平成27年6月定例会

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午後 2時10分  再  開
○議長  再開いたします。
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山 口 正 雄 議員 質 問
○議長  次に、4番山口正雄議員。
〔4番 山口正雄議員 登壇〕
○山口正雄議員  4番、政風会の山口正雄です。
  それでは早速、さきに通告しております豪雨災害に対する市民の不安払拭について質問をさせていただきます。
  一昨年の豪雨災害では、50年に一度の災害が起きたといわれました。しかし、昨年も一昨年の被害を大幅に上回る2年続けての豪雨災害をこうむりました。50年に一度が25年に一度になったのか、私はそうは思いません。
  世界的な異常気象の中、国の研究チームは、今世紀末に洪水被害額が3倍以上に達するとの見解を示しております。気象庁はバケツをひっくり返したように降る雨を「激しい雨」と定義しておりますが、山形県によれば、激しい雨が降った回数を10年ごとに比較すると、1984年から1993年までは4.9回、1994年から2003年までは10.7回、2004年から2013年までは15.5回と、県内でも局地的大雨をもたらす豪雨回数は明らかに増加しております。
  本市は、大雨の降りやすい地形なのでしょうか。山形地方気象台は大雨の降りやすい地形的な要因はないと言っております。
  ではなぜ起きたのか。昨年の豪雨は、台風8号の影響で南から湿った空気が入り、停滞していた梅雨戦線を刺激することで、大気の状態が非常に不安定になり、雷雨を降らせる積乱雲が急速に発達したことによるものでありました。つまりそのような条件が調えばいつでもどこでも大雨は起こり得るものだといわれております。
  山形大学地形学の八木教授は、吉野川の浸水被害の原因として、川幅は上流部が50メートルなのに下流部が40メートルと先細りになっていること、白竜湖周辺の水の出口である吉野川が、水位が上がり出口がふさがれた状態であったとし、再発防止手段として、堤防の改修、川の直線化などの抜本的な改善が必要だと指摘しております。
  さらに、下流部は川底に土砂が堆積して、流下能力が減少していたことや橋の構造上、上流から流れてきた大木が橋脚に引っかかり、橋の決壊や水の流れを変えてしまい、被害拡大をもたらす要因になりました。要は、川自体の構造的問題でもありました。
  このように、一昨年より大きく上回った上流域の増水は、市中心部の赤湯地区など下流域の被害に直結いたしました。上流部の治山対策は治水対策とあわせ、下流域の安全を確保するものであることを改めて痛感いたしました。
  現在、県では、吉野川、織機川等の河川災害復旧工事全箇所を発注し、今年の梅雨時期までに治水機能の復旧を目指しております。
  吉野文化史によれば、1629年代官となった安部右馬助は、赤湯、沖郷、宮内、金山地区の北条郷23カ村は上杉藩の米の主要産地であるため、吉野川流域は生命に関する重要な川として大いに力を注がれました。地形的に西高東低の宮内地区では、洪水を防止するため、川を西から東に移し、堤防をつくり、堰を各地につくったとあります。川を移すという大胆で抜本的な対策を講じております。そして、吉野川の水上、くぐり滝、八ツ森山までの303町歩の山林をかんがい用水の水源山とし、水御林と称しました。山の木を切るな、切ったら罰するという意味の制札が後に立てられました。この制札は今も南陽市指定文化財として吉野公民館に大切に保管されております。
  この当時は、生きるために木を切って活用しなければいけない時代であったわけでありますが、現在は燃料革命と伐採コストとの兼ね合いもあり、国産材の活用が大幅に減り、山林荒廃がもたらす影響が問題視される時代でもあります。
  しかし、豪雨災害の経験からしても、改めて治山治水は一体的なものでなければならないと思います。吉野川、織機川の川自体の復旧工事は急ピッチで進んでおりますが、川の流下能力を向上させるための河道拡幅、川底の掘削作業、築堤や道路かさ上げ、橋のかけかえなどは、織機川が28年まで、吉野川が29年までの計画となっております。また、織機川の砂防管理については、36年まで10年間を要する計画であります。このように、治水事業は不安な部分を残してあの7月を迎えようとしております。
  上流部の川沿いや支流、山の沢周辺、あるいは山林の中には昨年の水害や大雪の影響で多くの倒木や土砂崩れしているところも多く、豪雨になれば、またもや大災害に結びつく可能性があります。本市単独で実施できるものは限られており、大部分は県行政の管理下にあるものでありますが、国・県・市が一体となって安全で安心な南陽市を築いていかなければなりません。そして、いつでも起こり得るこの豪雨災害に対する市民の不安を払拭していくことが何より大切であり、行政に求められております。
  そのような観点から、次の3点についてお伺いいたします。
  1点目は、県は、吉野川、織機川流域の復旧工事は梅雨時期までに治水能力を復旧できるように進めるとしておりますが、工事完成の見通しについてお伺いをいたします。
