小 野 健一郎 議員 質 問
○議長  次に、11番小野健一郎議員。
 〔11番 小野健一郎議員 登壇〕
○小野健一郎議員  11番小野健一郎であります。 荒井市長には、就任以来、常に市民と目線を合わせて、安全で安心なうるおいのあるまちづくりに精力的に取り組まれておりますこと、まことに御同慶の至りであります。荒井市長初め職務に専念されておられる行政当局に感謝と敬意を表するものであります。
 私は、既に通告しております平成16年度の施政方針並びに荒井市長の政治姿勢についてお尋ねします。
初めに、厳しい財政状況の中での予算編成の基本理念と今後の財政見通しについてお尋ねします。
平成16年度の予算総額は 238億 6,602万円で、前年当初対比 7.5%減となっております。また、一般会計予算額は 123億 9,800万円で11%減となっており、旧地域総合整備債による継続事業がおおむね完了したので減額予算との説明は受けておりますものの、まことに御苦労された新年度予算編成と思います。
歳入では、税収の落ち込み、地方交付税の減額、臨時財政対策債の減額、不足する歳入のカバーのための財政調整基金の取り崩しなど御労苦の数々が見える予算編成でありますが、予算編成の基本理念と今後の財政の見通しについてお伺いいたします。
次に、平成14年度から第3次行政改革大綱に基づいて行財政改革を進めている本市ですが、常々、市長は、できる限り民間委託の精神、その結果による職員数は抑制する、さらに遊休財産の処分の三つを基本にして、効果的で効率的な行財政運営に努めると言っておられますが、第3次行政改革大綱の今日までの成果とこれからの見通しについてお伺いいたします。
次に、連日新聞紙上に出ております合併論議についてでありますが、南陽市、長井市、飯豊町、川西町、2市2町、いわゆる広域病院事務組合構成市町での広域合併の調査検討を事務レベルで行うための委員会を2月3日立ち上げたとのお話がありました。
合併は、本来、財政面だけが強調されますが、地方分権が合併の目的であり、さらに住民ニーズが達成できる足腰の強い地方自治体になることであると言われております。
 合併は、一つの自治体ではなし得ない究極の行政改革を可能にするもので、その効果はすぐに目に見えてあらわれてくるものではなく、国、県などの各種支援も合併による一時的な障害を緩和するためのものであり、合併によって将来のすべてが保障されるわけではなく、確固たる財源が確保されるものでもなく、逆に合併後の負担増が重なり、国・県の補助金・交付税などの支援期間が終わると財政運営が途端に厳しくなることも予想されます。合併特例債の安易な活用も自己財源と公債費の増嵩をもたらすおそれのあることから、慎重に考慮する必要があります、とあります。
また、合併は、合併そのものが目的ではなく、地方分権という時代の潮流の中で論議することで、市民の行政への参加と協働を促し、市民がみずからの地域づくりに主体的にかかわっていくための絶好の機会で、本当に大切なことは、将来の南陽市はどうあるべきか、どのようなまちづくりをしたいのかをみんなで論議を深めていくことが大事なことです、とあります。
合併は、厳しい時代に行政が対応し続けるための手段として認識し検討を進めていくべきと思いますが、市長の基本的な考え方と今後の対応についてお伺いいたします。
次に、施政方針の「はじめに」と「結び」に出ております「市民との協働のまちづくり」についてお尋ねします。
地方分権時代のまちづくりは、市民と行政が信頼で結ばれ、市民の主体的なかかわりと協働作業が必要で、人・物・お金・情報といった有限な行政資源を最大限に活用することはもちろん、市民と行政がまちづくりの展望を共有化すること、それが協働のまちづくりと思いますが、これまでの成果と、これから何をどのように協働していくのかお伺いいたします。
次に、先般、山形新聞紙上に、置賜8市町長座談会が載っておりましたが、飯豊町長の発言内容に、農家民宿で自家製の酒を振る舞う「東洋のアルカディア郷再生特区」申請をしている、冬期に落ち込む交流人口の拡大を図るための方策だ、経済効果にも大いに期待している、認定されれば、当面は中津川地区で提供し、いずれ全町に事業を拡大したい」とありました。
構造改革特区については、目的として、「経済の活性化のための民業の拡大、さまざまな事情で規制改革がおくれている分野での規制改革、地方公共団体や民間事業者の自発的な立案により地域の特性に応じた規制の特例を導入する特定の区域を設け、当該地域での構造改革を進める」とあります。
基本理念として、「国があらかじめモデルを示すのではなく、自立した地方がお互いに競争していく中で経済社会活力を引き出していけるような制度へ発想を転換すること、規制は全国一律でなければならないという考え方から地域の特性に応じた規制を認めるという考え方に転換すること、これらが知恵と工夫の競争による活性であり、加えて自助と自立の精神の尊重が基本理念」と示されております。
埼玉県志木市は、第3回の認定で「地方自立特区」の認定を受け、行政組織のスリム化を図りつつ市民サービスを確保するため、職員が行う業務を市民ボランティアである「行政パートナー」へ移行する過程で生ずる業務量のギャップを臨時的任用制度の特例を活用して対処するという内容で、具体的には「地方公務員にかかわる臨時的任用期間の延長」ということで、図書館の受付業務など 164業務の委託、その結果として平成18年度まで46名の職員の低減が予想されるとなっております。
