経常収支比率が92.6という数字が出ていますけれども、それ以上に高くなるのではないかというふうに思われますが、これは市長の責任じゃありませんから。本当に今の財政の国の状況も含めながら出ていますが、これを乗り切っていかなければならないというふうに思います。
そういうことを含めまして、今後の財政上の乗り切るための方策として、特に今回は市民に対するそれぞれの補助団体に対する削減というものをしないで、事業を絞って、さらには人件費の抑制というものを考えながら予算を組んでいるわけでありますけれども、私はそういった意味で本当に今後とも事業を最大限絞りながら市民へのサービス、そういうものを低下させない方向をしっかり打ち立てていかなければならないのではないかと。我慢するのは我慢するという方向を打ち立てていかなければならないと、こういうふうに思います。
そこで、今の働く労働者を含めて賃下げの競争になっていますけれども、こういう状況では景気はよくならないのではないかというふうに感じております。その辺で今後の南陽市でとるべく方策というのは、非常に中小零細企業の多いところでありますけれども、自治体として何か手だてをする方向があるのかどうかということを1点お聞かせいただきたいと思います。
あと、ハードからソフト事業への転換基本方針のところの問題なんですが、今後の大事な課題は、市長もおっしゃいましたけれども、ハードの事業をほぼ完成してきたと、ソフト中心にした今回の予算編成で今後進んでいくのだと、こういうふうになっているわけでありますけれども、そういう中でのソフト事業というものを進めていく場合に、どういうことを市民の中に広げていこうとしていくのかという課題があると思います。つまり、本当に市民同士が助け合っていくということがなければ、このソフト事業というのはなかなか進まない点が出てくるのではないか。人材づくりですね、特に、人づくり、人材づくりというものがそこから生まれていかなければならないというふうに思いますけれども、その辺の方策について、もう1点聞かせていただきたいと思います。
三つ目の繰り上げ償還の関係でありますけれども、これまで49億円ぐらい繰り上げ償還をやってきているわけですが、現在、南陽市にとって繰り上げをしていった方がいいという金額、どのぐらいあるのか。高い利子の部分がどのぐらい残ってあるのか、これをお聞かせいただきたいと思います。
最後の4点目の適正なる財政規模に関しては、 110億円程度と市長のおっしゃっている点でありますけれども、その辺の内容については私も詳しくはわかりませんが、財政規模としては今後低成長に入っていく場合にその辺の規模になっていくのかなというふうに予想されますけれども、何はともあれ財政の健全化というのがぎりぎりの段階でもきちんとやっていかなければならないというのが一番大きな課題だと思いますので、今後ともしっかり進めていただきたいものだと思います。
二つ目の協働のまちづくりの関係での克雪対策の問題でありますが、きょう現在までの累積積雪量は幾らぐらいになったのか、正確な数字がわかれば教えていただきたいと思います。
あと、私今提案しようといたしました助成金制度の検討ということですが、市長の今回の施政方針にもありますけれども、市長の施政方針については、今回は「あわせて市民と連携した克雪について検討してまいります」と、克雪のために市民と連携するという考え方を出されました。これは当然のことでありますが、やっぱり具体的にどうしていくのかということが問題だと思います。人間というのは不思議なものでありまして、言葉だけで「やってください」と言っても、なかなか実行には移らないわけですね。ですから、何らかのそこにリーダーシップというものがなければならない。さらには、市民にとって「行政がここまで考えてくれたから我々もやるんだ」というものがなければ動かないというふうに私は思うんです。労力はみんなボランティアでやるべきだろうと。
 例えば、狭い道路をやるにしても、なかなか冬の期間というのは難しいです。お年寄りは出てこれない、若い人たちが中心に雪片づけをしなければならないという問題が出てきますから。春から夏にかけては市民ぐるみで、例えば河川の掃除とかいろいろなことができますけれども、雪というのはやっぱりないですね、考えてみますと。これをどうやっていくのかというのは大きな課題になってくるんじゃないかというふうに私は思うわけです。
