───────────────────
佐藤  明 議員 質問
○議長  次に、15番佐藤 明議員。
〔15番 佐藤 明議員 登壇〕
○佐藤 明議員  既に通告しております介護保険制度と障害者自立支援法について質問をいたしま
す。
  最初に、だれもが安心して利用でき、安心して働ける介護保険制度について質問をいたします。
  御承知のように、介護保険制度は、今年4月に2000年の制度開始から10年目を迎えます。この
間、介護サービスの総量は増えましたが、社会保障切り捨ての構造改革のもとで、負担増や介護取
り上げが進み、家族介護の負担は今なお重く、1年間に全国で14万人が家族の介護などのために、
仕事をやめざるを得ない状況になっているのが現在の特徴であります。高い保険料、利用料を負担
できず、制度を利用できない低所得者も少なくありません。介護を苦にした痛ましい事件も続いて
おります。
  また、介護現場の劣悪な労働条件の改善も急がれております。今、介護は、派遣切りなどで仕
事を失った人の就労の場として、改めて注目をされております。しかし、たび重なる介護報酬引き
下げによって、介護現場の労働条件は非常に劣悪な条件と言われております。介護現場での危機を
打開して、利用者の生活と権利を守るためにも、社会保障の充実で雇用を増やすためにも、生活で
きる賃金、誇りとやりがいを感じられる労働条件、環境の整備などが不可欠であります。
  ところが、現在の介護保険は、利用が増えたり労働条件を改善すれば、直ちに低所得者まで含
めて保険料、利用料が連動して値上げされるという根本矛盾を抱えております。3年ごとに保険料
は値上げされ、既に平均で月4,000円以上の高額であります。そのために、政府自身も、人材不足
の改善のため4月から介護報酬を引き上げるに当たり、保険料値上げを抑えるため、これまで自治
体に厳しく禁じてきた介護保険会計への一般財源1,154億円の繰り入れを決めております。従来の
枠組みの破綻は明らかではないでしょうか。
  介護保険制度で国民の負担が重い最大の原因は、介護保険制度が始まったとき、それまで介護
費用の50%だった国庫負担割合が25%とされ、さらに「三位一体改革」によって22.8%まで引き下
げているからであります。国庫負担割合を、全国市長会と全国町村会も要求しているように、直ち
に5%引き上げ、さらに給付費の50%まで計画的に引き上げることが重要であります。保険料の負
担割合を縮小することで保険料を抑えながら、だれもが安心して利用できる介護に改善することが
できると思います。
  公的介護制度の抜本的な見直しも、消費税の増税ではなく、生存権の保障、所得の再分配、「
負担は能力に応じて、給付は平等に」といった社会保障の財政論の基本を踏まえて進めることが重
要と考えるものであります。
  今、だれもが安心できる介護制度に見直すことは、高齢者の生活と権利を守るだけでなく、介
護分野に新たな雇用を生み出し、介護を理由とした離職者を減らすなど、内需を基調とした我が国
経済の民主的発展にとって重要な効果があると考えるものであります。すべての高齢者の権利と生
活を守り、貧困をなくすことで、仕事と雇用を生み出し、経済を発展していく、これこそ憲法25条
を持つ我が国が21世紀に目指すべき道ではないでしょうか。
  私は、だれもが安心して利用でき、安心して働ける公的介護制度の実現のため、以下の項目に
ついて質問するものであります。
  第1点目は、南陽市の介護保険制度の現状と問題点はどのように考えておられるかお尋ねする
ものであります。
  2つ目には、経済的理由で介護を受けられない人の実態はどうなっているのかお尋ねするもの
であります。
  3点目には、在宅生活を制限する要介護認定制度の問題点、つまり「介護取り上げ」「保険あ
って介護なし」の実態はどうなっているのかお尋ねするものであります。
  4点目について、身近な相談相手、専門家としてのケアマネジャーを支援、育成する支援策は、
当局としてどのように考えておられるかお尋ねするものであります。
  5点目でありますが、食費・居住費の自己負担の状況はどのようになっているでしょうか。
  6点目は、労働条件の改善で、人材不足の解消、雇用の創出の考えはどのように考えているか、
次の3点をお尋ねしたいと思います。1つは、介護報酬の底上げ、2つには、人員の配置基準の改
善、3つ目には、研修の機会などの保障であります。
  7点目について申し上げます。特別養護老人ホーム、老健施設等の待機者の状況と実態、改善
策はどのように考えておられるかお尋ねするものであります。
