平成24年3月定例会

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午後 2時00分  再開
○議長  再開いたします。
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片平 志朗 議員 質問
○議長  次に、2番片平志朗議員。
〔2番 片平志朗議員 登壇〕
○片平志朗議員  2番真風会片平志朗です。
  さきの通告書に従い、一般質問を行います。
  早いもので4年の任期が終わろうとしております。その間、諸先輩議員の方々や行政当局の皆様方には多方面にわたり御指導いただきましたことに対しまして心より御礼申し上げます。
  さて、間もなく東日本大震災より1年を迎えようとしております。そんな中でも被災者の方々は悲しみや絶望を乗り越え、一歩ずつ歩み始め、その姿がテレビや新聞に多く見られるようになりました。
  しかしながら、国の対応はがれきの処理や放射能の除染においては遅々として進んでおりません。除染においては、表土をはぐ、水で洗い流す、落ち葉や汚泥を拾い集める、極めて原始的なやり方です。これはむしろ除染ではなく、移す移染ではないでしょうか。総体的な量は何ら変わらないのです。そればかりか、汚泥やかき集めたものを移動することによって、むしろ拡散をさせる恐れが十分あるからです。
  移染のために予想もつかない莫大な血税を投入しようとしているのです。中間施設を設けることなく、真に移染ではなく消染できる方法はないのでしょうか。既得権益にとらわれることなく、幅広い分野から移染ではなく放射能を半減させたり、また消滅させる方法を血眼になって見つけていただくように切に願うものであります。
  さて、少子高齢化社会に対する除雪体制についてであります。
  今年は去年に引き続き大変な大雪となり、当市においても13名ものけが人が出ております。県内では雪害死傷者が283名にも上ります。その大半が老人であり、雪おろし中による転落であります。命綱やヘルメットの着用を呼びかけておりますが、なかなか徹底されていないのが現状であります。効果的な対策が課題であります。と同時に、また高齢社会における除雪ボランティア体制の確立が急務と言えます。
  そのような観点から、次のことを質問します。
  1点目、今年の雪による事故の実態はどのようになっているのでしょうか。
  2点目、除雪期間中の事故防止啓発活動と市の指導体制が積極的に行われたのかお伺いします。
  3点目、高齢社会における除雪対策について当局側はどのように考えていらっしゃるのかお伺いします。
  続いて、2項目めの空き家対策についてであります。
  さまざまな経済事情や少子高齢化社会に伴い、適正に管理されない空き家が年々増えています。雪の重みで倒壊はしないか、また壊れた部分が台風等で飛散しないか等々、その不完全な管理により近隣住民に不安を抱かせております。このことから、行政は市民の安全・安心な生活を確保していく必要があると思います。
  以上のことから、何点かお伺いします。
  1点目、市内の空き家の現状はどうなっているのでしょうか。
  2点目、空き家についての市民からの相談現状はどのようになっているのでしょうか。
  最後に、3点目の空き家条例の制定についてでありますが、最近、全国各地で空き家等の適正に関する条例の制定が行われています。所有者に適正な管理を求める一方、管理不全の場合は市長が助言、指導、勧告命令をすることができるとされ、もし命令に従わなかったらば氏名、住所を公表できるなどの趣旨になっています。
  そこで、本市においては空き家条例の制定はどのように考えていらっしゃるのかお伺いします。
  以上、当局の積極的な施策展開を期待し、壇上からの質問を終わります。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
〔塩田秀雄市長 登壇〕
○市長  2番片平志朗議員の御質問にお答えを申し上げます。
  初めに、少子高齢社会に対応する除雪対策についての1点目、今年の雪による事故の実態でございますが、南陽市豪雪対策本部情報でお知らせしているとおり、雪おろし作業及び除雪作業中の事故は13件発生しており、骨折等の重傷者が8名、腰の打撲等の軽傷者が5名となっております。ちなみに、昨年は13件発生しており、死者1名、重傷者3名、軽傷者9名でございました。
  2点目の除雪期間中の事故防止啓発運動等についてでございますが、消防署において防火広報にあわせて除雪の事故防止の呼びかけをしており、また2月16日には事故防止啓発チラシの隣組回覧をし、その徹底に努めたところでございます。
  3点目の高齢社会における除雪対策についてでございますが、今年度社会福祉協議会が主体となり、支部社協、地区長会、公民館からのお手伝いをいただき、除雪が困難な高齢者世帯などに対して、地区住民やボランティアなどによる身近な除雪支援体制の構築や団体の組織化を働きかける事業を実施しております。
