平成21年12月定例会
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吉田 美枝 議員 質問
○議長  次に、3番吉田美枝議員。
〔3番 吉田美枝議員 登壇〕
○吉田美枝議員  3番吉田美枝でございます。
  さきに通告してあります内容について質問させていただきます。
  まず、男女共同参画社会の推進について。
  近年、日本の働くことを取り巻く環境は、「働きたいのに働く場がない」「仕事が忙しすぎて
生活に豊かさが実感できない」「仕事と育児、介護の責任が二者択一になっている」など大変厳し
いものになっております。こうした状況が社会の活力の低下や少子化・人口減少を引き起こす要因
となっています。子育てや介護をしながら、仕事ができる環境づくり、地域活動に取り組める環境
づくりなど仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を推進することが必要になっています。
  山形県の30代女性の労働力率は全国1位、共働き世帯率は全国2位となっております。県の常
用雇用者を対象にした1日当たりの家事・育児時間の調査によると、家事に費やす時間、男性41分
に対し女性2時間24分、育児に費やす時間、男性1時間2分に対し女性4時間8分となっておりま
す。
  一方で、育児休業制度を利用したいと思う男性の割合は31.8%、育児のための短時間勤務制度
を利用したい男性の割合は34.6%と3割を超えています。
  こうした背景には、固定的な性別役割分担意識が社会全体として根強いことや多くの男性、特
に子育て世代の30歳代、40歳代では、慢性的に長時間労働となっており、家事や育児に十分時間を
割くことができない現状が上げられると考えます。
  健康で豊かな生活のための時間を確保するため長時間労働の抑制や子育てや介護が必要な時期
においても、多様な働き方が選択できるよう育児・介護休業の取得など働きやすい職場風土づくり
を図ることが求められます。
  こうしたことを踏まえ、第1点目、仕事と生活の調和がとれた社会づくりを目指して、昨年12
月9日に山形県ワーク・ライフ・バランス憲章が制定されました。南陽市としては、これをどのよ
うに推進していくおつもりかお伺いいたします。
  第2点目、市では、市民ぐるみ、企業ぐるみで子育て支援策を実践していこうというねらいの
もと、市独自に子育て応援宣言企業を公募しておりますが、県も平成19年10月より女性の活躍や子
育て支援に積極的に取り組んでいる企業、または積極的に取り組む計画のある企業を募集し、「男
女いきいき・子育て応援宣言」企業として登録し、広く県民に紹介するとともに、登録企業に対し
て総合的な支援措置を実施しています。市の子育て応援宣言企業登録が55社を数えているのに対し、
県への登録はわずか1社のみです。これは単に周知がなされていないためなのか、何か理由がある
のでしょうか。
  質問の第3点目、昨年12月議会にて質問いたしました父子家庭への支援について、再度お尋ね
したいと思います。
  市長は答弁で父子家庭への福祉軽減制度について、今年度改定予定の次世代育成支援対策推進
行動計画において、父子家庭の実情を調査し、検討したいと述べておられます。どのような調査結
果でどう検討がなされたのかお伺いいたします。
  次に、安心・安全なまちづくりを目指しての質問をさせていただきます。
  南陽市の人口は20年4月現在3万4,873人、15歳未満が人口に占める割合は13.2%、15歳から6
4歳の割合は60.1%、65歳以上の割合は26.7%となっています。少子高齢化が進んでおり、高齢者
人口が27%を超え、子供の数が13%を割り込むのも時間の問題です。
  2005年の国勢調査によると山形県の1世帯当たりの人員は3.09人で全国最多。3世代同居率24.