  2点目は、吉野川、織機川上流部の川沿いや支流、沢周辺、山中に倒木が多く、また、土砂崩れ箇所も多い状況にありますが、災害を未然に防ぐためにどのような対策をお考えなのか、お伺いいたします。
  3点目は、今後の治山対策、川上対策をどのようにお考えなのかお伺いいたします。
  以上、御質問申し上げましたが、本市のみでは進められないものが多いと思いますが、県の意向も含めて、市民にわかりやすく、不安払拭できるような答弁を御期待申し上げ、壇上からの質問といたします。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
〔白岩孝夫市長 登壇〕
○市長  4番山口正雄議員の御質問にお答え申し上げます。
  初めに、豪雨災害に対する市民の不安払拭についての1点目、吉野川、織機川流域の復旧工事の見通しについてでございますが、両河川を管理する県に確認したところ、護岸復旧など原型復旧を行う河川災害復旧事業による工事箇所については、全て発注済みとのことであります。
  吉野川においては、全28カ所中、人家のある重要度の高い20カ所については既に完了、あるいは6月末までに完了する見込みであり、織機川については、全3カ所中1カ所は完了し、残り2カ所についても6月末までに完了する見込みであるとお聞きをしているところでございます。
  2点目の災害を未然に防ぐための対策についてでございますが、議員御指摘のとおり、吉野川、織機川上流部の川沿いや沢周辺、山中には倒木が多い状態となっております。これは豪雨災害や豪雪の影響が主な要因と考えられますが、間伐等の適正な管理がなされてこなかったことも原因の一つと考えております。
  本市の森林面積9,543ヘクタールのうち、個人所有林の面積は7,175ヘクタールとなっており、約4分の3が個人所有となっております。個人所有林の立ち木につきましては、倒木であっても所有者が存在するわけでございますので、基本的には倒木の処理につきましても、その所有者が行うべきものと考えております。
  しかしながら、金山地内の吉野川沿いに見られるように、山腹が崩れた中に倒木があり、今後の大雨等で河川に流れ出す危険があるような案件につきましては、個人での早急な処理は難しいと思われますので、県と合同で現地調査を行いながら、早期の対応について検討を行っているところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
  なお、倒木処理を行うため、本定例会において補正予算案を提出しておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
  3点目の今後の治山対策、川上対策についてでございますが、まず、治山対策につきましては、昨年の豪雨災害を受け、漆山地区で1カ所、宮内地区で1カ所、金山地区で1カ所の計3カ所で砂防ダム設置等の治山事業が実施、または実施予定となっており、さらに和田地区で2カ所、太郎地区で1カ所の予防治山事業が実施を予定されているところでございます。
  治山事業は県の業務となっておりますので、事業の早期完成に向け、お願いをしてまいりたいと考えております。
  また、川上対策につきましては、水源涵養や山地災害の防止など、山林の持つ多面的機能を十分に発揮できる森林となるよう、適正な森林整備が重要と考えております。そのため、森林所有者の皆様には、国の森林環境保全整備事業等の補助事業を御活用いただきながら、森林整備に取り組んでいただけるよう、周知をしてまいりたいと考えているところでございます。
  あわせて、川上対策の一環として、土石流発生の被害が発生した箇所について、保全区域内の安全を確保するために、堆積土砂の排出や砂防堰堤等の設置などを行う砂防事業などが、小滝、荻、下荻、漆山、金山地内で実施されているところでございます。
  砂防事業も県の事業となっておりますので、治山事業と同様、早期完成に向けお願いをしてまいりたいと考えているところでございます。
  以上でございます。
○議長  再質問に入ります。
  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  御答弁ありがとうございます。
  昨年吉村知事は、雨が降って被害が起きた段階で、常識では考えられないような雨が続いた。これからの対処はそういうことが起きると想定した上で対応していかなくてはならないというふうに言っておられます。これは水が出ても、雨が降っても災害は起きないようにするということを肝に銘じて、いろいろな対策を行っていくということだと思います。
  今年3月に発行されました南陽市行政経営指針で、市長は、今後も大規模災害が突如として発生する可能性がある。国・県、企業、地域等と連携しながら、強くしなやかな体制を築いていくと言われております。そして、再発防止にも努めていくと、そういうふうに強い決意をあらわされておりますが、そういう意味で、災害が起きないような防災に強いそういう南陽市であってほしいという前提で、これから質問をさせていただきます。