  また、小型の除雪機と運搬用の軽トラックの貸し出しといった活動の支援も行い、地区における要援護者の見守りも含めた支援体制づくりを進めており、NPO法人が行う雪おろしの体制づくり事業も社会福祉協議会と協働して進められております。
  2月末現在、組織化できたのは5団体となっておりますが、今後、漆山や中川地区でも隣組単位といった任意団体が増える予定となっております。市としても、こういった地区住民の活動やボランティア組織が今後とも継続して地域の高齢者を支える除雪体制を継続できるよう、社会福祉協議会とも連携しながら支援策を検討していきたいと考えております。
  次に、空き家対策についてでございますが、市で確認している物件は233件でございます。市民の方からの相談につきましては7件ございまして、相談を受けた事案については、所有者に対し文書及び電話連絡で改善対策を要請しておりますが、そのうち何らかの対応をいただいたのが3件になってございます。
  3点目の空き家条例の制定についてでございますが、財産の私有を保障されている我が国では、空き家の管理及び保守は所有者が行うことになっております。しかしながら、議員御指摘のとおり、管理されていない空き家が増加しており、良好な景観の阻害、生活環境への影響、安全な生活の阻害という問題が生じているため、見過ごすことのできない行政課題となっております。
  市としましては、現在この問題を解決する法令がないことから、既に空き家対策条例を制定している自治体などから情報を収集し、関係機関とも協議しながら、条例制定の必要性も含めて検討してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  以上であります。
○議長  再質問に入ります。
  2番片平志朗議員。
○片平志朗議員  間もなくお彼岸を迎えようとしているわけですけれども、今も外では雪でありまして、本当に今年はここ3カ月の平均気温ですと過去最低の気温だというふうに何か今日の新聞に載っておりました。
  そんな状況の中で、今後暖かくなると屋根の雪や、あるいは氷の固まりが一気に落雪、落下してくるということも懸念されるわけですけれども、ですから、まだ油断はならない時期だなというふうに思います。
  今回の件数については、昨年と同様ですけれども、死者がいなかったということは本当に幸いだと思います。
  まず、市長にお聞きしたいんですけれども、ざっくりした考え方なんですが、私が2項目を申し上げました少子高齢化に対する除雪体制と、それから空き家対策の条例の制定についてですけれども、今後どこの市町村でも避けては通れない、いわば少子高齢化に伴うというよりも、むしろ成熟した社会形成のためにはこの2点は避けて通れない課題だろうというふうに私は認識しておりますが、市長のまずざっくりした見解を聞かせていただきたいと思います。
○議長  市長。
○市長  このたびだけの課題ではございませんで、以前から考えられていた課題であります。当然、少子高齢化の社会でありますから、おのおのが対応するというようなことについては限界に来ているのではないかと、こう思っております。
  県のほうでも必要な対策をということで、この12年度中には一定の方向を県並びに各市町村の関係者と協議をして方向性を決めたいと、こういうふうな考えでおられるようでございますので、これらに合わせて南陽市としてもしっかりしたものをつくると同時に、それに対応できる組織づくり、こういったものについても計画的に進めていかなければならないと、こんなふうに思っております。
  市としても独自の検討委員会などもそろそろ必要になってきているのかなというふうに思っておりますが、それにつけても自主的・自発的におのおのの地域の中でボランティア活動を含めてそうした団体ができてきているということは大変明るい情報ではないかと、こんなふうに思っております。経験豊かなそういった中で中心になっている方々とも相談をしながら進めてまいりたいと、こんなふうに思っております。
○議長  片平議員。
○片平志朗議員  わかりました。市長の今後の大体の考え方をお聞きして安心したわけですけれども、であればやっぱりこれはどっちかというと福祉的な分野が強いわけですね。ですから、例えば今危機管理課になってますけれども、その中に空き家に関することですと、危機管理、防犯対策課とか、室とか、そういった対応できる課の体制も今後必要になってくるんだなというふうに考えますけれども、その辺のことまで頭に置いておいていただきたいなというふうに思います。
  それで、高齢化社会における除雪の対策というのは、簡単に言うといろんな各地で既に取り組まれていることは市長も御存じだと思うんですが、例えば米沢では人にやさしい、苦情の来ない除雪の考え方とか、あるいは北海道の旭川市においては、もう既に高齢化社会における除雪体制、交通網まで含めたいろんな対策案を練っているわけです。ですから、その法律ができないからスタートできないということではなくて、今必要なものは、やっぱり条例なりつくってやっていくべきだろうというふうに私は思いますが、その辺の考え方はどうですか。