9%で全国トップですが、近年ひとり暮らし世帯が急速に増加し、3世代同居率と同等に達してい
ると言われます。高齢者のみの世帯も1985年と比較して約3倍、90年の約2倍と急増しています。
国立社会保障・人口問題研究所が行った本県の家族類型別将来推計によると2025年には単独世帯が
約3分の1となり、高齢者のひとり暮らしもますます増えていきます。
  そうした点を踏まえ、質問の1点目、災害発生時におけるひとり暮らしの高齢者や障害者をサ
ポートする市災害時要援護者避難支援プランの策定協議会が設置され、過日、第1回の会合が開か
れたと聞いております。要援護対象者のリストアップをどのように図っていくのかなど具体的な話
はなされたのでしょうか。
  第2点目、平成20年度の救急車の出動回数が1,175件あり、その中でも65歳以上の高齢者の搬
送が全体の6割以上というデータがあります。今年度のこれまでの状況とその中にひとり暮らしの
高齢者や障害者が何人くらいいらっしゃったか、そして、救急搬送するに当たり、患者さんの情報
が得られず困ったなど問題点はなかったでしょうか。
  第3点目、高齢者が虐待を受けているなどの相談や通報を受け、自治体が虐待を確認した事例
が昨年度1年間でおよそ1万5,000件に達したことが厚労省の調査でわかりました。山形県でも159
件確認され、163人が虐待を受けていたと報告されています。
  高齢者に対する虐待は、家族の経済的困窮や在宅介護に対する大きなストレスなど複雑な要因
があり、そして、被害に遭ったお年寄りの半数近くに日常的に介護が必要な認知症があることがわ
かりました。これは、認知症に対する家族の介護負担がいかに重く、厳しいものかを裏づけている
証拠だと思います。
  2004年12月、「痴呆」から「認知症」へと呼称が変更されました。この変更を契機として、み
んなで認知症の人とその家族を支え、だれもが暮らしやすい地域をつくっていく運動が始まりまし
た。「認知症サポーター100万人キャラバン」はその運動の一環です。南陽市でも広く市民にこの
運動を知ってもらい、認知症を正しく理解し、認知症の人や家族を見守る認知症サポーターを1人
でも増やし、安心して暮らせるまちづくりを展開していきたいものと考えますが、市当局のお考え
をお伺いいたします。
  第4点目の質問です。
  過疎と高齢化が進む中山間地域は、以前から買い物をめぐる問題に苦慮してきました。近くに
食料品や日用品を扱う店がなく、交通手段を持たない高齢者が買い物に困る、いわゆる「買い物難
民」と称される方々の声は切実です。これまで頼りにしていた移動販売車もなくなり、ひとり暮ら
しの高齢者で日々の生活に困っている方もたくさんおられます。こうした高齢者の方が、安心して
生活できるために行政としてどう対応されていくおつもりなのかお伺いいたします。
  以上、誠意ある御答弁をお願いいたしまして、私の壇上からの質問を終わらせていただきます。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
〔塩田秀雄市長 登壇〕
○市長  3番吉田議員の御質問にお答え申し上げます。
  初めに、男女共同参画社会の推進についての1点目、山形県ワーク・ライフ・バランス憲章の
制定による今後の推進についてでございますが、国が平成19年12月に策定しました「仕事と生活の
調和憲章」を受けて、県では、子育てや介護をしながら仕事ができる環境づくり、地域活動に取り
組める環境づくりを県民、そして企業や団体、行政が力を合わせてワーク・ライフ・バランスを推
進することが必要として、それらを実践していくための具体的活動や目標をわかりやすく伝えるた
め、平成20年12月に「山形県ワーク・ライフ・バランス憲章」を制定しました。
  議員御承知のとおり、本市では「男女共同参画なんようプラン」を策定して、その社会の実現
を目指しているところでありますが、「ワーク・ライフ・バランス」の推進については、今年中に
県と市長会などの関係団体が取り組みを推進するための協定を締結することとしておりますので、
市といたしましても、それらを踏まえて活動を推進してまいりたいと考えております。
  2点目の県における男女いきいき・子育て応援宣言企業の登録の周知と南陽市子育て応援宣言
企業とのギャップについてでございますが、県に登録している企業は、議員御承知のとおりであり、
市への登録企業は48社という状況でございます。
  県及び市それぞれに募集要項があり、一概に比較できるものではございませんが、いずれにい
たしましても、協力企業の参画は、ワーク・ライフ・バランスを推進するために必要であると考え
ておりますので、今後とも登録の拡大に向けて、普及啓蒙活動に取り組んでまいる所存でございま
すので、御理解を賜りたいと存じます。
  3点目の改訂予定の次世代育成支援対策推進行動計画における父子家庭への福祉対策について
でございますが、この行動計画は、今年度中の策定を目指し、現在改訂作業を進めておりまますが、
法定計画であることから、その策定指針は国が定めております。その中で、市町村行動計画の策定