本市での取り組みについて、申請の計画がおありになるのかお伺いいたします。
情熱、気力、体力、ますます充実の荒井市長には、お体御自愛、「安全で安心なうるおいのあるまち・南陽」構築のため、一層の御努力と御尽力を賜りますようお願いを申し上げ、私の質問といたします。
○議長  答弁を求めます。
市長。
 〔荒井幸昭市長 登壇〕
○市長  11番小野健一郎議員の質問にお答え申し上げます。
初めに、平成16年度施政方針についての1点目、予算編成の基本理念と今後の財政見通しについてでございますが、施政方針の中で申し上げたとおりでありますが、来年度の税収は、現下の経済状況により厳しい状況が見込まれます。また、国の地方財政計画で一般財源の中心をなす地方交付税とその振替としての臨時財政対策債が予定の範囲を超えて減額されることになり、これらを合わせて15年度の決定額と比較すると6億円ないし8億円もの減収となる見込みであります。議員が御心配いただいておるとおりでございます。
新年度予算は、全国どの自治体も今まで経験したことのない厳しい状況の中での編成となりました。しかしながら、環境が厳しいときにこそ市民と行政が協働して、それぞれがどういう役割を担うかという視点で、ハードからソフトへの転換、市民生活に直結した事業の選択と集中を基本に置き、編成をいたしたものでございます。
今後の財政見通しについては、平成16年度が三位一体改革の初年度であり、今後本格化されることが予想されることから、全国市長会を初め地方6団体を通じた要望を行っているところでございます。
こうした中で地方自治体が生き残りをかけていくためには、さきに策定いたしました行政改革大綱、これと一体として進める財政危機のりきり戦略プランを両輪にして、行政サービスを維持向上させていく必要があると存じているところでございます。
2点目の第3次行政改革大綱の今日までの効果とこれからの見通しについてでございますが、14年度を初年度に18年度までの5年間の計画として大綱を策定し、行政改革に取り組んでおります。議員御指摘の「民間委託の推進」、その結果による「職員数の抑制」、さらに「不要不急財産の処分」、この三つを基本方針として着実に進めております。
これまでの取り組みについての御質問がございますが、概要につきましては随時市報でお知らせをいたしておりますから、ここでは省略をさせていただきますが、16年度からは、昨年策定しました財政危機のりきり戦略プランと両輪で、実行可能なものから積極的かつ効果的に推進をしてまいりたいと存じておりますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。
3点目の市町村の広域行政や合併についてでございますが、基本的には、常々申し上げておりますとおり、市民の意向や議会の意向が最も重要でありまして、十分な論議がなされた上で市町村が主体的に決定していくことが基本だと思っております。
今後の対応についてでありますが、議員御承知のとおり、2月3日に飯豊町で2市2町の首長、議会正副議長及び合併特別委員会委員長等が集まりまして検討会を開催いたしました。今後、2市2町の合併に関する調査検討を要するということで、事務局レベルの検討を行うために、「長井市・南陽市・川西町・飯豊町合併検討協議会」を設置いたしました。
2市2町の合併に関する事務レベルの調査検討につきましては、各首長が住民に対して説明責任を果たせるような形でまとめていただきたいとお願いをいたしておるところでございます。よくマスコミ等で、南陽市長は合併に前向きだというふうにとられがちでありますが、私が申し上げておるのは、今回設置いたしました事務局レベルの協議会を積極的に進める、その結果、議会に対しても市民の皆さんに対しても説明責任が果たされなければ皆さん方の判断もできないだろうということでありますから、そういう意味での発言であるということも御理解をいただきたいと思います。
その結果がまとまりましたら、議会あるいは市民の皆様とも検討しながら、さらに2市2町の協議会の中でも検討し、それぞれに最終的な判断をさせていただくことになるかと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
4点目の市民協働のまちづくりとこれまでの成果と、これから何をどのように協働していくかについてでございますが、協働のまちづくりにつきましては、共通の目的である人材育成や市民福祉の増進、あるいは地域づくりなどに向けて、市民と行政がともに額に汗を流すことであり、第4次総合計画において行政の最大のテーマとしたところでございます。
これまでの成果につきましては、議員も御承知のとおり、赤湯温泉通りまちづくり委員会、あるいは双松まちづくり協議会、金山の花いっぱい運動、祭り吉野などの地域おこし等の活動が活発に展開されているところでございます。
今後の取り組みにつきましては、これら活動の支援、情報の提供、市民参加の機会拡充などを通じて協働のまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
