平成22年12月定例会
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午前11時15分  再開
○議長  再開いたします。
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田中 貞一 議員 質問
○議長  次に、9番田中貞一議員。
〔9番 田中貞一議員 登壇〕
○田中貞一議員  おはようございます。
  師走に入りまして、例年ならば寒さ厳しく雪が田畑にあっても不思議でない時期となりました。
  さて、昨今の日本列島は、北から南まで問題山積でございます。国民も冷蔵庫の中から抜けられないような状況が続いており、多くの国民が閉塞感で充満している状況でございます。
  さて、市内農業は、春先の異常な低温や夏の記録的な猛暑、干ばつという気象災害に見舞われました。しかし、農業指導機関と農業者の努力によって、さほどの大きな被害もなく、サクランボを初めとする果樹、野菜、米などの豊かな収穫を見ることができました。特にお米の品質がほかの県産米と比べて主力の「はえぬき」でも大変良好でありました。もちろん「つや姫」は98%一等米であり、全国でも類を見ない好結果となりました。しかし、米価が大幅に下落する状況と相なり、さらに追い打ちをかけるようにTPP貿易自由化の大合唱が始まり、そして今日に至っております。
  さて、このTPPとは、Trans Pacific paternership、環太平洋戦略的経営連携協定というものであり、現在チリ、ニュージーランド、シンガポール、ブルネイ、4カ国が加盟しております。関税全廃、例外品目なき完全自由化を原則とする自由貿易協定であり、FTEやEPAよりもさらに強力な究極の自由化協定であるといわれております。
  また、加盟国同士の貿易を活発にし、経済成長を促すため、輸入品の物だけでなく看護などのサービス業の参入や企業の進出、それにかかわる人の行き来も自由にする必要があるとのことであります。農業分野のみでなく、幅広い協定であります。
  このTPPにアメリカを初めカナダ、オーストラリア、ペルーなども加盟、または検討を表明しております。特にアメリカが積極的であり、そのねらいは世界の貿易量の40%をキープするほど経済成長著しいアジア市場に深く食い入ることであるといわれております。このアメリカの圧力と輸出企業を中心とする財界などの意向を受けて、菅総理が10月1日の所信表明の中で初めて「TPP」という単語を口にしたものであります。
  その後、マスコミも前原発言の「GDP1.5%を守るため98.5%を犠牲にしてよいのか、このままでは日本だけが乗り遅れる、鎖国か開国か」などの発言を取り上げ、世論をあおっているのが現状であります。
  日本が加入し、関税撤廃した場合の影響について、農林水産省は国内農業生産額約10兆円の4割、40%が失われる、金額にして4.1兆円。片や、経産省は輸出がおおよそ8兆円増えるなどと試算をしておりますが、国内農業生産額の大幅なダウンは農家、農業者だけでなく地域の雇用を減少させ、地域経済を疲弊させるそのものであり、決して容認できるものではありません。
  そこで、市長にお尋ねをいたしますが、この菅内閣が打ち出しているTPPに市長の基本的な見解を賜りたい。
  次に、日本がTPPに参加した場合、市内の農業産出額はどの程度落ち込むのか、また市の経済に与える影響はいかほど、試算されているのかをお伺いをいたします。
  次に、農政全般についてお伺いをいたします。
  本市の農業基本構想の中に示してあるモデル体系、11体系で、農業者1人当たり400万円の所得計画を示しておりますが、これらを実現するために本市の農業産出額の大幅な増大政策が必要であると考えますがいかがでしょうか。また、山形県と歩調を合わせた新たな政策を立ち上げ、数値目標の設定を求めますがいかがでしょうか、お尋ねをいたします。
  次に、第5次総合計画の基本構想について、全般に質問を申し上げます。
  本構想を議会に示されたわけでございますが、市長の具体的な見解を賜りたいと思います。本構想を実施するための基本計画を2月に示すとされておりますが、本市の近未来的にも人口維持対策が最重要であると考えますが、市長の見解をお尋ねいたします。
  以上、壇上からの質問とさせていただきます。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
〔塩田秀雄市長 登壇〕
○市長  9番田中貞一議員の御質問にお答え申し上げます。
