平成22年9月定例会

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午前11時15分  再開
○議長  再開いたします。
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吉田 美枝 議員 質問
○議長  次に、3番吉田美枝議員。
〔3番 吉田美枝議員 登壇〕
○吉田美枝議員  3番吉田美枝でございます。
  さきに通告してあります内容について質問させていただきます。
  まず、学校給食についてであります。
  このたびの宮内中学校改築整備事業により、市内小学校及び中学校の学校給食の調理等の業務
を一括する施設として、宮内中学校敷地内に学校給食センターが新設され、12月1日施行開始とい
うことであります。
  そこで、第1点目、新設されたこの調理場で市内小・中学校の1,700食の給食を賄うとのこと
でありますが、どのような職員業務態勢で取り組まれるのかお伺いいたします。
  これまで宮小、赤小では、外部の民間業者に学校給食の調理運搬業務を委託しておりましたが、
沖郷、漆山、梨郷を初め、中川小、荻小では自校方式ということで、市の調理師さんたちがそれぞ
れ創意と工夫をめぐらしながら給食の調理に当たられていたわけです。
  しかし、1,700食といいますと、これまでの調理数とは数が全く違います。また、でき上がっ
た給食を市内のそれぞれの学校へ運搬する業務にしても、量の問題、時間の問題等もあり、スムー
ズに移行できるのか心配されるところでございます。
  第2点目、地産地消運動と学校給食との関係についてであります。
  これまで子供たちを対象にした農業体験や食に関する多様な取り組みの実践によって、学校給
食が絶好の食教育の場となっております。地元の子供たちに地元の安心な食べ物をといった意識を
持つ生産者の方々の存在もあり、子供たちの健全な食形成にとって、安全性、地元産重視の食材が
不可欠であるとの考えがだんだん広まってきております。
  そこで、できるだけ地場産の食材を活用していくための方策というものを構築されておられる
のかお伺いいたします。
  次に、地域で高齢者を支える手だてについてであります。
  平成12年4月に公的介護保険制度が導入され、要介護高齢者や要支援高齢者の日常生活の自立
を支援する介護サービスは、高齢者とサービス提供者との対等な契約関係に基づいて提供されるこ
とになりました。
  しかし、近年、高齢者のみの世帯及び高齢者のひとり暮らしが急増しております。平成17年の
国勢調査によると、高齢者のいる世帯は全国で1,720万世帯、一般世帯総数4,906万世帯の35.1%に
当たり、高齢者のいる世帯の割合は、山形県が51.7%で47都道府県の中で最も高い数字となってお
ります。
  南陽市は57%で、県の平均割合をも上回っております。南陽市の高齢者の状況を見た場合、65
歳以上人口に占める在宅のひとり暮らし高齢者の割合が9.5%と、県の平均8.2%を大きく上回って、
県内35市町村の中で6番目に高い数字となっております。
  また、在宅の寝たきり高齢者の割合も県の平均を上回って、県内で10番目となっております。
過疎化、高齢化、孤立化の進展で、日常的な買い物さえできなくなっている、いわゆる買い物難民
が全国で約600万人に達していると経済産業省の研究会が報告し、対策の必要性を指摘しておりま
す。高齢者にとっての買い物は、通院とともに健康、生命保持のための重要な営みです。
  そこで第1点目、買い物の支援を必要とする高齢者や障害者の数を市ではどのように把握して
おられるのかお伺いいたします。
  第2点目、県ではふるさと雇用再生特別基金事業の一つに、中小商業新サービス創出支援事業
を打ち出し、商店街等において御用聞きや共同宅配サービスをするための人材を雇用し、小売り、
サービス業の新たなニーズの掘り起こしや、その供給体制、管理運営方法等についての検証を行う
ことにより、新たな販路の拡大を目指そうとしております。また、各自治体とも、こうした対策に
積極的に取り組んでもいるようです。南陽市としては、高齢者等の買い物支援に対しどのような手
だてを考えておられるのかお伺いいたします。
  第3点目の質問です。市では、現在高齢者などの交通手段確保のためとして3路線の地域バス
を走らせておりますが、バスの通行圏外の高齢者等の足をどのように確保しようとされておられる
のかお伺いいたします。
  以上、誠意ある御答弁をお願いいたしまして、私の壇上からの質問を終わらせていただきます。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