 ですから、実際、地域によってはそういうことをやっているところがありますから、例えば重機に対する油代を払ってお願いしているというところもあります。そういったものを生かしていくような方向を考えられないだろうかということなんです。これによって市民を啓蒙しながら地区でそういう話し合いができるようになってくれば、市民ぐるみで何とか雪の問題を考えるというふうになってこなければならないのではないだろうかと。今はやっぱり全部市におんぶに抱っこという考え方だと思います。市がしてくれないんだと。業者から言わせると、市民は余りにもわがまますぎると、こう言うわけです。市民からすると、業者がきれいに掃いていってくれないから困るんだと、こういうふうに言いますし、私はこれではいけないなというふうに思うわけです。ですから、そこをどういう話し合いによって、お互いに協力し合ってやれるようなスタイルをつくれるかどうか。また、特に狭い道路などについては、十分なる地域の中での地区ぐるみの話し合い、また隣組との話し合い、団体ごとの話し合いなどで、そういうものを啓蒙していく、リーダーシップをとっていくということが、やっぱり行政の役割じゃないかと思いますけれども、私はそういった意味で、決して高いお金を出せというわけではないのでありまして、そういう油代程度のものを行政で考えられないだろうかということでの助成金制度という問題でありますが、設ける考えはないと市長は御答弁になりましたけれども、もう少しこの問題について、じゃあ何らかの方向を持っておられるのかどうか、これをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
モラルの評価制度については、私はそういった意味で市報に紹介するとかそういったやり方でいいのではないかと思います。本当に協力し合ってやっているところをどう評価して、それを市民の中にアピールして、それをモデルにしていくという形が大事じゃないかというふうに思います。いずれにしても難しい問題ですが、私は取り組まなければならない課題じゃないかというふうに思っているわけです。
3番目の映画「おにぎり」の関係の問題でありますが、今回の映画を 4,000名以上の市民の方が見たわけでありますが、子供たちが見ていないという問題があります。日本の社会、21世紀を担うのは子供たちです。そういった意味で、こうしたすばらしい映画をやっぱり目に触れさせるということを私はもっと積極的にやっていいのではないかと思います。これは市長の考え方が物すごく大事なところだと思います。
例えば、学校でやりますと、別に市民会館まで来なくてもやる方法もあるわけですね。音響は少し悪くても学校の体育館を利用して、夜やれば幕も引かないでもやれる、親子一緒でもやれるという方法もありますし、安くやることができると思います。
そういうことをやって、日本で初めてお米の映画ができた、それも南陽市を中心にしてできたということですから、我が同僚の議員の子供も出演していますけれども、やっぱりすばらしい役割もやっているわけです。そういったものを評価してやっていくためにも、こういった企画を考えたら非常に子供たちもいいのではないかと思いますので。
あと、映画記念館の問題ですが、市長からは余りこれについては考えていないということなんですが、私は、「一丁上がり」方式というか、
そういうことでなく、今後の夢を描けないだろうかなというふうに思うんです。例えば今新しく建設するということでいくと大変なことになりますから、いろいろな方法がある。今ある館を利用してするということなども考えてもいいだろうし、民間の方で考えてもらうということもあるんじゃないかというふうにも思いますけれども、将来の考え方として、特に米の産業というものを大事にした、その中での「おにぎり」
の映画、この「おにぎり」という名称も私は非常によかったなと思いますけれども、これもやっぱり市民のアイデア、製作者のアイデアの中から出てきたものだろうと思うんです。やはり日本人独特ですね、この「おにぎり」という名称も、日本人が米というものにつながっていることも含めまして。
そういうことで、市民の手によるそういったものを私はもう少し夢を持たせるような方向を市長は考えてもいいのではないか。別にすぐに来年するとかなんかということではありませんから。今、非常に暗い世の中ですね。そういうときに、せっかくこういう出てきたものを生かしてやって、市民のアイデアを生かしながら、市民の手による記念館づくりみたいなものを考えていくとおもしろいんじゃないかなというふうに私は思います。
あともう一つ、これまで担当なされてきた渡部情報発信主幹がおられるわけですが、主幹は、2年間含めていろいろな人的つながりを持ったと思います。それをやっぱり行政マンとして、もっとこういうものを今後に生かしたものにつないでいくような役割を担ってもらう必要があるんじゃないかなと思うんです。市長はどうするかわかりませんが、4月から人事異動でかわりますけれども、すとんとかわっていくと、行政はそこで何でも終わりですね。ところが、やっぱりこういったものはつないでいって、行政も本当に夢のあるものに、まちづくりに、大きくつないでいくんだというふうになれたらいいのではないかと。その辺については要望ということになりますが、お願いしたい点として、これは自分として考えている問題ですが、御答弁をお願いしたいと思います。