  織機川は28年まで、吉野川は29年までという工期で今進んでいるわけですが、最初の工事状況については、いずれにしても6月末までに完成するというような運びになっているということをお聞きしまして、まずは一安心かなと。そこで、堤防の上にも、大きな土のうが積まれておるわけでありますし、そういう意味では少し安心できるのかなというふうに思います。
  そこで、土砂の件について、まず質問させていただきます。
  全国防災協会の専門家2人が現地を視察した折に、土砂流出を防ぐ対策が必要だという指摘がされております。要するに、これは砂防関連だと思いますが、災害対策特別委員会でも特に要望している点でございます。
  織機川は砂防関連、10年間これからかけて整理をしていくということになっておるわけですが、いただいた概要を見ますと、確かに織機川は今まで砂防関連の施設が少なかったと言わざるを得ないと思います。ただ、吉野川については13カ所ほど既にあるんです。そういう中で、今回30万立方メートルの川底から掘削作業をしなくてはいけないと。かなりのものが堆積している状況になっています。新たに5か所の砂防堰堤を築くというふうにされておるわけでございますが、そこで質問します。
  今、太郎地区の負ケ沢橋、あそこから左に入った太郎の西山に入ったところに、かなり大きい砂防ダムがございます。それと、その太郎と下荻の茶畑の間に2カ所の砂防ダムがございます。これは吉野川にです。その3つの砂防ダムは既に満杯状態というふうに私は見てきました。吉野川にある2カ所については、ここで新たにつくられるというような計画になっているようですが、西山のほうの砂防ダムは既に満杯状態で、砂防ダムの機能をしていないのではないかというふうに私は素人なりに思ってきました。そのままであれば土砂が流れていくということになりますので、その辺についての対策についてお伺いしたいと思います。
○議長  答弁を求めます。
  漆山建設課長。
○建設課長  山口議員の御質問にお答え申し上げます。
  太郎西山線沿いの砂防ダム、西山ダムでございますけれども、砂防ダムの機能というのは土砂がある程度たまってきてから、水通しのところから水が出てきてからスタートするということでございました。現在の状態では、まだまだこれから土がたまると。安定勾配まで、今ある程度傾斜が緩やかですが、それよりもさらに斜めに山側のほうに土砂はたまると。たまり切れなくなって土砂が流出してきたら満砂であるという判断をするということでございます。その時点で掘削をするか、また別のダムをつくるかというようなことを考えていくということでございました。
  以上でございます。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  そういうことは素人でわかりませんので、ただ、恐らく大雨が降って強い流れの中で土砂も流れてくるわけですから、こういうふうな傾斜でたまっていくというのは、あり得るのかなというふうに思うんですが、そうなんですか。もう一回その辺は御説明を。
○議長  詳しい答弁をお願いいたします。
  漆山建設課長。
○建設課長  山口議員の御質問にお答えいたします。
  県のほうに何回か確認いたしましたが、私も不安に思ったものですから、何回か問い合わせをしてみました。県の担当者の方は、まだ大丈夫であるという判断でございます。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  余り理解できませんけれども、わかりました。
  私は今回、吉野川にさらに5カ所築くというふうなことで計画されておりますが、これでも万全な状態ということは、言えないのではないかなというふうに思います。要するに、土砂崩れがどこでするかもわからないし、支流から流れてくるところにも砂防の関連はないところもございます。そういう意味では、これからも恐らく土砂は流れ続けるのではないかなと。今までよりは少ない量だと思いますが、それはそういうふうなことがあるのではないかと思います。
  そこで、1つ提案なんですが、吉野川と織機川に避難判断の参考とするために、量水標が橋の橋脚に設置されております。それは非常に私はいいことだと思います。県では、吉野川の流下能力を毎秒270トンから510トンを確保するために、30万立方メートルという巨大な土砂を掘削してやろうとしております。しかし、またどこが崩れてくるかわからないという状況の中で、長い年月をかけて結局はまた堆積してくるという状況が想定されます。
  そこで、土砂がどのくらい堆積したら掘削するんだということが今何もないと思います。そこで、川幅を広げる、川底を掘った、道路をかさ上げすると、そういうことはあるんですが、これからたまり続けるとすれば、もういずれかまた堆積するということになりますので、それがどの程度になったら掘削するというその辺のルールを決めておくべきではないかと私は思うんです。その辺についていかがでございますか。
○議長  答弁を求めます。
  漆山建設課長。
○建設課長  山口議員の御質問にお答えいたします。