〔塩田秀雄市長 登壇〕
○市長  3番吉田美枝議員の御質問にお答え申し上げます。
  初めに、学校給食についての1点目、業務態勢及び運搬業務についてでございますが、本定例
会で提案申し上げました南陽市学校給食センター設置条例及び施行規則を定めながら、安全で安心
な最新式の充実した設備環境のもと、適正かつ円滑な運営を図るため、市職員による直営方式で業
務に取り組んでまいりたいと考えております。
  2点目の地産地消の取り組みについてでございますが、5番川合 猛議員の質問にお答えした
内容と重なる部分もございますが、南陽市地産地消推進協議会及び南陽市給食特定野菜推進委員会
を通して地産地消の推進に全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたい
と存じます。
  次に、地域で高齢者を支える手だてについての1点目、買い物の支援を必要とする高齢者等の
把握についてでございますが、本市で高齢者等を対象として買い物支援に関する需要等の調査は行
っておりません。しかしながら、本市の介護保険において外出支援サービスを必要とする人数は、
介護認定を受けている方で870人ほどおられ、障がい者で同様のサービスを受けている方は1名で
ございます。
  なお、本市における具体的な買い物支援の調査として、介護保険事業において今年度実施予定
の日常生活圏域高齢者ニーズ調査に含めてアンケート調査を行うことは可能でありますので、その
実施については今後検討してまいりたいと考えております。
  2点目の高齢者等の買い物支援についてでございますが、昨年12月定例会でお答え申し上げま
したとおり、これは単に福祉制度だけでなく、まちづくりそのものの課題でもあり、また地域の中
での支え合いという相互扶助にもかかわるものと考えております。
  現在策定中の第5次市総合計画の中で検討していきたいと考えておりますが、ことし県では共
同宅配やいわゆる御用聞き事業に取り組む商店街組織などを募集し、支援するモデル事業を県中小
企業団体中央会で実施しておりますので、その事業の検証結果に注視しながら、市として参考にで
きるものがあれば取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  第3点目の市民バスの運行圏域外の高齢者の足の確保についてでございますが、路線バスで対
応が困難な地域についての公共交通については、市内の交通需要や事業採算性等を含め継続の課題
としてまいりたいと、このように考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  以上であります。
○議長  再質問に入ります。
  3番吉田美枝議員。
○吉田美枝議員  答弁ありがとうございます。
  まず、学校給食のほうの問題でありますが、国の食育推進基本計画の中で、学校給食の充実と
して次のように記されております。望ましい食生活や食料の生産等に対する子供の関心と理解を深
めるとともに、地産地消を進めていくために生産者団体等と連携し、学校給食における地場産物の
活用の推進や米飯給食の一層の普及、定着を図りつつ、地域の生産者や生産に関する情報を子供に
伝達する取り組みを促進するほか、単独調理方式による教育上の効果等についての周知・普及を図
ると、そう書いてあります。
  ということは、国は単独調理方式、すなわち自校方式が教育の効果になる、センター化は決し
て国が推奨している方法ではない、そう言っているように思われるのですけれども、この点に関し、
いかがでしょうか。
○議長  伊藤管理課長。
○管理課長  お答え申し上げます。
  議員おっしゃるような趣旨のことは承知しておりますが、今現在、南陽市が進めております学
校の再編、中学校が今年3校になったわけですが、そういった全体計画の中でこういった給食設備
についても充実させていくという考えのもとで、このような方向づけになったものと考えておりま
す。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  ということは、児童・生徒の減少もそうでしょうけれども、財政がこういう状
況なものですから、効率的に進めようということでセンター化を決められたというふうにとらえて
構わないでしょうか。
○議長  伊藤管理課長。
○管理課長  全体的には給食設備の施設の老化、そういったもののこれからの更新状況、さらに
は今の議員おっしゃる旨の教育効果もあるわけなんですが、教育効果というのは給食ばかりでなく
全体計画の中で考えていくものと存じますので、そういった総合的な観点から今進めているという