  8点目には、高齢者の生活支援や健康づくりに、どのように責任を果たして支援しているのか、
あわせてお尋ねするものであります。
  2点目の障害者自立支援法の「見直し」についてお尋ねをいたします。
  御承知のように、障害者自立支援法は、2006年4月に施行され、今年、見直しの年に当たりま
す。障害者自立支援法は、利用者に重い負担を課しただけでなく、障害者福祉の事業所と労働者に
大打撃を与えました。1から1.3%の報酬引き下げ、利用者がキャンセルすると報酬が支払われな
い日払い制への変更、原則1割負担の利用料の応益負担導入による利用抑制と、これらの影響で事
業所は1割から4割もの減収となっていると聞いております。
  各種の報道、調査でも、自立支援法の施行後の収入が減った事業所は97%に及んでいると言わ
れております。多くの事業所が、利用者サービスの後退と労働条件の切り下げに追い込まれており
ます。募集しても職員が集まらない事業所が地域によって6割近くに上り、存続すら危ぶまれてい
る状況であると聞いております。
  次の3点についてお尋ねいたします。
  1点目は、南陽市の現状と問題点であります。
  2点目は、障害福祉サービスの報酬において5.1%の改定が行われ、件数や施設要件など具体
的には明らかになっておりませんが、事業の見直しの内容はどのようになっているのかお尋ねする
ものであります。
  最後に、3点目は、改正案は、人材確保とサービス向上のためとして、介護福祉士や常勤職員
を一定割合以上雇用するなどの要件を満たす事業所に対する報酬の20%の加算などを新設しました
が、市内では該当する事業所があるのかどうかお尋ねするものであります。
  以上、申し上げましたが、市当局の誠意のある答弁を期待をして、私の最初の質問といたしま
す。
  以上でございます。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
〔塩田秀雄市長 登壇〕
○市長  15番佐藤 明議員の御質問にお答え申し上げます。
  初めに、だれもが安心して利用でき、安心して働ける介護保険制度についての1点目、市の介
護保険制度の現状と問題点についてでございますが、介護保険制度は、平成12年度の発足以来9年
が経過しようとしており、定着してきたのではないかと考えております。
  本市の介護保険事業の現状でございますが、第1号被保険者数は本年1月末現在で9,354人、
介護認定を受けている方は1,453人で、うち介護サービスを利用している方は1,254人となっており
ます。また、平成19年度の給付総額は約21億2,600万円で、介護保険の財政運営もおおむね順調に
推移しているものと思っております。
  サービス関係につきましては、居宅系サービスはおおむね充足してきておりますが、施設サー
ビスには入所希望者が多数いる状況となっております。今後、さらに高齢化が進展する中で、サー
ビス提供体制の確保、充実と保険料基準とのバランスを図りながら、いかに安定した制度運営を図
れるかが課題であるととらえているところでございます。
  2点目の経済的理由で介護を受けられない人の実態についてでございますが、介護サービスを
利用した場合、1割が利用者の負担となります。昨年8月から9月に利用者ヒアリング調査を実施
いたしましたが、費用負担の関係でサービス回数を抑制しているケースも一部見受けられたところ
であります。経済的理由を抱えている方については、高額介護サービス費や食費・居住費の負担軽
減制度などもあり、所得が低い方への配慮も一定程度なされているものと認識をいたしております。
  3点目の在宅生活を制限する要介護認定制度の問題点についてでございますが、平成18年度の
制度改正により、要支援者の通所介護や福祉用具貸与サービスで、一部利用の制限がなされたとこ
ろであります。その後、見直しを求める意見や要望がなされ、国で一部見直しや適正実施の指導を
行っており、本市においても指導に沿った対応をしているところでございます。
  また、要介護認定につきましては、事例の積み重ねにより、一次判定も改良が進められており
ますし、また、専門家による審査会も平準化が図られてきていると考えております。
  4点目のケアマネジャーを支援、育成する支援策についてでございますが、現在の介護支援計
画に係る介護報酬体系は、ケアマネジャーが1人で40件以上担当した場合、すべての件数について
逓減される仕組みになっておりますが、経営を改善する観点から、このたびの改正では、40件を超
える部分にのみ逓減が適用されることになるなど、一定程度の経済支援になるものと考えておりま