  初めに、TPP全般についての御質問につきましては、先ほど15番佐藤 明議員の質問で御回答申し上げましたところでございますので、御了承願いたいと思います。
  次に、戸別所得補償モデルの件についての1点目、モデル事業の実績と問題点についてでございますが、本市の水田経営農業者並びに組織等の総数1,524件のうち、909件が加入申請をされました。現地確認等の結果、交付対象と認められましたのは902件となり、内訳は、米戸別所得補償モデル事業のみの該当が318件、水田利活用自給力向上の事業のみの該当が98件、両方に該当するものが486件となります。
  交付対象のうち、米戸別所得補償モデル事業の対象面積は1,229ヘクタール、下落補てん分を除いた一律交付金の見込額は1億7,180万円、水田利活用自給力向上事業のうち、大豆・飼料作物等の戦略作物の対象面積は248ヘクタール、交付見込額は9,270万円、その他の作物の対象面積は30ヘクタール、交付見込額は270万円でございます。11月末現在、交付対象のうち、895件の交付申請手続が完了しております。
  問題点といたしましては、昨年までの水田農業構造改革対策と比較して、申請に係る手続が複雑になったことが上げられますので、手続の簡略化を国に求めてまいりたいと考えております。
  2点目の今後の取り組みと課題についてでございますが、次年度から予定される戸別所得補償制度の本格実施につきましては、農林水産省の予算概算要求段階の概要が示されており、畑作物への対象拡大や数量払い、不作付地や耕作放棄地の解消に向けた取り組み加算など新たな事業が含まれておりますが、概要に記載されていない対策が検討されているなどの報道もなされていることから、事業内容はいまだ流動的であるととらえております。
  今後、制度が確定次第、農業者の皆様へ詳しく周知を図ってまいる予定でございます。また、今年度のモデル対策の実施により、不作付の解消に向けた取り組みの必要性が課題として浮かび上がっております。
  今年度は234ヘクタールについて、不作付や作付作物の有効利用がなされていない状況にありました。これらについて、圃場条件や集落内の生産者組織、畜産農家との連携を一層密にしながら、飼料作物や飼料用米、その他作物の生産、あるいは農地保全を目的とした緑肥作物、景観作物等への取り組みを広く推奨し、戸別所得補償制度の有効活用を進めてまいりたいと考えております。
  次に、農業産出額の増大政策についてでございますが、現在の農林水産業を取り巻く状況は、担い手の減少、高齢化や耕作放棄地の増大などに加え、農産物の価格の低迷が続くなど非常に厳しい環境下にあります。
  そのような中、山形県においては吉村県知事のもと、農林水産業産出額の1.5倍戦略を打ち出し、算出額3,000億円の目標を立てました。昨年、山形県に農林水産業活性化推進本部を設置し、農林水産業元気再生戦略を策定し、積極的な施策が展開されております。
  本市においても、県と連携を図りながら、官民の枠を超え、商、工、観光と幅広いネットワークを築き、地域の実情に合った取り組みを行ってまいりたいと考えております。
  特に、地産地消のさらなる推進や後継者の育成・確保、新規就農者の促進、さらには資源循環型農業の普及を促進させ、安全で安心な消費者ニーズにこたえ得る農産物の高付加価値化を推し進め、産出額の増大を図るとともに、農林水産業全体の底上げを目指したいと考えておるところでございます。
  次に、第5次総基本構想全般についてお答えを申し上げます。
  このたびの定例会に提案いたしました第5次南陽市総合計画基本構想につきましては、市民及び中学生へのアンケート調査や、初めて市長と市内の全中学生が直接対話するスクールミーティングの開催、パブリックコメントや全地区での説明会などを実施しながら、市振興審議会へ諮問をいたし、慎重な審議を経た答申を踏まえて策定いたしたものでございます。
  その概要は、5本の柱からなります市民憲章を基本理念に、目指す都市像を「確かな未来夢はぐくむまち南陽」と掲げ、平成32年度を目標年次に「教育」、「産業」、「健康」の3つのまちづくりを柱に据え、未来につながる南陽市を築いてまいるものであります。
  具体的には、「教育のまちづくり」は、徳育の向上を図りながら、日本一の人づくりで心豊かな明るいまちを、「産業のまちづくり」では、地域の活力を生み出し働きがいのあるまちを、「健康のまちづくり」は、生き生きと多世代が交流する元気なまちを目指すものであります。
