高 橋   篤 議員 質 問
○議長  次に、1番高橋 篤議員。
 〔1番 高橋 篤議員 登壇〕
○高橋 篤議員  おはようございます。
 1番高橋 篤であります。
 ことし3月初当選し、荒井市長を初め諸先輩議員の皆様方に、そして市当局の皆様に御指導いただき、ここに一般質問の機会を与えていただきましたことに対し厚くお礼を申し上げるものであります。
 荒井市長そして市当局の皆様方には、日本一安全で安心なうるおいのあるまちづくりに昼夜を問わず取り組んでおられることに対して、深甚より感謝と敬意をあらわすものであります。
 これより一生懸命質問させていただきますので、誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 私は、既に通告してあります3点についてお伺いをいたします。
 1点目は、宅幼老所の開設についてであります。
 当市においては、子供たちの施設、また高齢者の施設は、十分とまではいかなくとも、満たされているものと私なりに感じているものであります。現在、社会福祉協議会、またそれぞれの施設において、世代間の交流ということで、子供たちと高齢者の方々との触れ合いの場をつくっていただいていることもお聞きしておりますが、集まる回数、また集まっていただける人数が少ないということも聞いております。もっと多くの方が今後必要と思われる世代を超えた交流の場を行政としてももっと考えていくべきではないでしょうか。
 近年、共働き家庭がふえ、子供たち、高齢者の施設利用者もふえることが予想され、そのような現状の中で、高齢者の疾病や寝たきりなどによる要介護状態を予防することが当市にとっても重要になってくるのではないでしょうか。本人にとっても身体的、精神的にも負担となり、また家族にとっても経済的負担となり、それにも増して市としても医療費、介護保険等の支出も大きく左右されるのではないでしょうか。
 子供たちにとっては、近年ふえつつある不登校やいじめ防止にも、幾らかでも役立つのではないでしょうか。
 そのような考えから、ぜひ子供たちと高齢者が同じ一つの場所で世代を超えた交流で文化面などの生涯学習ができ、それぞれお互いをいたわり、また認め合い、そして助け合っていこうとする心を育てる交流の場の開設ができないか、荒井市長の考えをお伺いいたします。
 2点目は、新規就農者への支援対策についてであります。
 農業が大きな転換期を迎えている中、全国的に、また当市においても、新規就農者がふえているとお聞きをし、大変喜んでおり、新たなる視点や発想で、あすの南陽市の農業を担っていただきたいと思っております。
 しかし、反面、農家戸数、農業従事者は減少し、それと同時に農業後継者の高齢化が当南陽市の農業でも急テンポで進んでいるのも事実であります。
 その一方では、農業を取り巻く環境は年を追うごとに厳しさを増すばかりで、輸入農産物の増加による価格の低迷、また産地間競争の激化などに対応した地域農業の構築が必要とされ、そのような中でこれからの農業を担っていく新規就農者の確保、担い手の育成は、大きな課題となっております。
 先ほども申し上げましたが、当市の新規就農者は少しずつではありますが年々ふえ続けているわけで、この傾向を持続させていく上でも、今まで以上真剣な取り組みも必要になってくるのではないでしょうか。
 現在、鍋田地区の畑地化団地、上野フルーツランドの2大事業が進められておりますが、新規就農者の多くの方は、技術的、経営的そして将来展望に不安を抱えてのスタートとなっているのが現状であります。
 市として、あすの農業を支える新規就農者に対して真剣な支援策を考えるべきと思いますが、荒井市長の考えをお伺いいたします。
 3点目は、農免道周辺の作業安全の確保についてであります。
 現在、当市において、安全で安心なうるおいのあるまちを目指し、さまざまな事業に取り組まれ、市当局ばかりでなく住民の方々にも浸透し、広がりを感じられ、私も市議として1期目でありながら喜んでいるところであります。
 そのような中で、秋葉フルーツラインを初め、当南陽市として6路線が農免道として整備され、現在は2路線の一部が農免道として利用され、ほかは市道に編入されたとお聞きしております。当初は6路線すべてが農免道の名のもとで整備されたわけで、周りは農地で、その中を通した道路と認識をしているものであります。
 道路が整備され喜ばれてはおりますが、同時に一般車両の通行も大変多くなっているのも事実であります。どのようなことでも、よくなれば悪くなるというのが世のならわしで、大変危険な要素を含んでいるのも事実であります。農免道の周りには、まだまだ農地があるわけで、農家の方々が一般車両に気を配りながら作業をしているのが現状であります。事故などは突然起きるものと考えられます。
 そのような考えから、農家だけでなく一般車両の方も、お互い気を配れるような注意を呼びかける看板の設置ができないか、また農作業の安全確保を図るための方策についてもあわせて荒井市長の考えをお伺いいたします。
