平成24年6月定例会

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白岩 孝夫 議員 質問
○議長  次に、1番白岩孝夫議員。
〔1番 白岩孝夫議員 登壇〕
○白岩孝夫議員  おはようございます。
  1番白岩孝夫です。
  私は先般、3月に行われました南陽市議会議員選挙において、無投票ではありましたが、当選させていただきました。この場をおかりして温かい御支援をいただきました市民の皆さんに心より感謝を申し上げる次第であります。
  また、本日は多くの傍聴の皆さん、おいでいただきまして本当にありがとうございます。今後とも市政全般にわたりまして関心を持っていただきまして、当局、議会、市民の皆さんとともに市政の発展に御協力いただければと思っております。
  このたびの市議会議員の席をいただいたこと、この負託をいただきましたこと、その重い職責を果たしてまいるべく誠心誠意努めてまいる所存でございます。皆様には今後とも御指導、御鞭撻賜りますようよろしくお願い申し上げます。
  私は今回の選挙戦で、安心して子供を産み育てることができる南陽市、若い人が住みたいと思えるような南陽市をつくりたい。そのためには将来に希望が持てる、何十年先でも大丈夫だという安心感、信頼感が持てる財政状況をつくることの必要性、そして子育て世代への支援の必要性を訴えてまいりました。それに沿って、既に通告してあります2つの項目について質問いたします。
  なお、質問に先立って申し添えますが、私は批判のための批判、あるいは単なるあら探しといったことは好むところではございません。また、0.何ポイントといった細かい数字よりも、大きな方向性に関して「確かな未来へ 夢はぐくむまち南陽」の実現に向けて、長期的な市民の幸福の向上に寄与したく、建設的な議論を望むものですので、御理解を賜りたいと思っております。
  まず、1項目、本市財政の見通しについてであります。
  政府が5月に発表しました月例経済報告、これによりますと、国内景気の基調判断を9カ月ぶりに上方修正し、復興需要などを背景として緩やかに回復しつつあるとしております。回復という表現が入ったのは、リーマンショック前の平成20年2月以来、4年3カ月ぶりとのことであります。東日本大震災の復興需要などに支えられ、企業収益や所得が改善、景気の上向きの動きに持続性があるという判断でありました。
  しかし、世界的には欧州政府債務危機をめぐる不確実性が再び高まっており、これらを背景とした金融資本市場の変動や海外景気の下振れ等によって、我が国の景気が下押しされるリスクが存在するとしております。
  また一方、県内の状況を見ますと、5月発表の山形県経済動向月例報告によりますと、総括判断としては、本県経済は一部に厳しさが残るものの、緩やかに改善しているとしており、また、山形税務署が先月31日に発表した平成23年分の確定申告状況、これによりますと所得金額は0.2%、申告納税額は5.6%、それぞれ前年より増えております。前年実績を上回ったのは所得金額は6年ぶり、申告納税額が5年ぶりとのことです。ただし、平成9年分以降では、これは申告納税額、所得金額ともに下から2番目の数値でありまして、依然として低迷する景気動向が要因の一つと見られております。
  以上のように概観してみますと、景気判断としては上向きつつあるものの、依然として厳しい状態であるということだと思いますが、現在のグローバル社会におきましては、先ほども申し上げましたギリシャに端を発する欧州の債務危機のように、国の財政状況が多方面にわたって深刻な影響を及ぼす状況であります。そして、それは国家財政のみならず、地方自治体財政においてもしかりであると思っております。
  このような状況下、本市では平成21年から23年度に中学校統合による校舎改築、学校耐震化等の大型事業が行われまして、市の財政状態に対して市民の皆さんの関心が高まっていることから、5月16日付の市報におきましても、市の財政状態についてのお知らせ記事が掲載されました。
  自治体財政をより望ましい方向に持っていくためには、まずその姿を市民が知ることから始まると思っております。そういった意味で、このたびの記事は24年度の施政方針にもあります市民の「行政への関心と参画意識の喚起」に大変有益なものだったと高く評価できるものでした。
  さらにより一層わかりやすく、この財政を市民の皆さんに周知を図るという趣旨で、次の5点についてお伺いいたします。
  1点目、現在の本市の財政状況に関する市長の御認識についてお伺いします。
  2点目、第2次南陽市行財政改革大綱の進捗状況と今後の課題及び取り組みについてお伺いします。
  3点目、財政の基盤となる人口の見通しについてお伺いします。
  4点目、今後見込まれる大型の事業について、その時期あるいは規模について伺います。
  5点目、本市財政の長期的な見通しと市民の皆さんへの周知方法などについてお伺いします。
  次に、2項目、子育て支援都市として市内公園の整備方針についてお尋ねをいたします。