す。また、地域包括支援センターが中心となり、定期的に処遇困難事例検討や研修会の実施など連
携を図っているところでございます。
  5点目の食費・居住費の自己負担の状況についてでございますが、平成17年10月から施設入所
者の食費・居住費が給付費の対象外とされたことにより、結果、利用者の負担増となったところで
ございます。
  特別養護老人ホームにつきましては、施設に住所を移すため単独世帯となり、ほとんどの方が
非課税による負担軽減制度を受けることになりますが、老人保健施設や短期入所サービス利用の場
合は、世帯課税の関係があり、負担軽減制度を受けられない方も多くなっております。
  なお、課税世帯による老人保健施設の多床室利用の場合では、食費・居住費の1カ月の合計が
約5万4,000円程度となっております。
  6点目の労働条件の改善で、人材不足の解消、雇用の創出の考えについてでございますが、介
護報酬の改定については、平成21年度から介護従事者の処遇改善を目的として、全国平均で3%の
改定が予定されております。さらなる底上げにつきましては、保険者として介護報酬には関与でき
るものではございませんが、保険料への影響も考慮していく必要があると考えております。
  人員の配置基準の改善につきましては、市内の一部入所施設では、介護職員が国の配置基準で
ある30人に対して43人の配置や、通所施設での配置基準5人に対して8人が配置されるなど、国の
基準を上回る配置がなされている実態にあり、国の基準は、現実的に見ますと、少ないのではない
かという感じもいたしております。
  研修の機会の保障については、関係団体や行政主催による研修会が各種実施されているところ
でありますが、保険者としても、参加しやすい体制づくりを支援してまいりたいと考えております。
  7点目の特別養護老人ホーム、老人保健施設などの待機者の状況と実態、改善策についてでご
ざいますが、2月末現在の待機者は、複数申し込み等により重複されている数値でありますが、市
内4つの施設の合計で284人となっております。
  なお、国の示す施設整備の目標指数と照らし合わせても、基準を上回っていることもあり、新
たな整備は困難な状況と判断しているところでございます。このため、当分の間は、小規模多機能
型居宅介護サービスや認知症対応型グループホーム等、地域密着型サービスの充実を図ってまいり
たいと考えております。
  8点目の高齢者の生活支援や健康づくりへの責任と支援についてでございますが、高齢化が進
展する中で、できるだけ長く健康でいることが大切であります。そのために、一般高齢者を対象と
した、介護予防普及啓発事業や介護予防活動支援事業などに取り組んでいるところであります。ま
た、生活機能評価事業を実施し、要介護状態となるおそれの高い高齢者を対象に、通所型介護予防
事業なども実施しております。
  今後とも、高齢者が介護状態にならないための予防策とともに、要介護状態となった場合でも、
可能な限り地域で日常生活が送れるよう、事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
  次に、障害者自立支援法の「見直し」についての2006年4月の法施行後の南陽市の状態と課題
についてでございますが、本市においては、障害者自立支援法で定められている介護・訓練等の給
付を行っている事業所は、15事業所、7法人あり、いずれも人材確保、経営の安定も含め、自立支
援法への対応に苦慮されているようですが、休廃止を検討している事業者はないと承知しておりま
す。
  事業所の支援につきましては、障害者自立支援法の円滑な施行のために設けられました臨時特
例交付金事業により、これまでの月額報酬と新たな日額報酬の差額を一定程度補償する激変緩和措
置や、送迎サービスに係る費用の補助が行われております。
  また、利用者負担につきましても、平成19年4月と平成20年7月に軽減措置が取り入れられ、
自立支援法以前の負担とほぼ変わりない程度まで負担は抑えられている状況にございます。現在、
障害福祉サービス利用者のうち、約8割の方が何らかの軽減措置を受けており、利用者負担の増加
等を理由に福祉サービスの利用を休止、取りやめしている事例は現在のところはないと認識してお
ります。
  障害福祉サービス報酬の改正による事業者等の見直しの内容につきましては、サービス費用の
報酬単位、各種加算等の要件がまだ正式に決定されていない段階でありますが、今回の改定により、
新体系へ移行した事業所については、各種加算の適用、基本報酬単位の改定により、経営基盤の安
定化が図られる見込みであります。
