長 嶋   茂 議員 質 問
○議長  次に、9番長嶋 茂議員の一般質問に入ります。
 9番長嶋 茂議員。
 〔9番 長嶋 茂議員 登壇〕
○長嶋 茂議員  9番長嶋 茂です。
 既に通告しております2点についてお伺いします。
 まず最初に、ハイジアパーク南陽、現在の状況についてをお伺いいたします。
 本件は、南陽市の第三セクターである株式会社ハイジアパークが平成4年8月に営業を開始して以来、既に12カ年を経過しようとしております。皆様も御存じのとおり、ハイジアパーク南陽は、山形県の「アルカディア構想」の一環をなす「南陽クワポリス構想」に基づき、クワパーク整備モデル事業の指定を受けた事業実施主体として、平成3年6月に南陽市や日本交通公社、日鉱共石、地元財界などの出資により設立され、現在に至って営業なされているものと思います。
当初の目的は、住民の福祉の増進と赤湯温泉、引いては市全体の活性化を進め、また市民の皆様には末永く美貌と健康を保ちながら幸せな生活を送るようにと多額な投資をして、立派な保養館として運営努力されていると思います。
 しかしながら、一般市民が気楽に入浴できる条件ではないのではないでしょうか。
平成5年に日本開発銀行調査部副長丹羽由一さんの運営に関する経営診断の説明会があったことを思い起こしてみたいと思います。第三セクター形式による観光レクリエーション型の事業は立地・コスト面からして元来採算ベースに乗りにくい性格のものであり、全国的に見ても、当分野における黒字決算の第三セクターはごく一部に限られていると申されています。また、採算性と公共性を両立させ得るシステムではあるが、これはあくまで理念上のことで、現実問題としては相反する要因である。料金を安くして採算をとるなどということは、よほどの条件に恵まれない限り不可能な机上の空論である。住民サービスを重視するのであれば、企業採算に関しては目をつむり、かわりに事業継続に必要なだけの行政援助をしていかなければならないとの診断ですが、そこで質問させていただきます。
一つには、当初入館者年間目標20万人、現在では14万人前後の入館者のようですが、各種組織のイベントに出席の人も入館者に含まれていると思われます。それでも入館者増とならない理由について検討なされていますか。また、その検討内容等についてお尋ねします。
二つには、経営状況報告書によると、入館者数と入泉者数とは異なっているようですが、入館者と入泉者の割合はどうなっていますか。また、会員券の販売状況についてお尋ねします。
三つには、平成4年に地方債を受け、多額な資金により立派な保養施設を建設、今日に至っております。地方債の償還方法は、借入先の融資条件によって、据え置き期間短縮、繰り上げ償還、低利な借りかえ等により償還しておりますが、現在の借り受け状況についてお尋ねします。
四つには、県内44市町村各地に温泉がわき出ている中での営業は難しいものと思われます。県外から誘客はどうなっていますか。また、市内はもちろん置賜全域からすばらしい保養施設を利用していただくには、料金の問題もあるのではないでしょうか。大幅な入泉料金の見直しの考えはあるのかどうかをお尋ねします。
2点目に、白竜湖保全環境整備について。
この件については何度も要望を申し上げ、環境整備に努力をいただいていることに感謝いたします。
 現在は、環境の中で水と自然を大切にする姿が大事とされています。白竜湖は我が南陽市にとって大切な宝の湖水なのです。そこで、白竜湖の私最後の質問といたします。
一つには、昨年、雑草を大分取り除いていただき、白竜湖の湖水も清き波が打つようになりました。それも市当局の努力と市民皆様の願望が理解されたものと思います。しかしながら、いまだに部分的に残されております。継続事業として本年も取り除き、きれいな湖水にする考えはあるのかどうかをお尋ねします。
二つには、平成4年には「農村景観百選」に選定されていることもあり、平成6年に白竜湖保全整備構想(素案)を作成しまして、保全整備構想懇談会にて答申をいただいた基本構想に基づき今後も環境整備を真剣に取り組むべきと思うが、どのような計画で実現するのかお尋ねします。
以上のお尋ねに対し意のある御回答を御期待申し上げ、私の質問とします。
○議長  答弁を求めます。
市長。
 〔荒井幸昭市長 登壇〕
○市長  長嶋議員の最後の質問だそうでありますから、心を込めて懇切丁寧に答弁をさせていただきたいと存じます。
初めに、ハイジアパーク南陽の現在の状況についてでございますが、入館者増にならない理由であります。強いて言うならば、現下の経済情勢や御指摘受けました類似施設の増加等によりまして集客の確保が極めて厳しいということであります。