  本市では、少子化に伴う子供たちの健全育成への懸念から、笑顔で明るく子育てができる地域社会を構築するために、平成19年6月に南陽市子育て支援都市宣言をしております。平成20年には中央花公園ドリームランドがオープンし、多くの親子でにぎわう人気のスポットとなっております。
  そして、子育て支援都市宣言の5番目「いきいき元気な故郷」というメニューには「子どもたちがいきいきと元気に活動できる地域づくりを推進します」というメニューがありまして、その趣旨のもとに遊び広場等の整備という項目があります。
  身近な公園は、単なる遊び場や休憩場所としてだけではなく、社交の場として、また子供たちの成長を確認する場として、人々の生活に安らぎや潤いを与えてくれる重要な空間であると私は認識をしております。
  子供の成長の過程ではいろいろな遊び方がありますが、幼児にとっては集団で遊具を使って遊ぶことは、身体や運動能力の向上、筋肉の発達、体力の増進、病気に対しての抵抗力の向上などが望めるとともに、知的な発達を促し、自由で独創的思考や協調性などの発達にもつながるものと考えます。そして、公園にあるさまざまな遊具は、それらを促す公園の魅力の一つとなっております。
  しかし、数年前、子供たちが安心して楽しく遊ぶことができるはずの公園の遊具での事故の多発を受け、国土交通省は平成14年3月、公園の遊具に関しての安全対策ガイドラインであります都市公園における遊具の安全確保に関する指針を策定しました。そして、その後も全国の公園遊具において重大な事故が多発したことから、平成20年8月にガイドラインを改定し、全国の自治体に向け一層の安全管理体制の強化を呼びかけているという現状にあります。当然ながら、本市でもこのことは例外ではなく、公園遊具の管理体制や設置基準が厳しくなったというお話を伺っております。
  子供は遊びを通したさまざまな冒険や挑戦から学習し、情緒面における発達、身体の能力を高めていくものであります。それは遊びの価値の一つでもありますが、冒険や挑戦の中には危険性も内在しております。子供の遊びにおける安全確保に当たっては、子供の遊びに内在する危険性がその遊びの価値の一つでもあるということから、その危険性をリスクとハザードという2つに分けて対処する必要があります。
  このリスクとは、事故の回避能力をはぐくむ危険性、子供が判断可能な危険性のことであります。そして、ハザードとは、事故につながる危険性、子供が判断不可能な危険性であります。
  子供は、小さなリスクへの対応を学ぶことで経験的に危険を予測し、事故を回避できるようになります。また、危険を予測し、どのように対処すればよいか判断可能な危険性もリスクの一つであり、子供が危険をわかって行うことはリスクへの挑戦であります。
  一方のハザードは、遊びが持っている冒険や挑戦といった遊びの価値とは無関係なところで事故を発生させるおそれがある危険性であります。行政としてだけではなく、私たち大人はこのハザードを可能な限り取り除いてやる必要があると思っております。
  ここで気になりますのが適切な公園遊具のメンテナンス、修理により継続して使える遊具であるにもかかわらず、過大に事故を懸念するがゆえに、問題が生じる前に撤去してしまうという安易な対応が多くあらわれることであります。もちろん先ほども申し上げましたハザードは可能な限り取り除かなければなりませんが、危険を理由に何でも取り除いてしまえば、公園はがらんどうになってしまいます。このあたりのバランスは十分に精査、検証する必要があると思っておりますが、子育て支援都市として、市内の身近な公園の遊具についてどのような整備方針を持って臨まれるのか、以上のことを踏まえた上で次の4点についてお伺いいたします。
  まず1点目、市内の公園における遊具に係る事故の発生状況についてお伺いします。
  2点目、市内の公園における遊具の点検、管理状況についてお伺いします。
  3点目、市内の公園における遊具の設置、修理、撤去及び更新状況についてお伺いします。
  4点目、今後の市内公園の整備方針についてお伺いします。
  以上、御質問を申し上げましたが、市長をはじめ当局の皆さんには心あるお答えを御期待申し上げる次第であります。
  なお、市長には今後ともお体には特段の御自愛をいただきまして、この厳しい行財政状況下においてこそ本領を発揮され、誤りなき財政運営の中、一日も早い景気の回復と後世に誇り得る南陽市の構築のため、一層の御努力と御尽力を賜りますよう、重ねて御期待と御祈念を申し上げまして、壇上からの質問といたします。
○議長  ただいま1番白岩孝夫議員の質問のさなかではありますが、ここで暫時休憩といたします。
  再開は11時15分といたします。
午前11時02分  休憩
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午前11時15分  再開
○議長  再開いたします。
  答弁を求めます。
  市長。
〔塩田秀雄市長 登壇〕
○市長  1番白岩孝夫議員の御質問にお答え申し上げます。
