平成25年6月定例会
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午前11時00分 再 開
○議長 再開いたします。
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舩 山 利 美 議員 質 問
○議長 次に、3番舩山利美議員。
〔3番 舩山利美議員 登壇〕
○舩山利美議員 3番敬陽会の舩山利美です。
5月26日に福島県で開催されました東北水防技術競技大会におきまして、本市消防団が県代表として2年連続の最優秀賞に輝きましたことは、市民として大変誇りに感じており、その技術と士気の高さに賛辞を贈りたいと思います。この栄誉を原動力として、レベルの高い防災意識の構築と消防団活動を通した市民とのきずなをこれからも期待したいと思います。
それでは、さきに通告しております項目について質問いたします。
初めに、人口減少対策について。
昨年12月の一般質問でも取り上げましたが、避けて通れない課題でありますので、少し目線を変えて再度質問させていただきます。
人口減少は、南陽市や山形県だけでなく、日本全体で待ったなしの深刻な状況であると、新聞等マスコミなどでたびたび報道されております。
厚労省の国立社会保障人口問題研究所が4月に公表した2040年の山形県の推計人口は、2010年比で33万人以上、率で28.5%減少し、前回推計時より減少スピードが加速していると指摘されております。これは人ごとでなく、我が南陽市でも約1万人が減少する推計であり、本市のみならず各自治体とも重要な課題として対策を迫られてきております。
また、短期的に見ても、総務省が国勢調査を基準に公表した人口推計によりますと、総人口は、2012年10月1日現在で、前年に比べ過去最大の28万4,000人減少し、さらに今年の4月1日現在で、15歳未満の子供の推計人口は、前年比15万人減少しております。
総人口に占める子供の割合は12.9%と、世界に類を見ない最低水準になっております。なおかつ年齢が下がるごとに減少する傾向にあります。公表データを見れば待ったなしの内容であり、危機感を持って受けとめるとともに、真剣に議論し、実践しなければならない時期に来ているのではないかと思います。
一方で、65歳以上の高齢化が進行しており、山形県の高齢化率28.3%は、東北で2番目、全国でも6番目に高い水準で、今後、税収などが減少、社会保障費は増加といった自治体の財政破綻を招きかねない事態が想定されます。
そんな中、本県の吉村知事は、新聞などで取り上げられましたが、2期目の県政運営の最重要課題として人口減少対策を掲げ、1人の女性が生涯に産む子供の平均数の推計値である合計特殊出生率を1.70として、数値目標に向けて全力で取り組む姿勢を示しております。
本来、人口を維持できる数値は2.07以上となっておりますが、現在の本県の数値は、東北大学公表値で1.50となっておりますので、任期4年でできる一つのステップとして示したと言っておられます。そして、目標値を定める理由は余りないが、目標を掲げることには3つの意味があるとも言っておられます。
1つは、これに取り組むという強いメッセージを伝えること、2つ目は、職員や関係者の中に目標に向かって進むという機運を醸成すること、3つ目は、数値であればどこまでできたかあるいはできなかったかという評価がしやすいことがあるということであります。
そこで、質問の1点目でありますが、人口減少に歯どめをかける本市の施策として、5次総の中で目標人口を平成32年(2020年)に3万2,000人と設定し、年間出生数を270人から300人に増加させるとしており、さらに後期基本計画策定時に上積みを図るとしておりますが、年次計画等はありません。
さらに、定住人口増加指標として設定している平成27年(2015年)の推計値を3万2,449人から約650人増加し3万3,100人を目指すとしておりますが、今回公表されたデータでは、同じく2015年では3万1,937人で、前回推計値よりも500人余り減少スピードが速まっております。
また、出生数を見ますと、平成23年では264人、そして最新の統計では234人と減少傾向は改善されておらず、公表データを見る限り、深刻な少子化傾向の改善が図られているとは考えにくいところであります。後期基本計画の上積みはおろか、もはや前期での見直しが迫られる状況ではないでしょうか。
5次総では、目標値を設定しておりますが、今後の目標達成に向けた計画として「教育」「産業」「健康」の3つのまちづくりのほかに、直接的な人口減少対策の具体的な施策などは持っておられるのか。