  なお、市内の事業所で唯一、身体障害者療護施設の「南陽の里」は、旧体系施設のため、基本
報酬単位のみの改定となります。
  人材確保とサービス向上のための加算要件を満たす事業所につきましては、市内の事業所では、
福祉専門職員配置等加算が見込まれるのが、障害者支援施設で1事業所、特定事業所加算が見込ま
れるのが、居宅介護事業所で4事業所と相談支援事業所で3事業所となっておりますが、20%加算
が見込まれる施設はないと思われます。
  以上で、私からの答弁とさせていただきます。
○議長  再質問に入ります。
  佐藤 明議員。
○佐藤 明議員  それでは、何点か再質問いたします。
  きのう8日午後2時より、YTSですか、朝日放送で「ザ・スクープ」、放映されたわけです
けれども、介護保険の問題で1時間半ぐらいあったのかな。私ちょっと遅かったのでよく見られま
せんでしたけれども、放映されたわけですね。これ見ましたか。私も涙が出たんですけれども、老
老介護、80代の男性の方が自分の奥さんを殺害をしたと、何でだと、こういうふうにレポーターの
人が聞いておったんですけれども、金がかかる問題、あるいはお年寄りがお年寄りを面倒見ると、
こういう実態があると、決して憎くて殺したんじゃないと、こういうお話でありました。
  皆さんも団塊の世代でありますから、将来やがて70歳代あるいは80歳代、来るわけですね、遅
かれ早かれ。だれもがそれぞれの立場から、施設やあるいは身内からも介護の手ほどきを受けると、
こういうことになると思うんですよ。ですから、決して笑い事ではなくて、まさに現実の社会問題
として私は指摘をしておきたいと、このように思います。だれか当局でテレビを見た人いらっしゃ
いますか。いない。
  それで、質問をするんでありますが、第1の問題は制度の問題だと思うんです、新たになると
いうのは。介護が10年目を迎えて、制度の改正をやると、こういうふうに言っているわけです。そ
れで、制度の介護の中身でありますが、全介助が自立の判定になる可能性があると、このように言
われているわけです。ですから、今まで介護の基準が一応御承知のように、さまざまな審査を受け
る対象の中でケアマネジャーやあるいはお医者さん、最初コンピューターが判定して、その次、お
医者さんが判定すると、こういう形をとっておったわけですけれども、新たな新テキストなるもの
が発表されまして、これ、課長、御承知でしょう。当然ね。
  こういう中で、新しいテキストの中で、例えばですよ、移動、移乗の機会がない重度の寝たき
りの状況の人は、今までですと全介助の対象になっておったと、ところが今度は自立の介助はでき
ないと、なしだと、こういうふうに言っているわけです。さらには、ちなみに申し上げますと、食
事の摂取の問題でありますが、こういった方も今まで介助になっているものが、介助の対象になら
ないと、こういうことになるようであります。
  ですから、制度そのものが全面的に変わると、こう言わざるを得ないわけですが、それはどう
でしょうか。
○議長  佐藤福祉課長。
○福祉課長  かなり技術的な問題でございますが、認定の問題だと、このように思っております。
今現在、認定は確かに平成21年度、来年度から変わります。この部分については、必ずしも今みた
いな悪くなるというような話ばかりじゃなくて、今、悪くなるかどうか、その辺まではちょっと我
々は検証するすべもございませんが、介護の方向をより実態に合わせたものに改定すると、このよ
うにお聞きをしておるところでございます。
  ちなみに申し上げますと、介護の認定の関係については、いわゆる状態像といいますか、介護
に要する時間帯をこれまではどのぐらいかかるのかと、こういったケーススタディと言っておりま
すが、これをいろんな樹形モデルといいますか、移乗の問題とか、あるいは日常生活ができるのか
とか、食事が十分できるのかとか、そういったものを踏まえて認定されるものでございます。
  なお、コンピューターが判定するというようなことでございますが、コンピューターを利用し
て判定するというような形で我々は認識をして、それを補正するのが、人間が再度、審査会等々で
認定をするものだと、このように考えているところでございます。
○議長  佐藤議員。
○佐藤 明議員  それで、課長、市長もそうですけれども、要介護認定の調査事項で、変更され
る事項があるわけですね。これ14項目あると聞いております。それで、火の不始末とか、あるいは
一人で水が飲めないとか、こういった14項目あるわけでありますが、これが削除されると、こうい
うことが今度の制度で改正されると、こういうふうに言われております。また、追加される6項目