ことでございます。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  わかりました。
  ただいまの市長の答弁の中に、センター化を市職員による直営でやっていくというような御答
弁がありましたけれども、運搬業務のほうなんですけれども、給食用の運搬車、事前にお話をお聞
きしましたところ、3トントラックが2台というようなことをお聞きしたんですけれども、恐らく
は1台は沖小、沖中、もう1台が宮小、漆山、梨小ですか、そちらを回るコースになると思うんで
すけれども、1台のトラックに詰め込める量というのも限られていると思うんですけれども、それ
ぞれ1回の運行ですべて配給できることになるのでしょうか、お伺いいたします。
○議長  伊藤管理課長。
○管理課長  お答え申し上げます。
  今、議員おっしゃるように、運搬車については3トン車2台というようなことで計画をしてお
りまして、既に入札も済んでおります。
  その中で、この2台の運搬車が2回運行するというような形で、各2台が1回でなくて、延べ
回数でいけば4台分といいますか、1台が2回回ると、配送するというような形で運行を計画して
おります。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  そうしますと、調理完成からトラックへの積み込み、配給先の学校までの走行
時間、車から降ろす作業、また戻ってくる時間、そういったところをかんがみますと、給食の時間
帯もあることでしょうし、ぎりぎりの時間配分で動かなければならず、本当に運搬業務に当たられ
る方の精神的負担は相当なものがあると思います。運搬業務を委託するといったようなことは考え
ておられないのでしょうか。
○議長  伊藤管理課長。
○管理課長  今回の給食センターにおいては、6校分の給食を来年の4月から実施すると。議員
おっしゃるように、職員の分も含めますと1,800食ほどになります。そういった中で、その調理し
たものの運搬業務については、今現在学校技能士さんにお願いしている部分もあるんですが、この
6校分の給食についてもそういった形で計画を今して、技能士さんとの話し合いも今現在行うよう、
これから取り組んでいるというようなところでございます。
  また、調理技能士さんについても、今現在の配置になっている方が9名ほどいらっしゃいます、
6校の部分で。調理業務についても、この中でお願いをしながら、また文科省の基準もあるわけな
んですが、そういった部分も勘案しながら調理の業務全般の適正な配置をしていきたいというふう
に思っております。
  また、共同調理の施設というのは、今までですと自校方式の場合は校長先生がそこの責任者と
いうようなことでお願いをしているわけなんですが、今回の場合は宮内中学校の中の隣といいます
か、廊下でつながっているわけなんですが、これは独立した施設になります。したがって、そこに
は職員の配置、例えば所長とかセンター長というんですか、そういったものの配置。一般的な発注
やらそういった業務等もありますので、そういった職員配置も今後の計画の中で進めていく考えで
ございます。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  9名の調理員さん、そのほかに栄養士さん等もいらっしゃると思うんですけれ
ども、先ほどの答弁で運搬業務を各学校の技能士さんが請け負われるというような考えだというよ
うなことを承りましたけれども、配食を受ける学校の技能士さんというと6名で、6名の方が交代
で2台の車を運転というか、当番で回れることになるのでしょうか。
  そうしますと、給食の運搬から、先ほど2回運行というようなことがありましたので、給食の
運搬から、給食が終わった後の下膳というんでしょうか、食器等を降ろしてくる下膳等も含めます
と、この一連の給食運搬業務に費やされる時間というのは、本当に相当なものがあると思うんです
ね。そうしますと、今まで技能士さんが各学校で請け負われていた、担っていた仕事というものに
対して支障はないのかなというような、そんな気がするんですけれども、いかがでしょうか。
○議長  管理課長。
○管理課長  議員おっしゃるとおりに、今お話あったような学校技能士さんの方にお願いして、
その分負担が増すのではないかという部分でございますが、今、学校技能士さんの業務形態につい
ても、昔、私どもの学校に行っている時代は、冬のストーブの火をつけるとか、そういった業務か
ら始まっていろいろあったわけですが、今現在については大分そういった内容についても変わって
いるというような中で、業務の見直し等を含めながら、そういった時間帯をぜひお願いしたいとい