○議長  市長。
○市長  基本的に先ほど申し上げましたように、そういった時代に来ているというふうな認識をしているということであります。
○議長  片平議員。
○片平志朗議員  そういう時代に来ているという認識、そういうことについては私も共感するわけですけれども、その市長の考え方はまず頭に入れますけれども、除雪期間中の防止活動と啓発活動ですけれども、これは消防署が啓蒙というか見回るときにやったというふうなことを報告を受けたわけですけれども、私ばかりじゃないんですけれども、何か要するにどさくさに紛れてやっているような感じで、市民には本当に今日は気温が上がったから危険だなというときに、もうそれだけで回るというような方法はとれなかったんですかね。これは担当当局ですか。そういうことをやりましたか。
○議長  堀危機管理課長。
○危機管理課長  議員の指摘のとおりでありますけれども、基本的には当然県のほうからもテレビ等に雪おろしの注意喚起ということではありますけれども、私のほうも今回の事故も含めてでありますけれども、多くの方が高齢者だけがけがをしているというような状況でなく、若い人たちがけがをしている方が70%もいるという現状も踏まえると、やっぱりもう少し不注意による事故が多いのかなということも踏まえますと、今後いろんな面の対策もそこら辺から見えてくるのかなということもありますので、今後はそういうものを踏まえた方で広報活動を行っていきたいと思いますので、御了解をいただければなと。
  今回については、そういうような形で広報、チラシ等では喚起を促したわけでありますけれども、今後についてはそのような方向も見ながら対応していきたいなと思っているところでございます。
○議長  片平議員。
○片平志朗議員  広報活動もあわせて当然必要性は十分あるわけですけれども、ほとんど雪おろし中のけがの状況については、ちょっと南陽市では把握してないんですけれども、全国的に見て雪おろし中の屋根からの転落事故は、もう大半、6割以上を占めているわけですね。それに対して、ヘルメット着用とか、あとは命綱の指導というか徹底されているんでしょうか。
○議長  堀危機管理課長。
○危機管理課長  当然そのような形でチラシ等にも記載しておりますけれども、実際見て指導したかと言われれば、当然それは個人の事故防止というようなことになろうかと思いますので、そこまでは把握しておりません。
○議長  片平議員。
○片平志朗議員  私も建築現場で働いたことがありますからわかるんですけれども、要するに命綱と安全帯とヘルメットはしていても、それをどこかにひっかけなければいけないわけですよね。ひっかけるものがないと。そうすると、ひっかけると動けないんですね、自由に。一々あっちからこっちまで動くのに外したりしなければいけないので、消防署の優秀な署員がいっぱいいらっしゃるのでお願いしておきたいんですけれども、救命のときにいろんなアイデアを出して器具を開発しているというか、アイデアマンがいますよね。結局は今の住宅に安全帯をひっかける設備がないんですね。要するに親綱を張って、そこに安全帯をひっかけて作業する設備がないんです。だから、それが面倒くさくてみんなやらない。そういった設備の開発もまずやってみたらいいんじゃないかなというような一つの提案です。
  やっぱりいろんな面でなかなかそれが実施されてないというのは、意識の低さもあるかもしれませんけれども、そういう設備が備わってないということだと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
  高齢社会における除雪対策については以上で、次に、空き家対策についてですけれども、南陽市では233件ですね。苦情の件数が7件ということでしたけれども、その苦情の内容的なことはどういった内容が多いのか、おわかりになったら教えていただきたいと思います。
○議長  堀危機管理課長。
○危機管理課長  苦情につきましては、昨年度から今年もですが、豪雪というような形で、空き家については損傷がひどいというような形、当然空き家ですので、雪がそのまま放置になっているというような形で危険ということで、通学路にもなっているという道路に面している住宅が多いわけでありますので、そういう観点からの御相談をいただいております。そういう中で対応してきたということであります。
○議長  片平議員。
○片平志朗議員  その233件の中には、もう倒壊してつぶれちゃっているとか、あるいは一部破損しているとかという危険性のあるものはないんでしょうか。
○議長  堀危機管理課長。
○危機管理課長  その中には当然ありますが、行政で対応できる限界もありますので、そういう倒壊の恐れのあるものについては、その都度把握をしながら対応はしておりますけれども、いかんせんなかなかそれ以上進めない状況にあることは事実であります。