  なお、白岩議員には私の体をいたわっていただきまして、大変ありがとうございました。心から感謝を申し上げます。
  それでは、初めに、本市財政の見通しについての1点目、現在の本市の財政状況に関する認識についてでございますが、財政の健全化を示す指標の一つである実質公債費比率につきましては、平成18年度の22.7%をピークに、ここ数年改善しており、平成22年度決算におきましても20.3%と、国の示す早期健全化基準の25%を下回っており、平成23年度決算では20%を下回る見込みとなっております。
  また、財政調整基金積立額や地方債現在高の状況からも、これまで取り組んでまいりました地方債の繰上償還、施策の重点化による公債費の抑制、財政調整基金の計画的な積み増しなどの成果が徐々にあらわれてきているものと存じます。
  財政運営につきましては、市内経済の状況を勘案し、将来の南陽市に必要な投資事業の積極的な取り組みと維持可能な財政基盤の強化策の両面を持ち合わせるものであり、適切に財政運営を行っていると認識しているところでございます。
  なお、引き続き国の地方財政計画の動向に細心の注意を払うとともに、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の趣旨にのっとって、地方債残高の低減傾向を堅持し、財政秩序の維持に努めてまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  2点目の第2次南陽市行財政改革大綱の進捗状況と今後の課題及び取り組みについてでございますが、第2次南陽市行財政改革大綱につきましては、平成22年度から3カ年の計画期間を定めたものであり、大きくは人件費の抑制と歳入の確保、財政指標について数値目標を置き、改善に取り組んでおります。
  人件費等の抑制につきましては、まだ23年度決算が確定していない状況ですが、21年度と22年度比較においては2.2%、6,400万円を削減しておりますので、今後とも目標達成に向け推し進めてまいりたいと思います。
  歳入の確保につきましても、平成23年度決算がただいま集約中でございますので、あくまでも見込みとなりますが、市税現年度課税収納率98%、国民健康保険税94%の目標値は達成できるものと考えております。
  また、財政指標につきましても、平成23年度決算の目標値であります実質公債費比率22.9%以下、将来負担比率232.1%以下、地方債残高180億5,900万円以下のいずれにおいても大幅に改善の見込みであります。
  なお、歳入歳出の見直しに伴う効果検証の数値化項目もございますので、一層行財政改革を推進し、財政の健全基調に努めてまいりたいと考えているところであります。
  3点目の財政の基盤となる人口の見通しについてでございますが、国の人口問題研究所試算におきましては、平成32年の南陽市の人口は3万882人と推計しております。この数値はインパクト要因を加えず、統計の基調に基づく理論数値でありますので、本市におきましては、第5次総合計画におけるさまざまな施策展開により、平成32年の人口を3万2,000人とお示ししたところでございます。
  4点目の今後見込まれる大型の事業についてでございますが、第5次総合計画における大型の事業といたしましては、新文化会館の建設を予定しており、このほか新産業団地の準備や公営住宅機能の整備が平成32年の目標年次までの懸案と考えるものであります。
  5点目の本市財政の今後の長期的な見通しと市民への周知についてでございますが、御質問の1点目、財政状況の認識においてもお答えいたしましたとおり、市税や交付税の確保など景況や国政に左右される側面もございますので、歳入の確保に全力を挙げ、市債残高を減らし、各種財政指標の改善に心してまいる考えであります。
  また、長期の展望については不確定要素が多く、5月16日号の市報でお知らせした内容のとおりでございます。行財政改革大綱に掲げました改革目標の進展を図ることにより、持続可能な行財政運営、健全財政が維持できるものと考えております。
  なお、市民への周知につきましては、毎年度決算時においては、丁寧でわかりやすい資料の説明は必要と心得ておりますが、特に3カ年を超える長期的な見通しについては、適宜、必要に応じてお知らせしたいと考えております。
  次に、子育て支援都市として市内公園の整備方針の1点目、市内の公園における遊具に係る事故発生状況についてでございますが、南陽市内における公園遊具に伴う事故について、近年発生事例はございません。
  2点目の市内の公園における遊具の点検、管理状況についてでございますが、市内における都市公園、児童公園、児童遊園、子どもの広場など遊具の設置してある公園につきましては、その公園が設置してある地区またはシルバー人材センターに年間の維持管理業務を委託しており、日常の点検の際、遊具に不具合や異常が見られる場合には、現場の状況を確認し、遊具修繕等の対応をしております。
  また、夏休みなどの長期休暇では、通常時以上の利用が考えられることから、建設課においても事前に点検を行っているところでございます。