うような考え方で、今お話し合いをさせていただいているというようなところです。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  あくまでも、その配食を受ける学校の技能士さんが6人でという、サイクルで
というふうに考えていらっしゃるわけですね。
○議長  管理課長。
○管理課長  今現在、お話し合いの中では、例えば1週間交代がいいのかとか、1カ月交代がい
いのかとか、そういった一番ベストな方法はどういう方法なのかというような提案もこれからしな
がらお願いをしていくというような考えでございます。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  いずれにせよ、とにかくいい方向でスムーズに進めばいいなと思うんですけれ
ども。
  循環エネルギー利用の観点からなんですけれども、今度は、給食調理に使われた食用油の廃油
とか食べ残しの残渣ですか、そういったものの有効利用というのも考えていらっしゃるのでしょう
か、お伺いいたしたいと思います。
○議長  管理課長。
○管理課長  ただいまの中で残渣というよりは、食用油については利用方法が今あるというよう
なことで、引き取りの方もいらっしゃいますので、そちらのほうへお願いをしております。
○議長  学校整備課長。
○学校整備課長  残渣につきましては、一括で集めるところがございまして、そこに1回集める
ことになっておりますが、それにつきましても今後の検討課題だと思っております。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  学校給食における地産地消の問題に関しましては、きのうの川合議員の質問に
対する答弁で大体のことがわかりましたので、私としてはそれ以上お伺いすることもございません
が、先ほど申し上げましたが、本当に児童・生徒数の減少傾向と将来の財政負担を考えると、やは
り効率化はこれまで以上に本当に求められるところであると考えます。
  自校方式を国のほうは勧めているような計画の中にはありますけれども、センター方式でも給
食現場、教育委員会、そして学校、保護者、地域が本当に一体となって知恵を出し合って、徹底し
た衛生管理のもと安価で、そして安心・安全な学校給食が子供たちに提供されることを願ってやみ
ません。学校給食のほうはそのぐらいにしておきます。
  次に、高齢者問題等のほうに質問を移らせていただきますが、先ほどの買い物支援を要する高
齢者等の数をどのように把握しておられるかという答弁をいただきましたけれども、一人一人の本
当にケースが違いますので、実際にお会いしてお話を伺ってみないと、買い物支援を要するかどう
か実態把握の難しさ、実際に自分で調査に当たって感じたところで、どのような回答が返ってくる
か興味深いところでありましたけれども、市では社会福祉法に基づいて地域福祉計画を策定なさっ
ておられます。
  その中で、高齢者福祉施策の基本理念として、真に生きがいのある暮らしと人間性の豊かなま
ちづくりを目指すとともに、地域社会に温かく包まれ、社会の一員として安全で安心な潤いのある
市民生活を送ることができる環境づくりを進めることに重点を置き、高齢者の自立支援と人間性の
尊重をうたっております。
  こうした理念を実行に移す具体的な取り組みとして、まずは市ではどういったことを考えてお
られるのか、市長、お伺いいたします。
○議長  大沼福祉課長。
○福祉課長  市長ということなんですが、一応福祉課長。おっしゃるとおり、今回、平成18年に
介護保険法が大幅に改正になりまして、次期の介護保険法の参考というふうなことで、新たにニー
ズ調査をしろというふうな国からの指導もありますので、今年度、実は9月の補正にその金額を上
げておるんですけれども、今の高齢者の状況を勘案しながら考えたいんですけれども、ただ、あく
までも介護保険というのは、議員御存じのとおり、介護認定を受けている方で、かついわゆる準寝
たきりとか、寝たきりの状態の人がどういう状況になっているかというふうなことでありますので、
買い物難民と同義的な意味合いとはちょっと違うというふうなことになります。
  実際、例えばお年寄りのひとり暮らし、または御夫婦だけというふうな場合については、ホー
ムヘルプサービス事業の中にそういったサービスがありますけれども、それはすべて各ケアプラン
を立てる段階でケアマネージャーが精査いたしますので、どういったサービスがその方に必要なの
かについては、やはり各々の状況が違いますので、仮に調査をしたとしても正確な数字というのは、
先ほどおっしゃるとおりなかなかつかむのが難しいのではないかというふうには考えております。