また、南陽市の合計特殊出生率は、人口動態統計によりますと、平成23年で1.58となっておりますが、一つの方策として県と歩調を合わせ、知事が掲げた目標値1.70を各自治体一体となって取り組むことも効果的と考えますが、見解をお伺いします。
2点目でありますが、人口減少の最大の要因は少子化で、女性の出産なくして人口増加はあり得ません。しかし、社会的環境の変化で女性の晩婚化や非婚化が増加してきており、有識者の中には生涯未婚率が20%になるとの見方があるほどで、つまり5人に1人が生涯未婚となるような事態もあり得るということであります。
一方、ある意識調査によりますと、幸福感というのは未婚よりも既婚のほうが高く、子供の数が多いほど高い、そして結婚したい、子供が欲しいという希望を持つ人は少なくないという調査もあります。
本市でも、社会教育課の中に結婚推進係を設置して行政として対処しており、期待を持って注視しているところでありますが、現在までの実績や効果について、またゴールイン達成の目標件数などを掲げて取り組むのも効果的と考えますが、目標などは持っておられるのかお伺いいたします。
3点目でありますが、地方自治体としては少子化対策もさることながら、定住対策にも力を入れる必要があると思います。施政方針の中で定住促進策として、子育て応援定住交付金、持家住宅建設助成金に加えて、子育て応援団地の整備を検討、さらに小学3年生までの実質医療費無償化に向けた検討と準備に取りかかるとあります。
私は12月議会の質問で、子供の子育て支援医療給付事業の義務教育までの無償化を提言いたしました。市長の答弁の中で、医療にかかる子供は、統計的に見ると小学3年生ぐらいまでが一番多いので、その辺までとりあえずしっかり考えると言っておられましたので、今回、小学3年生までの実質医療費無償化を決断されたものと推察しているところであります。この無償化実現に向けては、市長はじめ保健課長も大変意欲を示しておられますので、早期の実施を期待しているところであります。
さらに、市長が言われた統計的に医療にかかる一番多い学年の小学3年生まで実施が実現すれば、次は医療にかかる少ない年代になるわけで、これをステップとして、段階的に義務教育までの無償化というのは比較的容易になるかと考えますが、どうでしょうか。
また、子育て応援団地の整備を検討するとしておりますが、場所や規模、そしてプランなどの具体的なものがあればお伺いいたします。
4点目でありますが、平成27年度オープンを目指した新文化会館建設は、議会としてもいろんな議論の中で「確かな未来へ 夢はぐくむまち南陽」の実現へ向けた期待を込めて承認されたものと理解しているところであります。
全国初の木造耐火建築物として各方面から注目を集め、南山形圏域及び置賜地域の広域交流拠点としての位置づけや地域経済活性化の効果に対する期待も高まっているところでありまして、本市の一大プロジェクトでありますから、いろいろな相乗効果を期待してしまいますが、芸術文化の拠点あるいは地域経済活性化、定住促進の相乗的な効果として期待できるのか、見解をお伺いします。
次に、福祉行政の生活保護についてでありますが、以前から不正受給やギャンブルなどの浪費受給者に対する報道はたびたびマスコミをにぎわせており、生活保護制度の見直しを求める声も少なくありませんでした。
抜本的な改革として行われた今回の生活保護法の改正は、柱として、不正や浪費受給対策及び国や自治体の財政を圧迫する社会保障費の見直しの一環として、生活扶助の基準額を3年間で約670億円減額するとしており、そのほかにも受給者には厳しい項目があるようですが、賛否両論ある中で、来年4月から施行される予定であります。
南陽市もここ数年、受給者が増加傾向にあり、生活保護法の改正の影響も多少懸念されるところもありますので、何点かお伺いいたします。
1点目でありますが、改正案では、地方自治体の調査権限強化や罰則の強化なども盛り込まれているようでありますが、本市での不正受給や浪費受給の実態を調査や把握しているのかお伺いいたします。
2点目でありますが、申請手続のハードルが上がるとされており、改正案では、本人が資産や収入などを記した書類の提供をしなければならないとなっており、最近になって修正もされましたが、高齢などで自筆困難な生活困窮の申請者が申請を受けられないなどの懸念はないのか、対応についてお伺いいたします。
