平成23年3月定例会
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午後1時00分  再開
○議長  再開いたします。
  午前中に引き続き、一般質問を始めさせていただきます。
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板垣 致江子 議員 質問
○議長  次に、7番板垣致江子議員。
〔7番 板垣致江子議員 登壇〕
○板垣致江子議員  7番板垣致江子でございます。
  さきに通告してあります内容について質問させていただきます。
  3月6日は啓蟄ということで、このころから少しずつ温かくなり始め、冬眠していた生き物もそろそろ目を覚ますのだそうですが、道路の除雪で押され、うずたかく積まれた雪や家の周りにおろされた雪の多さを見ると、平成元年以降最大の積雪深となった今年の豪雪は、まだまだ多くの傷跡を残し、特に農業関係への雪害が深刻な状況で心配されるところです。今後の状況に、市としてもできる限りの対策を望むところです。
  それでは、市政全般、平成23年度施政方針の施策についてお伺いいたします。
  1点目の教育のまちづくりについて。
  第5次南陽市総合計画基本構想の体系、目指す都市像を「確かな未来へ 夢はぐくむまち 南陽」とし、その実現へは人づくりなど人材育成が最大の手段であるとの市長のお考えが示されております。
  そのような思いで3年前から取り組まれてきた青年教育推進事業の第3回夢はぐくむ故郷(まち)南陽コンペティションが先日開かれ、参加2年目の米部が最高得点を獲得し、青年まちづくり大賞に輝いたとのことでした。参加8グループの工夫を凝らしたプレゼンテーションには、審査に当たった方たちも高く評価されたとのことでした。青年たちの実践・活動の輪が大きな成果を上げ、着実に若者が育っていることは大変喜ばしく思っているところです。
  私は、残念ながら当日行けませんでしたが、ある方が会報にこんなことを書いておられました。「夢はぐくむ故郷(まち)南陽コンペティションを拝聴した。我々大人世代は、今の若者はと愚痴る。小生の偏見だった。自分たちのふるさとを何とかしたいとする多くの若者の情熱と行動に感動した。小生は毎年、村山の徳内祭りを見る。こんなに若者がいることに驚く。生き生きと楽しく踊っている姿がよい。南陽も村山の青年にも共通していることは、地域の人とのかかわりときずなを深めている。長い目で見ると、必ず両市ともすばらしいまちになることを確信する」と書いておられました。まさにそのとおりだと思いました。地域で育つ若者が夢を持てること、それが確かな未来南陽へとつながるのだと。
  人づくり、まちづくりには、中央公民館を中心として、地域公民館も重要な役割を果たしてきていると思います。今回、4人の館長代理が退職の予定だとお聞きしていますが、1名しか募集していないのはどういうことかお伺いいたします。
  次に、2点目の産業のまちづくりについて。
  23年度は、地域資源を生かした新たな産業のブランド化を目指し、戦略的行政課題に取り組むとし、南陽ブランド推進課を新設されますが、まず第一にどのようなことに力を入れていくのかお伺いいたします。
  また、23年度の重要要望事項にもなっておりますが、南陽の原風景の一つでもある白竜湖の景観保全は市としてもできることはやるべきと考えますが、市長のお考えはいかがでしょうか。
  次に、3点目の健康のまちづくりについて。
  南陽市の森林資源の有効活用と観光産業との有機的な結びつきを図るとともに、市民の健康増進や保健休養、体験学習、レクリエーションなどの諸機能を持つ総合的な施設の整備を図り、潤いに満ちたまちづくりを進めるため、森林公園(市民の森)整備構想の実現を図るとし、平成10年に、秋葉山からハイジア周辺を候補地とし、市民の森整備基本構想ができ上がっていましたが、現在まで手つかずの状態です。企業の森づくりと並行して整備すべきではないかと考えますが、市長のお考えはいかがでしょうか、お伺いいたします。
  以上、当局の誠意ある御答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
〔塩田秀雄市長 登壇〕
○市長  7番板垣致江子議員の御質問にお答え申し上げます。
  初めに、平成23年度施政方針の施策について、1点目、教育のまちづくりの地区公民館の役割と職員募集についてでございますが、地区公民館は、地域住民のより身近な社会教育施設であり、生涯学習の場として地域に密着した特色ある公民館運営を展開しております。また、市民の方々の学習意欲も多様化し、一人一人が自己に適した手段や方法で、みずからが積極的に学べる学習機会や情報の提供が強く求められているのも確かであります。
  今般、館長代理を1名募集いたしておりますが、他の3名につきましては、市職員を配置し補充をいたすもので、地区公民館活動の一層の充実を図り、積極的に実践的まちづくりを推進してまいる計画でございます。
