平成22年3月定例会
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吉田 美枝 議員 質問
○議長  次に、3番吉田美枝議員。
〔3番 吉田美枝議員 登壇〕
○吉田美枝議員  3番吉田美枝でございます。さきに通告してあります内容について質問させてい
ただきます。
  深刻化する少子化・高齢化への対策とまちづくりについての問題であります。
  今、地域は人口減少・少子高齢化の急展開、農業人口の高齢化と後継者不足、地元商店街の衰
退、そして一昨年秋のリーマンショックに端を発する世界的な金融経済危機による雇用環境の冷え
込みや企業の資金繰り悪化など、地域社会の危機はますます深刻化しています。
  こうした中、南陽市では市内小中学校14校のうち、6校で大規模な改築整備や耐震補強工事に
着手いたしております。中川小学校校舎の地震補強工事、そして宮内中学校改築、沖郷中学校体育
館改築及び武道場設置、赤湯中学校武道場設置、宮内小学校・沖郷小学校の体育館改築及び校舎耐
震化工事と総額67億円を超える大規模な学校施設整備工事であります。
  次世代を担う子供たちへ、安全で安心な教育環境を整備していこうという趣旨のもと、現下の
厳しい経済情勢の中で無謀とも思える大プロジェクトを短期間のうちに構築され、そして実行に移
されているわけでございます。
  そこで、第1点目の質問ですが、できる限り有利な補助金、交付金等を活用してのこの大プロ
ジェクト事業、直接投資額は約67億円ということでありますが、市長はこの経済効果のほどを百数
十億円に及ぶものと試算されておられます。しかし、果たして将来に大きなツケを残すことなく、
この事業を遂行することができるのでしょうか。不安に思う市民の声が聞こえてきますが、市長の
見解をお伺いいたします。
  次に、少子化の問題でありますが、これに関しましては国・県を初め、各地方自治体にとって
も少子化対策にいかに取り組むかは極めて難しい課題であり、日本の社会保障制度や経済成長を左
右する深刻な課題であることは、だれもが認識している事実であります。
  少子化が進行する直接的な要因として、未婚化・晩婚化の進行と夫婦間の子供の数の減少が挙
げられますが、これらの背景には個人の価値観の多様化という面がある一方で、核家族化の進行や
地域のつながりの希薄化など、子育て環境の変化による子育ての精神的・肉体的な負担感の増大や、
育児や教育にかかる経済的な負担感の増大などが影響を与えていると考えます。また、仕事優先の
企業風土や家庭や企業における固定的な男女の役割分業意識も深くかかわっているのではないでし
ょうか。
  こうしたさまざまな背景の中で、就職、結婚、出産などの人生の岐路において人々が選択して
きた結果の積み重ねが、今日の少子化の進行をもたらしているのです。
  しかし、この危機的状況を劇的に打破する特効薬はありません。だからこそ、まずは地域にお
いて、子供を安心して産み、育てやすい環境の整備に地道に取り組み、その一つ一つの積み重ねが、
結果として少子化の進行の歯どめにつながるのだと考えます。
  こういった点を踏まえ、質問の第2点目、子供を産む世代の減少も大きな課題であることから、
若者世代の定住促進をどう図っていくおつもりか、市長の考えをお伺いいたします。
  最後に高齢者問題についてでありますが、南陽市の在宅高齢者状況調査によりますと、平成21
年4月1日現在、総人口3万4,399人に占める65歳以上の人口は9,434人で約27%、75歳以上の人口
は5,145人で約15%。このうち、ひとり暮らしの高齢者数は65歳以上が891人、75歳以上が492人、
そして高齢者のみで構成される世帯が1,801世帯を数え、今後ますます高齢者のみの世帯及び高齢
者のひとり暮らしが増えていくことが予想されます。
  高齢者にとっては、長年住みなれた地域での生活を維持できることが一番の願いです。平成18
年改正の介護保険法にも新たなサービス類型として地域密着型サービスが創設され、高齢者の地域
での生活を支える中核機関として、地域包括支援センターの設置がなされました。しかし、今地域
は少子・高齢化、核家族化が進み、家庭・地域のつながりが希薄化してきたことにより、生活上、
何らかの支援が必要な人々を数多く生み出しています。そして、孤立や不安、ストレスといったも
のが知らず知らずのうちに自殺や虐待、ひきこもりなどさらなる社会問題を引き起こすことにもな
りかねないのです。
  こうなると、行政の取り組みだけでの対応では困難を来します。住みなれた地域でこれからも
安心して暮らしていくためには、地域に根差した助け合いが必要であると考えます。今、地域を元
気にしていくためにはどういった対策が求められているとお考えか、市長の見解をお伺いいたしま