3点目でありますが、生活保護に至る前の生活が苦しい人たちへの就労自立支援や仕事と住まいを失った方への家賃の補助、また生活保護から抜けたときに支給する就労自立給付金などが新設されており、自治体に相談窓口を設置するとしております。
今まで、受給かそうでないかぎりぎりの方は、生活保護ではない制度の対応になるわけで、国の生活保護費は削減されても、自治体では事務処理負担などで仕事量が大分大きくなるのではないかと思います。これにより、本市ではどの程度の受給者の減少を見込んでいるのか、また自立支援指導のための部署の新設などを考えておられるのかお伺いいたします。
以上、私の檀上からの質問とさせていただきますが、市長はじめ当局の明瞭な答弁を期待いたします。
○議長 答弁を求めます。
市長。
〔塩田秀雄市長 登壇〕
○市長 3番舩山利美議員の御質問にお答え申し上げます。
初めに、公表データから想定される深刻な人口減少への対策についての1点目、5次総の目標人口達成に向けた年次計画や具体的施策についてでございますが、南陽市第5次総合計画を策定するに当たり、前期5カ年においては、毎年の出生者目標を300人、社会動態をゼロにすることを掲げ、極力人口減少を抑制する方向性を打ち出したところでございます。
国勢調査年を基準として申し上げますと、平成17年度の出生数は244人、社会動態は▲254人でありましたが、平成22年度は出生数256人、社会動態は▲84人とやや持ち直しの動きでありました。しかし、死亡者数は、平成17年度が433人に対し、平成22年度が463人と近年は増加傾向が顕著であり、国指標の見直しにあっても急激な高齢化の進行を加味したものと思料するところでございます。
また、出生数の増加を図る観点からは、これまでも子育て応援定住交付金やドリームランドの建設、学校施設の耐震化100%、保育所等における待機児童ゼロの対応等さまざまな子育て支援及び教育環境の整備に尽力してまいりましたが、社会動態ほどの大きな改善は見られず、厳しい現状と認識をいたしているところであります。
先ごろ、厚労省の2012年人口動態推計の概数が発表され、県の合計特殊出生率は1.44と発表されましたが、市町村公表が未了につき、比較できる直近3カ年平均を見ますと、県が1.44に対し、本市は1.59と上回る状況にはあります。
また、目標である年間出生数300人を確保できればおおむね1.8程度と試算されますので、医療費助成の拡大や保育機能の充実、また子育てに伴う住環境の整備、工業団地拡張に伴う雇用機会の拡大等あらゆる知恵を出し合いながら、県と歩調を合わせ、指数の改善に取り組む所存であります。
なお、出生率減少の根幹は、未婚化や晩婚化、女性の就労意欲の高まり等々さまざまな複合要因によるものであり、人としての生き方にかかわる問題でもありますので、国レベルでの専門的な原因の分析や出生率向上に向けた大胆な政策展開を大いに期待するものでございます。
2点目の結婚推進対策の実績や効果、目標値についてでございますが、少子高齢化が大きな社会問題となっている中、子供を産み育てる環境整備が最も重要と考えており、晩婚化、未婚対策も重要な課題と捉えております。
結婚推進室では、結婚を支援するために、日本の伝統である仲人制度を取り入れ、市内全域で17名の結婚アドバイザーが活躍しているほか、スキルアップ講座等を取り入れた婚活イベントを企画しながら、気軽に参加できる出会いの場を提供しております。
また、多くの団体、企業と連携し、全市挙げて結婚応援の機運を高めるべく、なんよう婚活応援団を立ち上げ、協力、支援をいただいているところであります。現在までの5年間の実績でございますが、見合い件数は延べ113件、成婚数は11件という実績となっております。
なお、イベントは延べ27回実施しており、合計702人の参加となっております。
特に、今年度の重点目標としては、県及び近隣市町との広域連携による取り組みと年間成婚数3件を目標に取り組むこととしております。
3点目の義務教育の医療費無料化と子育て応援団地整備についてでございますが、施政方針で御説明申し上げましたとおり、子育て世代を社会全体で支援するため、これまで就学前の乳幼児について医療費の窓口負担を実質無料化としているところでありましたが、その対象者を小学3年生までに拡大することについて、今年度内実施に向け、現在、鋭意準備を進めているところでございます。対象者の拡大に伴い、システムの改修や各種手続、関係機関等への周知など一連の準備を考慮いたしまして、10月には開始できるのではないかと考えているとあります。