  以上です。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  確かにそのとおりだと思います。
  実際に、私、自分で買い物の実態調査をしてみようと思ったときに、高齢者のみの世帯及びひ
とり暮らしの高齢者がそれぞれの地域でどれくらいいるのか、福祉課のほうにお尋ねしました。そ
うしましたところ、市全体では把握しているけれども、それぞれの地区別にはわからない、確かに
そうだと思います。そして、介護認定の方のみしかというようなことの返答でありました。
  今、全国的に高齢者の所在不明が本当に次々に明らかになってきているわけでありますけれど
も、希薄化する親子、地域の関係、知っているはずの行政とか民生委員が実態を把握していない、
本当にいろいろなことが判明してきて、多くの方が不安を募らせているんだと思いますね、今。数
字的なそういった情報というのは、何も国とか県に報告するためのものではないと思うんです。
  やはり、住民に即した数字というか、それを地域の住民に提示して、どう地域で見守り、支え
ていくか、地域のコミュニティ力をつけていかなければ本当に意味のない数字になるんじゃないか
なと考えます。災害時の要援護者の避難支援の個別計画等もありますけれども、各地区のひとり暮
らしの高齢者数や高齢者の夫婦のみの世帯数など、行政としてとらえておくべき数字ではないかな
と考えるんですけれども、いかがなものでしょうか。
○議長  大沼福祉課長。
○福祉課長  実は、今現在民生児童委員の改選期に入っておりまして、3年の任期が変わるとい
うふうなことになっております。民生委員さんも大きいところの地区では1人当たり300世帯近い
受け持ちになっておりまして、なかなかすべての世帯を民生委員さんが把握するのは困難な地域が
生じています。
  議員おっしゃるとおり、行政として各々のある程度の基礎数値を把握すべきだというふうなこ
ともございましたので、介護保険を利用しながら、そのサービスを受けている各地域ごとについて、
今後ちょっと調査をしてみたいというふうに思っております。
  以上です。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  今、全国的に高齢者の不明問題というか、それでは元気なお年寄りの100歳以
上の病院にもかからないお年寄りの所在がわからないとか、介護保険を使っていない高齢者がわか
らないというようなことが本当に判明してきております。
  そこで、やはり行政の方に足で歩けというのは本当に酷なことかもしれませんけれども、本当
に地域に目を向けて、やはりそういった数字をとらえていかなければならないんじゃないかなと、
それこそがやはり地域のコミュニティ力をつけるもとになるんじゃないかなと思うんですけれども、
もう一度その辺のことをお聞かせいただきたいと思います。
○議長  大沼福祉課長。
○福祉課長  先ほどとちょっとダブるんですけれども、民生委員さん等を通じて、その地域、特
に地区長さんとも今後連絡をとりながら、各地域の状況について福祉のほうでも把握したいと思っ
ています。
  以上です。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  先ごろ、小国町に地元のショッピングセンターが運行する移動販売車のことを
詳しく知りたいと思いまして、話を聞きに行ってまいりました。
  町中心部から離れた地区に住む高齢者の負担を減らそうと3年前から始めた事業で、本当に山
奥まで、山の奥のほうまで入っていくので、1日の走行距離が70キロにも達するというような話で
したし、1日50カ所ぐらいにとめて販売するということで、中型トラックを改造した運搬車には冷
蔵庫も積まれており、生ものから、本当に日用品まで約300品目を積み込んでいるとのことでした。
すっかりお客さんと顔なじみの関係になって、個人的な用事を頼まれたりするということもあるそ
うです。
  小国町では、また約70店が加盟する協同組合の小国ポイント会が御用聞き商品お届けサービス
トドケール便というんですか、それを軽トラックなんですけれども、2台走らせておりました。ひ
とり暮らしの高齢者の中には、毎日お昼のお弁当の配達を希望されている方もいらっしゃるという
ことで、本当に喜ばれておりました。
  こういった御用聞き商品お届けサービスは、近くでは飯豊町とか上山でも取り組んでいるとい
うことで、本当にひとり暮らしの高齢者等には大変感謝されているというようなこともお話を承っ
てきました。
  南陽市としても、市の商工会のほうにこういった働きかけ、なされていないのでしょうか。な