に当たっての基本的な視点の一つに母子家庭等含めたすべての家庭への支援がございます。子育て
と仕事の両立支援のみならず、子育ての孤立化などの問題を踏まえ、広くすべての子供と家庭への
支援という観点から、地域実情を踏まえ、さまざまな子育て支援サービスの充実を位置づけること
とされております。
  したがいまして、本市におきましても、地域課題を踏まえながら、すべての家庭への支援とい
う視点で必要とされる子育て支援サービスの充実を位置づけてまいりたいと考えております。
  また、要保育児童への対応につきましては、きめ細かな取り組みを推進することとされており
ますので、父子家庭を含めた「ひとり親家庭対策」として、相談その他必要な支援を位置づけてま
いりたいと考えております。
  なお、父子家庭の経済支援策として、児童扶養手当の父子家庭への拡大が新政権のマニフェス
トにございますので、今後注視してまいりたいと考えております。
  次に、安全・安心なまちづくりを目指しての1点目、災害時要援護者避難支援プラン作成につ
いてでございますが、過日、地域や消防、保健福祉関係団体の皆様より参加いただき、同プラン策
定協議会を開催し、全体計画の最終原案について、御意見をいただいたところでございます。
  その御意見を検討・反映し、支援の基本的な考え方や進め方を明らかにした全体計画が間もな
くでき上がる予定でございます。今後は、全体計画を受け、要援護者台帳の作成と個別計画の策定
を行い、要援護者支援を推進してまいりたいと考えております。
  2点目の年間の救急車の出動件数と搬送者の年齢層及び搬送上の問題点についてでございます
が、平成20年の救急出動状況は、出動件数で1,175件、搬送人員で1,147人を医療機関に搬送いたし
ております。
  出動件数、搬送人員とも平成17年を最多として、年々減少傾向にあり、本年も10月末日現在で、
出動963件、搬送930人と前年同時期と比較し出動で13件、搬送人員で22人の減少となっております。
  搬送者の年齢層は、新生児4人、乳幼児39人、少年38人、成人350人、高齢者716人となってお
り、成人と高齢者で全体の93%を占めている現状でございます。
  また、搬送に当たっての問題点についてでございますが、本市における救急患者の受け入れ先
は、公立置賜総合病院救命救急センターとなっており、最近問題となっている周産期妊婦のたらい
回し事故などもなく、特に問題はないものと認識しております。
  3点目の認知症サポーター養成の取り組みについてでございますが、本市では平成20年度から
取り組んでおり、初年度は2回の講習会を開催し110人を養成し、今年度はこれまで4回開催し166
人を養成いたしました。さらに、今年度中にもう1回の講習会を予定しております。
  また、指導者養成研修に20年度1人、本年度1人を派遣し、現在2人のキャラバンメイトが指
導者として活動しております。今後は、地域包括支援センターに限らず、居宅支援事業所からの参
加も勧奨してまいりたいと考えております。
  4点目の買い物難民と称される方への支援策についてでございますが、これは、単に福祉制度
にとどまらず、歩道設置やバリアフリー化などのハード面、また、地元商店を初め中心市街地の活
性化や地域公共交通との関連もあり、まちづくりそのものの課題と言えます。また、地域で支え合
うといった相互扶助にもかかわるものと考えております。
  進展する高齢化社会の中で、社会資本・情報基盤の整備や市内循環バスを核とする地域交通体
系の充実、また、高齢者の状況に応じた外出支援対策は今後の重要な課題となりますので、次期総
合計画策定の中で広く市民の皆さんの御意見をお聞きしながら、具体的な対策を講じてまいりたい
と考えておるところでございます。
  私からは以上であります。
○議長  再質問に入ります。
  3番吉田美枝議員。
○吉田美枝議員  ただいま市長の御答弁ありがとうございました。
  まず、男女共同参画社会の推進についての再質問をさせていただきます。
  日本の女性の年齢階級別労働力の推移を見た場合、30歳で大きく落ち込むM字型を呈するのが
一般的です。我が国においては女性が出産後、一たん仕事をやめて家庭で育児を行い、子供が一定
の年齢になって再び就労を開始する傾向があるためと言われます。ところが、山形県の30歳代の女
性の労働力率は先ほど申したとおり全国1位、共働き率は全国2位、子供を持っても子育てをしな
がら仕事を続けていく傾向が強いようです。その要因はどういったところにあるとお考えでしょう
か。
○議長  市長。
○市長  一つは女性自身の意識の高さではないかなと、社会参画をしたい、あるいは自立をした
い、こういったものに基づいたものではなかろうかと、こう思っております。
  さらに、山形県全体の個人所得の低さという表現がいいのかどうかわかりませんが、こういっ
たものも起因しているのではないかなと、いわば働かざるを得ないというような環境もあるのかも
しれないと、こう思っております。その他さまざまあると思いますが、大きな要因は2つではなか
ろうかなと、こう思っております。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  ありがとうございます。