なお、義務教育の医療費の無料化につきましては、拡大対象となります小学3年生までの医療費無料化が開始された後に、その実績・財政負担の中長期的な展望も踏まえつつ検討してまいりたいと存じますので、よろしく御理解をお願い申し上げる次第であります。
また、子育て応援団地整備につきましては、現時点においては、市街地の均衡ある発展を図るため、宮内地内を候補地として進めておりますが、ライフラインの整備や地権者との同意、さらには、裏づけとなる財源見通しが未確定でありますので、早期に調整を図り、前向きに取り組む所存でありますので、御理解を賜りたいと存じます。
4点目の新文化会館建設と定住促進についてでございますが、第5次総合計画の具現化として、山形県南地域の持続可能な発展と芸術文化を通じた次世代を担う人づくり、まちづくりを目指しており、その一環として、新文化会館の整備を現在進めております。市民向けの文化事業の開催はもとより、全国からの一流アーティストの公演誘致を積極的に行うとともに、市民の方々の芸術文化に親しんでいただく憩いの拠点として、また県内外からの誘客を図りながら地域コミュニティ機能を活性化し、活力・にぎわいの創出を図ることが定住促進に向けての施策の一つとして考えておりますので、御理解と御協力をお願い申し上げ次第でございます。
次に、生活保護法改正の影響についての1点目、不正受給や浪費受給の実態調査や把握についてでございますが、生活保護の不正受給は、不実の申請その他不正な手段により保護を受けた場合を指します。本市における不正受給は平成22年度に1件あり、年金受給の作為的な無申告によるものでございます。
浪費受給でありますが、生活保護法第60条で、能力に応じた勤労、支出の節約、生活の維持・向上が定められ、生活上の義務が課せられていますが、中には、パチンコ等の娯楽費に使われている事例や度を過ぎた飲酒によるトラブルも課題となっているところでございます。
2点目の自筆困難な生活困窮者の申請についてでございますが、今般の生活保護法改正案では、これまでは省令で資産と収入を証明する書類の「提出を求めることができる」とされていましたが、改正後は法律の中で「提出しなければならない」と義務化され、これが申請手続のハードルが上がったと指摘されているところであります。与党・3野党合意の結果、口頭での申請を認め、書類は保護決定までに提出すればよいということになったようでございます。
なお、これまでも実務上は資産と収入が不明な場合は保護決定はできませんので、これらの書類は全て提出いただいております。
3点目の新たな生活保護制度の創設による生活保護受給者の減少見込みと自立支援指導のための部署の新設についてでございますが、議員御指摘のように、このたびの生活保護制度の見直しと新たな生活困窮者対策におきましては、「就労による自立の促進」や「自立支援」は大きなテーマの一つとなっております。
今年度は、これまでのハローワークとの連携を基盤に、ワンストップ型の支援体制の強化を図るとともに、この8月より積極的な就労活動に取り組んだ場合に、就労活動促進費を一定期間支給することになっております。
また、平成26年4月からは、保護受給中の収入認定額の一部を保護廃止に至ったときに支給する就労自立給付金制度が実施され、平成27年4月からは、生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対し、自立相談支援事業、住宅確保給付金の支給などを内容とする生活困窮者自立支援法が施行される予定となっております。福祉事務所設置自治体は必須事業とされておりますので、自立支援指導体制の強化につきましては、今後、詳細が示された段階で、検討してまいりたいと考えております。
なお、これら就労促進を強化した場合の受給者の減少見込みにつきましては、現在の稼働年齢層がいる受給世帯数13世帯の約半数程度と見込んでおります。
以上であります。
○議長 再質問に入ります。
3番舩山利美議員。
○舩山利美議員 御答弁ありがとうございました。
それでは、再質問させていただきます。
人口減少対策に特効薬はないということは理解しております。まして日本全体で減少しているわけでありますから、国策で対処すべきものが大きいというふうに思います。一方で、減少を幾らかでも少なくするには、自治体の努力も必要だというふうに思います。
公表データはあくまで推計値でありますから、もしかしたら対策によっては好転するということもあるかもしれません。何とかそれを期待したいとみんな思っているのではないかというふうに思います。