  あわせて、市職員を地区公民館に配属することは、地域の皆さんとともに協働のまちづくりの実践や地域の活性化に向け取り組むことで、職員自身のスキルを高めることができる副次的効果も期待できるものと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  次に、産業のまちづくりについての1点目、南陽ブランド推進課を設置して、まず第一にどのようなことに力を入れていくのかについてでございますが、南陽市が他に誇れる農畜産品やものづくり技術を南陽ブランドとして国内外へ積極的に発信していくことと、地元産で勝負ができる生産・流通・販売の体制づくりに力を入れてまいりたいと考えております。
  また、これまでは販売・宣伝活動に大きな課題があり、外に打って出るという部分が不足しておりましたので、戦略的施策を掲げ、東京都千代田区内に設けましたサテライトオフィスや仙台圏に設置を予定しておりますアンテナショップを拠点として、農産物等の販売、物産展の手配、観光案内、企業情報の発信などを強力に推進してまいる所存であります。
  さらには、大手流通販売グループとの提携や海外見本市への出展支援、企業の受発注の機会拡大などについても南陽ブランドの旗を大きく掲げ、精力的に取り組んでまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  2点目の白竜湖景観の保全についてでございますが、22年3月定例会でもお答え申し上げましたように、白竜湖の本来の姿であります泥炭湿原と湖沼に特有の動植物を取り戻すためには、白竜湖周辺の水田農業の維持が図られるような水の循環を確保しながら、白竜湖の富栄養化を防ぐための手だてが必要で、学術的価値も論ぜられており、非常に難しい課題であります。
  白竜湖の環境保全の取り組みにつきましては、23年度は置賜総合支庁と連携して、地元地区によります環境美化活動を支援してまいりたいと考えております。
  あわせて、原風景を回復させる十分一山を含めた整備にも取り組んでまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  次に、健康のまちづくりについての市民の森整備についてでございますが、南陽市民の森整備基本構想については、平成7年1月に懇談会を設立し、先進地視察をはじめ、市内各地区、小中学生も含めた幅広い年代層にアンケートを実施し、平成10年5月、市民の森基本構想として、ハイジアパーク南陽を含む秋葉山周辺約230ヘクタールを整備対象エリアに絞り込みをいたしました。
  この基本構想をもとに、どのような施設が必要なのか十分に吟味し、市民の期待にこたえられる市民の森の実現に向け、検討してきましたが、整備事業方針、完成後の維持管理や個人所有の権利調整等の課題が数多くあり、議員御指摘のとおり、現在まで手つかずの状況で経過しております。
  現在、進めている企業の森づくりと並行して整備すべきではないかという御指摘でございますが、今年2月8日に企業の森として協定調印をいたしました、やまがた絆の森(NDソフト・こもれびの郷)の整備エリア約3ヘクタールは、南陽市民の森整備構想対象エリアにも含まれておりますので、ハイジアパーク南陽を利活用しながら、健康と憩いの森づくりと里山の再生を目指し、企業の森づくりとして整備を進めていきたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  以上であります。
○議長  再質問に入ります。
  7番板垣致江子議員。
○板垣致江子議員  御答弁ありがとうございました。
  それでは、何点か再質問をさせていただきます。
  まず、公民館の職員の体制が今年、市の職員を3名派遣するという方向に変わったということでございますが、たしか10年前に職員を引き揚げ、南陽方式として特色ある地域づくりを目指し、公民館の運営委員の方たちに公民館諸活動の企画立案、実施まですべてお任せする、そのことによって地域住民がより親しみやすく、学習相談や公民館事業の推進を図ることがねらいであるというふうにされて、10年前に体制が変わったと思います。その10年間のたったところで、また職員が戻るというところで、まずその10年間の総括を市長としてはどのようにとらえておいででしょうか。
○議長  市長。
○市長  当時、平成12年から民間委託というようなことで展開をしてきたわけでございます。確かに、地元の皆さん方が自主的、自発的に公民館運営を自分たちに合った内容でということについては大変結構な趣旨であったなと、こんなふうに思っております。
  しかし、この10年間の長きにわたって、同じ人が同じようにやっていることへの弊害も出てきているというような総括をいたしているところであります。もう少し幅広く、多くの住民を巻き込んだ活動、あるいは行政とも連携した活動を展開していく必要があるのではないかと、こんなふうに思っているところであります。
  特に、地域によっての格差が出ている、あるいは一部公民館においては、限られた人だけが同じような内容で同じようなメンバーで活動しているというような弊害も出ているというようなこともありまして、少し見直しをしながら、これまでと地域における自主的な活動を展開していくことについては何ら方針は変わっていないわけですが、市としてのその支援をしていく人的対応については、行政が責任を持って対応していけるような仕組みにしてみたいと、こんなふうに思っております。