  そして、これらの取り組みによる10年後の目標人口を約3万2,000人と設定し、人口が国全体で減少する時代にあって、あえて目標人口を国の推計値より高く掲げ、定住率、出生率及び転入人口の増加を図るための定住促進や子育て支援策など各種施策を展開してまいる所存であります。
  なお、具体的な施策につきましては、現在作業中の前期基本計画で示してまいりたいと存じますので、御理解を賜りたいと存じます。
  以上でございます。
○議長  再質問に入ります。
  田中議員。
○田中貞一議員  それでは、何点か質問させていただきます。
  先ほど市長のTPPに対する基本的な考えの中で、佐藤議員の質問に答えられたわけでございますけれども、市長個人の明確な態度が出ないと、いろんなものを勘案しながら判断しなくてはならないんだというようなことでございました。市長も毎日、市役所に吉野の自宅からここまで来られるわけでございますけれども、その途中両側に水田、畑などがあるわけでございます。吉野地区へ行きますと当然減反、以前のとも補償などの関係で水田がほとんど荒れている状況の、状態のところが多いこと目につくと思います。
  宮城県で試算をしました約、産出額、宮城県の産出、山形県は公表控えておりますが、その中でも米についてはもう90%ぐらいなくなるんだというようなこといっております。ということは、南陽市の水田の90%ぐらいが、それをそのまま持ってくればですね、90%のところが原野化するということになってくるんだろうというふうに私思います。
  非常に国家存亡にかかわる、私は一大事のこのTPP貿易協定であろうと思うんですけれども、その大事な国の基本をなすこの大きなものに、一市の市長が明確な答弁ができない、様子を見てからだというようなことでは、私は変じゃないかと思います。たしかこの間の臨時議会でも意見書を、国に上げる意見書のほうを議員の皆さんを通して国に出しているわけですけれども、その中でもやはり南陽市の農業市の市長も、この問題に対しては明確に、私は反対ということを表明するべきだと思いますが、再度お尋ねをいたします。
○議長  市長。
○市長  先ほども佐藤議員の御質問にお答え申し上げました。現状ではやるべきではないということを言っておるわけで、将来的にですね、今のままそのままですね、農業に今推計されている数字がのしかかるというようなことではだめだよとこういうことでありますので、それを避ける手法が出て初めてこういったものが進むのではないかとこうって思っておりますんで、何らかの対策、それも何年後にそうするのか、こういったきちっとした姿勢を示した段階で議論が始まるのではないかなと、こんなふうに思っているということでございまして、今現状ではやるべきじゃないということについては、何ら変わりはないわけであります。
  ただ、永久的に議論もだめだということなのかどうかということについて、先ほど佐藤議員については、先ほどからいろいろな試算が出ていますが、日本全体を考えるときに、将来的に50年、100年後の日本、世界に冠たる日本として堂々と持続可能な発展する日本を考えればどうなのかなとこういうような話でございまして、必ずしもいいとか悪いとかということを将来にわたってやるよりも、より世界の中で堂々と生きていく日本をつくるためにどういう議論をするべきかというようなことを言ったというように思っているわけでありますけれども、田中議員に至っては賛成しているというようなことに思われては困るわけで、現状では全くだめだと、その段階に来ていないと、こういうことについて明確にさせていただきたいというふうに思います。
○議長  田中議員。
○田中貞一議員  市長は時間がかかるんだというような話の中でございますけれども、国は6月に大体参加するかしないかを決定したいと言っている人もいるし、秋だと言っている人もいるんですけれども、何年先の話ではないわけでありますので、そんなに考える時間的スパンはないと、余裕はないだろうと私は思います。
  そもそもこの関税を設定することは悪で、関税をゼロにすることがいいことだというふうなことは、これは間違いだと私は思います。だって、世界の国々は大きな国もあれば、ちっちゃな国もある、北極に近いところもあれば、南極に近いところもある。そして赤道直下で生きている人もいるといういろんな国のカラーがあるわけでございます。それで、同じやはり人類が地球上で等しく、同じレベル上で生活をしなければならないということが権利だとするならば、これはやはり関税というものを導入しながら自国の国民・国家を守るために一つの経済圏をなしてやっていくというのは、これは当たり前のことだろうと私は思います。