もあると、このように聞いております。その辺の実態はどう受けとめておられますか。
○議長  佐藤福祉課長。
○福祉課長  かなり専門的な分野でございますので、我々はその詳細の部分までは知る部分はご
ざいませんが、ただいまおっしゃったように、削除される項目が14項目、追加される部分が6項目
で、現行82項目から74項目に変更されると。ただ、具体的なところまで、何でしたかという部分に
ついては、我々はまだ承知しておりませんけれども、いずれにしましても、介護に必要な時間を適
切に反映をするためと、このような文書が参っておる状況です。
  以上です。
○議長  佐藤議員。
○佐藤 明議員  課長は、具体的に介護認定の調査項目で変える部分と新しく出る分については、
まだわからないというふうなお話でありますが、今度の国の来年度の予算がせんだって決定された
わけですけれども、既に厚生労働省で具体的に当然進んでいるわけですけれども、大体、前々から
こういった何項目かの話は私は出ていると、こういうふうに聞いているんですけれども、だから私
はあえて言ったわけですけれども、南陽市の課長は大体知っているんでないかなということで今質
問したわけですけれども、いずれにしても、こういう形ですね。改善点が出されると、こういうこ
とになるわけですね。
  ですから、私、心配しているのは、今まで介護の認定で十分対象になった制度を、今後、なさ
れない、対象にならないと、こういう心配もあるわけですから、あえて質問をしてきたわけであり
ます。
  ですから、私は、この改正点なるものが本当にお年寄りのために役立つような、そういう改善
ならばまだしもいいんですが、悪くなる一方だと、これでは問題がありますから、その辺、今後、
十分に部内で検討して、そしてお年寄りの皆さんが安心してかかれる介護制度に改善していただき
たいと、このように思うわけでありますが、その辺いかがでしょうか。
○議長  佐藤福祉課長。
○福祉課長  この認定の問題等々につきましては、正直申し上げまして、その中身まで私どもが
関与すべき部分についてはなかなか難しいと、国の専門家の医学的あるいは介護の現場的なそうい
った方々がいろんな議論してお決めになられたことでございますので、いいのかどうか、我々は当
然よくなると、このような話で受けとめております。
  ただ、実態としまして、それがやったときに、非常に使い勝手が悪い、実態を反映していない、
こういった課題が将来出てくれば、これは我々保険者としても、そういった実態をいろんな形を通
じて、国のほうに課題を上げるということも必要ではないかと、今はそのように思っております。
○議長  佐藤議員。
○佐藤 明議員  課長、今度10年目を迎えるわけですね、3年ごとの見直しということで。今ま
で介護保険のちょうど9年前ですか、私も何回となく課長や当局と議論を再三してきたわけですけ
れども、当初からこの介護保険問題については問題ありと、これは関係者だけでなくて、自治体の
ほうからもいろいろと意見や議論があったわけですね。これは御承知のとおりだと思うんです。
  ですから、あえて私はこのように指摘をするんであります。まず、つくってからでは遅いと、
つくる前にいろいろ関係機関と一緒になって、この制度なるものを議論をして、いい方法いい方法
に改善していくと、これが私たちの仕事ではないのかなと、このように思うわけですが、改めてお
伺いいたします。
○議長  佐藤福祉課長。
○福祉課長  そもそも介護保険法、平成9年に制定されまして、平成12年から施行と、ちょうど
私も平成11年から携わった記憶があるわけでありますけれども、その段階から介護保険は大変問題
点を内在しておりますが、あの当時の社会情勢、今おっしゃったように老老介護あるいは刑事事件
にまで発展するようないろんな社会問題になってきていると、したがって、、そこを完全に詰めて
からでは時間が遅いというような形で、介護保険はいろいろ問題ありますけれども、走りながらで
もやりましょうということで、平成12年4月1日から施行されたと、このような考え方で私は認識
をしております。
  さらには、今も、先ほどテレビの放送内容等々があったわけでありますが、老老介護も含めて、
最近では認認介護、認知症の方が認知症の方を介護すると、このような報道もなされているようで
ございます。
  先ほどもありましたように、介護保険制度10年目を来年度迎えるわけでありますが、私どもも
これで万全だというふうには私も思っておりません。先ほど申し上げましたように、使い勝手が悪
いものとか、あるいは実態を反映していないものについては、やはり制度的なものについては国な