  いわばマンネリ化、あるいはそれに近い、限られた地域住民だけの施設とならないような仕組みを構築する必要があるのではないかというような反省、総括をしているところであります。そんなことで、このたびとりあえず3公民館においては、市の職員がこれまでの活動にさらに力を入れた支援をしていけるような形、さらには行政とのしっかりした連携を図りながらやっていけるような仕組みにしたいと、こんな思いでいるところであります。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  市長の総括をお伺いしまして、もっともなところもあるとは思いますが、やはり今、地元の人たちは非常に不安を抱えております。地元の人を地域より代理を雇っていただいたことによって、いろんな展開をしてきた団体が多くあります。その人たちが、本当にこれからどうなるんだろうという心配を非常にしております。やはりそこでまた館長代理が異動するのではないか、またその辺のところも心配されておりますが、その辺のところは代理の異動というのはお考えなのでしょうか。
○議長  市長。
○市長  異動を前提として考えております。異動がなかったがゆえに、先ほどのような、前、私どもが当初想像していなかったようなデメリットもあったと、こういうことであります。
  しかしながら、これまでやってきたことについては、これまで以上に力を入れて支援できるような仕組みをつくるということですから、例えば板垣議員は宮内ですから、宮内地区の公民館のことを考えれば、宮内地区の出身の優秀な人材を派遣することによって、今まで以上に落ちついた、さらに安定した、場合によっては、それ以上の仕事をできるような、そういう人材を派遣したいと、こう思っております。
  その中で、特に二次的なものということで、当然、最近地区と職員の人事交流が希薄になっているがゆえに、さまざまな地域の課題に取り組めないというような職員も出てきているんで、ここはひとつ職員の教育の場としても地区の公民館というのは重要な位置づけをしていきたいと、こんなふうに思っておりますので、御協力と御理解を賜りたいと、こんなふうに思っております。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  この10年間、やってきたデメリットがかなり見えてきたというところで、方向転換ということがなされるということなんですが、その職員の方はどこに配置されるかというのはお聞きしてよろしいでしょうか。
○議長  市長。
○市長  今、言ったように、できるだけ地元に精通した人間を、少なくとも2年から3年は特別なことがなければ異動しないような方針で、社会教育課に配置をして、社会教育全体でその地域の支援をしていくというような仕組みにしたいと、こう思っております。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  どこに配置になるかはまだわからないということですね。
  10年前に、その職員体制を変えるときに、やはり行財政改革ということで、職員を少しでも減らさなきゃいけない、経費を抑えていかなければならない、そういうところもそのときにお話があったということなんですが、その辺のことは、そういうことを抜いてでも、やはり職員のスキルアップも兼ねながら職員を配置するという強い思いでいらっしゃるのでしょうか。
○議長  市長。
○市長  社会教育というのは非常に大事だと私は認識しております。したがって、金銭的なことで当初、やはり今、板垣議員が言ったように、財政最優先で民間委託と、こういうような方向に行ったわけでありますが、この10年間の結果を見ると、それよりも大事なものを失っているのではないかというような思いを私は持っております。
  今までは、どちらかというと新採の係長、すべてがどうかわかりませんが主に公民館の代理として行っておったような気がしますが、そうではないレベルで、もっと力を入れてやっていきたいと、私はこう思っておりますので、単純に財政の観点からだけ考えるのではなくて、もっともっと公民館の果たす役割の重要性を認識していかなければならないと、こういうふうに思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  宮内地区のまちづくりが非常に評価されております。自発的にまちづくりの研修を行ったりとか、それらの取り組みというのは、やはり公民館の協力があってできたことだと私は思っております。その中、そういうことにも市の職員の方はかかわってくださった方もおりますが、やはりなかなか職員の方というのは、限られた人しか地元に広くいろんな活動にという方は余りいらっしゃいませんでした。
  そういうことを考えると、やはり先ほど新採の係長ではだめだ、新採の方ではだめだというところも市長はおっしゃってくださいましたが、地元の活動をしっかりわかっていただいた職員でしたら、やはりそこのところはうまくつながると思いますが、なかなかそういうこともなくて、全然まるっきり勉強不足な方がいらっしゃったとしたら、非常に地元としては困るわけですね。その辺のところをしっかりと、とにかく市長なり課長さんたちなり、検討していただいて、どういうふうな方向で公民館が行くから、この人だったらいいんじゃないか、その辺をしっかり検証していただきたいと思います。