  それがなければ、世界の国々はそういったことを前提にして国益をかけていろんな外交でも何でもやっているんだと思うんですけれども、すべでに関して撤廃だ、人も、物も、何も、企業も皆撤廃で自由だということならば、これは本当にそのカラーがなくなるというかね、本当に大変なことだろうと思います。
  私、先ごろの中国とのあつれきの中でレアアースが中国の意図によってだと思うんですけれども、日本に来なくなった。あれが万が一食料であったらどうしますかということを私は申し上げたいね。それは本当に大事なことであって、現在の我が国の農産物の平均的な関税率は、既にもう12%まで低下しているんですね。12%の平均の関税率しかかかっていない。そして農産物の輸入額は、この資料を見ますと6兆7,000億円の農産物を輸入している。世界最大の農産物の輸入国でもあるわけです。
  そんなことでやはり自動車、今まで自動車だ、工業製品だというような貿易立国を進めてきて、それが今、そして国を開いて立国を推し進めてきた結果が食料自給率が40%、39%まで下がったというのが実態であって、これから本当に多くの国民が心配している現況がまさにここにあるんだろうと私は思います。
  そこで、この国のTPP云々というのも本当に10月1日に菅総理が所信表明の中でしゃべって、そして地方議会が9月議会だの、12月議会だの狭間のとこのたかだか1カ月くらいの中で、それを決定しようとした本当に意地悪さ、意地汚さが私はひどいもんだというふうに思っております。本来ならば、やはり1年でも2年でもかけて大事なことは議論して、国民の合意を取りつけて前へ進めて行くというのが民主主義のルールだと、私は思います。
  先ほど佐藤 明議員からも漆山保育園の話で、市長言われておりました。余り拙速なことばかりやっていくと、やはりそういうような批判が出る。国も、私は同じだと思うんですね。やはりある程度の時間の必要なところは、私は必要だろうというふうに思います。
  そんなことで、それと市長にはこれから市長会があるかないかわかりませんけれども、県内の、もしそういうような場があるとするならば、できるだけその中の中心的な立場になっていただいて、ひとつ国に意見書でも何でも上げていただくように私はお願いをしたいと思いますがいかがでしょうか。
○議長  市長。
○市長  基本的にはそうした対応をしていきたいと思っておりますが、ただ、今の政策それを守ることが本当に我が日本の農業政策を守ることになるのかと、関税をかけておけば守れるのかということではないだろう。むしろそれにかわる農業生産者の保全策、擁護策そういったものをつくって、世界で堂々と闘える内容にしていくことのほうが私は大事だと思っているゆえに、先ほどの発言をしたわけであります。
  必ずしもすべての関税を撤廃したからといって、これは今のままの数字を算定しているからであって、そんなに日本人が米を、あの一時期の冷害のときの外米を食べた人はいないんじゃないかと。あれは食う物がなかったからであって、日本のこれほどおいしい米を食いなれている人が、外国から安いからと入ってきたとしても、それを賞味するなんていう人は、私はいないのではないかと。また、それに加工とか何かあるとしてもそれに見合った、それに対抗できる国内部のですね、補助政策をしっかりやっておけば、それよりも国内の安全で安心なお米、安全で安心な農作物を使ったほうがいいというような環境になっていれば、わざわざ危険な食料を他の国から仕入れるということはないのではないか。今そういう制度ないから安いだけで、生産性とか、利益率とかそういうだけが先行して進んでいるのではないかなと、こんなことを思っていますんで、それに勝る政策をしっかりやれば今以上に農家はよくなる、あるいはよくなるような政策を要求するというふうなことのほうがどうなのかなと。こんなことも少し考えたりもしていますんで、先ほどのような発言になったわけで、今いま、来年決めるなんてことに対してはそれはだめですよと、何も保証がないわけですから、そういった保証を、担保をしっかりとって考えていきましょうよということを私は言っているわけでありますんで、今現在においては、田中議員が心配するようなことは全く私の中にはないと、こう思っていただいてよろしいというふうに思います。
○議長  田中議員。
○田中貞一議員  市長にはそう言っていただきましてほっとしているわけでございますけれども、今年の3月に菅内閣が閣議決定した食料自給率を50%まで引き上げるんだというようなことで、大変国内の農家を初め私どもも力強い農業政策の目標が見えてきたと喜んだわけでございますが、たかだか7カ月ぐらいしてこの両立するはずのないTPPを打ち上げたというふうなことで大変がっかりし、もうひどい思いをしているわけでございます。