  3点目の市内の公園における遊具の設置、修理、撤去についててございますが、平成20年8月に国土交通省におきまして、遊具の安全に関する基準が示され、標準使用期間、安全空間の確保についても規定されたところでございます。
  この中で、鉄製遊具は15年、木製遊具は10年とされたところから、専門業者による点検をいたしましたところ、市内各公園の遊具の一部について、躯体の劣化、軸の曲がり、傾き等が発生しておりました。その中でも修繕により再利用可能な遊具につきましては、制定されました基準に基づき修繕し、安全空間を考慮した上で再設置してございます。
  なお、修繕による対応が困難であると判断され、危険な状況にあった遊具につきましては、適正に撤去したところでございます。
  4点目の今後の市内公園の整備方針についてでございますが、公園につきましては、遊具遊びをはじめとした子供の遊び場としてはもちろんのこと、大人の方にとっても憩いの場や運動の場として自由に活用していただける多面的な機能を持った公共空間であると認識しておりますが、子育て支援施策を実施する中で、特に要望が多く寄せられた大型遊具につきましては、中央花公園にその他多数の遊具を含め設置し、ドリームランドとして開設したところでございます。そのため、市内各地区公園への新たな遊具設置につきましては、現時点では考えてございませんので、御理解を賜りたいと存じます。
  以上であります。
○議長  再質問に入ります。
  1番白岩孝夫議員。
○白岩孝夫議員  御答弁ありがとうございます。
  現在の本市の財政状況に関する認識の点でございますが、適切に運営なさっているという御認識でございますが、市長、6年前に御就任になって以来、議会においてもたびたび本市財政状況の厳しさを指摘されておられたことと思います。
  市長の行財政改革に向かう熱意、これは非常に熱いものだと思っております。その結果、財政は次第に数値も含めてよくなってきているということでしたが、冒頭申し上げましたように、市民の多くの皆さんが今の市の財政状況に関心が高まっていると。このことについては、その根本は大丈夫かという不安感だと思うんですが、市民の皆さんが抱いている不安感、これはなぜこういう関心、そういった考えをお持ちだと市長はお考えでしょうか。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  ただいまの白岩議員の質問でございますが、私としては今その不安を持って市民の皆さん方から興味を持っていただく以前に、まだまだ前にそういったことが必要だったのではないかというふうに私は思っております。
  6年前、私が市長に就任して以来、そういった状況を少しでも緩和するべく、さまざまな形で行財政改革に取り組んできました。この取り組むときに全く心配ないというような感じで取り組んだのでは、その成果を上げることができませんので、必要な表現をさせていただきましたが、特段取り立てて問題にしなければならないというようなことはなかったわけで、しかし、できれば私としても南陽市の財政並びに南陽市内の景気を両面を考えながら対応していかなければならないという観点に立って行財政改革を取り組んできました。
  幸い、職員の皆さん方にも御理解をいただきまして今日の結果が出たわけでございますので、ここは市民の皆さんにもしっかり認識をしていただいて、特段南陽市の財政状況は厳しいものではないというふうな認識を持っていただくと同時に、むしろ今は南陽市の景気、あるいは子育て真っ最中の若者の皆さん方の雇用の確保、こういったことに全力を尽くすべきだと。いかに財政状況がよくなっても、南陽市全体の力が弱まって、気づいてみたら、先ほどの国の人口推移のような、3万を割るようなことになっては何ともならない、こう思いますので、それよりも今は優先すべきは、市内の景気や市民の元気、こういったものを取り戻すことのほうが極めて重要だと、こう思っております。
  私は市長としてやらなければならない課題は、まずは市民の命や暮らしを守ることだと、こう思っております。もちろん持続して安定した南陽市の財政状況を維持することも大事ですが、今はむしろ冒頭申し上げました市民の皆さん方のために、景気回復であったり、あるいは雇用の拡大であったり、消費の拡大であったり、そういったものに力を入れると同時に、市民皆さん方の所得の向上につながるような施策を展開していくことが優先だと、こんなふうに思っておりますので、それと両方うまくいくように頑張っているところでありますので、ぜひ御理解賜りたい。
  たまたまどういう目的だかわかりませんが、いかにも南陽市はあしたにも破産するんだと、夕張の二の舞だなんていうようなチラシをまいて市民の考えをあおっているような人もいますから、これはちょっといかがなものかと、こう思っておりますので、そういったものに惑わされないで、ぜひ白岩議員については正しい状況を市民の皆さんにお教えいただければなと、こんなふうに思ったところであります。
○議長  1番白岩孝夫議員。