 以上、3点について御答弁をお願い申し上げます。
○議長  ただいまの1番高橋 篤議員の一般質問に対して答弁を求めます。
 市長。
 〔荒井幸昭市長 登壇〕
○市長  1番高橋議員の御質問にお答え申し上げます。
 初めての質問で丁寧に答弁いただきたいということでありますから、丁寧に答弁をさせていただきたいと存じます。
 まず初めに、宅幼老所の開設についてでございますが、本市における高齢化率は本年4月1日現在で 25.38%と、4人に1人が65歳以上の高齢者となっております。
このような状況下、本市においては、高齢者の温泉を活用した集いの施設として「老人憩いの家」初め、平成13年10月には高齢者の交流の場として吉野地区に「吉野ふれあいプラザ」を開設し、地区による管理をお願いし、活用をいただいているところでございます。
また、本年3月には沖郷地区に「南陽市総合保健福祉施設」を開設いたしました。本施設は、少子高齢化社会に対応した高齢者の研修や、要介護者を抱える家族の介護指導のできる介護用品もそろえまして、研修会の開催やボランティア支援機能もあわせて整備いたしており、子育てや小学生ボランティアと高齢者の交流の場として活用をいただいております。
また、保育施設においても世代間交流に取り組んでおり、市内6カ所の施設で年間36回程度実施しております。
 豊かな知識や経験を持つ高齢者が地域社会のさまざまな活動に参加なされ、一定の役割を果たしていただくことは、元気な高齢者をつくり、疾病予防にもつながりますので、地域の文化や技能等の伝承者として、活動の場の提供を今後とも進めてまいりたいと存じます。
一方、市社会福祉協議会に補助しております「地域福祉振興活動交付金」を活用していただき、地区ごとの高齢者世帯に対する給食サービスや高齢者の集いの場であります小規模単位の「いきいきサロン」がふえてきております。
本市といたしましては、ハードからソフトへシフトしておりますので、宅幼老所を設置せず、地区公民館や集会所などの既存施設の利活用を基本として対応してまいりたいと思います。
その運営につきましては、地域の皆様を中心としたボランティアや町内会による協働を大いに期待して、元気な高齢者、健やかな子育てを目指してまいりますので、御理解をいただきたいと存じます。
次に、新規就農者に対する支援策についてお答えいたします。
新規就農者の支援対策は、「市農業後継者育成確保推進会議」を組織し推進しておりますが、今年度も新規就農者歓迎会や青年農業者交流会初め、農村女性ライフ講座の開催、また南陽市農業士会、南陽市果樹研究連合会の主催する研修事業や活動事業に支援をいたしておるところでございます。
さらに、最近、農業研修生を受け入れる農家がふえており、また新規参入者からの相談もございますので、それらを受け入れる体制づくりを進める予定でございます。
また、資金支援の一環として、「就農支援資金制度」や「認定農業者育成推進資金」などの支援体制を整備しております。
このほか、農業改良普及センターが実施している農業後継者育成のための各種講習会なども行われております。
一方、農業公社の事業で、農地取得資金や機械や施設の借り上げ経費に対する助成や農業会議による研修期間の研修手当支給など、就農準備支援、経営開始支援、研修活動支援等の支援策があります。
以上、新規就農者をサポートする施策がございますが、直接市で行っていない事業でも、御相談いただければ、それぞれの機関に紹介するような体制をとっておるところでございますので、よろしく御理解を賜りたい、このように思います。
次に、農免道周辺の農作業の安全確保についてでございますが、南陽市が管理する農免道は、先ほどありましたように、南陽北部地区農免農道と寺坂農免農道の2路線のほか一般農道もございますが、農道とはいえ、南陽北部農免農道の場合は「秋葉フルーツライン」として農道の起点・終点が市道と接続する農道もありますし、利用車両はその分別なく公の道路として日常的に使用されているのが実態だろう、このように思っております。
事故防止等については、受益者が費用を負担し合って整備改修した農道、いわゆる「ほ場内農道」であれば、関係者以外の通行規制によって防げると思います。
しかし、農免道は一般車両への通行を制限することはできませんので、仮に看板で喚起するにしても、一方では市道沿線での農作業もありますので、市が看板を設置することはできないことを御理解いただきたいと存じます。
ただ、秋葉フルーツラインの金山地区果樹団地の一角に「農作業中」と表示された受益者の方々が自主的に設置された看板がありますし、ほかにも受益者の方々で管理するほ場内農道に規制の看板を設置している事例もありますので、団地の方々で対応していただきたいと考えております。
今後も農免道路は公共道路として田園風景へのいやし効果や都市農村交流そして観光農業の推進において交通量の増大が見込まれますので、市といたしましても「南陽市農道及び林道維持管理条例」に従って危険箇所の改修など適正な管理を行ってまいりますので、御理解をいただきたいと思います。