  このTPPは、金融、保険、医療、国の公共事業、それから看護師などの労働力の自由化、そういったものすべて交渉内容となっているというようなことで、これに参加するならば、もう恐らくは本当のアメリカンスタンダード、アメリカの新自由主義みたいなものが一気に流れ込んで、何もかにもおかしい日本になって、日本古来の独自のカラーというものが一切なくなるんであろうというような一説の話も出ているようでございます。
  ひとつ市長においては、何とかそういったことで機会があれば、そういったことを国に対して発言、意見書の提出など検討していただけるように、ひとつお願いをしたいと思います。
  さて、次でございます。農業政策全般についてでございますが、このモデルの件でございますが、そういった内容でございます。それで、このモデル事業に今年の春先入るときにですね、農林課長にお伺いしますが、駆け込みで転作に参画された農業者がいるのかいないのか、いるとすれば何名くらいの方がいらっしゃるのか教えてください。
○議長  大坂農林課長。
○農林課長  昨年まで転作をしないで、今年から始めた方が約10名ほどいらっしゃるようでございます。
  以上です。
○議長  田中議員。
○田中貞一議員  10名、面積もひとつ教えてください。概算でよろしいです。
○議長  大坂農林課長。
○農林課長  すみません。ちょっと面積のほうのデータ持ってきておりませんでした。申しわけございません。
○議長  田中議員。
○田中貞一議員  こうして10名くらいの方、これも面積の少ない方でございませんで、相当な面積になりますね。
  それで、秋田県の八郎潟でもそういったことがございまして、ただ、八郎潟のほうの人はやはり頭がよろしいんでしょうか、もうこういうふうになるということの中で、米粉の生産とか、次の手段にもう移行できるような体制でこの制度に乗っかってきたということで、非常にやり方がうまいわけでございます。なかなか市内の農家の人たちにはそういったこともできないままに、ただ、その戸別所得補償が制度が生まれたから、それに乗っかろうというようなことで申請をしたというようなわけでございます。
  さてそこで、今まで転作、減反政策に市内の農家の人も、全国の農家も、国の指針に基づいて積極的に協力をしてきて、米の生産量を減らしながら価格の維持を、ペースを守ってきたというような状況でございます。
  しかし、開いてみまして、当然政権も変わったからと言えばそのとおりなんですけれども、本当に正直者がばかを見るような政策が出てきている。なかなかそのギャップを埋めようとしない政策そのままだというようなことで、本当に残念な思いでいるわけでございますけれども、この件について市長の見解はどうでしょうか、ひとつ教えてください。
○議長  市長。
○市長  なかなか難しいとこでありますが、そういったものに対するペナルティーというものがあるとすれば、さらに今の制度は進まないというようなこともございまして、私もこの関係の会長、何かなっているようでありますけれども、相当ですね、やはり難しいなと会議のたびに思っております。ただ、本音といいますか本心を言えば、田中議員のおっしゃっていることも十分わかりますし、そんな思いを持っている人も多いのではなかろうかと、こんなふうに思っておるところであります。
  以上です。
○議長  田中議員。
○田中貞一議員  市長は、水田協の会長になっておられますので聞いてみたわけでございますけれども、なかなか難しいということでございます。私もそういった人を排除しようなんていう考えは一切ございませんで、国の政策でございますので、もう入ってもらっていいんだろうと思っているんですけれども、さてこの今後の課題というようなことで、その作付されていない不稼働水田みたいなそういったものの面積も増えているようなことでございまして、当然、後継者もいない、あと仕事もできなくなった年齢に上がったというようなことで、そういったところが出てくる。そして、米価が安ければ作ってくれといっても、だからといって引き受け手がいないという現状がここにあるわけでございます。この現状は一年、一年多くなっていくものと私は予想します。何といっても平均の農業従事者の年齢が上がっているわけでございますので、そんな中で、やはり一つのこの南陽市の農業産出額約70億といわれておりますけれども、山形県が出している30億の目標、それは南陽市も県の政策と歩調を合わせながら、その増大政策を打ち出すべきだろうと私は思います。