  私がお聞きしたところのよりますと、量水標につきましては、黄色の部分と赤い部分に分けられているようでございます。2カ月に1回パトロールを実施するということでございます。それで、黄色の部分に水位が達したらば河床掘削する時期かなということでお聞きをしております。特別警戒水位ですかね。
(「土砂のことだよ」の声あり)
○議長  再質問に入ります。
  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  それは土砂がそこまでたまったらということですか。その面もあるんですか。今水位とおっしゃいませんか。
  水位というのは、結局雨が降った場合と、降らない場合は全然違いますよね。その辺もうちょっと。
○議長  答弁を求めます。
  漆山建設課長。
○建設課長  山口議員の御質問にお答えいたします。
  今現在、河床をある程度掘削しておりますが、通常の水位で河床がだんだん上がってくると。そうすると、水位が量水標の上まで上がる、つまり水のかさがずっと河床が上がってくることによって量水標の黄色のところまで達した場合という判断だそうでございます。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  言わんとすることはわかるんですが、要するに、水の流れが多いときと少ないときとあるわけですよね。水の流れで判断するんですか、ちょっとそれはおかしいのではないですか。
○議長  答弁を求めます。
  西牧総合防災課長。
○総合防災課長  質問にお答えいたします。
  水位の関係でございますけれども、水位の判断については、ある一定基準、全国的な一定の地点を設けて、そこから水位何メートルということで、水深と違って、川底からの深さではなくて水位ということで、黄色の場合は避難判断、赤の場合は危険という区域でしていますので、川底との関係については、水位と影響していないということで考えているところでございます。
  今、議員のおっしゃっていることにつきましては、危険水位との関係ではなくて川底を下げるということでの御意見だと理解しております。
○議長  暫時休憩といたします。
午後 2時35分  休  憩
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午後 2時37分  再  開
○議長  再開いたします。
  答弁を求めます。
  漆山建設課長。
○建設課長  山口議員の御質問にお答えいたします。
  水位については黄色のライン、赤のラインとあるようでございますけれども、土砂の掘削のラインというのはないようでございます。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  ですから、要するに土砂がたまってくるということは、流下能力がそれだけ減ってくるということになるわけですので、ある程度どこまでというライン、土砂のラインを決めておくべきではないかと私は思います。そういう意味で、その辺も含めて県のほうに要望というか、要請をしていただいて、同じような流下能力を保っていただけるような方法がベターだと思いますので、その辺、市長もよろしくお願いします。
  それから、先ほど山の沢であるとか、支流であるとか、そういうところの土砂、あるいは倒木という両方あるわけですが、その辺について、所有者の関係もございます。所有者がやるべき問題だと。これは法的にも確かにそうなんですが、所有者に働きかけというのは行政としてどういうふうにされるんですか。
○議長  答弁を求めます。
  嵐田農林課長。
○農林課長  ただいまの御質問にお答えをいたします。
  沢、支流等の倒木についての処分関係につきましては、先ほど市長が申し上げたとおりでございますが、どの倒れている木が誰の所有者であるかということをこちらのほうで調べまして、その上でその所有者の方に撤去をお願いしているという状況にはございません。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  ということは、所有者には何も言わないと、こういうことでよろしいですか。
○議長  答弁を求めます。
  嵐田農林課長。
○農林課長  昨年、一昨年の災害で倒木した木、たくさんあるというふうに思っておりますが、その1本1本を確認して、今のところその所有者の皆さんにこちらからお願いをしている状況では今のところないということでございます。
  よろしくお願いします。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  わかりました。
  それでは、今回雪害の関係、あるいは川沿いの倒木の処理で400万円の補正がございました。それで、その関係でちょっとお伺いしますが、主にこの前の説明では、枝折れについては金山地区というふうなお話がございました。その件で、200万円では恐らく半分くらいしかできないだろうというようなお話もございました。そのほかは、今回の重要要望事業でも県のほうに要望されているというふうにありましたが、県のほうが動かなければあとは終わりと、こういう市のお考えですか。