  それでは、最近は核家族化が進み、家族に子供を見てもらうことが難しくなってきております。
核家族で共働きの夫婦に赤ちゃんが誕生した場合、どのような支援が求められるとお考えになられ
ますか。
○議長  市長。
○市長  いろいろですね。考えられるわけでありまして、一つは子供を見ていただくということ
でございますから、南陽市にもサポートをするべき施設、さまざまあるわけですが、そういった施
設であり、個人であり、いずれにしても子供を預かっていただける環境、それも安心して、そうい
うものが一、二必要だなと。
  さらには、より高度な施設にとなりますと、お金もかかるということもあろうと思いますので、
そういった支援も必要。そして何よりもやっぱり核家族とは言いながらも、近くに両親あるいは身
内がいるということであれば、その方々の御理解、そういったものを含めて、支援策になるのでは
ないかなと思っております。それもなければ先ほどから何回も扶助の精神という言葉を使っており
ますが、地域の中で、もっと言えば隣組のようなレベルでやっぱり子供は社会の宝という観点から、
みんなで育ててやるというようなことが自主的に自発的に広がっていけば、今、吉田議員が心配し
ておられるようなことは自然に解消されるのではないかと、こう私は思っておりまして、ぜひそう
いう社会を構築したいものだと、こう思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  ありがとうございます。
  厚生労働省の調査によると育児休業制度を利用したいと思う男性の割合、育児のための短時間
勤務制度を利用したいと思う男性の割合は、先ほど申しましたとおり、それぞれ3割を超えていま
す。しかし、男性の育児休業取得率を見ると平成19年で1.56%と低く、制度を利用したいと思って
いるものの実際には利用していない男性が少なからずいると考えられます。市の職員の場合も男性
の育児休暇制度はあっても、これまで利用実績がないと以前お聞きしております。何ゆえだとお考
えになられますか。
○議長  市長。
○市長  これは社会がまだそこまで至っていないということが一番だと、その内容は職場で特に
男性の場合は、なかなかそういった時間を今の状況の中でとりにくい環境なのかなと、要するに相
当やはり責任の重い、あるいは会社に対する帰属意識が高い社員が多いと、こういうことだろうな
というふうに思っておりますので、その辺のバランスがまだ社会の中で共通認識としてそういう休
暇をとることがなれていないということではなかろうかなというふうに思っております。
  いずれにしても、今の厳しい経済情勢の中では、ますますとりにくい環境になっているのでは
なかろうと、こう思っております。
  したがって、そのためには国策として、いろいろな対策をとらなければならない、一つはやっ
ぱり企業がもう少し利益追求型でなくて、余裕を持って社会に貢献できるような会社に育っていた
だくと、そのためにはやっぱり国もいろいろな援助をしないと、単に経済至上主義で競争、競争、
競争とまた競争と、これではなかなか人員削減、競争性、こういう社会の中では、今、吉田議員が
求められているようなことは、なかなかできないだろうと、こう思っておりますので、そういった
社会全体の認識を変えていくような働きかけが必要ではなかろうかなと、こんなふうに思っており
ます。
  ただ、男性、女性にかかわらず長く職場を離れると復帰する場合に不安になる。特に、これだ
け日進月歩の激しい世の中ですから、そういったこともある意味ではブレーキになっているのかな
と、こんなふうに思っていますので、一つの要因ということではなかろうというふうに思っており
ます。
  いずれにしても、男女問わず、そういうことが自然に普通に社会通念的な常識として、だれも
が自然に受け入れられるような社会になることが大事だろうというふうに思っております。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  観点を変えて、我が国の男性の家事育児に費やす時間は、世界的に見ても最低
の水準です。子供がいる夫婦の夫の家事育児時間が長いほど第二子以降の出生割合が高くなってい
るというデータもあります。今年の7月には育児期における短時間勤務制度の強化、男性の育児休
業取得率促進等を内容とする育児介護休業法の改正法案が成立し公布されました。自治体としても、
企業における労働時間等の見直しや仕事と家族の両立支援の取り組みなど社会的基盤の形成に向け、
監督、指導する義務があると思います。この点に関しもう一回しつこいようですが、市長のお考え
をお伺いいたしたいと思います。
○議長  市長。
○市長  民間企業にとっては、公務員と違って、やはり経済活動をやっているわけなので、育児
休暇をとった場合、国がその補てんをするというような制度があれば、もう少し会社も協力しやす
くなるのではないかなというふうに思って、単に環視だけでは、会社が成り立たなければ、そうは
言ってもできないわけですから、そういう制度を国がしっかり保障しなければだめだというふうに、