それを第5次総合計画の中で、出生数270人から300人を目指すとしておりまして、目標としては、それに向けて努力する指標でありますからそれはそれでいいのですが、本市の出生数の推移を見ますと、目標からは大分外れてきているのが現実で、前期基本計画の中間になる今年は、5月1日現在で出生数234人でありますから、目指す270人以上からは相当ずれてきておりまして、後期基本計画に向けた多少の見直しは当然図られるものと思いますけれども、こういう事態を受けて計画変更などは考えておられるのか、最初にお伺いいたします。
○議長 答弁を求めます。
市長。
○市長 舩山議員さんが心配されるとおり、大変厳しい状況になっておりますが、あくまでも目標でありますし、まだまだ政策の途上でありますので、改めてここで見直しをする時期ではないと、こう思っております。
ただ、確かに年々250人ぐらいの出生数でありますので大変厳しいなとは思っておりますが、だから目標を下げて楽にというようなことは、南陽市の発展には必ずしも結びつかないのではないかなと、こう思っておりますので、先ほど議員おっしゃられたように、いろんな機運の相乗効果も含めて、みんなで頑張っていこうというふうな思いを共通認識として、これから南陽市の発展に取り組むとすれば、むしろ少し厳しいけれども高い目標を持ってみんなで頑張るというようなほうが南陽市の発展のためにはいいのではないかと、こんなふうに思っているところでございますので、むしろ目標を修正するよりは、こうすれば目標値が達成できるのではないかというようなことを議会の皆さんからもいろいろと提言していただくほうが私は大変ありがたいなと、こう思っているところでございますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
○議長 3番舩山利美議員。
○舩山利美議員 5次総で、戦略として「教育」「産業」「健康」のまちづくりを推し進めるとしておりますが、成果の兆しが見えてこないというふうに思うわけでありまして、5次総は10年間の総合計画でありますから、まだ始まったばかりだといえばそういうわけでありますけれども、これは夢物語を計画するものではないというふうに思いますので、実現できる目標値を設定するのも大事かなというふうに考えます。
新聞などでも取り上げられましたが、吉村知事が今年1月に再選されたときの公約で、合計特殊出生率を現在の1.50、先日の新聞では1.44になったとありましたけれども、1.70に引き上げる公約を掲げました。本来、人口を維持できる数値は2.07以上と言われておりますが、任期4年間の目標として2.07は現実的でないとして1.70を設定したと言っておられます。
例えば、南陽市の場合でいいますと、昭和60年が2.06でした。それを単純計算で現在に置きかえますと、正規の計算ではありませんので誤差はあると思いますけれども、出生数は422人になります。現在は234人でありますから、やはり現実的数値ではないと言えるでしょう。また、1.70にしますと295人になりますが、これも相当厳しい数値だと思います。
吉村知事は、最重要課題として取り組むとしておられますので、本市も県と歩調を合わせて、目標を共有して対処することも必要かなと思いますが、県からの具体案などはあるのでしょうか。
○議長 答弁を求めます。
市長。
○市長 特段こういう方法でやりなさいというようなマニュアルは来ていないものと思っておりますが、共通認識を持って、南陽市としても一生懸命それらの数字を確保できる努力をするべきだと、こう思っておりますので、その件については今取り組んでいるさまざまな施策の中で生かしていきたいと、こう思っております。
○議長 3番舩山利美議員。
○舩山利美議員 就任して6カ月ぐらいたつわけですから、何らかの動きがあるか、それとも提案などはあるかもしれませんけれども、国立社会保障人口問題研究所が今年公表しました2040年の本市の推計人口は2万3,412人となっておりまして、今年の4月末現在で3万3,461人でありますから、27年後にはほぼ1万人が減少する推計値でありまして、非常に厳しい数値ではないかと思います。
最初に申し上げましたけれども、この数値はあくまで推計値でありまして、国策や自治体の努力で回復したという例もあるそうで、フランスなどは2.0に回復して注目されているということであります。希望は持ちたいというふうに考えております。
また、読売新聞の記事に、人口問題に詳しい明治大学の高橋重郷教授の話として載っておりましたが、それによりますと「少子化が進む原因は産業構造の違いなど地域で異なるため、必要な対策も違う。自治体がみずからの判断できめ細かく対策を打ち立てるようにすることが重要だ」と述べておりまして、やはりこの地域に合った対策が必要だなと感じたところであります。