されていないとすれば、ぜひお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○議長  齋藤商工観光課長。
○商工観光課長  ただいまの議員のほうからお話がありました事業につきましては、先ほど市長
のほうから答弁をさせていただきましたが、県の事業というふうなことで実施をされております。
県というのも、ふるさと雇用再生特別基金事業であります。県のほうから商工会の中小企業団体中
央会のほうを通して、県内商工会の事業参加を求めて、先ほどお話ありましたが、小国、飯豊、上
山、尾花沢、鶴岡、それぞれ県内5カ所で実施をされております。
  本事業については、先ほど来からお話あります高齢化社会への対応として、いわゆる商店街の
新たなニーズ対策であります。当然、その供給体制あるいは管理運営方法について、この3年間を
かけて検証をするというふうなことであります。
  南陽市としても、実際には平成20年に梨郷地区のほうで、高齢者、交通弱者等の買い物支援事
業を実施をいたしました。その際には、地域内にいわゆる配達等ができる業者さんの紹介チラシを
配布をしたというふうなことであります。それから2年がたって、さらに高齢化社会への対応が求
められている状況でありますけれども、今後、いわゆる買い物支援というだけではなくて、先ほど
来コミュニティ力というふうなお話もありましたが、地域全体で生活支援を支えるという、そうい
ったやはり計画、準備が必要ではないかというふうに理解をしております。
  ですから、当然必要な部分については、先ほどお話ありましたトドケール便、こういった買い
物支援も一つのやはり支援策でありますから、今後検討をしてまいりたいというふうに思います。
  ただし、今も市内においてはそういった移動販売などをしていらっしゃる方もいらっしゃいま
す。当然、配達をするという業務体系で商売を展開していらっしゃる方もいらっしゃいますから、
地域の中における本当に必要な新たなニーズ、そういったものを今後とも的確に把握してまいりた
いというふうに考えております。
  以上でございます。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  実際にお話をお伺いしてきた小国のほうなんですけれども、移動販売者とトド
ケール便が競合しているところも確かにございます。でも、トドケール便のほうですか、登録者と
いうか、1日のそれこそ利用者が十五、六人だというようなこともお話をお聞きしました。でも、
その十五、六人の方というのは、本当に待っていらっしゃるんだと。介護保険等も使っていらっし
ゃるかどうかは、その方々はわからないんですけれども、本当にお昼のご飯を待っているんだとい
うようなことをお話を聞きまして、ぜひやはり南陽市でもそういった方というのがいらっしゃると
思いますので、行政としても積極的にそういった支援のほうを後押ししていただければなと、本当
に強く要望いたします。お願いいたします。
  それから、地域バスの3路線のことでありますけれども、ことし4月から7月までの1便当た
りの乗車人数を調べてみました。そうしましたら、小滝・赤湯間の北部バス、これは1日10便走っ
ているわけですけれども、1便平均が6.37人、元中山・南陽病院間の中川地区バス、これは1日に
7便走っているんですけれども、1便平均5.2人、南陽病院・置賜病院間の西部地区バス、1日11
便走っているんですが、これの1便平均が3.89人ということでありました。
  昨年度の当初予算が1,800万円、市が業者との契約額から運賃収入を差し引いた赤字補てん分
が1,105万円余りとなっています。これでは、市民全体の利便性を考えた交通手段とは決して言え
ないのではないでしょうか。住民主体のデマンド型交通システムを検討されるおつもりはないので
しょうか。
  県内でもかなりの自治体がこのデマンド交通に取り組んでおります。乗客の乗っていないバス
を走らせるより、予約で走るデマンドは乗車率100%、また個々の利用者宅前のでの乗降も可能と
なり、市民の足として大いに期待が高まるのですけれども、市長、このデマンド交通に関していか
がでしょうか、お答えお願いいたします。
○議長  市長。
○市長  今、吉田議員が調査をされた内容、これは平均するとそういうふうな数字になりますが、
これは常に同じ数ではないわけですね。朝晩、デマンドでは到底対応できない数字になるわけです
から、ここが町場といいますか、限られた距離ですとデマンドもいいんですが、北部バス、あるい
は西部バス、中川バス、いずれも距離的に非常に中心部から離れているということで、バスでない
となかなか対応し切れない距離と、時間帯の乗車、人数、こうなるわけですね。