私は思っております。
  なお、行政においても、年々財政状況が厳しい、少数精鋭でやれと、特に職員定数削減なんて
いうことばっかり言われているわけでありまして、全く余裕がないと、長期休暇をとられると困る
というような状況が正直な実態なんですね。そんなことを踏まえると、やはりそういった部分も含
めて、しっかりそういう法律をつくったら、つくったなりにどこかでそれを補てんする、保障する、
そういう制度でなければ、ただ休ませろ、ただどうしろっていったって、会社がつぶれた、あるい
は行政が成り立たないということでは困るわけなので、そういったことも含めて、我々は国に要望
していかなければとてもとても監視なんて言われても、じゃおまえその保障をだれするんだと言わ
れた場合にお手上げということになると思いますので、そこまでしっかりやっていく必要があるの
ではないかなというふうに思っております。
  なお、我々も市長会なりなんなり、さまざまな場面がございますので、そういった要求も国の
ほうにしてまいりたいというふうに思っております。
  以上です。
○議長  ただいま3番吉田美枝議員の質問のさなかでありますが、ここで暫時休憩をいたします。
  再開は2時10分といたします。
午後 1時59分  休  憩
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午後 2時10分  再  開
○議長  再開いたします。
  休憩前3番吉田美枝議員の質問のさなかでありましたので、吉田議員の質問をお願いいたしま
す。
  吉田議員。
○吉田美枝議員  県が創設した男女いきいき子育て応援宣言企業登録制度、今年の7月現在で県
内企業116社が登録されているようですけれども、それこそ従業員数が5人たらずの医療業から従
業員数が4,500人を超えるヤマザワまで業種も企業規模もさまざまです。企業における女性の活躍
や子育て応援に積極的に取り組んでいる企業、または積極的に取り組む計画のある企業を募集し、
審査委員会による要件審査を行い登録の可否を決定します。登録企業はいろいろな支援措置を申請
することができます。例えば女性を初めて役職に登用した場合10万円、管理職に登用した場合20万
円とか、男性の育児休業取得者が出た場合10万円、結婚、出産、育児等で退職した社員を再雇用し
た場合10万円など奨励金が交付されます。
  また、産業活性化支援資金による融資や研修会やセミナーなどを開催する場合のアドバイザー
派遣費用の助成、事業所内託児所の設置に係る検討及び整備費用に係る助成などもあります。もち
ろん県の建設工事の競争入札参加資格者名簿における発注者別評価点の加算もなされます。南陽市
として、この県の制度の利用拡大をもっともっと推し進めていくべきと考えますがいかがでしょう
か。
○議長  市長。
○市長  こういった内容のものについては、当然市としても必要な取り組みをしているわけであ
りますけれども、県の登録については、奨励するなり、あるいは全体的なものとなるようにいろい
ろな場面で啓蒙活動なども展開する必要があるというふうに認識しているところでございます。
  なお、南陽市においても、公共事業等の入札関係については、こういった対応をしている、あ
るいは市の応援宣言企業ですか、市の取り組みについても、参加されている企業については、評価
点を加算しているというような取り組みについては対応しているもので、結構そういった認識が浸
透しているのではないかなというふうに私、思っておりますが、先ほど吉田議員の質問の中には、
そういった浸透度合いが薄い、希薄だと、こういうふうな内容のことがあったので、これからさら
に担当課でそういった情報開示をあるいは発信をして、より多くの皆さん方に御理解いただけるよ
うに努めてまいりたいと、こんなふうに思っているところであります。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  実は、私、県で官民連携のフォーラムですか、それに参加させていただいて、
本当に積極的にワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる企業の実態、本当に小さな会社なんだ
けれども頑張っているんだよなんていうような実情なんかもお聞きしまして、南陽市にも、これは
もっともっと進めなくてはと思ったところでした。
  父子家庭の問題ですけれども、私自身反省も踏まえてなんですけれども、夫は外で働き、妻は
家庭を守るべきであるという本当に古い考えの人間でした。子供は3歳までは常時家庭に置いて母
親の手で育てないと子供のその後の成長に悪影響を及ぼすといった3歳児神話をうのみにし、男子
厨房に入らずとして、家事、育児を切り盛りするのが良妻賢母のあるべき姿であると思って、これ
までというか、ある時期まで思って生きてきたように思います。
  ところが、いざ自分で生計を立てなければならなくなったとき、まずは就労の壁に突き当たり
ました。年齢制限です。40過ぎのおばさんを新規雇用として迎え入れてくれる企業などありません。
私の場合は子供も成長しておりましたから、子供に手がかかるといったことはありませんでしたけ