りに、それから市の部分で解決できるものについては市で、当然ながら保険料等々とも整合性をと
りながら考えていかなければならないと、このように思っているところでございます。
○議長  佐藤議員。
○佐藤 明議員  しっかりした対応をしていただきたいと、その一点であります。
  次に、問題を指摘をしておきたいというふうに思います。さっきも申し上げたんですけれども、
施設に従事するいわゆる介護の職員ですね。介護福祉士というんですか、専門職でありますけれど
も、こういった方々は、賃金が安くて、これでは生活できない。きのうのテレビなどでも放映をし
ておったわけですけれども、こういう実態も全国各地にあるわけです。それで、果たして事業所も
やめざるを得ないような、全国的に見ればそういうふうな施設も出ているというふうに聞いており
ます。
  この職員の待遇の改善、あるいは施設の運営、このような方策を、市としても支援策というの
はあると思うんですけれども、具体的にどのように考えておられるか、最初にお聞きをしたいとい
うふうに思っております。
○議長  佐藤福祉課長。
○福祉課長  確かに、統計的といいますか、調査的なものでは、介護保険の従事者、いろんな職
種から比べて賃金が安いというようなデータがあるようでございます。また、これについては年齢
とか、あるいは正規雇用とか、非正規雇用とかいろんな条件があると思いますけれども、この支援
については、今回、御存じのとおり、介護報酬、制度以来、初めて3%のアップがなされようとし
ております。これまで2回の改定についてはいずれも2.3から2.4%のマイナス改定と、このような
形で、この3%については、我々保険者としては、保険料にも反映できますので、もろ手をという
わけではございませんが、やはり歓迎すべきものなのかなというふうに思っております。
  具体的な個々の事業所の支援という部分については、当然いろんな収益を上げる部分もござい
ますので、お金を入れたりという市が直接補助金を出すとか、そういったものはできないわけでご
ざいますが、先ほど市長から答弁もさせていただきましたけれども、いろんな研修とか、あるいは
いろんなケースの検討会とか、そういったものについては保険者として支援をさせていただきたい
と、このように思っております。
○議長  ただいま15番佐藤 明議員の質問のさなかでありますが、ここで暫時休憩といたします。
  再開を2時10分といたします。
午後 1時59分  休  憩
───────────────────
午後 2時10分  再  開
○議長  再開いたします。
  佐藤 明議員。
○佐藤 明議員  いろいろ答弁いただきましたが、せんだって、関係課から平成21年から23年度
における保険料をいただいたんですけれども、これを見ますと、3月までは第3期と、新年度から
第4期で3年間というふうなことでありますが、現在、南陽市のランクづけといいますか、現在7
段階ですね。それで、平均保険料は現在、年間で4万7,100円、月平均に直しますと3,925円と、こ
のようになるわけであります。
  新年度から、第4期からは9段階にして、緩和策をとるということで、料金等も若干安くなる
と。それで、今までの4段階、これを4段階と5段階の2つに分けると、所得に応じて。これを計
算してみますと4段階が年間3万8,200円、月に直しますと3,183円、5段階ですが、旧4段階にな
りますが、年間4万5,000円、月平均が3,750円と、いずれも若干安くなると、こういうふうな形に
なるわけですけれども、国も、さっき私も指摘したんですが、今まで介護会計に対しまして、一般
会計から繰り入れはまかりならぬと、こういうので一貫してやってきたわけですね。しかし、全国
的な各自治体の運動や関係諸団体の運動によって、介護保険会計への一般財源1億1,054万円を繰
り入れを新年度から決定して、介護サービスに充てると、こういう措置をとった。まさにごく当た
り前の話だと思うんですが。
  それで、市長にお尋ねしたいんですが、こういう措置をとるということは、さっき言ったよう
に、全国市長会初め、全国町村会、あるいは医療団体の後押しなどもあって、せざるを得ないと、
こういうふうになるわけですけれども、さっき板垣致江子議員が国保会計でいろいろ質問したよう
ですけれども、やっぱり国保会計も、ちょっと関係ないんですけれども、こういう形で措置をとる
ということが私は大事だと思うんですが、そういった一般財源からの繰り入れを、自立支援もしか
り、今まで削ってきたものをもとに戻すと、これも大事だと思うんですが、市長としては、改めて