また、農作業全般の安全確保については、春の農繁期前に置賜管内の「農作業安全キャラバン」による啓発や農薬危害防止運動として「農薬適正指導講習会」などの研修会を実施している状況であります。
以上申し上げまして、1回目の答弁にさせていただきます。
○議長  それでは、再質問に入ります。
1番高橋 篤議員。
○高橋 篤議員  丁寧な御答弁、本当にありがとうございました。
 それでは、それぞれ3点につきまして再質問をさせていただきます。
 1点目につきましては、施設がそれなりに市としても整備していらっしゃるということで、私も先ほど質問の中でも申し上げましたけれども、施設は十分ではないかなという感じは持っているわけであります。
 ただ、市長の御答弁の中で、地区の方々のボランティア的なもので、例えば各地区にある公民館等を利用した、子供さんとお年寄りの方が1月に1回とか、そういう場をと思いますが、各部落に行きますと、「だれがするのか」とか「じゃあ、あなたしろ」ということになってしまって、なかなかできないのが今のボランティア活動のように見受けられます。そのような中で、やはり社会福祉協議会そして市当局も中に入っていただいて、もっともっと力を入れてやっていけないものか、もう一度市長の御答弁をお願いしたいと思います。
 話は違いますけれども、ある地区では、週休2日制になった折、学校また地区の方々と話し合いを持ち、今、月2回、土日でありますけれども、旧公民館に集まり、中で見ていただける方は1年間の順番を決め、行っていることもお聞きしております。本当にすばらしいことだなと感じておりますが、ぜひこのような盛り上がりを全地区につくっていただきたいと私は強く望むものであります。
 2点目につきましては、ただいま市長の方からも御答弁ありましたとおり、さまざまな交流会や、また共催事業、そして支援をなさっているとお聞きもしております。私も農業議員でありますので、いろいろと使わせていただきましたし、後援会の方も参加させていただきました。
 しかしながら、そういう場に行ってみますと、なかなか人数が集まらないのが見受けられ、そしてその人数を集めるため、行政側で、例えば農業に関しては農林課でありますが、農林課の職員の方が、近くになってから走り回っているということも私お聞きしましたので、そのようなことがないように、もっともっと皆さんにわかるように広げていただきたいと強く感じるものであります。
 あと、就農支援資金も市としては考えていらっしゃるということでありましたが、たしか3年ぐらい前だと思いますけれども、県の方でもその資金はあったと思うんです。しかしながら、
私ごとになりますけれども、去年、私の息子が農家を継いでくれましたけれども、その折に普及所の方にお邪魔し、その就農支援資金を貸していただきたいということでお話ししたら、それはもうなくなったのだということをお聞きしたもので、今市長の方からの御答弁で「ある」
ということですが、それは市長がおっしゃっているのだから間違いないと思いますけれども、もう一度確認させていただきたいと思います。
 3点目についてでありますが、看板は個人的に設置していただきたいということで市長の方から御答弁ありましたけれども、私としては、ぜひ、入口にだけでも、例えば中央農免道とか看板があるわけなんですけれども、あの下に 
何とか設置できないものか。個人的に設置するのもいいと思うんですけれども、やはり「南陽市」と書いてあるのと書いてないのとでは、とる感じが違うように思われるわけであります。ぜひお願いしたいと思います。
 最後、農繁期においてキャラバン等を回していただいているわけでございますが、看板が本当にできないのであれば、もう少しキャラバンの回数を多くしていただけるようにお願いを申し上げたいと思います。
 最後に、新規事業として鍋田地区畑地化団地、市体育館東側の上野フルーツランドの整備も今予定されているわけでございますので、市としてできない場合は、ぜひ県の方に働きかけ、看板の設置をお願いしたいと思います。
 以上、再質問とさせていただきます。
○議長  再質問に対する答弁を求めます。
 市長。
○市長  再質問について、何点か私から、あと、そうでない部分は担当部長の方から答弁をいたさせたいと、このように思います。
 まず、最初の宅幼老所の開設は、新たに施設をつくってやるということはできませんと申し上げました。その結果、議員御指摘のように、部落なんかで「じゃあ、だれがすんのや」といういろいろな問題があると思いますけれども、恐らく部落単位で行政がかかわり合うということはまず不可能だろうと、こう思います。少なくとも地域ごと、地域というのは8地区ございますが、まずそこが第一段階だろうと、このように思っておりまして、いろいろな考え、施策を持って地域の皆さんとお話をいただきながら、例えば施設のある吉野なんかは積極的に取り組んでいただいておりますし、今度、沖郷地区も先ほど申し上げた総合保健福祉型の施設ができましたから、非常に活発に御利用いただいているということであります。あとは、そういう施設のない地域もありますが、おおむね公民館あるいは学童保育なんかを利用いただきながら、老人と子供たちの交流の場を設けさせていただいているのが現状であります。