  やはり公民館は地区のものだけではないんですが、職員含めて大切な研修の場でもありますので、その辺のところもお願いするしかないのかなと。今回のやり方が、やはり私たちにとってはこれは急な話だったと。今、いろんな問題が急に出てきて問題になっておりますが、この話もすぐに4月1日からかわるという状況で今というお話を聞きましたので、やはり地域にとっては何なんだと、どうなるんだということがもう一番です。
  本当に、いや、もうそんなことは絶対だめ、うまくいかないんじゃないかという思いが、わんわんと市民の皆さん、それを聞いた人たちからあります。そこは大変難しいことだと思いますので、その辺は本当に地区の公民館長さんたちとじっくりと話をして人事を決めていただきたいなと思います。それは要望にしかならないと思いますので、要望にしておきます。
  市の嘱託職員に関してですが、先ほど結城豊太郎記念館の話が出ましたが、結城豊太郎記念館で学芸員の資格をお持ちの方がまた応募ということで、市報に載っておりました。
  この辺のことは、やはり今まで学芸員がいないということは大丈夫なのかなと私たちも思っておりましたが、この募集を見ましたところ、賃金が公民館主事の方たちと同じような賃金体制になっておりまして、ただ、応募資格には学芸員の資格をお持ちの方、または3月まで取得の方と書いてあるんですね。これは学芸員の資格を取得というのは、かなりの勉強をなさっていらっしゃる方を普通の賃金で1年間嘱託として雇います。こんな方向でいいのかと私たちは思ったわけですが、市長としてはどうお考えでしょうか。
○議長  市長。
○市長  学芸員を採用するようにというような指示でありますが、細部にわたってどういう勤務体制なのか、ちょっと私も把握していないので、事務当局のほうに答弁させます。
○議長  山田社会教育課長。
○社会教育課長  それでは、お答えいたします。
  今般、私ども、結城豊太郎記念館のほうに学芸員というふうな資格のある方を募集させていただいたところでございますけれども、結城豊太郎先生の遺徳顕彰会が昨年で解散というふうな形になりまして、そうしますと、そういった詳しい人がいないというふうな、先ほど白鳥議員のほうからも、どういう文字が中身なんですかというものにもお答えできないというふうな状況でございます。
  そういった中で、学芸員の方においでいただいて、やはり勉強をしていただいて、皆さんにもおわかりできるような施設としたいというふうなことでございます。ただ、賃金の14万4,000円については、まだ私どもも、それじゃどのぐらいの金額が適当なのかというふうなものもございまして、今般、普通の一般の嘱託職員と同じような扱いでさせていただくというふうな予定でございます。
  以上でございます。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  どのような賃金にしたらいいかわからないということで、この金額になったということなんですが、学芸員の資格をお持ちの方が働こうと思ったときに、この金額で働きに来るということをちょっと考えられなかったんですが、応募はあったんでしょうか。
○議長  山田課長。
○社会教育課長  私ども、募集をかけさせていただきまして、3名の方、応募いただきました。まだ、大学を卒業なさる見込みの方という方中心でございましたけれども、お三方にお申し込みをいただいたところでございます。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  大学を出た方たちが申し込みだということなんですが、やはり今、公務員の正規・非正規職員との格差が叫ばれている中で、大学を出てきて、学芸員の資格を持っていて、この値段かというのはちょっとおかしいなと思うんですね。
  やはりこういう資格が必要なところの職員に関しては、本当だったら正規の職員で採っていただいたほうが、今、勉強中の子供たち、それからこれから夢に向かっていく子供たちが、南陽市では専門職に採ってもらえないんだ、専門、きちんとした正規として。臨時で、1年間で、この値段しか採ってもらえないとしたら、ふるさとに帰って頑張ろうという気持ちはなくなると思います。その辺のこともありますので、市長はどうお考えでしょうか。
○議長  市長。
○市長  専門職を採用するには、南陽市の人口、あるいは職員数のレベルでは非常に難しい。というのは、異動をさせることができなくなるんで、どうしても個人的にも、あるいは組織としても大きな問題にぶつかるというふうなことになる。
  過去、何回か専門職の職員を採用した経緯がありますが、いずれもなかなか最終的には難しくなっていくというようなことになるし、やっぱり定期的に公務員というのは異動がないと、どうも慢性化といいますか、どういう表現がいいのかですけれども、どうも意欲に満ちた仕事ができにくいと、モチベーションを保つというのは非常に大変なんですね。そんなことがあって難しいなと、こう私は思っています。