す。
  以上、誠意ある御答弁をお願いいたしまして、私の壇上からの質問とさせていただきます。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
〔塩田秀雄市長 登壇〕
○市長  3番吉田議員の御質問にお答え申し上げます。
  初めに、深刻化する少子・高齢化への対策とまちづくりについての1点目、学校改築や耐震化
に伴う67億円の工事の決断に至った経緯についてでございますが、常々申し述べさせていただいて
おりますように、人づくりこそ財産であり、未来への礎であると考えております。とりわけ、人材
育成を担う教育は重要であり、各学校が均衡ある教育環境と安全確保のもとで、児童・生徒が切磋
琢磨して成長を遂げていく学校の環境整備は、公約にも掲げた大きな項目であります。
  この間、議会の中で御論議や地域の思いを踏まえながら、将来の市の財政を見通す中で、国の
制度を最も有利に活用できるタイミングは、今しかないものと判断をいたしたものであります。ま
た、この大事業を進める中で、工事資機材等の地産地消を推進しての市内景気に配慮した取り組み
を行っておりますので、議員各位の特段の御理解を賜りますように、お願いを申し上げる次第であ
ります。
  2点目の人口減少歯どめ策として、若人世代の定住化についてでございますが、若い方々の定
住が増えれば、人口減少傾向反転への土台的要素が膨らみますので、議員御指摘のとおりかと存じ
ます。
  この考えも含め、人口減少の多面的要因をいかに解消するかがかぎになろうかと存じます。そ
のため、子育てや教育の多様な施策の取り組みが不可欠でありますので、第5次市総合計画の策定
の中でさまざまな角度から検討し、議論してまいりたいと考えておりますので、議員各位の御指導
を賜りたいと存じます。
  3点目の高齢者が安心して住み続けられるまちづくりについてでございますが、高齢化の進展
に伴い、ひとり暮らし、あるいは高齢者だけの世帯も増え、本市では5年前の平成17年と比べ、ひ
とり暮らし高齢者で160人、高齢者だけの世帯で212世帯増加しています。今後もこの傾向は続くも
のと推測されることから、いつまでも安心して住み続けられるまちづくりは大きな行政課題の一つ
と考えております。
  老後の五大不安は、健康、住まい、生活費、介護、そして仲間と言われますが、高齢者が生き
がいのある安心した生活を送るには、健康福祉といった制度の充実に加え、自助努力はもとより、
地域全体としての取り組みが求められております。その中で、特にひとり暮らし高齢者の方は、健
康と介護が大きな不安となっており、高齢者健康保持の諸施策や介護予防事業は重要であります。
そのようなことから、その前提となる特定健診や生活機能評価の積極的な受診が望まれるところで
あります。また、介護が必要になった場合でも、包括的に支援できる地域ケア体制も重要となって
まいります。さらに、身体的機能の低下に伴う移動制約や冬期間の安全な生活の確保なども大きな
課題であり、地域特有の課題にきめ細かにこたえるためには、社会福祉という制度で救う視点から、
地域福祉、地域での支え合いに軸足が変わっていくだろうと考えております。
  地方財政が厳しくなる中で、市民の行政に対するニーズは高まるばかりであります。そのため、
今後も継続して市政が発展し続けるためには、効果的かつ効率的な市政運営はもとより、市民の皆
様とのかかわりについても見直し、公共のやること、市民・地域にやっていただくこと、そして協
働でやることの3つの視点でまちづくりを進めていく必要があるものと考えております。そして、
ひとり暮らし等高齢者の状況は個々さまざまでありニーズも異なりますので、制度的にどちらかと
いえば画一的になりがちな公共分野はもとより、協働のまちづくりの視点での対応が望まれる分野
であり、市民の皆様の積極的なまちづくり参加を期待するとともに、行政として必要な支援をして
まいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  以上であります。
○議長  再質問に入ります。
  3番吉田美枝議員。
○吉田美枝議員  私は主婦的感覚しか持ち合わせておらず、市の財政のような大きな数字には全
く疎く、また地方交付税制度の知識も持ち合わせておりませんのでいまいち不明なのですが、この
たびの3月の地方債補正として、小学校施設整備事業に16億9,390万、中学校施設整備事業に16億4,
000万が限度額として記載されております。また、22年度予算にも地方債として小学校施設整備事
業に1億930万、中学校施設整備事業に1億8,160万の記載があります。
  きのうの梅川議員の質問に対する答弁によりますと、この地方債においては元利償還費の一定