 いろいろな面でもっと力を入れられないかということでありますが、知恵を絞りながら今もやっておるわけでございまして、学校が5日制になって、行政も「えくぼプラン」なるものをつくりながら、年間カレンダーをつくって活動をさせていただいておりまして、山形県あるいは置賜管内でもモデルの地域だということで大変視察なりお褒めをいただいておることも御理解をいたければなと、こう思います。
 それから、就農者の資金があるかないかということでありますが、私は「ある」というふうに認識しておりますが、詳しくは経済部長の方から答弁をいたさせたいと思います。
 なお、新規就農者、お集まりいただいていろいろな研修会やら講演会をやるときに集まらないということでありますが、広報のあり方も一つあるかと思いますが、就農者そのものがそういうものに興味を持っていない、だから集まらないということも言えるのではないかなと、こう思います。一方で我々がやる気でいろいろな機関を通じながらやってもお集まりいただけないというのは、やっぱり就農者の中にも問題があるだろうし、広報活動の面でやはり問題点があるのかなと、このように認識をいたしておるところでございます。
 それから、農免道路、今二つほどありますが、看板設置できないかということで、先ほど申し上げたとおり、非常に難しい課題だろうと思います。できないならば春のキャラバンをもっと多く回してくれということでありますが、その辺も我々が主体性を持ってやっている活動でございませんので、なかなか難しいかなというとらえ方をしておりますが、なお話し合いをさせていただく機会はあるだろうと思います。
 それから、上野フルーツランド環境整備事業、あるいは鍋田の畑地化事業、これらもあるので看板をと。大分看板に議員こだわっておるようですが、看板立てればいいという問題じゃなくて、やはり心の底からお互いが交通安全、農作業安全という意識を持ってやっていただくと。県の方に要望しろということでありますが、要望していい課題なのかどうなのかなということも判断しながらです。何でも県に要望していいというと、むしろ「南陽何やってんだ」ということになっても不都合な面が多々出てきますので、もう少し市で、あるいは受益者で、どうしたら農作業の安全確保がされるのかということ自体検討をしていかなければならないなと、このように思っておるところでございます。
 なお、就業時の資金等については経済部長から答弁させます。
○議長  小野田経済部長。
○経済部長  県の就農資金、3年ほど前まであったのではないかという御質問でございますが、12年の貸し付け分まではたしかございました。12年からはそれがなくなったわけでございます。この内容については、5年間県内で 150日間就農すれば 100万円を限度として免除になるという大変おいしい制度であったわけですが、12年度以降なくなりました。
ただ、これにかわる制度がいろいろございます。例えば、ニューファーマー経営安定貸付事業、これは住居移転とか資格取得費の2分の1を助成するというものでこざいますし、あるいは経営開始の際の施設設置費及びそれに付随する機械購入費の2分の1を助成するとか、いろいろなメニューが県の方に用意されておりますので、これらを利用なさりたい方については、ぜひ市の方に問い合わせをしていただきながら、市の方でも申請についてのお手伝いを申し上げますので、ぜひ農林課の方にお越しをいただきたいと思います。以上でございます。
○議長  次に、後藤市民福祉部長。全地域にボランティアの組織をつくれないかと、こういうことであります。
○市民福祉部長  市長御答弁したとおり、みずからの地域はみずからで守るという方向でありますので、またあわせまして、今ボランティア活動につきましては市の社会福祉協議会に委託してございます。専門職員も配置してございまして、南陽市のボランティアの特徴として受託制度をとっておりまして、私は何のボランティアで活動したいんだと、今度払い出しを受ける方は、園の方で遠足がある場合ですと、園の方の遠足に協力していただきたいというような、受託制をとっておるところでございます。以上でございます。
○議長  それでは、再々質問に入ります。
 1番高橋 篤議員。
○高橋 篤議員  明確な御答弁をいただきましたので、再々質問はございません。
 荒井市長そして市当局の皆様、誠意ある御答弁ありがとうございました。今後とも安全で安心なうるおいのあるまち南陽市を今以上に住みよいまちにしていただけるよう、心からお願いし、私の初めての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長  御苦労さまでした。