  例えば、北部バスでありますと、朝、病院を初め用を足しにくる方々がほとんどで、日中は余
り乗らないので、平均的は確かに6.37というふうな数字になりますが、常時6.37じゃないわけです
ね。朝晩は満員になるわけです。
  そういうことですと、なかなかデマンドに切りかえるというようなことはできませんし、さら
にデマンドと一般の皆さんが利用できるバス、今利用している循環バス、これは利用者が不特定多
数、だれでも使えるわけですけれども、デマンドになりますと契約というふうなことになって、さ
まざま難しい部分もあるので、一緒くたに考えたら非常に難しいわけで、助成の制度も違いますし、
仕組み、システム、そういったものも違うのでなかなか難しくて、そういったことは前々から田中
議員からも言われているんですが、なかなか解決できない難しい課題であるので、これも含めて、
先ほど今後の課題にお願いしたいと、こう言ったのはそういうところにあるわけなので、その辺も
十分勘案して、これからもっといい方法があるのかないのか含めて検討させていただきたいなとい
うふうに思っているところでありますので、御理解をいただきたい。
  今のところは、当面この市内循環バスについては継続をする必要があるのではないかなという
ふうに思っております。
  以上です。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  市長の言わんとしているところも飲み込めますが、この地域バスの3路線以外
の、本当に交通の空白地域、また北部バスにしろ、中川バスにしろ、中川バスはどこからでも乗り
降りできるようになったわけですか、北部バスなんかは、本当にバス停から遠く離れた方、本当に
何て言うんでしょう、空白地域と困難な方がやはり使うには本当に不便だなと。
  実際問題、私、先ほどから何回も申し上げていますが、買い物の実態調査をしてきたところに
よりますと、やはり買い物なんかにはバスは使えないんだというようなことで、何とか父ちゃんが
運転するからとかというようなことで、医者に行くのは何とかバスを使うと。バスを使うんだけれ
ども、中川地区の方なんかもそうではないでしょうか、置賜病院に行かれる際に、やはり真っすぐ
行けばあれなのに、一たん南陽病院まで来て、そこで乗りかえて置賜病院ということになれば、予
約時間等もありますと、なかなか不便じゃないかなというふうに私は思うんですけれども、そうい
ったところを解決してくれるのがデマンドかななんては思ったんですが、市長の朝晩の利用者等の
ことをかんがみますと、一概にもそうも言えないのかな。
  ここで、やはり市民の皆さんの、多くの皆さんの考えをお聞きするために、交通の空白地域と
かなんかの皆さんの声も聞くために、市内の交通を考える何とか会でもいいんですけれども、みん
なで何とか考えていきましょうというような組織というか、委員会等の設置はどうでしょうか、市
長。
○議長  市長。
○市長  この循環バス、あるいはデマンド、いろいろな方法があると思いますが、いずれも皆さ
んがすべての方々が最も便利いいというようなことはなかなかいかなくて、やはり最大公約数、い
ろいろな形で今の実情を少しでも緩和できるというような部分で運行しているわけなんで、すべて、
真っすぐ行けばかなり便利ということはだれでもわかります、途中から乗りたいという人もいるわ
けなんで、今後停留所の数を増やすとか、さまざま検討させますし、循環というので山手線みたい
にくるくる回るのも検討しろと指示しているんですけれども、これもなかなか採算性の問題で厳し
いのかなというような職員の考えもあって、なかなか実行できなくているし、実は、こういったこ
とを業としている皆さんも、民の方もいるわけなんで、すべてこれ行政でやりますとなかなか問題
もあって、そこら辺の部分がクリアできないというところも実はあるわけでありますので、こうい
った運送会社といいますか、タクシー会社といいますか、そういった方々の最も利益につながる部
分を行政が奪うというようなことになっても、いわば官が民を脅かすようなことでも困るので、そ
の辺も実はクリアしなければならない課題の一つになっているわけであります。
  今、吉田議員からあったように空白部分について検討しているわけであります。それが今言っ
た、例えば市役所を発進して、赤湯、宮内経由、あるいはハイシアを通って体育館をこういって赤
湯を通ってぐるっと一回りすると、駅をまわってくるくる回って3つの路線につないでいくという
ようなことも検討するように指示したんですけれども、なかなかそれにはそれでやはり問題もある
というようなこともあって、なかなか浸透していない面もあるので、皆さん方の御意見を聞くのは