国に対して力を込めて訴える必要があるのではないのかなと、このように思いますが、いかがなも
んでしょうか。
○議長  市長。
○市長  今、佐藤議員から御指摘あったように、これは単に介護保険のみならず、国保、いずれ
も受益者応能負担、こういったものが増えていると、したがって、当然、利用者の負担が大きくな
ると、こういうようなことになるわけで、先ほどからお話出ていますように、低所得者とかさまざ
ま厳しい状況におられる皆さん方にとっては大変迷惑していると、こういうことであります。
  そこへきて、本来であれば、当然そういった関係者において負担をするのがこの保険の制度だ
と、こういうことで今まで長く維持してこられたわけでありますが、ここにきて、高齢者あるいは
医療関係なんかもかかる方が多くなっているというようなこともあって、従来のような形ではこの
制度を維持できないと、こういうことであります。
  特に保険者の我々にとっては、負担をしろと、こういうことであります。一般会計からと言わ
れますと、ほかのことにも大変負担がかかるわけなんで、こういったものについては当然、国の国
策としてやっていただかなければならないことだと、私はいつもそう思っているし、言っておりま
す。何回も言いますが、国民の命を守るのは国の役割であると、こう思っておりますから、南陽市
に生まれた人と東京に生まれた人が全然条件が違うと、片や医療費ただ、片や介護保険が安い、こ
れはいかがなものかというのが私の基本的な考えでありますので、引き続き、そういった市長会な
り、あらゆる会合において、そういった考えについては、みずから襟を正して、しっかり提言して
いきたいというふうに思っていますし、佐藤議員の御指導なども得ながら頑張っていきたいという
ふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
○議長  佐藤 明議員。
○佐藤 明議員  それでは、時間の関係もありますので、次に移りたいと思います。
  自立支援の問題でありますけれども、これも新年度、新たに見直しがあるんだというふうなこ
とであります。それで、国のほうでは2月ですか、基本報酬をまとめるというふうに言っておられ
るわけですけれども、改正案で3月の上旬に閣議決定をして国会に提出すると、こういう運びにな
っているようでありますが、具体的にはどういう見直しをされるのか。もう来ているのかどうか。
上旬も間もなく終わろうとしているわけですけれども、どうでしょうか。
○議長  佐藤福祉課長。
○福祉課長  具体的にということでございますので、報酬単価が先ほど議員からありましたよう
にアップする予定になっているようでございます。報酬のアップのどういうものにアップするのか
という部分については、今月の6日ですか、金曜日に説明会がございました。ただ、人員の配置基
準とか、その部分についてはまだ明らかにされておりません。3月下旬というふうにお聞きしてお
ります。したがいまして、報酬アップの部分については3月末ごろでないと具体的にはわからない
と、このような状況になってございます。
  これまでかなり利用するについても制限等々があった事例もあるわけですが、それを大幅に緩
和をしたいと、このような形も出ておるようでございます。
  以上です。
○議長  佐藤議員。
○佐藤 明議員  現在、障害者の所得、これ平均で月どのぐらいになっていますか。ちょっとお
聞きしたいんですが。わかりますか。
○福祉課長  わかりません。
○佐藤 明議員  わからない。
○福祉課長  はい。
○佐藤 明議員  今、障害者の方の家族の求めていることは、応益負担でなくて、応能負担と。
つまり、定額でなくて、所得に応じたいわゆる応能をやるべきだと、こういうふうに言っているわ
けですね。今やこの問題は、障害者にとって一つの最大の課題であると、このようにまで言われて
おります。ですから、私は、この障害者の置かれている実態をよく押さえて対応をしていくと、こ
れが行政の責任ではないのかなと、このように思うわけでありますが、市の考えはいろいろあろう
かと思いますが。
  先ほどの答弁ですと、20%の加算の問題ですが、これは南陽市には該当する事業所はないと、
こういうふうなことでありますが、15%の関係では4事業所がさっきの答弁ですとあると、こうい
うお話でありますが、この15%の加算というのはどの程度のものになるのか、具体的に答弁を願い
たいというふうに思います。
○議長  佐藤福祉課長。
○福祉課長  まずもって、20%の部分については、条件が3点あるようでございます。1つは、