  要するに、県のほうに要望はしますが、予算がなかなかつかないということがあったとした場合に、市はどのような対応されますか。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  県のほうで動いてくれなければ終わりということではあってはならないと。できることは全てやるんだというような姿勢でこの7月に臨まなければいけないと、全庁体制をとっているところでございます。
  そういった意味で、南陽市単独で倒木の処理にかかる予算、そして、枝折れにかかる予算を計上して、できる範囲内でできることはやっていくというような意思のもとに提案をさせていただいておるところでございます。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  わかりました。
  それで、1本当たり1,200円の補助ということになっていますが、実際1本伐採するに、それを伐採をして搬出するという前提なのかどうかが1つ、それから、伐採コストというのは1本当たりどのくらいのものになるのか。要するに個人負担があるのかというその辺についてはいかがですか。
○議長  答弁を求めます。
  嵐田農林課長。
○農林課長  ただいまの御質問にお答えを申し上げます。
  木を切る際に、一定程度のまとまりがあるかというふうに思います。そのまとまりの中に何本の木があるかということで、単価、それぞれ変わってまいります。その部分については、大体1,000円から1,500円くらいの間で切れるのではないかというふうにお伺いをしておりまして、今回その中間をとらせていただいて、大体1,200円という単価を決めさせていただきました。できれば、その1,200円の単価の範囲内でできるようなまとまりで実施をしていきたいというふうに考えてございます。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  それは、結局は個人負担はゼロぐらいに考えていると、そういうことでよろしいんですね。わかりました。
  それから、治山対策と川上対策でちょっとお伺いいたしますが、現在荒廃している山林については、日が当たらない、それから、葉っぱの色がまるで生き生きしていない、それから、草も生えない、あるいは広葉樹も生えない。要するに、木の根っこが深く根が張れないという状況の中で、根っこから倒れるというそんな状況にあると思います。ある意味では森の病気にかかっているんだと、そんなふうな状況だと思います。
  二酸化炭素も多く吸収できない、酸素も多く吐き出せないと、そんな病気になっておりますので、早く健康状態に戻さなくてはいけない。そんな中で、県と35の市町村、豊かな森林資源を森の恵み、森のエネルギーとして生かすことによって林業振興を図り、地域の活性化に取り組んでいくということで、昨年11月、山形モリノミクスを宣言されました。県内の各総合支庁では、それぞれのテーマで今活動されているわけですが、特に置賜総合支庁では、境界明確化による森林経営の活性化ということで取り組んでおられると。今、置賜地方の森林の境界が明確なのは1%しかないというふうにいわれています。だから、ほとんど境界が不明確という状態だそうです。
  平成19年から緑環境税が導入されまして、その税金を活用してハード、あるいはソフト面でいろいろな事業が行われておりますが、森の定理であるハード面、これは30ヘクタールを1つの単位で経営計画書をつくりまして、伐採は全体ではなくてもいいわけですが、30ヘクタールの経営計画書を出さなくてはいけない、こうなっています。でも、今1人の所有者が30ヘクタールはないと。したがって、何人かの所有者に当たって、共同で理解してもらって行わないと、この計画書はつくられないという状態だそうです。
  そこで、これをお話ししても、関心がない、後継者がいない、境界がわからない、そんなことで自分の負担をしたくない、そういうこともあって、非常に進まないという状況があるようでございます。
  そこで、森林組合さんであるとか、行政がそういう所有者にどう話をして理解をしていただくかということが必要なんだろうと思います。予算が緑環境税という問題があります。それにプラスして何をつけるかもありますが、予算があること、それから、所有者の方々の意識をそういう意味で変えていく必要があるのではないかというふうに思います。
  そして、それを変えるための行政と森林組合さんが一体となった形で、所有者にお話をしていくということが私は必要なのではないかというふうに思いますが、その辺についていかがでしょうか。
○議長  答弁を求めます。
  嵐田農林課長。
○農林課長  ただいまの御質問にお答えを申し上げます。
  隣地の境界確認、南陽市の中でも非常に問題としているところでございます。林業後継者と申しますか、平成22年の国勢調査を見ますと、15歳以上の就業人口の中で、林業に就業しているという方が23名でございました。これは前後をしますが、大きく増えるということはないというふうに思います。