れども、それでも仕事と家庭生活を両立させることを第一義に考えての選択をしました。
  現在、死別及び離婚等により父と生計を同じくしていない母子家庭に対し、児童扶養手当が支
給されます。私もその恩恵にあずかりました。しかし、現況の制度の中では、父子家庭は利用する
ことができません。同じ所得の範囲で子育てする場合は父親であっても、母親であっても、その困
窮度は同じはずです。父親が引き取った子供に対し、その養育環境を整えるための支援がなされな
いことは、制度の矛盾であると考えます。
  ましてや、この不況で父親が育児に追われ、非正規雇用への転職や失職に追い込まれるなど経
済状況が困窮する実態が時折テレビに映し出されます。生活が苦しい父子家庭に対し、全国で202
の地方自治体が父子家庭支援手当など独自の経済支援措置を実施しているようです。全自治体の少
なくとも1割が独自手当を設けていることになります。民主党も総選挙のマニフェストに父子家庭
への児童扶養手当支給を掲げております。私は男女共同参画社会の推進の観点からも、母子家庭の
みの支給ではなく、ひとり親家庭への支給へと拡大すべきと考えます。南陽市として、県・国に先
んずることはできないものでしょうかお伺いいたします。
○議長  市長。
○市長  父子家庭の悲惨さというのか、やっぱり男性の場合、これまでの社会通念的な常識から
いえば外で働くというような長い歴史の中での習慣性というか、そういうものが培われている関係
もあって、ひとたびそういった状況になると落ち込みが激しいと、場合によっては女性よりも忍耐
力がないと、こういうふうに言われておるわけなんで相当厳しいというふうなお話を聞いておりま
す。そうした段階において、新政権においては、父子家庭においても同じような対応をしたいとい
うようなマニフェストでのお約束などもございますので、こういった流れを見ながら対応させてい
ただきたいと。
  これまでも独自で取り組む事業というのは、あったわけでありますけれども、なかなかここへ
来てやっぱり財政状況が厳しい、あるいは交付税において少しペナルティーがあるなんていうこと
もあったりすると、なかなか対応仕切れない、ましてや交付税で見ていただけないということにな
れば、南陽市規模の財政状況では、なかなか先駆けてということについては、難しいのかなという
ふうに思っておりますが、実際、どのぐらいの経費が必要なのかも含めて、実態調査させて、来る
べきときに対応できるような予備知識並びに資料を用意させておきたいと、このように思いますの
で、検討に入らせたいと、こういうふうに思う、検討するための資料準備といいますか、そういう
ふうなことにさせたいなと思っております。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  ありがとうございます。
  でも、昨年の12月ですか、私、同じ質問をしたときに、その次世代育成支援計画に検討して盛
り込むと市長は、あのときお約束してくださいました。その点はどうでしょうか。
○議長  市長。
○市長  財政状況がさっきも言ったように厳しくなっていますし、今、緊急経済対策の一環とし
て、もちろんさきも述べたように子供たちの安全・安心あるいは学習環境の整備、これが優先なん
ですが、それとあわせて経済対策もすることによって、この予算規模が莫大だということで、相当
全体的に縮小を図らないと先がどうなるのか、非常に不安な中での出発でございますので、立ち行
かなくなったなんていうことのないようにしたいということなので、ここへ来て少し慎重に対応し
なければならないというふうな反省を踏まえて、厳しくなっていますので、御理解いただきたいと
いうふうに思います。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  いろいろ実態を本当に慎重に見きわめて前向きに検討していただきたいと思い
ます。
  次に、安全・安心なまちづくりを目指しての質問なんですが、ここに8月25日の山形新聞の暮
らし欄に掲載された記事のスクラップを持っているんですけれども、記事の内容は、救急情報は冷
蔵庫の中、ひとり暮らしのお年寄りの家などで持病やかかりつけ医、飲んでいる薬などの情報を筒
に入れて、冷蔵庫に保管する取り組みが各地で広がり始めている。救急車を呼んでも症状などを説
明できない場合に備え自分の医療情報を救急隊や搬送先の病院の医師らに伝えるためだといった内
容のニュースであります。
  この記事が掲載された3日後、埼玉にある独立行政法人の国立女性教育会館、事業仕分けで一
躍有名になったところなんですけれども、ここで、男女共同参画のための研究と推進フォーラムと
いうのがありまして、そこに行って勉強させていただきました。そこで、たまたま港区の女性議員
さんと一緒になって、この件についてちょっと詳しくお聞きしたものです。
  このユニークなシステムは、アメリカポートランド市が実施する高齢者の救急対応を参考に港
区が考案したもので、昨年5月からこのキット、キットというんですけれども、希望する高齢者と