 平成9年度の17万 8,000人をピークに、若干の増減がありますが、現在ここ数年間は15万人前後で推移をいたし、ピーク時から見れば減少傾向となっていることは否めない事実であります。このため、会社内部に「販売促進検討会」を設置しながら、魅力ある商品の開発や接客の丁寧なもてなし対応、あるいは営業活動の内容・方向性について検討をいたしておるところでございます。
この検討内容の一つは、市外・県外の誘客活動の強化推進でありますが、ハイジアパークを他の観光施設との中継施設と位置づけての商品開発、家族・高齢者のための「ゆったり・のんびり」温泉商品の提供などを行っていくことではないかと思います。
二つ目は、市内に向けた市民の保養と健康増進に寄与し、あわせて利用拡大を図る方策として、各種競技大会の開催、季節ごとのイベントと娯楽の提供を中心に展開していくものとしております。
なお、営業活動の強化はもちろんのことでありますが、市及び観光関係団体とも連携を図りながら、旅行エージェント訪問や企画セールスを実施しております。また、今後も強化していく予定でございます。
2点目の入館者と入浴者の割合についてでございますが、全入館者数のうち入浴者割合は約75%程度となってございます。そのほかはレストランの食事等をとられる方々と思います。
会員券の販売につきましては、本年度分、1月末現在で92個人、 150家族、48法人の販売実績になっておるとの報告をいただいておるところでございます。
3点目の地方債の償還についてでございますが、ハイジアパークを整備するときに、事業費40億 2,712万 9,000円の費用を投じてございます。そのときの財源内訳を見ますと、市債が32億 2,560万円、それから一般財源が6億 152万 9,000円、そして共済からの借り入れが2億円でございます。現在、市債の分32億 2,560万円につきましては全額繰り上げ償還済でございます。残ってございますのが共済部分の2億円の部分が残ってございまして、この金額が 5,833万 9,000円が今共済組合に残っておるところでございます。
 本来、一括償還ということも視野に入れておったわけなんですが、こういう制度の資金は繰り上げ償還まかりならぬという厳しい条件が付してありますから、この分だけが残っておることを御理解いただきたいと思います。
4点目の県外からの誘客等についてでございますが、県外からの誘客活動につきましては最初申し上げたとおりでありますが、観光果樹園時期、あるいは市内神社等の参拝団を中心に、首都圏、新潟県及び東北近県等から多くのお客さまに御利用いただいていところであります。特に旅行エージェントからの送客数は、ここ数年増加傾向ぎみにあると報告をいただいております。
利用料金につきましては、いろいろ議会でも御指摘をいただいておるところでございますが、市内・市外利用者格差を是正するため平成10年から同一料金に改定をいたしながら、さらに平成12年度からは全日夜間料金を設定いたしておるところでございます。この料金設定につきましては議論のあるところでございますが、会社経営の根幹にかかわる問題でもあり、また最近数年間は何とか単年度収支が黒字計上となってきている状況等も踏まえまして、対応してまいる必要があるものと考えておるところでございます。
次に、白竜湖保全環境整備についてでございますが、長嶋議員、5回ほどこの白竜湖に関する質問をいただきました。おかげさまでその熱意が認められたと思い、県の総合支庁の中でも今取り組みをいたしておるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
その成果は、平成14年4月に総合支庁舎内に白竜湖保全対策プロジェクト会議の設置をいただきまして、さまざまな検討を行っていただきました。
 本年度は、県事業として湖水環境の現状把握のために年間を通した水質あるいは水文調査を実施していただきました。水門をつくりましたから、その流入や流出量の調査という意味であります。
また、7月と11月には、市民参加の白竜湖ワークショップを開催いたしました。
市におきましては、御指摘いただきました危険な状況にありましたボート小屋と桟橋を撤去し、菱についても除去作業を実施いたしました。
来年度につきましては、引き続きプロジェクト会議を中心として、水質及び湧水量の調査、ワークショップの開催等を予定しておりまして、菱の除去につきましても、白竜湖保全事業として今後も実施してまいりたいと存じます。