この危機的状況に対処するための専門の担当部署とかあれば県などと円滑に情報を共有できると思いますが、担当課じゃなくても係としてでもあると思いますけれども、いかがでしょうか。
○議長 大坂企画財政課長。
○企画財政課長 私は、総合計画のほうは担当しておりますけれども、今言った人口問題の専門という、なかなかこれ難しい問題を多々含んでいるかと思います。行政でできる部分ですか、担われる部分については子育て支援とかいろいろあるかと思いますけれども、出生の増加というのは、なかなかこれは難しい問題でございますので、専門の部署といってもなかなかこれちょっと難しい問題もあるのかなと思うところでございます。
○議長 3番舩山利美議員。
○舩山利美議員 知事がああいうふうにおっしゃっておられますので、今後、例えば必要になってくるというふうな可能性もあるかと思いますので、検討をお願いしたいというふうに思います。
次に、結婚推進についてでありますが、本市の婚姻数は減少の一途をたどっておりまして、平成23年までのデータで申しますと、その10年前の平成13年までは年間200組を超えておりました。それが平成22年には133組、5次総が始まった平成23年は129組でありまして、これでは出生数が増加するのは極めて困難かなと考えてしまうところであります。
そんな中で、結婚推進事業は大変御苦労なされていると思いますが、実績を評価するか、しないか、あるいはこんなもんかと見るか、これもなかなか難しい課題でありまして、特効薬がないのが現状かなと思います。
社会教育課長にお聞きしたいんですが、結婚推進係の推進事業として、昨年度はメーン事業として、「愛育むイベント」というテーマで年間を通して事業をされておりますけれども、その中でお見合い件数が昨年度25件、交際進行中3件、成婚2組というようなことで、効果があると評価しておられるようですけれども、今年度も引き続きこのシリーズでいくのか、その辺最初にお聞きしたいと思います。
○議長 尾形社会教育課長。
○社会教育課長 お答え申し上げます。
この推進係のほうの事業としては、出会いの場の提供、そして情報交換の場、そしてイベントの実施ということで、3つの柱で取り組んでおります。議員おっしゃったとおり、今回もそのようなイベントを1年間かけて実施したいと考えております。
○議長 3番舩山利美議員。
○舩山利美議員 事業も進化させながら実績を伸ばしていただきたいというふうに思います。
女性の晩婚化・非婚化と言われる要因として、以前は結婚適齢期などと言われまして、二十歳前後から結婚する人が多数を占めておりましたけれども、近年は、大学進学率が高くなったということなども影響いたしまして、二十歳前後で在学中には余り結婚しないと。卒業後は学歴を生かして仕事が優先というふうになります。さらに、地方では中小零細企業がほとんどでありまして、育児休暇をとって1年も2年も子育てに専念する人が少ないのも事実であります。働きながら出産・育児を円滑にサポートできるシステムが構築されていないというのが現状ではないでしょうか。
このような社会環境を考慮して、例えば、俗説ではありますけれども、東京の婚活は女性のほうが多いというようなことを聞きます。結婚推進係を東京に置いて、さっき言いました愛育むイベントの企画を東京でやるとか、桁外れの企画も必要ではないかと考えるわけであります。 いろいろ難しいことは承知しておりますけれども、それほどの状況だと私は認識しているんですが、どうでしょうか。
○議長 答弁を求めます。
市長。
○市長 大変結構なユニークな対策であると同時に、現実的な選択の方法かなとも思っております。
ただ、一般的に、東京の女性に対応できるスキルが地元の青年たちにはあるのかどうか。今でも、残念ながら男の子のほうがなかなか声をかけたり話をしたりすることが苦手だということで、先ほど申し上げましたように、男性のスキルアップ研修をしているというところでございますから、その辺が少し成長したら、ぜひそういう試みもしてみたいと、こう思っております。
以上です。
○議長 3番舩山利美議員。
○舩山利美議員 まずは男性教育かというふうなところだと思いますけれども、結婚する、しないは個人の生き方で、価値観を押しつけるべきではないというふうに思いますが、私自身は結婚してみて、子供を持ってみて、よかったなというふうに思っております。周囲にも、結婚したい、それから子供が欲しい、しかしチャンスがないという方がまだまだ大勢おられますので、結婚推進係には、行政として対処していますみたいなパフォーマンスにだけは終わらないように、妙案を練って活動をお願いしたいというところであります。