○白岩孝夫議員  本市が夕張のようになるのではないかというような、これは間違った、現在の財政状況では夕張のように直ちになるようなことはないと、これは私もそのとおりだと思っておりますし、市内の景気を配慮して、行政が先頭を切って必要な施策を講じる、そしてバランス感覚を持って行財政運営に当たっていくと、全くそのとおりだと私も思っております。
  そして、先ほど御答弁にありました、もうちょっと前から市民の皆さんには関心を持っていただいたらよかったというお話がありましたが、私も不勉強で市の財政について、今までほとんど見たことがありませんでしたが、こう関心が高まってまいりますと、これは市民としては自分たちの将来、また子供たちの将来のために必要な勉強、必要な知識を得るということは不可欠の市民としての義務でもあるというふうに私は思っております。
  それで、現状を認識するために、過去から現在までどのように財政状況が推移してきたのかということも現状を正しく知る上で必要だと思いまして、平成13年から平成22年までの10年間の決算の推移を私なりに見てまいりました。
  その中によりますと、実質収支は毎年度黒字が続いております。この実質収支というのが赤字団体か黒字団体かと。実質収支が赤字であれば赤字団体、南陽市はずっと黒字が続いております。
  しかし、単年度収支におきましては、この10年間で7回赤字となっております。この単年度収支といいますのは、実質収支は前年の実質収支を含むものでございますので、それを除いたその年度の収支をあらわすものであります。
  この単年度収支、これが平成13年から14年、15年と赤字でありました。16年には黒字でありましたが、17年、18年、19年とまた赤字が続きまして、20年度が黒、そして21年度が赤字、22年度が黒字と、この10年間では16年度と20年度、それから22年度、この3カ年が黒字でありました。
  この単年度収支が赤字であるということは、単年度収支の累積によって市の財政調整基金やその他に影響を及ぼすと、これが赤字であれば、だんだんと市の財政状況が逼迫してくるということだと思うんですが、この単年度収支が赤字であったこの10年間の7回の決算が現在の財政状況に及ぼしている状況について、これは担当課長のほうからどういった影響が現在の財政状況にあるのかお尋ねをしたいと思います。
○議長  答弁を求めます。
  大坂企画財政課長。
○企画財政課長  今議員おっしゃったように、7年が赤字ということは事実かと思います。ただ、これは1年だけを見るのではなくて、通しで見ていただければと思います。当然、単年度の赤字になりますと、先ほど言いました財政調整基金の積み立て等に影響することは間違いないと思います。繰り越しも減るわけでございますので、その辺は今の財政状況になっているということは間違いないと思います。
  ただ、先ほど市長からも申し上げましたとおり、現在大分よくなってきておりますので、その間の努力は見ていただきたいなと思うところでございます。
○議長  1番白岩孝夫議員。
○白岩孝夫議員  ありがとうございます。
  だんだんとよくなっていると、単年度赤字が7回ありましたが、これは私も当初だんだんと悪くなっているんじゃないかというイメージを持っておったのですが、先日、新人議員で企画財政課の方から財政に関する勉強会というものを開いていただきまして、その場でどうなっているのかということを簡単にレクチャーしていただいたんですが、確かに数字を見ますと実質公債比率も次第に現在下がってきている。そして、将来負担比率も19年度が222.7%だったのが22年度は166.9%と間違いなく下がっている。
  ただ、借入金の残高については上がっておりますが、これも先般の市報の記事によりますと、次第に下がっていくんだということで、このあたりについてはイメージで話すのではなく、こういった数字も押さえながら、市民の皆さんには理解を深めていただきたいと私は思っております。
  第2次南陽市行財政改革大綱の進捗状況と今後の課題及び取り組みでございましたが、これも今申し上げましたように、数値は改善されているし、それから市税等の収納率、これについても23年度は目標に達するということで、市長をはじめ当局の皆さんの御努力には敬意を表すものであります。
  この第2次大綱、この基本方針には、持続可能な行財政基盤の確立を目指しますと、そして健全財政の維持を改革の最重要課題と認識するというふうにございます。この持続可能な行財政基盤の確立を目指すと、具体的にどのようになったら確立されたということになるのか、御認識をお尋ねしたいと思います。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  財政というのは、白岩議員はプロだからよくわかると思いますが、入るほうと出るほうのバランスなんですね。だから、今は行革で出るほうだけを節約していますが、入るほうが安定しなければ、幾ら節約しても財政というのはよくならないんです。だから、さっき言ったように南陽市の景気をよくすること、さらには地方交付税であったり、さまざまな税収が安定して入るような仕組みを国・県にも働きかける、そういったことがしっかりできて初めて持続可能な財政状況になるということであります。