  ただ、そういう専門職を欲しいことは欲しいんですが、その後ある一定の年齢になれば、やっぱり昇格もしていかなくちゃならないわけですけれども、そうなったときに、一体どこにどうやってというふうな難しい問題もあるんで、なかなか踏み切れないというふうな思いでいます。
  ただ、板垣議員が思っているような、そういうこれからの気概を持って頑張れる若い世代の人間を欲しいということは私は常々思っておりますが、すべてそれを公務員で補うというようなことはなかなか難しい問題だなと、こんなふうに思っております。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  人口の少ない市では、そういうこともあるのかもしれませんが、あと個人のやる気の問題もあるとは思います。でも、やはり資格を持って来てくださいという限りは、せめて期間を長く雇用するとか、それとまた資格に対する報酬もきちんとプラスをして募集をするとか、いろんなことを考えていただいてやらなければ、今の若者のやる気をどんどんそぐばかりだと思います。その辺のことをしっかりしてやっていただければなと思います。
  やはり公務員の、今、全国的に公務員関係の非正規職員の多さが問題になっているところでありますので、その辺も、1年契約なんですけれども、やはり先ほどの代理の話と同じように、長く仕事をしてもらって、本当に重要なところをやっていただいているところもありますので、余りそれでいいんだというふうな方向だけではいかないでいただきたいと思います。
  公民館のほうは、本当に地区が困らないようなきちんとした人材を派遣していただいて、行政とのつながりを持って、協働のまちづくりがうまくいくような体制をとっていただきたいと思います。要望になります。
  続きまして、産業のまちづくり、市長の思いの南陽ブランドの立ち上げのための南陽ブランド推進課の話に移らさせていただきますが、赤湯駅、駅の駅なんよう、また仙台圏内のアンテナショップ、また千代田区の情報発信事務所の設置、そこからの定期的な物産展の開催とか観光案内、その辺のことはもう本当に必要なことだと思います。
  でも、やはり私たち一番先に感じたことは、何を一番に私たち南陽のものだというものがまだまだ見えていないときに仙台のアンテナショップの開設で、情報発信のところはまた違う意味になるのかもしれませんが、ちょっと少し急いでいるなと。急がなきゃいけないことなのかもしれませんが、その逆に地元での、じゃ南陽ブランドとはどういうものになるんだというものが全然見えてこないときに、早いんじゃないかなという思いがあったんですが、その辺の市長のお考えはどうでしょうか。
○議長  市長。
○市長  完璧を目指せば、いつの時代になっても早いというふうな物の考え方になるわけでございます。特に行政というのは、私もここへ入ってきて感じるんですが、計画を立てるのはすごく上手で立派なんですが、スタートをなかなかしないんですね。これから質問される市民の森もそうですけれども、やっぱりスタートさせてからいろいろとやっていかないと間に合わないこともありますので、とにかくあらゆることを同時スタートぐらいの気持ちでやっていかないと、なかなか前進しないというようなことも1つあります。
  それから、今言ったように、我々も、じゃここで何を、どんな形で例えば扱っていくのかと、それをだれが提供するのかというようなことも随分いろいろと議論しております。今、南陽市で準備できるものから順にというようなことですね。今、何を、どれほどの量を用意させるかということをしっかり設計をして、その上で取り組むようにと今指示していますけれども、いろいろなものがあるんですが、これだというものがなかなか難しいということは確かなんですね、私のさっきの答弁の中にあるように。多種多様で、ただ、量が限られているとかね。
  例えば、南陽市、山形県に11あるワイナリーのうち4つは南陽市だと。数からいえば相当大きなわけですが、絶対量からするとどうだというふうな一つの悩み。あるいは、野菜、あるいは果樹、こういったものでもいろいろなものがありますが、絶対量を定期的に提供できるだけの能力があるのかどうかと、こういったものもございますので、その提供する組織づくりと技術力の強化、こういったものも一緒に取り組むような仕組みを今つくっていますから、その中で進めていきたいと、こんなふうに思っております。
  先ほどの白鳥議員の答弁にもあったように、そんなに簡単ではないんです、実は。私も大変不安です、心配もしていますが、やらなければ一歩も前進しないということでありますので、少しでも前に進もうというような意気込みで今やっていますので、少し板垣議員もいいノウハウがあれば御協力賜りたいと、こんなふうに思っているところであります。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  先ほど、白鳥議員のお答えにもあったように、私も、ああ、市長も本当に頭の中では、持続するにはそれなりの成果がなければ持続できなくなるんだという覚悟で立ち上げられたなというのはわかりました。しかし、供給する側の環境整備と言葉では言っていらっしゃいますが、やはりそこのところが本当は一番先でないかなと思っていたんですね。