  私、昭和58年、60年ごろの南陽市の農業の基本構想の書物まだ持っているんですけれども、もうほとんど変わっていないですね。ずっとそれ以来の南陽市の農業政策はその基本構想、ビジョンによって行ったり来たりの中でやってきた。そして、金山地域、梨郷地域とかとこうして、南陽の南部だの、北だのとやってきているんですけれども、そういったものをやはり今平成22年にもなっているわけですから、ちょうど5次総合計画の策定中でもありますし、そういったところに打ち込みながらでも、できればこの南陽市の農業の底上げをやはり図る政策というものが必要だろうと私は思います。
  そのためには、やはり当然のことながら予算の措置も必要であり、さすれば後継者の対策なども非常に農家の人が見えてくるというふうな姿になると私は思います。
  そんなことでこの新年度の、来年度、まだ予算これからだと思うんですけれども、その新年度の農林事業・政策、その辺で目新しいものを考えておられるのかどうか、全然考えておられないのか、ひとつお尋ねをしたいというふうに思います。どうでしょうか。
○議長  市長。
○市長  まだ、新たな年度に向けての予算措置の段階ではございませんが、基本的には農業生産、農林業含めて生産額を上げたいとこう思っております。年々減っております。ただ、幸いなことに南陽市は水田一辺倒でございませんので、ここは少し他の自治体といいますか市や町よりもその減産傾向が緩やかだと、こういうことであります。引き続き果樹関係には力を入れていかなければならないのではないかなと、こんなふうに思っておりますし、もう一つは、やはりこれだけ南陽市には森林があるわけでありますから、約6割です。森林ね、山。これだけ多い森林に全く目をつけないということは、どうも不合理である。ここを少し生産活動、経済活動に結びつけたいということで、この辺には十分な力を入れていきたい。
  それから、今南陽ブランドというものを何とか立ち上げようとこうしておりますので、やはりそのためによりいい物を、そしてより安全な物ということでございますので、昨日、髙橋議員からもございましたように、そのためにはやはり田畑が肥えていなきゃならないということでございますので、化学肥料じゃなくてしっかりした畜産農家との連携を図りながら対応していけるようにしたいなと。
  さらに、畜産農家に対する支援などもできるだけしていこうと。特に環境に対する分については、非常に不採算部門の一部でございますので、この環境の部分を何とか行政で支援していけないかとこんなふうにも思って、研究するように指示をしているところであります。ここが解決すれば畜産関係物に相当力が入るのではないかと、そして生産性も上がるし、利益率も上がってくるし、後継者なども増えてくるのではないかなと、こんなふうに考えているところでございます。
  さらに、都市部との連携を図って、できるだけ高付加価値の農産物がスムーズに販売できるような仕組みもつくることによって、農家の皆さん方の就業を確保することができるのではないかと。こんなこともございますので、大手のバイヤーともさまざまな懇談をしながら進めていきたい。こんなことで農業関係者にはできるだけ手厚い支援をしていきたいとこんなふうに思っておりますので、田中議員についてはその道のプロということでございますので、必要な政策あればぜひ御提案をいただければなというふうに思っているところでございます。
  以上です。
○議長  田中議員。
○田中貞一議員  大変な戦略的なお話を伺いました。
  それで、そういうふうなお話を伺ったんですけれども、畜産でも、酪農でも、先ほどのTPP加盟しますと牛肉で75%、豚で70%も下がるといいますので、ひとつ先ほどのことお願いしたいと思います。
  それでこの南陽ブランド、これ県内の東根あたりでも一生懸命立ち上げてやっているんですけれども、やはり南陽市には東京南陽会という本当に南陽出身の皆様の会がございます。そして、南陽市のホームページには表題のリンク、きのう農林課長にちょっと見せてもらったんですけれども、リンクをしますと南陽市内の旅館、企業、あと個人の農業者のホームページなどにつながるというようなシステムが導入なっております。ただ、きのう課長の席でそのあれを確認し、うちに行ってからそれ確認したんですけれども、民間で20件ぐらいの人がまだリンクのほうに登録なっているというだけで、非常に少ないわけでございます。