障害者に無料で配布しているとのこと。筒は直径約6センチ、高さ20センチのプラスチック製で中
には持病情報のほか、家族の緊急連絡先、本人が確認できる写真、健康保険証や診察券のコピーな
どを入れておきます。冷蔵庫ならどこの家庭にもあるし、すぐ目につきます。外部に事前に個人情
報を知らせる必要もないので、プライバシーも守れるというようなことでありました。万一のとき
に不安を抱える高齢者も多く、症状を説明できないような一刻を争う事態に救急隊員が患者情報を
いち早く把握することで、適切な救命活動につなげてもらえればと導入のねらいを話しておりまし
た。
  こうした動きは全国に広がり、経済破綻した夕張市でも、今年から救急情報医療キット命のバ
トンを500人の市民に試験的に導入しております。65歳以上の高齢人口が全体の43%、独居高齢世
帯も3割近い夕張市では、日ごろから健康に不安を抱える住民が多く、このキットを手元に置く市
民に実施したアンケートでも、安心して暮らせる、ひとり暮らしなので心強いなど96%が必要だと
回答しております。
  今年6月の定例議会松木議員の一般質問に対し、市長は、どこまでの範囲を要援護の対象者と
するのか、個人情報に配慮しながらいかにして要援護の情報を収集し、地域で共有するかの課題が
あるとおっしゃっておられます。この救急情報医療キットは、災害時要援護者支援の個別計画にも
最適な方法であると考えます。経費も余りかからず、何より個人情報の保護の観点からしても、す
ぐれものであると思います。ぜひ前向きに導入を検討していただきたいと思います。
  これは質問というより要望ですので、一言コメントをいただければ結構です。
○議長  市長。
○市長  これは、南陽市でも奨励消防長しているよね、何回かもう聞いているし、先般交流があ
りました児童委員民生委員の幹部の方々との交流なんかの中でも、そういう話が出ていますので、
これは大変いいことで、何回か市内でもそういった研修の中で話が出ているはずです。救急隊のほ
うでは、ほとんどそういうふうな話をいろんなところでしているよね、たしか、そんなことも含め
て、ぜひ正式に行政の取り組みの一環として啓蒙活動を進めていきたいというふうに思っています
が、今現在、どうなっているのか、細かいことについて、私自身は把握してないので、福祉か消防
か、どっちでもいいから、わかるほうで答えてください。
○議長  大澤消防署長。
○消防署長  消防署で今のところ、そういったシステム等については、検討を進めていない状況
です。今、議員がおっしゃったとおり、大変よろしいシステムだなというふうに思っておりますの
で、今後、関係課と前向きに検討して進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをしたい
と思います。
  インターネットなんかを見ますと、市の福祉関係が主になって、あと消防が協力するというよ
うな状態のようですので、その辺、関係課と協議をしながら進めてまいりたいと思います。よろし
くお願いします。
○議長  斉藤福祉課長。
○福祉課長  要援護者については、12月いっぱいで全体計画ができるというふうなことで進めて
まいっております。ただ、それですと、個別計画についてちょっと間に合わないということで、今、
各民生委員、北部それと東部と具体的な計画に入っておりますので、なお、その際にでも、この件
について提案を申し上げてみたいと思います。
  なお、個別計画については、最終的には自治組織というんですか、地元の方でどこまでどうい
うふうにやるというふうな事業計画ですので、今後とも十分理解していただけるような話し合いを
していきたいと思っております。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  前向きに、本当に先ほど申したとおり、経費もそんなにかかりませんし、住民
の皆さんの要望というか、強いものあると思います。安心して暮らせるという意味では、ぜひ前向
きに導入をお願いいたしたいと、推進をお願いいたしたいと思います。
  先ほど認知症サポーターの件に関しては、これまで6回ですか、300人近い方がサポーターと
なっているということがありますけれども、認知症の始まりが本当に万引きと関係があるというこ
とで、この認知症サポーターの養成講座をスーパーの従業員全員で受講したとか、地域で見守ると
いうことから、地域全員で受講しているなんていうケースもあるようです。
  県の警察本部生活安全企画課の調査によると平成19年度の110番通報と捜索願いの提出された
徘徊高齢者件数は105件、うち無事発見70件、自分で帰宅17件、死亡16件、行方不明2件となって
おりますけれども、地域と行政が本当に連携を密にとり、認知症高齢者の支援のためにネットワー
クをつくっていくことで、この徘徊高齢者の早期発見にもつながるのではないかなと考えます。
  市の包括センターには、先ほど市長からの御答弁にもありましたとおり、キャラバンメイトさ
んが現在お二人おられますけれども、こうした方を本当に地域とか職場、そして学校等なんかにも
派遣していただき、認知症の人や家族の方を温かく見守る、そして支援するサポーターの輪を市内