  ただ、やはり周りの方も、市長は何をやりたいんだというふうなお言葉を発せられます。そうすると、私たちとしては、いや、市長はブランド課を立ち上げて、そういうところからじゃ何をそこに持っていくのかというところからの考えじゃないですかなんていうお話をしていたんですが、やはり駅の駅なんように行っても、からころ館に行っても、私たちが南陽市の物産だ、これは絶対みんなに勧められるというものがなかなか見つからないんです。
  私たちも、何か買ってあげなきゃいけないなと思いつつ、見て、何かマンネリ化しているなというところで、非常にがっかりして帰ってくるんですが、やはり商工会あたりでも地域のブドウなどを生かした、これからブランド化に向けて活動し始めていましたので、そういうものがどんどんといろんな団体の方たちに協力してていただきながら出てくるというのを、私たちはまず期待するしかないなとは考えているところです。
  ただ、そこでやはりワインなり地域のものにしても、ブランドというのは、ただ物が目の前にあるだけじゃない。じゃ、ワインを買いに来た人たちが赤湯に来たときに、あの景観、物すごく一緒にとらえてくださっていると。南陽はこんなにすばらしいところなんだ、こんなにすてきなところで生まれたワイン、こんなに力を入れて一生懸命頑張っているワイン、おいしいのは当たり前だよね、こういう果物もおいしいのは当たり前だよね、こういう気候の中で育ったりと。だから、もう景観をすごく大事にしていらっしゃいます、頑張っていらっしゃる方は。
  そういうことを考えたときに、やはり先ほど御答弁で、本当に難しいという白竜湖の景観保全、ここのところに最終的に私は行き着くのではないかと思っております。まず、十分一山から臨むあの景色、きのうも川合議員が言っておりましたが、本当にすばらしいんですが、やはりその中心になるのは白竜湖なんですね。そのところで、市長の白竜湖への思いというのはどのように考えていらっしゃるか、もう一度お聞かせください。
○議長  市長。
○市長  その前に、先ほどのブランドというのは、一番は南陽市をいかに売り込むかということですから、私は常々言っているのは、南陽を丸ごとブランド化と、こういうことを言っているわけですね。人も含めて、景観なんていうのはもちろんです。観光もそうですけれども、そういったものをすべて売り込むためには、まず名前ですよ。
  名前をいかに売り込むか、これが大事ですから、あらゆるところにアンテナを張って、しっかり名前を売り込んでいくと、こういうことが何よりも大事だなと、こう思っていますし、その名前に裏づけされた今度は物が、あるいは景観とか、そういうものがなければならないということになりますが、そういったことをしっかり裏づけをしていきたいし、しっかりした取り組みをしていかなきゃならないと、こう思っております。
  さて、白竜湖でございますが、白竜湖の問題については私も何とかしたいと、こう思っているわけでありますけれども、なかなかいい名案がない。で、とりあえず白竜湖の周辺の景観整備をまずしていきたいと。それで、今年からやっているわけですが、さらに来年度もさらなる予算化をして、景観の整備、あるいは保持というかね。いずれにしても、相当周辺のブドウ畑、荒廃していますので、あの辺を何とかもとの景観に戻せないかどうか検討をさせていますし、できるものから順に取り組んでいます。
  それと、今度は本体の白竜湖そのものですけれども、いろいろ方法はあるわけですけれども、県との関係もあって、なかなか手のつけようがないというのが事実上なわけでありますね。手を加えないで復元する方法はないだろうかと今、私も考えています、実は。人間の手を加えないで、復元というか、よくなる方法はないだろうかと。なかなか簡単ではありません。
  そんな方法しか、特に今、テレビが回っていますから余り変なことも言えませんけれども、方法しかないんですね。いずれにしても、何とかしたいという気持ちは板垣議員と全く同じでありますので、御理解いただきたいというふうに思います。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  何かいろいろあるようなんですが、ただ、昨年22年3月に川合議員もいろいろ発言されました。そのときに、やはりあそこの景観は本当に悪いということを再三申し上げて、あそこに行くと気持ち悪いぐらいだと川合さんがそう言うぐらいだったから、すごいんですよね。私たちも産建で秋に視察をさせていただきましたが、本当にまさにそのとおりでした。
  その事前に、ちょっと草ぐらいは刈っていただいたんですけれども、あの3月から何をやられたのかなというのが全然わからないぐらいに、やはり汚いトイレ、古ぼけたちょっと赤い鳥居、そういうものはまだ依然としてありますので、景観的には何も変わっていないという認識のもと、私は今回またさせていただきました。
  やはり山形の大学教授が触っちゃいけないと、そういうことを言われてから、もう丸5年たっております。その大学教授たちは、そのときには視察をしましたが、それ以降はいらっしゃっているのでしょうかね、その景観の確認などは。