  今、市内でインターネットで農産物なり、何なりを販売される方も大分おるようでございます。ただ、この人数把握するにはなかなか大変なわけでございまして把握し切れませんけれども、そういった方々も南陽市のホームページを通してアクセスから自分のページへ入れるというようなことが、知らない人がまだまだいるんじゃないだろうかなと私思います。そのページの一番下には、どんどん申し込みしてくださいというようなこと企画財政のほうで出しておりますけれども、そういったことも市報とか何かでやはりもう少し宣伝というか、募集していただけたらなというふうと思います。
  といいますのは、当然そのページに入る人も南陽市のホームページも見るということになりますので、互恵関係が出てくるということになりますので、ひとつその辺をお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長  市長。
○市長  南陽市内、結構やはりいい物をつくっておられる方たくさんいるわけでありますけれども、それは生、あるいは加工含めてですけれども、こういったものを上手にPRをして広く市場に発信するという部分が少し弱いのかなとこんなふうに思っておりますので、その部分につきましても、今田中議員が心配されているようなことのないようにしっかり行政が支援をして、あるいは具体的にみずから取り組んでいきたい。なぜならばやはりしっかりしたブランドを確立するには一定の量、ロッドが必要なんでございますんで、そのためには一定程度の生産者を確保しない、あるいは標準化された品質の物を一定の量確保しなければ、なかなか商売の路線に乗らないということもありますんで、そういったことについてはこれまで以上に力を入れてやりたいと、こんなふうに思っておりますんで、御協力よろしくお願いいたします。
○議長  田中議員。
○田中貞一議員  大変ありがとうございます。
  それで、いま一つちょっと聞き漏らしておりましたけれども、所得補償のモデルの件でありますが、ちょっと課長にお尋ねをしますが、この今年度の米価の暴落の状況で、その3月末まで国で支払いをする下落分の補てん、その見通しというものをちょっと教えてください。
○議長  大坂農林課長。
○農林課長  下落分のほうでございますけれども、おおよそ1月末までの市場の動向を見ながら算定するということで3月中、年度中に支払いをしたいということでございますので、これは間違いないものと思っているところでございます。
  なお、価格については、国のほうの予算措置は10アール当たり1万2,000円ほどが予算化されているというようなマスコミ等で報道されておりますけれども、その辺の算定の額が果たして幾らになるのかは注目しているところでございます。
  以上です。
○議長  田中議員。
○田中貞一議員  予算措置なっているのが10アール当たり面積で1万2,000円ということは、10俵というに仮にしますと1,200円ということですか、これが最大ということですか。
○議長  大坂農林課長。
○農林課長  実際の市場の価格での金額になりますので、国のほうの予算はそういうふうな予算措置がなされているようですということでございます。
  以上です。
○議長  田中議員。
○田中貞一議員  国のほうの予算措置がそうだということでございますけれども、たしか農家のほうも今年度の仮払いが60キロ当たり9,000円でした。昨年は1万2,300円、その前の年が1万2,500円ぐらいでありましたからね。それが一気にもう9,000円までどんと下がった。そして、所得補償だということで、10アール1万5,000円だ。ただし、あなたの飯米分は除いてください。これオール1反分外すということであるんです。主食米を作付した面積のみ、1反分、飯米分を除いた面積に掛ける1万5,000円が出たわけでございます。これが国から農家の口座に振り替えなっております。その数字が先ほど言った市長の答弁にあるわけでございますが、プラスこの秋から、10月から1月いっぱいまで、1月末まで農協なら農協、丸紅なら丸紅が販売している米の単価、卸している米の単価、そして過去5年間の一番高かった年と一番安かった年を外した中3年を足して3で割った平均と比較して、その値段が下がった分を補てんしますよというのが、その後の補てんのほうの話でございます。それが10アール1万2,000円というのが、今の予算では最大だというようなことございますけれども、現在は3,000円近く下がっているようなあんばいなんですけれどもね。非常にこの後どういうふうな展開になるのかわかりません。