白竜湖の環境保全については、大谷地周辺を一体とした原風景の保全に努めてまいりたいと考えております。
また、永続的な保全管理につきましても、市民活動を主体としたさまざまな活動が重要となってまいりますので、多くの市民の皆さんに御協力をいただきたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
2点目の今後の環境整備に対しどのような計画で実現していくかについてでございますが、白竜湖の湖底が上昇し湖面が狭くなるなど将来の湿原化が心配されるということで、平成6年に策定しました「白竜湖保全環境基本構想」にしゅんせつや水門の設置等11項目の方策を掲げましたが、平成8年度に動植物生息調査の報告書が提出され、その中において「しゅんせつをすることは自然生態系を決定的に攪乱する」としてしゅっせつの実施は困難との結果が出され、白竜湖保全整備基本構想は中断した経緯がありましたことは御承知のとおりかと存じます。
その後、新たな組織をつくり、別の方策を探るということで、平成9年10月に第1回「白竜湖保全整備推進協議会」を開催し、平成11年7月の第3回の協議会において農業用水の確保という観点から水門1基を設置することを報告し、平成12年に工事着手、完成をいたしたところでございます。
今後とも関係機関、関係者と連携を図りながら対処してまいりたいと考えますので、今後ともよろしく御指導、御理解を賜りたいと存じます。以上でございます。
○議長  再質問に入ります。
9番長嶋議員。
○長嶋 茂議員 答弁ありがとうございました。 ハイジアパーク南陽について再質問をさせていただきます。
 私が議員になる前でしたが、クアアルカディア推進協議会という会に私も所属したことがございます。私は果樹振興会より参画させていただきましたが、各種組織の代表の方々が所属されておりました。勇退なされた議員の方も何人かおったわけで、現在の小林武夫議員も一緒だったと思います。
 宮城県の泉市、今は仙台市になっているそうですが、ハイジアパークと似た施設を視察してまいりました。その際に休憩所で昼の弁当をごちそうなって、そしてバスで帰ってきたわけでございますが、そのバスの中でいろいろな論じ合いが出ました。と申しますのは、ハイジアパーク南陽は20万人を目標として進んだわけでございます。それが、あの泉市では、開設以来半年くらいでしたが、5万人という数字が出まして、我々もびっくりした次第です。5万人ということは、南陽市が20万人という数字は何を考えているんだというようなこともあったわけです。ある議員が「いや、JTBがついているから大丈夫だ」というような太鼓判を押したことがございます。そういうことで、JTBさんが頑張って20万人は超すぞというような勢いがあったわけですが、その後、出向したJTBさんがお帰りになったりいろいろして、今JTBさんの力というのはどのくらいあるものか。
それから、取締役会のいろいろな方がおるわけでございますが、その取締役会の話し合いがなされているかということについてお尋ねしたいと思います。これは別途の会社だから別に関係なしと言われればそれまでですが、お聞かせいただければ幸せです。(「議長、質問内容ちょっと」の声あり)
 現在14万人前後の入館者なわけですね、そういう点についてと、それから経営内容、また、真っすぐ申し上げますと、源泉の借地料、これは市のものだから市がするのが当然だと思います。年間相当の額の借地料を源泉30坪に払っていることは確かでございます。そういう点においても、今は物価の低迷、それから土地の下落、そういう点からもして、その借り上げ料の値段交渉、契約はどの程度の年月がまだ残っておるのか。それから、やっぱり時代に相応した交渉をしているかということも市の当局にもお尋ねしたいと考えておるわけでございます。
それから、この間、ちょっと余談になりますが、ハイジアパーク会場にてスポーツ講演会があったわけでございますが、その際には入館した人たちは全部 500円ということで、私も喜んで 500円で入らせていただいて、確かに 500円というのはいい線だなと思ってまいりました。
 また、別の会合でも、同じく講演会の宴会があったわけですが、そのときは5時過ぎ 700円と。そのときに一緒に行った仲間の3人が、 
「 700円出すのだったら共同風呂に行こう」と言いましたが、私は回数券を持っていたので、回数券をお上げし、それで入浴してまいりました。「 700円出すんだったら共同風呂に行こ 
う」と、余りにも高過ぎるという評判でしたので、その辺も含めて、料金の問題も今検討なされておるかということもお尋ねしたいと思います。