  ただ単に節約だけではじり貧になっていきますから、だんだんと南陽市の経済は落ち込みます。幾ら節約しても入ってくるものがなくなれば悪化するだけと、こういうことになりますので、入るほうと出るほうのバランスを上手につくり上げる。それができた段階で初めて持続可能だと、こういうふうなことでございますので、その辺は十分考えながら対応していきたいと、こう思っております。
  最近、国のほうで議論されている消費税なんていうのは、そういう意味では非常に安定した財源で、地方にも十分その分回ってくるわけでありますので、一つの行政側に言わせればありがたい仕組み、しかし市民の皆さんから言わせればそれは困るよという人もいるかもしれませんが、それも含めて安定した持続可能な財政状況になると、こういうことだろうというふうに思いますので、御理解いただきたいというふうに思います。
○議長  1番白岩孝夫議員。
○白岩孝夫議員  幾ら節約しても歳入が確保されなければじり貧になっていくと、これは本当にそのとおりだと思います。そのために必要な施策を講じられる、市長はいろんな施策を講じられておると私も思っております。
  ところで、冒頭申し上げました市民の皆さんがなぜ今財政に関心を寄せているかと。これは新聞で実質公債比率が県内で最も高かったということが出まして、ああそうだったのかと初めてそこで非常に深く認識をされたというふうに思いますが、この実質公債費比率、私はたまたま22年度の決算で県内で最も高かったと。そのことは本質的な問題ではないというふうに思ってます。
  県内では最も高いけれども、東北あるいは全国の中では高いほうではないんだということである場合、また、たまたまその年度の比率が上がってしまったと、これは経常的な状態ではないんだという場合には、これは全く問題がない。ただし、経常的にずっと県内で最も高いという状態では、これはやはり不安感を持つのは否めないというふうに思っております。
  総務省の地方公共団体の平成22年度の主要財政指標一覧によりますと、東北6県の228市町村、この中で実質公債比率は南陽市は8番目に高いと。また、これは22年度のその資料の中の数ですが、全国1,750市区町村の中では61番目に高いと。これはやはりちょっと高いのではないかと。ここについては今後さらなる改善を期待したいというふうに思っております。
  この数値ばかりが取りざたされるのは、本市にとって本意ではないというふうに思いますが、この比率に関して今後最も高い水準で推移していってもいいということなのか、それともこれについては何らかの対処をなさるおつもりなのか、その辺のことをお尋ねしたいと思います。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  先ほども申し上げましたように、順番を問うのではなくて、どのレベルにあるかと。どのレベルというのはパーセンテージでしたよね。だから、順番が一番上だとか下だって、例えば18%ぐらいのところにあって、順番が一番上だと言われたってこれは困るわけで、そんな順番よりも、南陽市は若干実質公債比率はほかよりも高いけれども、南陽市は元気があっていいよねと言われるほうが将来性があるわけですよ。
  実質公債比率が非常に低いまちはいっぱいあります。何もしてません。人口もどんどん減ってます。高齢者もどんどん増えている。高齢化率も。そういうまちのほうが将来性があるのかどうか、よく考えて皆さん方にも理解いただきたい。
  その数字の順番を競っているわけじゃなくて、20%そこそこ、あるいは20%を下回っていればそんなに問題はないわけですから、今現にそうやってきているわけです。これだけの大事業をやって。それよりも税収が上がるような、あるいは市民の皆さん方の所得が向上するような施策のほうがはるかに大事だと。
  簡単なんですけれどもね、その数字を下げて順番を競うのは。何もしなければすぐ償還ですから。でも、そんなことをしても市民の皆さん方のプラスにはならないし、所得も増えないし、むしろ生活が厳しくなる、こういうふうなことを私は政治家として選択すべきではないと、こう思ってますので、特段決算書のバランスシートを眺めながら御理解を賜りたいなというふうに思っているわけで、それでもなおかつ毎年毎年数字はよくなっているんです。
  だから、山形県で1番と2番は、じゃそれはどのぐらい違うのと言ったら0.5%です。0.5%は金額としてどうかというと、南陽市の規模にすれば4,000万円かそのぐらいの規模ですよ。4,000万円をどういうふうに白岩議員が思うかだよ、南陽市の120億円を超える予算の中で。それよりも生きた金の使い方をしたほうが市民の皆さんは喜んでくれるのではないかなと。
  将来的に余り一気にじゃなくて、少しずつ少しずつ数字をよくして改善していけば何ら問題ないと、こう思っているわけでございますので、今すぐその順番を競うというような考えは全くございませんので、御理解いただきたいというふうに思います。
○議長  1番白岩孝夫議員。