○議長  答弁を求めます。
市長。
○市長  数多くの再質問をいただきまして、一応控えてはあるんですが、もし抜けたら、再度御指摘いただければと思います。
まず最初に、財政危機、三位一体のお話でございますが、三位一体は先ほど申し上げたとおりでございますし、人件費の抑制という言葉を使われましたが、私は基本的には三つの方針を守ることによって、職員の基本的な人件費に踏み切るというようなつもりは毛頭ございません。ただ、そうなると、議員心配しているように、市内の中小零細企業、非常に苦労いただいておりますから、その辺との整合性はどうなんだということでありますが、やはり企業努力の中で、それぞれの企業が前向きに経営をいただくというようなことで、我々もいろいろな制度を設け、利用いただきながら頑張っていただこうというふうに考えておるところでございます。
今、県内で人件費、四役あるいはその他のことで減額していないのは、南陽市、天童市、村山市、東根市くらいになりました。しかしながら、我々は格好いいように「いいですよ、じゃあ市長、2割カットしてください。助役、はい1割ですよ」と、そうやっても、結果的には四、五百万円のものしか浮かない。それよりももっとほかの面で知恵を出し合いながら頑張るという方が私はいいと思う。長井市の市長にせんだってお会いしたときに、「うちは議会の議員まで全部減額したんだ、全国で初めてだ」というお話を賜りましたが、そこまでしなくてもまだ南陽市の財政は何とかもっていけるという自信のもとに私は市政運営をしておるということをひとつ御理解いただきながら、今後も御指導いただきたいなと、こう思います。
それから、ハードからソフトへの転換ということでございますけれども、ハードの面がすべて終わったというわけではございません。大きな面ではほぼ終了したと思いますが、これからの大きな課題は、総合文化センターなり、あるいは中学校の統廃合の問題等も出てくるわけでありますから、すべてが終わったという認識ではなく、一時的にまだそれらを整備するまでには時間的な余裕がありますから、それらに向けてさらにどうするかということの構築を考えていく必要があるだろうなと。差し当たり、ここ三位一体、構造改革が16年度から初年度でありますから、そのような方向性を見きわめながら順次対応をしていく必要があるだろうと、こう思います。
それから、人づくり、人材育成についてお話しいただきました。協働のまちづくりは、やっぱり人材育成、人づくり、非常に大事な課題であることは承知いたしております。どういう形で人づくりをするのかというお話かと存じますが、それぞれのいろいろな分野で人づくりというものは私は違うのではないかなと、こう思いますから、あらゆる機会をとらえながら、例えば連合婦人会には連合婦人会の中での役割、人づくり、あるいは体協なら体協の中での人づくり、芸文ならば芸文の中での人づくり、あるいは区長会含めたいろいろな団体の中での人づくり、そういうものにお願いをしながら、画一的にロボット的な人づくりでは協働のまちづくりは進まないだろうと思いますので、なお一層そのような方向で頑張っていかなければならない、こう思います。
それから、繰り上げ償還のお話を賜りました。目的は先ほど二つほど申し上げたとおりでございまして、16年度以降どのくらいの繰り上げ償還をするか、できるかということは、まだ現在の状況下ではわかりませんが、ただ議員御指摘のような高金利の借り入れはほとんどなくなりました。今回はやっぱり制限比率なり、3月補正でも14億円入れると実質的に起債ができなくなりますから、そういうもろもろのことを考えながら、市民に直結した予算を組むために、あのような繰り上げ償還をさせていただいております。
一般会計ベースで言えば、大体 189億円の起債がありますが、そのうちの29億円は臨時財政対策債でいずれ国から交付税のかわりとして来て起こしたものでありますから、私が市長に就任したときよりもむしろ一般会計ベースでは、それを引けば、起債そのものは、減っているとはいかなくても、伸びていないというふうに御認識をいただいても結構なのかなと、こう思っております。
ただ、起債の中で一番頭の痛いのは、下水道です。もう既に 130億円になろうとしております。やはり下水道事業も環境をよくする重要なまちづくりの一つとしてやっておるわけでありますから、受益者の利用がないと、その分でやっぱり償還していかなければならないので、その辺が非常に頭が痛いなと、こんなふうに見ておるところでございます。
それから、2番目の克雪については、延べでどのくらいだということでありますが、ちょっと私承知してございませんので、担当の建設部長の方から答弁をいたさせたいと思います。