特に、協働のまちづくりは、市だけが提案するものでなく、地域あるいは各種団体がいろいろな御提案をしていただきながら、お互い、何がどの部分で協働できるのか、あるいは自分たちが何をでき、行政が何をすべきなのか、その辺の試行錯誤を模索しながら協働のまちづくりを目指していきたいというのが私の基本理念でございます。
特に、本定例会に提出させていただきました「南陽市安全で安心なうるおいのあるまちづくり条例」では、本市のまちづくりの目標を具現化するために、安全・安心の六つのキーワードをもとに、行政と市民がそれぞれの役割分担を明確にして、協働して安全で安心なうるおいのあるまちづくりに取り組むことにしたものであり、先ほど申し上げたとおり、市民との協働についてさらに強化を図りたいと考えておりますので、御支援をいただきたいと存じます。
5点目の特区申請の計画についてでありますが、平成15年1月に構造改革特別区域法に基づいた基本方針が閣議決定され、制度がスタートいたしました。
いわゆる構造改革特区は、経済の活性化のために規制改革を行い、民間活力を最大限に活用しようというものでありまして、地方公共団体等の自発的な立案により地域の特性に応じた規制の特例を設け、地域における構造改革を求める制度であります。本制度は、従来型の財政支援措置はなく、自助と自立の精神をもって知恵と工夫の競争を行うことが期待されているところでございます。
現在までに4回の提案募集と認定申請があり、3回の認定により全国で 236の特区が認定されました。県内では八つの提案と四つの認定申請が行われ、二つの特区が認定されております。本市においては、構造改革特区の提案時期に合わせて庁内の各課で検討をいたしてまいりましたが、現段階では提案する事項がないという状況下にあります。
構造改革特区は引き続き提案が受け付けられる仕組みでありますので、今後とも重大な関心を持って幅広く検討をいたしてまいりたいと存じます。
また、民間からの紹介、相談などについてもしっかりと対応できますように関係部門に指示をいたしておるところでございます。以上でございます。
○議長  再質問に入ります。
11番小野健一郎議員。
○小野健一郎議員  御答弁ありがとうございました。
 第3次行政改革大綱とも関連ありますし、市民との協働のまちづくりにも関連ありますので、お聞かせいただきたいと思います。
 本定例会に議第1号として「南陽市安全で安心なうるおいのあるまちづくり条例」の設定について条例案として提案され、厚生常任委員会に付託されました。3月4日の厚生常任委員会では全員異議なく原案のとおり可決されました。安全で安心なうるおいのあるまち南陽のまちづくり推進のため、基本理念、それぞれの役割の明確化、犯罪や事故など、さらに迷惑行為の禁止にかかわる防止施策を定め、日本一安全で安心なうるおいのあるまちづくりの実現を図る、関係機関との連携のもとに市民のモラル、マナーの向上を目指す、まことにすばらしい内容と思います。意識の高揚、意識の啓発になるものと思います。
 その第2条3に「交通ルールを守り、交通安全の推進に努めること」とありますが、以前、「南陽市交通安全条例」にも似たようなものがあったのではないかと思いました。意識の高揚、意識の啓発、意識の啓蒙は重複しても結構と思いますが、それに伴っての監視員ですとか監視のシステムづくりといったことになりますと、行政改革に逆行するということにもなりかねないと思います。その辺についての市長の御所見をお尋ねいたします。
 後の質問につきましては、一般質問の質問表を見ますと重複するところが多くありますので後の一般質問をお聞きすることとして、これのみ質問させていただきます。再質問を終わります。
○議長  答弁を求めます。
 市長。
○市長  議第1号で提案しております安全で安心なまちづくり条例、これに議員御指摘の交通に関することがダブっているのではないかということでありますが、この条例の基本は、昨年7月1日に宣言いたしました安全・安心の要綱と申しますか、それに沿った条例設定を今回させていただくと。その中では、安全・安心の六つの要件を考えてございます。言うなれば、食の安全とか、交通安全とか、防犯とか、青少年の健全育成とか、暴力のない明るい町とか、あるいは危機管理、そういう意味で、今回の条例の中にもあることはわかってございましたが、さらに補うために六つの安全・安心の項目を入れたということが本旨でございまして、行政改革、例えばいろいろな市民がみずから守らなければならない、あるいは監視をお互いがしなければならない、そういう面では行革に逆行するのではないかという議員の御意見のようですが、我々は何も法的にそれを規制しようとか何かというのではなく、むしろ市民みずからがそういうふうにしていただくことによって初めて交通安全の意識も高まる、そして交通安全の目的が達成されるということでございますから、私の認識の中では議員御指摘のような行政改革への逆行ということには考えてございませんので御理解をいただきたいと存じます。以上です。
○議長  再々質問に入ります。
 11番小野健一郎議員。
○小野健一郎議員  ありがとうございました。質問を終わります。
○議長  御苦労さまでした。