全くやぶさかではありませんが、すべて皆さん方一人一人いろいろなことを言えば、なかなかまと
め切れなくなるのかなというふうに思っておりますが、一応担当課のほうに各地区ごとにいろいろ
な御意見を聞かせるような体制もつくらせてみたいと思いますし、今度予定しておりますいきいき
トークについても各地区から御意見を聞きながら参考にして、新たな対応を検討できるように進め
ていきたいと、こう思っておりますので、御理解をいただきたいなというふうに思います。
○議長  吉田議員。
○吉田美枝議員  ありがとうございます。
  この間、ちょっと高畠のほうに行ってきましたら、私もわからなかったんですけれども、高畠
のほうでデマンド交通に取り組んでいるというので、耳寄りなお知らせですなんていうようなこと
がありました。デマンド乗り合いタクシーということで、タクシー会社と共同の取り組みとしてと
いうようなことも一つの方法としてあるのかなというようなこともありますので、なお前向きにそ
ういった空白地域を埋める手だてを講じていただきたいと思います。
  そういった意味から、ちょっと先日警察のほうに行って、南陽市の自動車免許の保有者数と自
主返納者の数を聞いてまいりました。南陽市の自動車免許保有者総数は、21年度末現在で2万2,52
7人、うち70歳以上の保有者は2,678人、男が1,997人の女性が681人です。買い物の実態調査をした
ところ、やはり先ほど申しましたとおり、「父ちゃんが運転してけっから、まずは病院さも、買い
物さも行かれるんだけれども、父ちゃんいなくなったらどうすんべ」とかというような、本当に運
転できないと日常生活に支障を来す高齢者の不安に思う声を間近に聞いてきました。
  そうした一方で、「父ちゃん一人で運転させるのは本当に心配なんだけれども、運転技術から
いって心配だもんで、必ず私隣さ乗ってけんなねなよ」というような、本当に家族は運転技術に不
安を抱きながらも、でもやはり車がないと買い物や病院に行けないというような、免許証の自主返
納にも踏み切れないという高齢者の声も確かにお聞きしてきました。
  南陽市内の高齢者の運転免許の自主返納者は、平成19年までは一桁台で推移していたそうなん
ですけれども、20年に23名、21年は33名、22年は8月までで15名の返納があったそうです。免許証
の期限内に返納された方に対しては、運転経歴証明書なるものを発行して、それを提示することに
よって、南陽署管内のタクシー協会ではタクシー利用の1割引きサービスを行っているというよう
なこともお聞きしてきました。
  警察の交通課の方も言っておられましたけれども、本当に高齢者が犠牲となる悲惨な事故を防
ぐためにも、先ほど「父ちゃん一人で運転させるの危ないのよ」というような状況から、本当に免
許証の自主返納は有効な手だての一つではありますけれども、本当に車が主要な交通手段となって
いる地域だからこそ手放すことができないというようなことも、手放すことも容易でないというこ
とも理解できると警察の方も言っていらっしゃいました。
  高齢者にとってバス停まで行くことが本当に大変になってきておりまして、病院とかお店、役
所を初め、老人福祉センターなどにも行けるようになるということは、本当に車を運転できない高
齢者にとって大きな望みであると思います。ましてや、交通空白とか不便地域があることを課題と
してとらえると、本当に自宅とか目的地で乗降できる、そういうデマンド交通というのも高齢者の
課題を解決してくれる方法かなとは思いますけれども、いずれにせよ、行政と市民がお互いに知恵
を出し合って協働で、お年寄りが住み慣れた地域で安心して暮らせるコミュニティ力、先ほどから
何回も申し上げておりますが、そういったコミュニティ社会を構築していきたいものだなと思って
おります。私たち、今、五十代、六十代の私たちの近未来がかかっているのですので、今考えてい
かなければならない大きな問題かなと考えているところであります。
  時間も12時を回りましたので、この辺で私の質問を終わらせていただきたいと思います。あり
がとうございました。
○議長  以上で3番吉田美枝議員の一般質問は終了いたしました。大変御苦労さまでございまし
た。
  以上をもちまして、通告されました6名の一般質問はすべて終了いたしました。
  長時間大変御苦労さまでございました。
  質問された議員、答弁された執行部各位の労をねぎらい、今後の市政運営に生かされることを
期待をいたしております。

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散会
○議長  本日はこれにて散会といたします。
  御一同様、御起立願います。
  御苦労さまでございました。
午後 0時09分  散会