一円に広げていけたらなと考えますので、行政としてこうした運動の啓発、普及に御尽力いただき
たいと思います。
  最後のあれですけれども、人々が生きていく上で最低限の生活保障とは、その生活の場で食べ
ていけることだと思います。ところが、その最低限の生活保障が危機にさらされております。今ま
で地域での生活を支えてきた農業が衰退の一途をたどり、若者の働く場が減り、そのために地域を
離れる人が相次ぎ、過疎化、高齢化が一層進み、多くの地域ががらんどうになって、空き家や空き
地、耕作放棄地が目立つようになってまいりました。共同体としての地域が壊れつつあるのだと、
そんなふうに思います。
  しかし、どんなに町並みが変わったとしても、そこに住む人々の生活や暮らしの基盤を支える
人権が保障されていなければ生活していけません。高齢者や障害者が安心して住み続けられるシス
テムが存在していなければならないと思います。市長は交通弱者の足の確保を考え、市民バスを走
らせてくださっておりますけれども、確かにありがたいことです。
  しかし、足腰の弱った高齢者が買い物等にどれだけ利用しているか、疑問を感じることもあり
ます。私の両親も北部バスの利用者の1人として大変お世話になっておりますけれども、まずはバ
ス停までの往復が大変だと言います。介護用のバイクを運転して行っているわけですけれども、食
料品の買い出しにはバスは使えません。自分の身さえやっとなのに重い買い物の荷物を持って動け
ないって言います。地元の商店主の移動販売車があったときはよかったなと地域の人たちは本当に
口をそろえて言っております。
  小国町で、この前新聞に、11月の末の新聞でしたか、地元のショッピングセンターが運行する
移動販売車が町民に町の中心部から離れた地区に住む高齢者に大変好評だというような記事も載っ
ておりました。それは、顔なじみっていう関係が本当にお年寄りにとっては一番うれしいのかなと
興味深く読んだ次の日でしたか、これも新聞なんですけれども、イグゼあまるめというようなこと
で、第三セクターですか、委託事業として国のふるさと雇用の特別再生の基金を活用した事業で、
電話1本でカタログに載っている地元商店の品物を届ける配送サービスなんですけれども、こんな
のも載っておりました。買い物は本当に高齢者の生活基盤です。カタログによる宅配サービスとい
えば、私なども利用させていただいておりますけれども、生協があります。
  しかし、これまで本当になじみのなかった高齢者にとって生協のシステムを理解するまでは大
変な労力を必要とします。でも、そうとばかりは言っておられません。地域生協を含めて、地域の
商店、商工会、地区民、行政が一体となって対策を考えていくべき大きな問題であると考えます。
そうした連携といった点で行政のお力を大いに発揮していただきたいと思います。これも意見とい
うか、考えなので、要望ですので、一言コメントをいただいて終わりにしたいと思います。
○議長  市長。
○市長  非常に大事な観点だなというふうに、私は前から思っております。昔のように御用聞き
が来て、きょうはばあちゃん、何か要らないかとか、こういうふうにして、ひとり暮らしだろうが、
年寄りふたり暮らしだろうが、元気かどうか確認できた、声かけ運動の一環にも昔はなったんです
ね。
  さらに、先ほど言われました移動販売、これもだれも1日中お話もする相手もいないのに来て、
大体商人ですから、お話が大好きな人ばかり来るわけですよね、特にじいちゃん、ばあちゃんと話
をするのが好きな人が移動販売の運転手ですから、それも一つの楽しみだったということは、決し
て否定できないわけで、それは大事なことだなというふうに思っております。
  これからも、そういったものを復活できるのかどうかは別としましても、生協あるいは農協あ
たりの今やっている何かランチ販売なのか、わかりませんが、届けているのがありますけれども、
ああいったものも踏まえながら、もう少し全体的にひとり暮らしあるいは高齢者だけの家族のある
意味声かけ運動の一環として、あるいは元気でやっているのかどうかも気づかないということでも
困るので、そんなことも含めて、セットでいろいろ検討をしていきたいというふうに思っておりま
すし、そんなこともあって、福祉のほうとも連携をさせたり、あるいはさまざま公民館とか、社会
教育なんかとも連携をとらせるなりして、非常に大事だと。私のところも、あなたは宮内に住んで
いるからいいけど、私は吉野で、店ないんだよね、本当に、ぐるりね、大変ですよ、お客様が来る
とビールを買いに宮内まで来ないととか、大変な状況にありますので、よくわかりますから、その
点については、十分検討させていただきたいというふうに思います。
  以上です。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  大変ありがとうございました。
  これで、私の質問を終わらせていただきます。
○議長  以上で3番吉田美枝議員の一般質問は終了いたしました。御苦労さまでございました。
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