割合が交付税措置されるとの説明でありました。有利な補助金、そして交付金等の活用などあらゆ
る有利な制度研究、そして英知を結集されて、その結果なんですけれども、市の財政負担は総事業
費のどのくらいに抑えられる見通しなのでありましょうか。お答えいただきたいと思います。
○議長  松田企画財政課長。
○企画財政課長  きのう梅川議員のほうにも御答弁いたしましたが、総事業費で67億ということ
で、そのうち国費が22億、起債が30億、一般財源が5億2,000万程度ということと、あとは公共投
資臨時交付金が10億程度というようなことで申し上げました。一般財源の5億2,000万につきまし
ては、生の財源というような格好になるわけでございますが、起債につきましては30億の部分につ
いて、これについては有利な交付税が入るということで後々、元利償還金が始まるわけでございま
すが、それのほうに交付税措置が入るというようなことで、端的に言いますと起債のほうの30億の
交付税にされなかった分15億と一般財源の5億が生の財源でございますので、20億程度が67億に占
める一般財源なのかなと思っております。
  ただ、起債につきましては負担する方の平準化ということで、その土地にいた人だけが負担す
るという制度ではなくて、長年その施設を利用する方に負担していただくという制度でございます
ので、その辺は御理解いただきたいと思います。
  以上でございます。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  わかりました。いずれにせよ市民の目からしますと、これだけの大事業が瞬く
間に決断され、そして着工に至ったわけであります。この決断の背景には大変な御苦労があったこ
と。しかし、スピード感を強調される市長らしく先行投資型の決断に踏み切られたこと、この決断
が間違いでなかったというように、市内経済に活性化をもたらし、子供たちも地域も明るく元気で
未来に向けて夢をはぐくむことができ、本当に南陽市に住んでよかったと評価されることを願って
やみません。
  では、次の質問に移らせていただきます。
  人口減少を食いとめ反転させるためにも、だれもが住みたくなる魅力あるまちづくりを目指す
必要があると思います。だからこそ、市長は先ほど答弁にもありましたとおり、人づくりというこ
とで青年教育に力を入れ、青年たちのアイデアで地域を元気にし、自主的、自発的なまちづくりへ
の参画に結びつけていこうとされているのだと思います。
  しかし、このたび表明された22年度の施政方針の中に、こうした若者の定住化を促進する文言
が一言も入っていないのはどうしたことでありましょうか。今、策定を進めておられる5次総に盛
り込むだけでなく、現時点から継続的に考えていかなければならない重要な課題であると思います
が、この点に関し、市長いかがでしょうか。
○議長  市長。
○市長  青年、若者の定住は今さら申し述べるまでもなく、常々日々考えなければならない課題
であります。特に、私が知る限りでは、世界の歴史を見ても若者が元気のない国が発展したという
ためしもありませんし、若者のいない国が発展したこともありません。したがって、私はこの若者
青年層の教育に最も力を入れている。なぜならば、間もなくこの若者がこの大事な次代を担う最も
近い部分にいる世代であるからであります。そういう意味で、わざわざ載せなかったということで
ありますが、そういうふうな表現はありませんが、自分としては最も大事な部分であるという認識
には、いささかも変わりございませんので、御理解賜りたいというふうに思っております。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  わかりました。では、平成20年9月定例会での佐藤 明議員の一般質問にあり
ました雇用促進住宅の譲渡問題に関してなのですが、市長は雇用・能力開発機構に譲渡価格や譲渡
条件等の提示を求めているところであり、その回答があり次第、市の財政状況を勘案しながら、譲
渡を希望するかどうかを検討し、判断するとお答えになっておられますが、これに関しましてはそ
の後どうなったのでありましょうか。進捗状況を教えていただきたいと思います。
○議長  市長。
○市長  建物そのものが大分建築してからたっていまして、老朽化しているということもあって、
今後の維持管理に相当経費がかかるという判断のもとで、金額的にどうも合いそうもないというよ
うな判断のもとに、買うことをあきらめたといいますか、現在は今のままでやっていただいており
ますので、私としてはあえて厳しい財政状況の中で買い求めるというよりも、先にしなければなら
ない課題が多いということだったので、皆さん方に御報告するのを忘れておったような気もします