それから、狭い私道、要請があれば、毎回はできないにしても、議員言うように、そこに住む方々である程度やっていただきながら、どうしてもというときには市でお手伝いを今しておるのが現況であります。
ただ、狭いゆえに、家も建っておりますから、自分たちの屋根の雪だけでも非常に四苦八苦しているというのが現況のようでありますが、小型の歩道除雪をするような機械をまた1台ふやす予定でいますが、そういうものを導入しながら対応をしていきたい。
ただ、ほんの経費を、ガソリン代なり何か払えばやっていただけるというふうなことになれば非常にありがたい、真の本当に協働したまちづくりになろうかと思いますが、いろいろな問題点もあるようでありますから、施政方針の中で述べておるとおり、市民と協働した克雪づくりをさらに検討を重ねてまいりたい、このように思いますので、何かあれば担当の方でも私の方でも御指導いただければ大変ありがたい、参考になるだろうと、こう思っております。
それから、市内の小・中・高校生に体育館でいいから映画を夜見せろということでありますが、やっぱりこれは強制するものでもないだろうと。特に、3日間、12回にわたりまして、市民の皆さん、どうぞということでありましたから、夜もやりましたし、休みの日もやっておりましたから、学校で見せれば少しは余計集まるかと思いますが、教育上の問題等もあるようでありますから、その辺は教育委員会の御判断をいただきながら、各学校全部、15校、南陽高校を入れて16校というのはちょっと難しいだろうと、こんなふうに思います。
何か集まる機会があればやれるのかなという気はしますが、反面、果たしてどうなのかなという気持ちもいたしますので、なお教育委員会と煮詰めながら、どういう形でできるのか・できないのか判断をさせていただきたい、このように思います。
映画「おにぎり~アルカディア物語」、私も12月15日、山形市で見させていただきました。感動する場面があります。
「おにぎりの日」と「おむすびの日」は別だそうですね。「おむすび」というのは関西の方で使う言葉だそうです。1月17日、阪神・淡路大震災、そのときにおむすびで助かったから、関西の方はおむすびの日。おにぎりの日というのは、6月18日か24日あたりだそうであります。いろいろ勉強をいたしておりますが、映画そのものは非常に感動したということは議員と変わらないわけであります。
それからもう一つ、記念館ですが、どこに置くかは別にして、写真、例えば、「これは南陽市に上げますから、これは展示いただきたい」となれば、展示する場所はたくさんあろうかと思います。「えくぼ」あるいは今やっております「交流プラザ蔵楽」とか、いろいろな面でできるかと思いますが、議員の考えているような記念館としての位置づけはちょっと難しいだろうと、こういうふうに思います。
なお、来週に映画制作協力会あるいは実行委員会、解散式がありますから、恐らく、議員のきょうの御質問をいただいて、どういう反応を示すか、実行委員会、協力会の方々、終わって懇親会がありますから、懇親の席で意見を拝聴するのも一つの前向きに検討することかなと、こんなふうに思っておるところでございます。
それから、人事につきまして、情報発信主幹、もったいないからどうのこうのとありますが、本人にすれば、果たしてそれを望んでいるのかどうか、あるいは市の人事組織として、いつまでもそういうあり方でいいのかどうか、その辺も大きな課題でありましょうから、これはあくまでも要望だということでありますので、要望におこたえできるかできないか、今のところ検討したことがございませんので、これから人事に関しては検討、議会が終われば検討に入ると思いますので、助役、総務課長もここに出ているわけですから、議員の御指摘を受けてどういうふうに判断するのか、どういうふうに最終的に私の方に持ってくるのか、その辺でひとつ判断をさせていだたきたい、このように申し上げて答弁としたいと思います。
○議長  山口建設部長。
○建設部長  お答えいたします。
 現在までの降雪量でございますけれども、きょうの朝までですけれども、5メートル59センチになってございます。
また、参考までですけれども、平年ベースでいきますと4メートル59センチとなっておりますので、今年度は1メートルほど多く雪が降っているということになっております。
なお、最大積雪量ですけれども、1メートル20センチでございました。
○議長  再々質問に入ります。
20番五十嵐 諒議員。
○五十嵐 諒議員  財政上の状況については、人件費というのは生に給料を下げらせたりなんかするというのは私はやるべきでないという考えです。ですから、職員数をできるだけ抑制する、そして健全財政に向けて事業も絞って、将来の若い人たちに負担のかからない方向を今から手だてをしていくという危機プランをしっかりやっていくということが大事なことだろうと思います。