  ただ、ここへ来て新米の米価が下げどまったというような報道もございますけれども、これからどういうふうになるかわかりませんけれどもね。ただ、農家の心情とすればですね、補助金だの何だので生活が潤うんでは、本当に気分的によろしくないわけでございます。自分たちが汗水流して一生懸命いい物つくって、そして高く買ってもらって、そして喜び味わえるのが、農業のこの姿だと私思います。本当に金つけるからこうしてくれという話では、私は農家はやっこでねえと国に言いたいんですけれどもね、本当に変な政策が出てきている中で、TPPというような状況でございまして、非常に大変でございます。
  それで、5次総のほうもお尋ねをしたいわけでございますけれども、この5次総の中で、先ほど市長からそういうふうなお話をいただきました。私、南陽市の将来、10年先までのビジョンでございますので、やはり何といってもナンバー1は人口対策だろうと、これの一言だと私は思います。人がいなくなったらば、こんな大きな市役所も要らなくなりますし、すべてなくなる話でございまして、恐らく南陽市の運営ができなくなるというようなことになりますので、この年間200から300人も減るであろう人口をどうしてキープしていくかということが、この5次総の柱の中でも最大の柱だろうと私は思っております。
  そんなことで、ひとつ2月に出されます計画の中にもこの人口の確保対策といいますかね、それらのことをナンバー1で入れていただきたいなというふうに私は思っておりますし、ひとつお願いをしたいと思います。
  とにかくきのうも農林課長と農業委員会の事務局長の部屋で雑談したんですけれども、とにかく南陽市今現在島貫だ、郡山西だ、住宅がぼちほと張りついております。大工さまに私もまわって聞きますとどっから来たんだ、ここのお宅さと言いますと、本当に西置賜方面からござる人が結構多いんですよ。島貫のあるとこもそうでしたしね、本当に交通の便がいいということで、南陽市はまだまだ捨てたところじゃないと私は思っておりますし、ひとつ政策さえちゃんとしていただければ若い夫婦の方々がね、もう赤湯、赤湯とこう来てくれるんじゃないかと私は思います。
  本当にそんな来てくれるという方々にはお金を出してでも、来てもらえるくらいの政策をやはり私は行うべきだろうというふうに思います。ひとつ5次総のほうでは、そんな要望をひとつさせていただきます。
  それから、あと最後になりますけれども、先ほどのこのTPP、ちょうどアメリカ、それからオーストラリアなどでは1戸経営体当たりの耕作面積が数百町歩から数千町歩という農家が多いわけでございます。日本ではたかだか1.3町歩か、1.5町歩とかという話でございまして、日本が本当に覚悟がなければ日本のものは太刀打ちできないというのが原則だと私は思います。
  それで一千町歩という農家があるんだそうでございますけれども、一千町歩ってどれくらいかといいますと赤湯の今の満腹ホールから出たところのバイパスで東側を見てみまして、白竜湖から松沢前、時沢前、大笹生前、それから竹森山、そしてこのバイパスのとこまでの通称大谷地と言われているところが、ほぼ一千町歩だそうでございます。あの面積を一経営体が耕作しているようなところと日本の国が、農家が、規模拡大をいかに進めても結論は見えていると、これが間違いないものであります。
  そしてまた、今米つくりをしている淞郷堰管内、これ水窪ダムの水が流れてきて、淞郷堰でポンプアップをして、800町歩ちょっと欠けるんですけれどもおおよそ800ヘクタール、このくらいの場所が1戸のつくっているようなところがいっぱいあるということでありますので、やはりこれは市長には何とかこのTPP、大至急ね、まだ6月だの12月だと言わないで、何ぼでも早くひとつお願いしたいというふうにお願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。ありがとうございました。
○議長  以上で、9番田中貞一議員の一般質問は終了いたしました。大変御苦労さまでございました。
  以上をもちまして通告された6名の一般質問はすべて終了いたしました。
  長時間大変御苦労さまでございました。
  質問された議員、答弁なされた執行部各位の労をねぎらい、今後の市政運営に生かされることを期待をしております。

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散会
○議長  本日はこれにて散会といたします。
  御一同さま、御起立願います。
  御苦労さまでした。
午後 0時10分  散会