サービス提供体制の整備、これは研修の計画的な実施とか等々について。それから2点目は、良質
なサービスの確保という形で、有資格者の配置の割合。それから重度障害者の対応、その施設等々
における重度障害者の方々の割合が多いと。この3点がクリアされると20%ということでございま
すが、残念ながら、1と2あるいは1と3の部分についてはクリアできる事業所が若干あるようで
ございますが、この有資格者の配置の部分、この部分がなかなか確保できる見通しがまだついてい
ないと、先ほど申し上げましたように、この有資格者配置と、それから報酬の関係がまだ見えてこ
ないということもございまして、仮に配置するとしても20%の加算までに至るかどうか、そこもわ
からないもんですから、多分ないだろうと、このように今のところ推測をしているところでござい
ます。
○議長  佐藤議員。
○佐藤 明議員  いずれにしても、そういった3点の問題点をクリアすれば加算の対象になると、
こういうふうな運びになろうかと思うんですが、私、さっきも指摘したんですが、いわゆる応益の
問題でありますが、障害者の方は非常に所得が少ないと、少ないにもかかわらず、しかも今不況で、
事業所も仕事がないとか、いろいろな障害があるわけですけれども、前と違って、現在では2年前、
3年前あるいはその前よりもずっとひどくなっていると、こういう状況があるわけですけれども、
こういうときだからこそ、さっきの20%の加算の問題でありますが、あるいは15%の加算の問題で
すが、そういう理由づけしなくて該当するような方策というのは、これは当局としては何か、これ
は国の話だから、それを言われればそれまでですが、何かいい策はないのかなと、このように思う
わけでありますが、その辺どうでしょうか。
○議長  佐藤福祉課長。
○福祉課長  国の施策と今あったように、やはり国の施策として考えていただくということなん
でしょうけれども、法に基づいた中で市町村がやれる事業がございます。そういったものについて
は、事業補助金等々を活用しながら、市としてもできるものはやっていきたいと。ただ、当然なが
ら、それについては他の政策等々とも十分調整を図りながらという条件つきでございますが、国の
政策がないけれども市で独自でやるという部分までは、ちょっとこの場で私が言及できるものでは
ございませんので、市ができるもの、その他の財政的な問題、そういったものも十分調整をしなが
ら、やれるものについては積極的にさせていただきたいというふうに思っております。
○議長  佐藤議員。
○佐藤 明議員  国の施策であると、具体的に一地方自治体では財政的な問題や政策的な課題が
あると、課長一人で、はい来た、そうですか、やりますなどというのは当然できないわけでありま
して、これは首長が最終的に判断する問題と思うんですが、さっきもちらっと言ったんですけれど
も、障害者福祉サービスの報酬ですね、5.1%の増というふうなことでありますが、この5.1%増の
これをお金に直すと相当のお金と聞いているんですが、その辺実態はわかりますか。
○議長  佐藤福祉課長。
○福祉課長  先ほど申し上げましたように、3月6日に示されたものでございますので、いまだ
わかりかねると。当然ながら、その後に示される人員配置の問題とあわせてしなければならないも
のでありますので、金額具体的に幾ら幾らと、このようなことを申し上げる段階では、ちょっと私
の段階ではございません。
○議長  佐藤議員。
○佐藤 明議員  いろいろ報道もありますけれども、具体的に出ている部分もあるんですね。課
長としては、市長のいる前で簡単には言えないと思うんですね。
  私、最後に市長に答弁を求めたいんですが、障害者自立支援の問題ですけれども、市で単独で
もそういうふうな考え、さっき課長は簡単には私から言えないというようなお話だったわけですけ
れども、最高責任者の市長としてどのように考えておられるか、最後にお聞きをしたいと思います。
○議長  市長。
○市長  先ほどの問題と同じように、この福祉の問題、さまざま課題が多いわけですけれども、
国の方針がしっかりしない中にあって、市独自でということになりますと、将来的に交付税の算定
のときにいろいろとペナルティーをいただくということが過去にも何回もございましたので、その
ことが結果としては一般の皆さん方に御迷惑をかけるということになってはいけませんので、十分
検討して、独自の対策が可能であれば対応したいというふうに考えております。時間をいただきた
いと思います。
○議長  以上で15番佐藤 明議員の一般質問は終了いたしました。御苦労さまでございました。
───────────────────