が、決断としては買わないことにしたということであります。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  あそこにはたしか40世帯くらい入っていると思われるんですけれども、その方
々のこれからの住居問題等もありますけれども、宮内、関口住宅耐用年数の30年をはるかに超えて、
本当に修理や補強等で何とかこうしのいではおりますけれども、ここにも子育て世代の方が住んで
おられます。衛生面から見ても本当に住環境は最低であります。安かろう悪かろうでは、夢をはぐ
くむことさえ困難であるように思いますけれども、新庄市では老朽化の著しい市営団地の代替とし
ても利用できるということで、この雇用促進住宅全4棟の購入を決めたと聞いております。市内に
は、県の警察アパートなどあそこは入居者もなく放置状態になっている住まいがありますけれども、
ここを市が買い上げるとかは難しいものなのでしょうか。これから、それこそ結婚する若者とか低
所得者の住まいについても、ぜひ考えていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○議長  市長。
○市長  特段、県からそういった話は来ておりませんので、県としては違った利活用を考えてお
るのかわかりません。ただ、私としては、できれば地域全体の人口バランス、せっかく新しい学校
をつくる宮内地区の人口が著しく減少することには少し抵抗がありますので、願わくば宮内地区に
そういった若者が住めるような施設をつくりたいとこういうことで、今副市長のほうにも指示をし
ておりますが、なかなかあんばいのいい低価格の土地がないということもあるので、今議員おっし
ゃられました市営住宅、関口の整備のほうが優先するのではないかなと、こんなふうに思っており
ますので、まだまだ市として考えがまとまったわけではございませんが、願わくば少し北の方面と
いいますか、宮内中学校の周辺にそういった立派なものをつくれればいいなと。今では、確かに県
のものと比較すると余りにも見劣りするということは事実でありますので、できるだけ早く決断し
たいと、こう思っております。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  ありがとうございました。宮内地区は確かに本当に人口が減少しているという
か、本当に子供たちの数もだんだん減ってきておりますので、宮内地区にそういった若者が住める
ような住宅が建設されれば大変うれしいことだと思います。
  若者定住促進対策に取り組んで15年で、本当に着実にこう出生率の向上に結びつけた長野県の
下條村。そこは人口4,000人余りの小さな村なんですけれども、村には3階建てのマンションが8
棟建っております。村が建設した本当に若者定住促進の村営住宅ですけれども、一戸建ての住宅を
含めると168戸にもなるそうです。部屋の広さは2LDKで約63平方メートル、家賃は3万6,000円
と格安で、何か隣町の飯田市で同じ条件で部屋を借りようとすると、その倍くらいの家賃になるそ
うなんです。
  この村の人口は、1965年に4,500人を超えていたのが、1991年には3,800人まで減ったのですけ
れども、1990年から若者定住少子化対策に取り組んだ結果、今では人口も4,200人まで増えたとい
う本当に活気的な元気のある村です。
  南陽市では、本当に子育て支援とか教育環境においては目をみはる発展を遂げておりますけれ
ども、今後は本当にこの下條村のように人口増加に向けた直接的な施策として、先ほどお話ありま
したとおり、宅地の造成を初め、若者の定住化促進に努めていく必要があるのではないのかなと本
当に思います。
  ここに、南陽市の人口の推移と推計をあらわしたグラフがあります。ここが2008年です。2055
年、これから45年後なんですけれども、14歳以下の年少人口なんですけれども、このまま本当に何
も手を打たずに少子化が進んでいくと、45年後の2055年には1,553人。15歳から64歳の生産年齢人
口が8,373人ですか。そうしますと、今の3分の1近い人数に減少してしまう、本当に危機的状況
にあると思います。市民税の中でも、一般市民が支払う所得税、生産年齢人口と言われる若者が本
当に減少すれば、年々減っていくわけであります。
  先ほど、本当に将来にツケを残す云々というか、起債の関係でもありましたけれども、国の依
存財源もなかなか厳しい状況にもありますし、やっぱり自主財源も年々減ってくるわけであります。
そういった中で、どこか予算を削らなければ本当に今の住民サービスでさえ、さらに見直さなけれ
ばならない、そういう状況に陥る可能性があると思います。こうした厳しい現状ではありますけれ