  さまざまな事業制度の説明会という部分も含めまして、毎年春に林業座談会ということを開いてございます。今回は宮内地区と吉野地区で開催をさせていただきまして、それぞれ8名の方に出席をいただいておりますので、16名の方には参加をいただいてお話を聞いていただいたという状況にございますが、今後そういう機会を増やしまして、ぜひ多くの方に計画等の作成についてお願いをしてまいりたいと考えております。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  ぜひそういうことでやっていただきたいなと。そして、緑環境税を活用して、伐採をして森を元気にするというそういうものが必要なんだろうと思います。
  それで、先ほどもございましたが、約4分の3が民有林ということだそうでありますが、今まで緑環境税を利用して、伐採、あるいはそういったことが進んでいるというものかあるわけですが、そうでない、まだ進んでいないというあたりは、大体パーセンテージにしてどのくらいあるのかわかりますか。
○議長  答弁を求めます。
  嵐田農林課長。
○農林課長  ただいまの質問にお答えをいたします。
  先ほどの森林計画という部分がございますが、今現在有効な森林計画と申しますのが、3カ所で64.52ヘクタール分が計画として出されておりまして、その計画に基づいて、それぞれ作業をしていただいているという状況でございます。
  面積的に少ない状況でございますが、計画自体は5年間の計画となっておりまして、前回計画平成22年から5カ年間で取り組まれておりました面積が4,404ヘクタールの計画がございました。これが今年5月9日で切れたということもございまして、面積的に少なくなっておりますが、計画自体もこれから増えてくるのだろうというふうに思います。
  ただ、計画面積の中の全てをそれぞれ間伐をするわけではございません。大きな計画をエリアを区切って、その中で間伐をするところとか、そのままするところということがありますので、その中で何%が作業範囲であるかという部分については、ちょっとわかりません。
  申しわけありません。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  4,400ヘクタールくらいあるということで、かなりそういう意味では経営計画の中に組み込まれているのかなというふうに思いますが、専門家に聞くと、間伐は5年くらいの周期でやるという場合には、大体5%から10%の間伐をするそうです。10年ごとに大体やるとなれば、30%程度の間伐をするというようなお話でございますので、その辺についても実際やる場合に、いろいろな工夫が必要なんだろうなというふうに思います。
  それから、もう一つ、19年3月の定例会で、佐藤明議員が一般質問で市の林業振興策と森林づくり計画ということで質問されておりまして、そのとき、前市長の答弁で、読み上げますが、平成19年度から10年間を計画期間とした森林整備計画表を作成していると。この計画に基づき、各種林業施策を展開していく。特に平成19年度から採算性の問題から取り組みがおくれている市内人工林の間伐促進を図るため、市独自の森林サポート事業補助金制度を創設して、林業者への支援を行ってまいりますというふうな答弁をされております。それで、この年の4月からサポート事業の補助金がつくられました。26年までこのサポート事業が続いてきたわけでありますが、今年度の予算は全くなくなっていると。この10年間を計画期間とした森林整備計画表、これは現在生きていますか。
○議長  答弁を求めます。
  嵐田農林課長。
○農林課長  ただいまの質問にお答えを申し上げます。
  今有効な南陽市森林整備計画につきましては、計画期間が平成24年4月から平成34年3月までの計画がございます。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  そういう意味で、この計画はずっと継続して生きているということでございますので、なぜサポート事業補助金がやめてしまったのか。森林組合さんのほうから聞くと、この制度は非常にいいと。今米沢市でも高畠町でも広がっているんです、こういう制度が。その当時はなかったんだけれども、逆に今各自治体にそういうものが出てきたと。そういう中で、なぜ南陽市がなくなったのか。治山対策という意味では、この補助金というのは非常に有効な手段だったと思います。ですから、今これにかわる補助金といいますか、そういった事業費はございますか。
○議長  答弁を求めます。
  嵐田農林課長。
○農林課長  今の質問にお答え申し上げます。
  今現在、森林サポート事業にかわる市の補助事業はございません。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  やはり緑環境税だけで頼るということではなくて、市のサポート事業補助金というのは非常によかった制度でありますので、ぜひこの辺もお考えいただきたいと思いますが、市長に御答弁をお願いします。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  御質問にお答え申し上げます。