○議長  松田企画財政課長。
○企画財政課長  それ以降は来ていないんじゃないかなと思っております。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  やはり5年前のときに、その教授が木歩道なんかももうだめだと言ったときに、つくってしまった木歩道の影響は長い期間で確認してほしいという要望、意見書を出していくという話だったんですが、そういう意見書に対する定期的な検討の結果とかというのは来ていたんでしょうか。
○議長  松田企画財政課長。
○企画財政課長  遊歩道の撤去とか、試験的に水辺の真ん中に植採いかだなんかしておったんですけれども、それの撤去もしなさいという県のほうの教授の指導がございましたが、それにつきましては、もう少し様子を見させていただきたいという意見書をこちらのほうで出しました。それの結果について、その出したものについては、あちらのほうから、いや、それはだめだと、それはいいですよというものはないんですけれども、現状に至っているということでございます。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  何かこっちのほうだけで、南陽市のほうだけでいろいろわんわんといつも、そういうふうに言われたから何もできないんだ、できないんだというふうに来たんですけれども、5年間やっぱりたっているということは、かなり状況が違ってきています。
  本当に、中の水の量とかヒシの量とかその辺だけでなくて、周りの景観自体、また多分植物なんかも、本当にあったものなんかもなくなっているぐらいにアシが茂っていたり、だからそういう状況を見ていただきながら、またやってはいけないよという話だったらわかるんですが、そこ5年間も何もなくて、何もやっちゃいけないと言われたからって5年間じっとしていてというのは、ちょっと市民として納得できなかったなと思うんですね。だから、その辺のことはどうだったのかなと、動き的には。
○議長  松田財政課長。
○企画財政課長  あそこにつきましては、県の公園と、あと文化財に指定されております。植物につきましては、今は採取をして、文化財に指定されたときの植物なんかは存在していないのかなと思っておりますが、そこの地域に存在する泥炭そのものも記念物だというようなことで、あそこの地域については手をかけることができないというようなことでございます。
  うちのほうとしては、平成12年ころですか、市のほうの署名運動なんかもしまして、県のほうに申し入れしたわけでございますが、それよりも強い文化財保護審議会の委員の先生がございますし、その先生の考えが今もって生きていると、そのようなことから泥炭地域については何もできないというようなことで、今は、昨年の3月議会でちょうど川合議員のほうにも御答弁させていただいた内容と繰り返しになるわけでございますけれども、周りの環境保全のほうに力を入れていきたいと。
  あわせて、先ほど市長のほうからも答弁がございましたが、十分一山の景観保全についても、昨年から結構な予算をかけてやっているということで、今年につきましても緊急雇用によりまして、また景観の保全のための作業を行うということで、白竜湖本体の保全、昔のような復元というものは今は少し差し控えているほかないのかなと思っております。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  ちょっと微妙に、何と言ったらいいのか私もわからなくなってきた。まず、先ほど最初の市長の答弁にありましたように、23年度は、地元の方の協力もいただきながら、県のほうと協力しながら現場の整備をやっていく、周りの環境の整備をやっていく、それをまずお願いしたいと思います。
  それと、先ほどのいろいろの方法があるのでという市長の思いで、何とかこの状況を変えて、南陽市の原風景のすばらしい財産でもあります白竜湖をしっかりと取り戻していただけるような施策をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  次に、市民の森についてですが、先ほど御答弁いただきましたように、このたび、やまがた絆の森(NDソフト・こもれびの郷)ということで、一緒にそこのところはやるということなんでしたが、やはり市民の森の構想のときからは、ほんのわずか、本当にハイジアのすぐそばだけの話になっていると思います。
  やはりあのとき一生懸命に候補地を検討していただいて、ここでいいんじゃないかというふうに決めていただいたその委員会の皆様方の思いもそこにあったのに、なぜできなかったか、先ほどおっしゃっていた民有地の権利調整などもあってということは初めからわかっていたと思うんですが、なぜそういうことを気づかないでというか、それは何とかなるだろうと思ったのか、その辺のところをどういうふうに現在考えていらっしゃるかお聞かせください。
○議長  大坂農林課長。