ども、これからこの地域に住む人々、そして若者たちが住みたいまち、住みたくなるまちを、やっ
ぱりみんなの力でつくって、そしてそれを次の世代に譲り渡すことこそ、本当に私たちに課せられ
た大きな課題であるかなと思います。
  市長、その辺もう一度大きな意気込みをお願いいたしたいと思います。
○議長  市長。
○市長  議員の言いたいことは大体わかるわけでありますが、そういう意味で5年後、10年後、
20年後を見据えて、今教育をしっかりやった子供たちが、自分たちはここでお世話になったんだ、
ここで大きくなったんだ、だから自分たちはこの地域を守り、育てていかなければならない。そう
いう感謝の気持ちを持てるような子供をいっぱいつくるのが、私の目的なわけであります。そうい
う観点からすると、いかに教育が大事であるかおわかりいただけるというふうに思っております。
  それから、先ほど団地の話、あるいはマンションの話さまざまございましたが、恐らく議員こ
れから質問なされるであろうひとり暮らしや核家族、高齢者だけの家族をどんどんと増やすという
ようなことにもなりかねない、こういった政策でありますので、なかなか決断するには厳しいとこ
ろもあります。私は、願わくば親子、あるいは3世代、こういったものが楽しく過ごせるような社
会にしたいと。そうすることで医療費や福祉、こういったものの経費も削減することができるので
はないかとこう考えておりますので、親を大事にし、高齢者を大事にする子供を育てれば、必ずこ
の問題も解決できるとこう思っておりますので、もうしばらく長い目で、むしろ育てるほうの側に
立って御指導、御協力をいただければありがたいなと、こんなふうに思っております。
  いずれにしても、議員の考えておられる内容については十分私も認識しておりますので、一緒
に南陽市の発展のためにお力をおかしいただければありがたいと、こう思っております。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  まことにありがたいお言葉、本当に感謝申し上げます。
  私も子育て支援にはいろいろ取り組んでおりますけれども、子育て支援ももちろんさることな
がら、子育てと一緒に私たち祖母の立場になるんですけれども、おばあちゃん的立場になるんです
けれども、親の教育までいくかどうかあれなんですけれども、親育ても頑張ってやっていきたいな
と、そういうふうに感じております。
  次の高齢者の問題なんですけれども、市役所の中に設けてあります地域包括支援センターなの
でありますけれども、一般にはなかなかなじみが薄く、総合的な相談窓口としての機能がなかなか
理解されていないのではないかなと感じるのですけれども、地域住民にとって身近な場所で、気軽
に相談に行けるような体制はとれないものでしょうか。例えば、各地区の公民館での相談日を設け
るなど、地域の中に入り込んで情報を収集するような、そんな工夫があってもいいのではないかな
と考えるのですけれども、福祉課長、その点に関しましてはいかがでしょうか。
○議長  斉藤福祉課長。
○福祉課長  今、御質問の高齢者の御相談なんですが、今福祉課の地域包括支援センターの相談
業務に限って申しますと、介護を前提とした相談というふうに、あくまでも介護の保健事業の中で
実施している事業ということで、いろいろ制約がございます。
  もう一つは、非常に技術的というんですか、複雑な家庭環境とか、そういったものを前提とし
て、いかに介護を必要となさっている方の相談にお答えできるかというふうな趣旨のもとで実施し
ているというふうなことで、今御質問の趣旨についてはおひとり暮らしの老人、あるいは高齢者が
社会の中で生き生きして暮らしていくためにはというのは、むしろ先ほど市長の答弁にありました
ように、もっと広くボランティア、社会福祉の分野というよりも社会活動の中で、社会教育の中で
だと受け入れやすいのではないかというふうに思っております。特に、五大不安というふうな中に
限っては、若いお年寄りがいろいろ問題を抱えているのはもっとお年、その経験者というんですか、
そういった上の方が相談員になったりというふうに、人材はいろいろある。そういったマンパワー
を生かすには、むしろもっと広い分野での問題対応というふうになるのではないかと思います。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  今、課長さんからお話がありましたけれども、先ほど市長の言葉にありました
地域福祉は、包括ですので、包括支援センターがやるべき仕事ではないのでしょうか、どうなんで
しょう。
○議長  斉藤福祉課長。
○福祉課長  地域包括支援センターというのは、実際のところ6人で、それぞれ資格を持って対