○白岩孝夫議員  次第に数字は改善していくというお話がありましたので、心強く思ったところであります。
  また、0.何%というところにこだわる必要がないというのは、私もそのとおりだと思っております。先ほども申し上げたとおりであります。
  ただ、市長は常々南陽ブランドの発信ということをおっしゃっておられて、実際にさまざまな面で南陽ブランドについて高める施策を講じておられると、私も市民として心強く思っているところでありますが、この比率が悪いということについては、せっかくの南陽ブランドをややもすると傷つける。いいニュースよりも悪いニュースのほうが大きく伝わるということがありますので、これについては戦略的にブランドイメージを傷つけない、大変な努力でつくり上げる南陽ブランドのイメージを傷つけないような方向で持っていっていただきたいなと思っております。
  ちなみに、南陽市は20.3%、そして2番目の市の比率は19.8%でございましたが、この0.5%を逆転するためには四千数百万円。この四千数百万円の繰上償還をすれば十分逆転可能だということであれば、そういった今は自治体間競争の時代でございますので、そういった競争相手となるような、競争がいいとは私は思いませんが、競争相手となるような自治体がどう推移するのか、それを横目でにらみながら、そこを出し抜くとは言いませんが、そういったところもにらみながら、南陽市がブランドイメージを傷つけないようにしていくという方策もしたたかな方策として必要なのかなと思っております。
  ちなみに、ライバルとなるような市町村の24年の3月定例会の議事録を私見たんですけれども、その中では23年度の実質公債費比率、その市町村は18.9%という見込みをしていたんですが、それをさらに下回るというような答弁が当局の方からなされておりました。こういった情報も横目でにらみながら、ブランドイメージを高めるような方向に持っていっていただきたいというふうに思っております。
  また、なるべく歳入が上がる、市税の収納が上がるというような方策が大事だと、私もそのように思っております。これはバランスをどう見るかと。財政を大事にするのか、それとも景況を大事にするのか、このバランスというのは大事だというのは認識の一致するところだと思っておりますが、この公債比率、もし四千数百万円で逆転できるんだということであれば、逆転できる状況なのであれば、ぜひ逆転していただきたいというふうにも思っております。これも無理のない範囲でやっていただければありがたいと思っております。
  そして、市税の確保というところでありますが、人口の見通しについて、国立社会保障人口問題研究所の推計、先ほどお話しいただきました。平成32年、この年にはその推計によりますと3万882人と。そして、南陽市の5次総の人口目標においては、平成32年における人口を3万2,000人とすることを目標とするとなっておりました。
  この国立社会保障人口問題研究所の推計は、その後、平成32年の後、37年、42年、平成47年まで現在のところ出ておりますが、平成47年、今から23年後、この年には2万6,070人という南陽市の人口の推計が出ております。
  このように人口が減るということは市にとって大変なことですので、さまざまな施策を講じられているということだと思いますが、先ほどもありました、市報に載りました市の財政シミュレーション、平成34年までのシミュレーションの中では、この人口については何人になるという見込みであの記事の実質公債比率、それからさまざまな指標を出されたのかお尋ねをいたします。
○議長  答弁を求めます。
  大坂企画財政課長。
○企画財政課長  5月16日号の市報に載せました実質公債比率の推移と見通しということで、最終的には平成34年まで見通しをさせていただいておりますが、この中には当然人口の減も含みまして、歳入が毎年減少し、財政規模が10年後には10%程度縮小するということを想定しての数値を上げさせていただいているということでございます。そういうことで、人数ではなくて、財政規模の縮小ということで表現させていただいております。
○議長  1番白岩孝夫議員。
○白岩孝夫議員  私も含めていいのかどうかわかりませんが、若い人、私40歳以上だから含めないことにいたしますが、20代、30代の若い方、自分たちの同世代がその上の世代に比べてどんどん少なくなっていくと。さらに10代、これから生まれる子供も少なくなっていくという中で、将来に対して非常に不安を持っていると。自分たちが今後社会生活を営む上で大丈夫なんだろうかと、そういうことのないように現在、市長をはじめ当局の皆さん、鋭意行政の執行に当たられているというふうに思っておりますが、この長期の予測、これについては若い方は厳しい現実を見ると意欲がそがれるということもあるかもしれませんが、現実を見て、それに対して必要な対処をしたいというふうな若い方も私は多いと思っております。
  ですので、厳しい予測があれば、それに従って、できるだけ厳しい予測で将来の見通しを立て、そのようにならないように必要な施策を講じていくと。ほうっておくとこうなるから、いろいろ頑張らなければいけないんだというようなことで南陽市を引っ張っていっていただきたいなというふうに思っております。