さらに、女性の5人に1人が生涯未婚という事態は社会的に余り好ましくないというふうに考えますので、有効な対策や事業をこれからもお願いしたいと思います。南陽市に結婚推進係ありと言われる活動を期待したいと思います。
次に、定住促進策についてであります。
各自治体ともそれぞれに対策を練っていると思いますが、これも国立社会保障人口問題研究所が公表した前回2005年の将来推計人口では、減少率が置賜8市町で、南陽市は米沢に次いで少ないほうから2番目でした。それでも激減する推計ではありますが、今回の公表データは高畠町に超されまして、米沢、高畠に次いで3番目になってしまいました。順位を問題視するわけではありませんが、住みやすさの指標にもつながるのかなというふうに考えるわけであります。
各自治体ともそれなりに頑張っているわけで、本市でも子育て支援都市宣言や、さらには教育日本一を標榜して備えているわけですから、逆転を許したと聞けば、なぜだろうとか、やっぱり唱えるだけではなく、それに見合った施策ももっと必要だろうなというふうに考えてしまいます。
高畠町は、今年7月1日から中学校卒業までの医療費無償化が開始されます。昨年までは本市と同じ子供の医療費制度でありました。本市も小学校3年生までの無償化を準備しておりますが、人口減少に歯どめをかける一つの戦略として、段階的に義務教育までの無償化というものもやっぱり進めるべきではないかというふうに考えるところでありますが、再度その辺についてお聞きしたいと思います。
○議長 答弁を求めます。
市長。
○市長 現在、各自治体競争するかのごとく、医療費無償あるいは子育ての、本来、国の子供として国が、願わくば、日本中の子供たちが同じく、ひとしく享受できるような体制をつくるべきだろうというふうに私は思っておりますが、いずれも自治体が競争し合っている、やむなくですが。全ての自治体が恐らくそうなるであろうというふうに私は思っております。県もそうした対応をしてくると。結果として、国が一番最後にするのかなというふうに私は思っております。そうなれば、日本全国どこに生まれても、同じ国の利益を受けることができると、こういうふうなことになろうかというふうに思っておりますが、今の段階では、そうはいっても各自治体の競争ということでございますので、南陽市では、この10月から3年生までというふうに思っております。
6年生あるいは中学3年までの義務教育全てをやるとすれば、財政的なものもございますので、これをどうしていくのか、さらには国保等に充てられるペナルティーをどう克服していくのか、南陽市としてもやらなければならない課題はたくさんありますが、緊急にその対応を検討して、来年度にはそれらの結論を出していきたい。今年度はとりあえず10月から小学校の3年生までは医療費無料ということで、その状況を数年見るというような表現ありましたが、できるだけ短期間のうちに結論を出したいと、こう思っておりますので、御理解いただきたいというふうに思います。
○議長 3番舩山利美議員。
○舩山利美議員 さらなる前進と申しますか、子育て支援の充実が図られることをお願いしたいというふうに思います。
それから、これは要望になりますが、先ほど御説明いただきましたけれども、このほかにも子育て支援策として、子育て応援定住交付金事業の引き続きの延長も決まっておりますが、今後の戦略の一つとして、子育て応援団地の整備、これもぜひ充実を図っていただくことをお願いしたいと思います。
次に、今本市で一番大きな話題といえば新文化会館建設だろうと思います。かつてない大型のプロジェクトとなれば、いろいろと相乗効果を期待してしまうところでありますが、建設のための短期的な経済効果だけでなくて、南山形圏域を網羅するような拠点を目指すとなれば、イベントもそれなりのものを期待しますし、赤湯温泉に宿泊し切れないとなれば周囲にビジネスホテルなどもと、そんな構想はちょっと飛躍し過ぎかもしれませんけれども、置賜の文化の中心ともなれば、将来1万人の人口減少は解消されるのではないかなというふうに、そんな相乗効果を期待してしまうわけなんですが、その辺はどうでしょうか。
○議長 答弁を求めます。
市長。
○市長 当然、これまでお話ししてきたように、交流人口の拡大、赤湯温泉を中心とする経済活性化、さらには地元の子供たちへの文化に対する喚起、こういったものについては大きな影響を及ぼすだろうというふうに思っております。ただ、定住となりますとどうなのか。