応しているというふうな中では、その対象となる方については非常に限定されており、なおかつ6
人というふうな中で、今御案内のような需要を果たせるというふうな機能を持ち合わせていないと
いうふうに御理解いただきたいと思います。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  実情はわかりました。その包括支援センターでありますけれども、現在はオー
プンフロアの一角に設けられていますよね。その個人情報の保護の面からしても、また安心して個
別の相談を受けるに適した環境であるとは決して言えないのではないかなと思うのですけれども、
こうきちんと独立した相談室というか、そういうのは設けることは無理なのでしょうか。
○議長  斉藤福祉課長。
○福祉課長  福祉課の奥に元部長室ですが、そこに囲いがあって、完全にそういった個人情報的
なものが漏れない、当然立場上、かかわる人間は漏らしてはならないし、またそこでいろいろ御相
談を受けても、それが漏れるというふうな物理的にもソフト的にもない場所がございます。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  あそこのロッカーで仕切られたところではなく、申しわけありませんでした。
  別のあれなんですけれども、長井市にありますNPO法人まごころサービス長井というところ
に私2回ほど見学してまいりましたのですけれども、ここでのサービスは主に2本立てで、1つは
子育て支援、そしてもう一つは昼食、弁当づくりと配食サービスなわけです。ひとり暮らしの高齢
者とか体の不自由な方、あと本当に老人世帯の方たちを対象とした弁当つくりと配食サービスなん
ですけれども、土日を除く週5日間の活動で、それこそ中高年のマンパワーに支えられている活動
だということでありました。実際に協力会員として活動されている昼食づくりの活動をなさってい
る70代前半の方だったと思うんですけれども、お話を伺ったのですけれども、実に生き生きとして
笑顔が輝いておりました。隔月、1カ月置きの週1回、4時間程度の仕事だから本当に無理なく、
でもそれなりの緊張感もあって自分の生きがいになっているとおっしゃっておりました。
  市長は、社会教育の分野において青年ばかりか女性とか、あとあの文章では新たな芽出しとな
るシニア教育の充実、組織化を図ると述べておられますけれども、何かこうはっきりとした方策を
お持ちなのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○議長  市長。
○市長  先ほど来から、教育面の不安材料となるような部分があったわけですが、私が奨励する
3世代、あるいは4世代同居、これを奨励するのに、子育てに直接かかわるシニアの方々にもしっ
かりそれに見合った知識、そういったものを養っていただく。さらには、これまでに培ってきた経
験、技術、こういったものをこれからも特に生産人口減少している社会でありますので、いろいろ
な形で頑張っていただくというようなことで、各公民館、あるいは中央公民館を中心に、そういっ
た組織化を今図っているところであります。こういった人たちが各地域で核になって、この輪を広
げていただければ、必ず私が目指している地域づくりの中心となって若者と一緒に行動でき、若者
たちにもさまざまな手法を学んでいただける状況になるのではないかなと、こう期待をしておりま
す。
  その中の1つとして、子育てにも十分力を入れていただけるようにお願いをしたいというよう
なことで、取り組んでいるわけでありますが、いずれにしても地域の中で、社会のために貢献する
という物の考え方が少し希薄になっているというふうに思っておりますので、改めてお願いをする
というような状況になっているのかなということで、青年教育のみならず、婦人、そしてシニア、
あらゆる生涯教育にわたって力を入れていきたいというのが私の考えであります。
  特段、今どういった活動というようなことはありませんが、それこそ自主的、自発的に地域の
中で頑張ってくれるものと、こう期待をいたしておるところであります。
○議長  ただいま3番吉田美枝議員の質問中でございますけれども、ここで暫時休憩いたします。
  再開を2時10分といたします。
午後 2時00分  休憩
───────────────────
午後 2時10分  再開
○議長  再開いたします。
  吉田議員。
○吉田美枝議員  高齢者の問題ですけれども、つい先日のことでありますけれども、飯豊町で支
えあって住み続けられる地域づくりフォーラムというのが開かれたのですけれども、それに参加し
てまいりました。
  飯豊町では、去年の10月から12月、町内の5つの部落で各3回、集落ワークショップを開催し