○農林課長  先ほど市長からも答弁申し上げましたけれども、やはり整備をする場合には地権者の同意というのは一番大事になってくるわけでございますけれども、現在も見てみますと、この230ヘクタールというのは相当大きな面積でございます。
  財産区有地もございますし、また2つの生産森林組合用地、そのほかに区有地、あと民地、そのほかに、これも民地なんですが、1筆の共有地、相当の人数の共有者がいらっしゃったと。この民地なんかは、相続登記が未了地で、相続人が当然、当時確定できなくて、手つかずのような状態になっておったと。この辺が一番大きな、大分十何年前の話でございますけれども、ちょっとこういう状況があったのかなと私は思っているところでございます。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  そのような本当に大事な問題があったにもかかわらず、ここになってしまったというのは本当に残念な話だったなと思います。
  やっぱり市民の森、この構想をつくるときに、8カ所ぐらいの候補地が上がったときに、私たちも自分たちが活動している国有林なんですが、水林のほうをぜひしていただきたいなという思いがあって、そこは本当に、毎年行くんですが、すばらしい景観で、絶対ここは南陽市の市民が来るには適したところだなと思っていたんで、それが秋葉山、ハイジアパークエリアになったということで、近いからしようがないのかな、ハイジアもできたからしようがないのかなと思っていたんですが、それがずっと手つかずで来たということは、やはり問題があったのかなと思いまして、すごく残念だったなと思います。
  そこで、今回、やまがた絆の森(NDソフト・こもれびの郷)ということで協力をいただきながらやるということですが、主にどんな感じの市民の森というか企業の森になるんでしょうか。
○議長  大坂農林課長。
○農林課長  今回のNDソフト・こもれびの郷につきましては、今までのような日鉱、また吉野石膏のような、これは企業の森でございますけれども、資金提供型ではなくて、今回のNDさんの場合はNDさんの労働の提供、会社の従業員等が主になると思いますけれども、現地のほうに入って、保育とか作業道をつくったりと、そういうふうなことをメーンにしていきたいというふうにおっしゃっております。
  5年間をかけまして、現在あそこはちょうど沢のところが一部杉林がございます。これは当然、除伐、除間伐、また枝打ち等も必要な状況の林道になってございます。そのほかの松林がございます。この松林の面積が多いわけですけれども、松枯れ等になって倒れたりしている部分もありますし、そのような枯れ木の伐採をやったりということで、林内の整備を主にしていきたいと。そして、作業道をつくりながら、その中を散策されるような整備をしていきたいというふうな会社のほうの意向のようでございます。
  以上です。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  そうしますと、NDさんとしては、社員の方たちの森林活動、それから地域との交流の場、その辺のところをハイジアの隣のこもれびの郷というところを活用したいということで思いでいらっしゃるということなんですよね。
  やはり市民の森構想がそこにあったということも、今ここに、もしかしたらこういう話が出たということもあるのかもしれません。もし今後、そういういろんな難しいところをクリアできるとすれば、そのこもれびの郷から秋葉山のほうに軽登山ができるような遊歩道的なものが自然環境の中につくっていけるかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○議長  大坂農林課長。
○農林課長  今回のNDさんの契約については、5年間で整備をしていきたいということでございますので、その後つきましては、NDさんとの契約は一応は切れることにはなりますけれども、今、議員おっしゃったように、将来にわたって、ちょうど都市にも近いわけでございますので、市民みんなが気軽に登っていけるような遊歩道なりということであれば、また関係者と地権者と相談をしながら進めていきたいと思います。
  以上です。
○議長  板垣議員。
○板垣致江子議員  まるっきりこの市民の森を白紙に戻すんだということでなければ、そういうことも念頭に置いて、こもれびの郷の計画も進めていただければなと思います。
  時間もなくなってきましたので、最後に市長にお願いいたします。市長のスピードの政策、すばらしいと思います。しかし、スピードと信頼というお言葉を出しておられますので、その信頼は、スピード感だけを求めたところでは信頼は生まれないと思いますので、市長の優しい思いやりをたくさん出していただいて、ぜひスピードだけで市民が戸惑わないような政策をしていただければなとお願いして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長  以上で7番板垣致江子議員の一般質問は終了いたしました。御苦労さまでございました。
  ここで、暫時休憩といたします。
  再開を2時10分といたします。
午後 1時57分  休憩
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