  その意味で、財政についての最後の点ですが、本市財政の見通しと市民への周知についてということで、市長はいきいきトーク、あるいはお茶の間市長室といった市民との厚い信頼と協調のシンボルとなるすばらしい取り組みを就任以来なさっております。
  これは同じように、希望する団体向けにお茶の間財政室、希望する団体に当局の方が出向いて、現在こうですと、もし間違ったイメージを市民の方が持っているのであれば、それについてはただす。そして、市民の方の意見もしっかりと聞くというような取り組みも必要なのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  名称は取り立てて変更することもないと思いますが、その中で十分対応できることだというふうに思いますので、お茶の間市長室にしましても、いきいきトークにしましても、テーマを決めてございませんので、さまざま市民の皆さん方からこういうテーマでやっていただきたいということであれば、十分それに対応できるというふうに思っておりますし、それで足りなければ、さらにその回数を増やして対応していきたい、こんなふうに思っているところでございますので、御理解いただきたいというふうに思います。
○議長  1番白岩孝夫議員。
○白岩孝夫議員  回数を増やす、あるいはそれで足りなければ必要な措置を講じるということで大変ありがたく思います。そういった市民の方との対話を通して、必要な財政措置をとっていただきたいというふうに思っております。
  そして、長期的な財政見通しの策定について、3カ年財政計画というものがございますが、それについてはできるだけ、先ほども申し上げましたが、10年あるいは20年といった厳しいイメージではあっても、それに立ち向かっていくんだという趣旨で、そういったものをつくっていただいたほうが、かえって南陽市の財政に対する信頼が高まるのではないかというふうに思いますので、その点についてはよろしくお願いを申し上げたいと思います。
  時間が余りありませんが、公園のことについて若干申し上げます。
  先日、赤湯の花見町の鴨の会という会がございまして、その鴨の会の皆さん、花見町の堤の周辺の環境整備、そして活性化を目指す有志の皆さんでありますが、先般、その堤の横に整備された公園のところに植栽作業をするということがありまして、私も参加してまいりました。これは自分たちで自分の住んでいる地域をよくするんだという意欲にあふれた取り組みで、大変すばらしいことだと思っております。
  やはり現在では行政に頼むだけではなく、地元の皆さんが自分たちの環境をよくするということに立って、自分たちで考え、そして自分たちで行動するということが大事なんだと思っております。
  そういったことを促すようなインセンティブを与える仕組み、意欲を刺激するというようなことも必要だと思うんですが、例えば地元の皆さんが積極的に管理してくれる公園、これについては優先的に施設、あるいは遊具、そういった設備の設置更新をするというようなことも有効かと思いますが、いかがでしょうか。
○議長  答弁を求めます。
  新野建設課長。
○建設課長  公園の管理でございますが、議員御指摘のとおり、赤湯地区の北町ほか今お話ありました花見町公園等においては、地区の皆さんから参加をいただいて、御協力をいただいて、花壇等の設置というような形もございますし、清掃にも御協力をいただいているというようなことで考えてございます。大変ありがたく、感謝を申し上げる次第でありますが、先ほど市長の答弁にございましたように、遊具に関しましては、20年の国交省の規定が示されまして、それに基づいて21年に安全点検工事を実施をいたしました。それらの状況については現在に至っておるわけでありますが、そのことによって事故等の発生は今起こっていないというふうに存じております。
  21年のそういった安全対策でございますので、今後、当然何年か後にまた新たな修繕等が必要になろうかと思いますけれども、その折については、それらも含めて地元の意向を聞きながら、整備をさらに進めたいと、このように思っております。
○議長  1番白岩孝夫議員。
○白岩孝夫議員  子育て支援都市としてイメージを損なわない計画的な整備を今後ともよろしくお願い申し上げます。
  さまざま御質問申し上げましたが、将来を担う若い世代が社会保障をはじめとして、社会の持続性に対する大きな不安感を持っているという状況だと思いますので、社会の存続に対する信頼を高めるような行政運営をぜひお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長  1番白岩孝夫議員の一般質問は終了いたしました。御苦労さまでした。
  ここで暫時休憩といたします。
  再開は午後1時といたします。
午後0時00分  休憩
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