たのだそうです。テーマは、集落で高齢者を中心にさまざまな人たちとつながりを築き、お互いに
支え合う仕組みを一緒に考えるで、延べ200名ほどの参加がありまして、身の回りの不安とか、地
域の問題点を出し合い、こんなふうにしたいとか、本当にこうなったらいいといったような問題解
決のアイデア等について地域の皆さんで意見を交わしたのだそうです。その取り組みの様子なども
紹介されましたけれども、集落としての機能の違いなどもあり、それぞれ特徴を出してあって、本
当に興味深いものがありました。
  その中で、地域の問題は地域のみんなの問題として、解決する方法を地域全体で一緒に考え、
取り組むことで解決していくべきであるというような、こう言ってはあれなんですけれども、高齢
者の方のお言葉というか、まとめでありました。本当にすばらしいなと思いました。そしてまた、
本当に年寄りの気持ちは自分たち年寄りが一番よくわかるんだといった、そういった言葉にすごい
説得力を感じました。
  南陽の青年たちも本当に市長がおっしゃられる青年教育ですけれども、まずはみんなで集まり、
話を重ねることで大きく飛躍していったのではないかなと思います。そういった意味で、ただ最初
の第一歩、第一歩を踏み出すのがなかなか難しいのだと思います。最初のきっかけづくりというか、
情報発信というか、そこを行政に求めたいと思うのですけれども。そうすれば、みんなが徐々に徐
々にでしょうけれども、育っていくのではないかなと思うわけでありますけれども、そういった行
政の最初のきっかけづくりをお願いできればなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○議長  市長。
○市長  現在、数はちょっと把握しておりませんが、相当数の各地域でのサロンを開いておるよ
うであります。現在のところの話題は、本当の世間話からお茶飲み話というような状況のようであ
りますが、これがだんだんと成熟してきますと、もう少し自分たちの直接に身にかかるものになっ
ていくのではないかなとこう思っていますので、これを上手に利活用しながら、今議員おっしゃら
れたような内容になるように御指導というか、行政でも指導しながら地域のリーダーに、その中に
一緒に参加していただいて、御指導いただけるようなシステムにしていけば、わざわざ新たにつく
るよりははるかに効果が上がるのではないかとこう思われますので、その辺を含めて検討したいと
いうふうに思いますのでよろしくお願いします。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  そのサロンなんでありますけれども、やっぱりサロンに参加されている方の一
部なんでしょうけれども、何かこう目的を持って、きょうは何々をするサロンですよとかというと
行きにくいと。ただ、自分はそこに行って、本当に顔見知りの人たちみんなと本当にお茶を飲むだ
け、だれかが話をしているのを聞くだけでいいんだと、時間を共有したいだけなんだという方もい
らっしゃいます。
  飯豊町に行ったときに思ったのですけれども、最初はそういう集まりの方たちが地域の問題等
を話し合ううちに、自分の趣味が、あ、こういうふうな趣味があるんだと、それを今度ちょっとし
た小遣い稼ぎにというふうにだんだん話が広がっていったと。そういったこともありました。前、
上勝町に視察に行ったとき、葉っぱで有名な上勝町なんですけれども、本当にお年寄りは寝込んで
いる暇がないんだと、経済活動が忙しいんだと。やっぱり、ああいう生きがいが高齢者にとっても
本当に大切なのではないかなと思うわけであります。
  先ほど紹介いたしました長井のNPOのまごこころサービスですか、お弁当づくりにいたしま
しても60歳、65歳、70歳ぐらいのおばあちゃんたちが、自分たちが食べたいものをつくっているの
で、お年寄りにも喜んでいただけると。配達する人も70代くらいの方なものですから、本当に配達
しに行っても会話が弾むと。安否確認等にももちろんなるということで、やっぱり中高年者のマン
パワーを活用した取り組みというのが、これから本当に考えていかなければならない地域の問題だ
なと思います。
  みんなで本当に住んでよかった、そういう南陽市を目指していければなと思いますので、みん
なで市長を初めとして頑張って、本当にそういう南陽市になるようにしていきたいものだと思いま
す。
  これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長  以上で3番吉田美枝議員の一般質問は終了いたしました。大変御苦労さまでございまし
た。
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