 それで、雪の問題も同じなんですけれども、私は安全・安心なまちづくりという市長の今回の条例上もあるんですが、私はやっぱり一番大切なのは互助の精神をつくるということが一番の基本じゃないかというふうに思うんです。だけど、一番難しいですね、これを実際やろうとすれば。しかし、我々、互助の精神というのはお互いに心は持っているわけです、だれしも。小さなものでも何でもみんな互助の精神をやっています。しかし、雪という問題でそういうことを考えますと、物すごく労力が要ります。この辺が非常に難しいところですね、雪というものを考えたときに。
 ですから、助け合いのまちづくり、安全・安心なまちづくりのことを考えたときに、そういうものを私は挑戦してみた方がいいんじゃないかと。市長は本当に日本一を目指すわけでしょ、そういうものを。挑戦するなら、私はそこに挑戦していくべきじゃないかというふうに思うわけです。一番難しい課題のところに。私は、雪の問題に取り組んでいけば、いろいろなものに助け合いの精神というのが生まれてくるんじゃないかというふうに思います。しかし、これは並大抵なことじゃありません。私もそう思います。ですから、方策をやっぱりびしっと市が打ち出して、そして市民の協働の参加のまちづくりというものを具現化させていくということが必要だろうというふうに思いますので、その辺での助成金のやり方について、実際今地域でやっているところを参考にしてみる、そういう人たちの意見を聞いてみる、そして行政でそれを生かせるかどうかということを検討していただきたいと私は思うんです。その辺から何か芽が出てくるんじゃないかと私は思いますので。
 もう一つ最後に、映画「おにぎり」の関係の問題では、子供たちに学校で映画を見せることについては私はいろいろな方法があると思いますから、15校全部でしなくて中学校と小学校を一緒にすることもできますし、さまざまな方法があると思いますので、お金をかけない方法を考えながら、やっぱり子供たちに見せてやった方が市のためにもなるなと、こういうふうに思いますので、御検討をぜひお願いしたいということです。
あとは、記念館づくりの関係については、会館にするのか、今ある一つの館を利用して中身をスイッチしていくのか、いろいろな考え方があると思いますけれども、せっかくこういういいものをつくり出したのですから、それをさらに市民の中に、さらには全国の中に、南陽市に来たときにそういうものを見せられる、また産業ともつないでいける、単なる記念館の設置だけでなく、産業ともう少し結びつけた考え方をできないだろうかと私は思います。私が思うに、そういうところは高畠町が非常に上手なんですね。だから、私も南陽市もそういうところをどんどん考えて、されるような方法を一歩ずつやればいいなと思いますので、これは私からの強い要望ですということを申し上げさせていただきたいと思います。以上です。御答弁していただくようお願いします。
○議長  市長。
○市長  克雪に関しての互助の精神、こういうことが市民の間で自然的に芽生えてくれば、これにこしたことはない。私、新年度、職員にも、あるいは「新春なんよう」でも申し上げました。今はこういう時代でありますから、市民が行政に何を望むかという時代じゃないんだと、市民が行政に何をできるか、そして行政と協働して何をなすべきか、その辺の模索をしっかりとしてほしいということを申し上げました。いた市民の皆さんには非常に共感をいただきましたので、そのような方向づけでこれからも頑張っていく必要があるんだろうなと。
すなわち、協働も互助の精神もせんじ詰めれば一つの同じ課題だろうと、こう思いますし、同じ目的に沿ったものだろうと。克雪に限らず、安全で安心なうるおいのあるまち南陽の構築のためには、ぜひ必要なことでありますから、議員にも御指導をいただきたい。
助成金さえ出せば何とかなるという考えじゃなく、もう少し中身を突っ込んで、互助の精神、精神的にどうするのか、その辺も大事でなかろうかなと、こんなふうに理解をしておりますので、よろしくお願いをしたい。
あと、強い要望と、映画。記念館は当然無理だろうという答弁をしておりますが、パネルとかいろいろなあれがあれば、先ほど来、申し上げているとおり、展示しながら、観光客なんかにも見ていただければ大変いいことだろうなと。すべてがだめだというふうに私言っているわけではございませんので。ただ、記念館としての、議員も記念館でなくてもいいんだということになれば、どういう形でできるのか、製作者側とも打ち合わせをしながら、じゃ、いつ、あるいは何周年にやろうとか、常設でいいのかどうかも含めて検討をさせていただきたいなと、このように思います。以上です。
○議長  御苦労さまでした。