あとは白竜湖ですが、せっかく整備構想の素案をつくったわけでございますが、しかしながら机上の論だけにならないように、ひとつ確実に遊歩道の整備、それからトイレなど、あのようなトイレではだれしもが入れないような状態ではまずいので、ぜひ実現に向けて頑張っていただきたいというふうに御期待を申し上げまして、第2回目の質問を終わりたいと思います。
○議長  では、答弁をお願いします。
 市長。
○市長  ハイジアについて申し上げたいと存じます。
 まず、泉市が当初5万人、南陽市は20万人、確かにそのように、東京のラック研究所の推定によりますと20万人以上来るだろうと。新幹線も入る、しかもあの近辺、景観風光明媚というようなことで、あの辺の方々は駐車場で常に潤うだろうというふうな推定をされた経緯がありますね。都会から若い人が押すな押すなというふうに来るんだと。当時私も議員でありましたから、「そんなことあるかい」と正直思っておりました。実際的にふたを開ければ、20万人は来なくても15万人、でもその内訳等を見ますと、やはり市民の皆さんが一番多く御利用いただいていた経緯があるようでございます。そこからだんだん歩を運びながら、梨郷神社の参拝団なり、いろいろな誘客を図るようにしながら、現在の15万人前後で落ち着きをいたしておるところでございます。
そのような20万人から15万人前後になったということで取締役会はどうなっているのだということでありますが、毎年、次年度の予算、事業計画等を出すときには必ず取締役会の議決が必要でありますから、取締役会にもその旨はお諮りをいたし、御承認をいただいておるところでございます。
なお、源泉の借地料のお話をいただきました。議員ちょっと誤解しておるようですが、30坪じゃなく 150坪お借りしております。坪 2,000円、月30万円として年間で 360万円お払いをいたしております。この契約期間は22年間ということで契約をさせていただいておるようでございます。
なお、料金、 500円あるいは 700円、その利用時間帯等によっても違うようでありますが、私も何回もここで申し上げているとおり、市民の皆さんにいい温泉にもっと入っていただくためには 500円、ワンコインで入っていただければ大変ありがたい。しかし、会社も第三セクター、株式会社南陽ハイジアパークという企業になっておりますから、 500円で採算割れした場合には、じゃあだれがどう補てんするのか、その辺の議論も議会で十分にいただきたいということは再三申し上げた経緯があることは御理解いただけると思います。ぜひそのようになれば私はいいなと、こう思っております。やっぱり風呂に入るだけで 700円なり 1,000円というのは、ちょっっと高い料金かなと。一日じゅういらっしゃる方には非常に安い施設だと。あるいは、東京なんかでサウナに入るだけでも 2,000円ぐらいはかかるわけですから、そういう意味では大変安いということでありますが、市民の健康・保養を考えれば、そのような形でなることが理想なのかと、こう思いますが、会社の財源の捻出をどうするのかという大きな課題もありますので、今後も議会の皆さんとよく相談、煮詰めながら、この料金の対応は図っていきたいものだと、このように思っておるところでございます。
それから、白竜湖、おかげさまで大分、県の方にもお願いしながら、進んでまいりました。遊歩道、トイレの整備ということでありますから、十二分に県と連携をとりながら、議員の期待にこたえられるような形の中で整備促進を図ってまいりたいと、このように申し上げて答弁といたしたいと思います。
○議長  再々質問に入ります。
長嶋議員。
○長嶋 茂議員 大変ありがとうございました。 白竜湖については、実現に向けて努力いたしますというようなお答えをいただきましたので、
ぜひお願いしたいと思います。雑草は必ず完全にことしで取り除くようにお願い申し上げます。
 それから、ハイジアパークの料金の問題ですが、今市長がおっしゃるとおり、会社として 
料金を 500円にできるかできないか判断がつかないということでございます。
 しかし、私の試算では入館者の70%が入浴者であることや各種会員料金等を勘案し計算すると、 700円を 500円にして会社が採算割れした場合に市が社会福祉事業として補てんすることになったとしても、そんなに市が負担することはないのかなと試算しておるわけであります。
そのようなことで、ひとつ大いに美貌と健康のために頑張っていただきたいと思いまして、私の質問をこれで終わります。
○議長  答弁よろしいですか。(「はい」の声あり)