  森林サポート事業については非常に好評であったと、ただ、その直接の予算というのがなくなったということでありましたが、ほかの事業の中で同じものをやっていけるのではないかというようなことでの予算編成の中でそういった話だったように記憶しております。そういった意味では、少ない予算の中ではありますが、その予算をさまざまに有効活用して、有効な事業は行っていきたいというふうに思っております。
○議長  暫時休憩いたします。
午後 2時56分  休  憩
───────────────────
午後 2時57分  再  開
○議長  再開いたします。
  答弁を求めます。
  市長。
○市長  今回はその事業というのはないわけでありますが、今年度は雪害木の対応というものに特化して予算を編成したところでありますが、このサポート事業についても、今後林業組合、森林組合の皆さんと相談しながら、検討してまいりたいというふうに思っております。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  ぜひ復活されるようによろしくお願いいたします。
  間伐も今までは切り捨て間伐であったというふうに聞いております。ある程度の長さに切って寝かせて腐らせるというような方法だったそうなんですが、現在は搬出間伐のほうに変わっているというようなお話でございました。要するに道路を切らなくてはいけないと、搬出するために。そんなこともあって、結局金がかかるんです、道路を切る金。そういう意味でも非常にサポート事業補助金はいろいろな使い道があったということですので、ぜひよろしくお願いいたします。
  そんなことで、間伐材の利用ということで、白鷹町でしらたか木の駅プロジェクト、あるいは最上総合支庁のほうでもがみ薪ステーション、西川町で軽トラ林業支援事業、酒田市で酒田の森林(もり)利用循環支援事業などと、要するにトラックで運んできて、例えばNPOであってもいいんですが、そういうところが買い上げて、それを売ると。チップ会社に売る、あるいは、集成材の会社に売る、発電会社に売る、そういうふうなことをやっておられます。我が南陽市ではまだやってないわけでございますが、こういうものがあるとすれば、山の中にあるものがきれいになっていい環境に育ってくるというふうに思いますが、こういう事業について、南陽市としての市長の見解はいかがか、お伺いをいたします。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  治山対策を考える意味でも、こういった事業費というのは経済的な循環を生み出し、継続的に山の整備が図られていくという意味でも大変有意義な事業ではないかというふうに思っておりまして、当市でも研究してまいりたいというふうに思います。
○議長  4番山口正雄議員。
○山口正雄議員  これは白鷹の例なんですが、ただ、私はある意味では問題があるのかなと。やり方です。だから、今白鷹の場合は、高く買って安く売るという状態なんです。それで、町が補助金を出している。でも、昨年30数万円赤字です。だから、こういう高く買って安く売るということでは続かないと思います。ですから、最初の運転資金くらいは補助金という制度はいいと思うんですが、やりとりの中で経営が成り立っていくと、こういう仕組みをつくっていかないと非常に難しいのかなという部分はあると思います。だから、その辺、ぜひ緻密に組まれて、仕組みをつくられて、それからやっていくというこの辺もちょっと慎重にやっていただければありがたいというふうに思います。
  それから、1つこれは要望にしておきますが、市でも重要要望事業の中にストックヤードの問題があります。今30万立米の土砂を置いておくところができるわけです。そこのところというのは、ある意味では何か使えるかどうかわかりません。そういうところをストックヤードにするということが可能なのではないかと。逆に置せることで貸し料みたいなものが上がってくるという部分も考えられるのではないかというふうに思いますので、それは県との問題でありますので、ぜひその辺も考えていただければいいなと。これは要望でございますが、時間も回ってきましたので、要望をお願いします。
  そういう意味でさまざま質問させていただきましたが、治山治水を一体として考えて、鳥の目で見れば、地球環境の問題だと思うんです。虫の目で見れば市民の安全・安心をつくっていくと、こういうことだと思いますので、国・県・市、あるいは地域、関連団体と連携して、歩みをとめずにぜひ前進していただくようにお願いを申し上げて、質問を終わります。
○議長  4番山口正雄議員の一般質問は終了いたしました。
  御苦労さまでございました。
  ただいま一般質問の最中でありますが、本日はこれまでとし、日程に従い、明日に引き続き行いたいと思います。

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散      会
○議長  本日はこれにて散会いたします。
  御一同様、御起立願います。
  どうも御苦労さまでした。
午後 3時02分  散  会