○議長  片平議員。
○片平志朗議員  今の課長がおっしゃったとおり、行政側として問題意識を把握していても、なかなか個人の私的財産ですから踏み込めないというのが、これは現状だと思います。
  ですから、さっき言ったとおり、それは法律が云々よりも現状やっぱりそういう問題がある以上、何らかの行政が条例をつくって積極的に働いていかない限り前には進まないというふうに思いますが、その辺の考え方はどうでしょう。
○議長  堀危機管理課長。
○危機管理課長  先ほど市長も申しましたように、そういう時期に来ているのかなということで、県のほうでも先ほど来からお話ありましたように、条例化を制定するために中間のまとめをしまして、各市町村と協議をしながら対応していくというような県のほうの答申もありますので、それに基づきながらも、私のほうとも一緒に条例化に向けて対応していきたいと考えております。
○議長  片平議員。
○片平志朗議員  ぜひ条例化へ向けて一歩ずつ進んでいただきたいというふうに思います。もう既に平成22年10月には所沢市が条例を制定しています。それから、ちょうど今の3月の定例会では酒田市が条例を制定に向けて提案されているということをお聞きしています。
  やっぱり空き家というのは、あくまでも所有者の財産でありますから、そこに空き家があるということだけでは、これは問題ではないわけであって、いろんな公共性、市民の立場から見た目線で危険という場合は、どんどん所有者に対して指導とか改善命令を出していかなければいけないんじゃないかというふうに、その辺はもう遠慮しないでやっていっていただかないといけないところまでだんだん来るというふうに思いますので、よろしくお願いします。
  もう一つ、今の国の施策もそうですけれども、高度成長の時期はスクラップ・アンド・ビルドで壊しては新しいものをどんどん建てていったわけでありますけれども、むしろいろんな環境負荷の問題とか、経済的な事情でストックの活用の時代に入っているということで、ここでは詳しく言いませんけれども、いろんなそのための施策というか法律をもう既につくっているわけですね。ですから、その辺をかんがみますと、空き家の有効利用ということも大いに考えられるのではないかというふうに思うわけです。
  今、南陽市で子育て定住に向けて交付金事業ですか、やってますけれども、何も団地を金かけて造成して、そこに新しい家を建てるということだけが定住じゃないわけですね。むしろこういった空き家を利用して住まわせるとか、あるいは使用に耐えないものだったらば、業者さんに仲介していただいて、更地にして新しいものをそこで建ててもらうと。そうすると街並みの景観もある程度そろってくる。いろんな面で活用できるのではないかというふうに、私自身はそういうふうにつなげていきたいなというふうに思ってますが、最後に市長の見解をよろしくお願いします。
○議長  市長。
○市長  考え方であります。今問題になっている雪との絡みでは、そういう再利用できるようなものについては全く問題ないわけで、全く利用価値のない空き家が今まで片平議員が話していた内容。
  今度は有効利用できる空き家ということで分けて考えさせていただきますと、今お話しされた内容は大変結構なことだと思いますので、それらについて有効利用を図っていけるものはしていきたい。
  ただ、先ほどから問題になっている所有者との意見調整、あるいは御理解、こういったものが必要であると同時に、今市場が求めているようなものと、その空き家の内容が整合しているのかどうかと、こういうことが一番やっぱり大事なわけで、その空き家にかかる経費のほうが新しくつくる、あるいは借りるアパートやそういったものよりも高くつくということになれば、やはりなかなか難しいと。
  確かに景観条例とか、さまざまなことを考えれば、保存しなければならないような価値のあるものであれば、議員おっしゃられているような内容が理解されるわけでありますけれども、そうでないという場合についてはなかなか難しいと、こんなふうに思っておりますが、決して検討するに値しないということではございませんので、いろいろと検討はしていきたいと、こんなふうに思っております。
  以上です。
○議長  片平議員。
○片平志朗議員  いきなり空き家対策から、その空き家有効活用ということで、大変飛躍したことを言ってしまいましたけれども、あくまでも私の本意とするところは、放置されている空き家の管理をこれから行政側がどう介入してやっていただくかということですから、それが十分できて軌道に乗ればの話ということで頭に入れておいていただきたいと思います。
  これで私からの質問を終了させていただきます。
○議長  以上で、2番片平志朗議員の一般質問は終了いたしました。大変御苦労さまでございました。
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