ただ、今回は、エネルギー関係もバイオマスだと、あるいは森林の整備等々で、それらに従事する方々も、以前から見れば、以前というのは、普通の重油ボイラーであるとか電気というものをエネルギーにした場合から見れば、相当数の雇用が生まれるだろうというふうに思っておりますし、文化会館そのものを運営するにも専門的な技術者であったりさまざまな指導者等々を含めれば、相当数の雇用の場につながるんではないかなと、こんなふうに思っております。
したがって、運営費全てがコストということよりは、これを雇用につなげていくというようなことも関連しておりますので、先ほど高橋一郎議員からも、どうも新文化会館は運営費がかかり増しするんじゃないかというようなこともありますが、そのことで生活ができるという人もできてくると、そのことがいわば定住の拡大につながっていくというようなこともあります。
さらには、ここでさまざまな芸術文化を学びたいというようなこと、あるいはそういう施設のある南陽市で生活をしてみたいというような文化人も出てくるのではなかろうかと、このような期待も持っております。
さらに、教育熱心な親御さんたちは、そういう施設のある南陽市でぜひ自分の子供を育てたいと、こういうふうな人も出てくるだろうというふうに私は期待をいたしておりますので、いろいろなことに期待感を持ちながら、夢を見ながら頑張っていくことが、マイナス思考よりは前向きでいいのではないかなと、こんなふうに思っているところでございます。
以上です。
○議長 3番舩山利美議員。
○舩山利美議員 文化と一緒に将来の夢も乗せて、文化会館建設でやっていただきたいと思います。
一説では、自治体はこれまで企業誘致などで人口増を生み見出してきましたけれども、人口減少に歯どめをかけることができなかったと、次の対策は、若者が定住できて、結婚、出産できる環境づくりが重要であると言われております。本市としても、最重要課題として、議会を含めて、官民挙げて対策を講じていかなければならないというふうに思います。
次に、生活保護についてでありますが、生活保護法の影響についてでありますけれども、生活保護の受給者は、憲法25条の規定によって「無差別平等に受けることができる」として保障されております。
一方で、年金のみのほぼ同程度の収入で生活しておられる方もおります。しかも、あるデータでは、30から39歳の医療費の比較で、一般の人が4.7万円に対して、生活保護受給者は12.7万円と2.7倍に上り、それを全額公費で賄われているということもありまして、不公平感があるというのも事実であります。
しかし、これはデリケートな課題でありまして、入浴とか食事の回数を減らすなどして、ぎりぎりの生活をしている方もいらっしゃいますので、一概によしあしを判断するのはできません。
一方で、自治体の窓口で申請を不当に受けられない水際作戦というのがあるそうですが、法改正を口実に使われる懸念があるのではないかと言われておりまして、門前払いのような事態は起こらないのか、その点について1点だけお聞きしたいと思います。
○議長 答弁を求めます。
佐藤福祉課長。
○福祉課長 今の点、お答えします。
これまでも国のほうでは、いわゆる自分で書けないとかそういった特別な事情のある方については口頭での申告を認めてきたというふうなことでありまして、今回においてはそれが省令の中にきちんと位置づけられるというようなことになると思いますので、そういった水際作戦とかというものはないというふうに考えております。
○議長 3番舩山利美議員。
○舩山利美議員 わかりました。
不正受給に関しては、マスコミの報道を見ますと主に大都市圏で発生しているようでありまして、この辺ではほとんど目が届く範囲かなというふうには思います。
申請手続に関しましても、つい最近、改正案の修正協議が行われまして、例外規定を設け、運用は従来と変わらないという報道がありました。生活困窮者の救済は社会の義務だと思います。
一方で、この制度は私たちの税金で賄われているということもしっかり認識して対応に当たっていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。50分でなくて、ちょっとオーバーしましたけれども、ありがとうございました。
○議長 3番舩山利美議員の一般質問は終わりました。大変御苦労さまでございました。
ここで暫時休憩といたします。
再開は1時といたします。
午後 0時02分 休 憩
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