平成31年度施政方針

施政方針とは、市長の市政運営の基本方針として、翌年度の主要事業や予算について方向性を示すものです。 
平成31年3月4日の南陽市議会平成31年3月定例会において、白岩市長が平成31年度施政方針を述べました。(関連ファイルからPDF版をダウンロードできます。)

平成31年度施政方針

1 はじめに

 平成31年度予算案をはじめとする重要な議案をご審議いただく南陽市議会3月定例会の開会にあたり、市政運営に臨む所信の一端と施策の大要を申し上げます。
 はじめに、昨年の市長選挙において再び信任を賜り、2期目の市政を担わせていただくことになりました。改めまして責任の重さを自覚し、議員各位並びに市民の皆様ととともに、市民の声にしっかりと耳を傾ける公正で持続可能な市政の実現を図ってまいりますので、ご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 平成30年度は、豪雨災害からの復旧・復興により、懸案であった「花臺橋」、「湯河原橋」の開通、赤湯及び沖郷地区学童保育施設の整備、放課後子供教室の拡充、公立置賜南陽病院の改築着工など、ハード・ソフトの両面から市民生活の暮らしやすさ、子育て環境の充実につながる施策を展開することができました。8月の「大相撲南陽場所」では、市内外からの大勢のお客様により満員御礼となり、市制施行50年の本市が次の100周年に向けた新たなスタートを飾るにふさわしい事業となりました。さらには、県内初の開催となったワインツーリズムに347名の方々が参加し、その内約7割の方が県外からの参加となる等、新たな産業振興の可能性を見出すことができました。南陽・東置賜チームの「第63回山形県縦断駅伝競走大会」における総合優勝7連覇、「ヤマザワカップ第35回山形県女子駅伝競走大会」においての悲願の初優勝など、大変喜ばしいニュースもあり、総じて実り多き一年でございました。

 さて、近年、わが国においては、世界で最も早いスピードで少子高齢化が進み、本市を含め多くの地方自治体が人口減少に直面しております。国は、「全世代型社会保障への転換」、「成長戦略」、「地方創生」を政策の柱に、これまでの政策の延長線上ではなく、次元の異なる政策を展開し、人口減少を克服、日本の明日を切り開こうとしています。
 本市では、人口減少対策や地方創生のため、「南陽市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を推進しております。本市においても人口減少が最大の課題であり、結婚、出産、子育ての希望を叶え、人口置換水準である「合計特殊出生率2.07」を実現していくことが地域の持続可能な発展につながるものでございます。今年、総合戦略は改定の時期を迎えます。引き続き地域の現状と課題を分析し、まち・ひと・しごとの創生と好循環を確立するため、長期的な戦略を進めてまいります。併せて、米沢市を中心市とした定住自立圏の枠組みや、株式会社山形銀行、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社との地方創生に関する連携協定を最大限に生かしながら取り組みを加速させてまいります。
 国では、10月から3歳から5歳までの全ての子どもたちの幼児教育・保育の無償化を進めます。これは、子どもを産みたい、育てたいと願う子育て世代の希望を叶えることにより、出生率を押し上げることを目指したものでございます。本市では、幼児教育・保育無償化とともに3人っ子政策をはじめとした子育て支援施策を展開し、安心して産み育てられる環境づくりに努めてまいります。
 また、1億総活躍社会の実現として、女性も男性もお年寄りも若者も、障がいや難病のある方も全ての人に活躍の機会をつくり、少子高齢化を克服するとしています。私は、高齢者や女性、そして全ての方々がその意欲と能力を最大限発揮できる環境を整えるよう努めることによって、活力ある地域社会を創造できるものと確信しております。昨年9月に山形市長及び鶴岡市長と連携し、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」に賛同する行動宣言を共に行い、市役所内に「女性活躍推進室」を設置しました。組織を横断したプロジェクトチームを発足させ、女性活躍推進計画の骨子を策定し、まずは市役所から女性が活躍しやすい環境づくりを進めてまいります。
 3月には、東北中央自動車道の南陽高畠-山形上山インターチェンジ間が開通いたします。山形県の縦軸を成す高速交通がつながることにより、山形、宮城、福島のネットワークが形成され、人や物の流れが一段と加速するものと考えられております。これから先、地域に求められるものは、人や物の流れを受け止め、地域の活性化につなげる仕組みづくりでございます。2月16日には、仙台経済圏との交流促進を目的として仙台南陽会を設立いたしました。引き続き、産業振興や広域観光の推進など、多角的な視点から高速交通のメリットを最大限に生かしたまちづくりを進めてまいります。

 本年4月30日に天皇陛下がご退位され、皇太子殿下が翌5月1日にご即位されます。
 「内平らかに外成る、地平らかに天成る」
 平成という元号には、国の内外、天地とも平和が達成されるとの願いが込められていました。平成の時代の先の、新たな時代の幕が開けます。市民の皆様が安心して暮らせる平和な社会を実現するため、31年度におきましても、「身の丈に合った対話のある市政」を基本として、強いリーダーシップを発揮し、市民が主役となり、何事にもチャレンジする気概に満ちた南陽市を牽引してまいります。

2 市政運営の基本方針

 平成31年度施策の骨格を申し上げます。
 市政の柱に、引き続き「子どもを産み育てやすいまち」・「年をとっても安心して暮らせるまち」・「人が集まり賑わうまち」を掲げ、行財政改革を一段と進め、最少の経費で最大の効果を発揮する施策展開により、次世代につながる公正で持続可能な政治を実現してまいります。
 1つ目の柱でありますが、「子どもを産み育てやすいまち」としまして、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに、より一層力を注いでまいります。3人っ子政策及び放課後子ども総合プラン推進事業を継続拡充いたします。沖郷地区における0歳児から一貫した保育を行える新たな保育施設と、子育て支援センターの建設を支援し、子育て環境の更なる向上を推進してまいります。安全、安心な教育環境の実現に向けて、市内小中学校へのエアコン設置事業にいち早く取り組み、昨年より国庫補助事業として採択を受けながら全教室等への設置を進めています。今年の夏に間に合うよう引き続きスピード感を持って整備してまいります。

 2つ目の柱でありますが、「年をとっても安心して暮らせるまち」としまして、全ての世代の方が住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けることができるよう、公立置賜総合病院や6月に開院予定の南陽病院を核として、住まい、医療、介護、予防、生活支援等の地域資源を連携させた地域包括ケアシステムの構築を実現してまいります。

 3つ目の柱でありますが、「人が集まり賑わうまちづくり」としまして、バルバドス国への市民訪問団の渡航やオリンピアン招聘による講演会等を実施し、ホストタウン推進を通じて、スポーツのみならず、人材育成等多様な分野でレガシーを創ってまいります。高速交通網の開通効果を地域の活性化に最大限生かせるよう、スマートインターチェンジ設置や新規産業団地整備などの調査研究に引き続き取り組むとともに、都市計画マスタープランの見直しによる機能的な土地利用の推進、ビジネスホテルの誘致、中小企業振興条例の制定等による地場産業の活性化を進めてまいります。さらに、近隣自治体、企業、団体との連携を強化し、人や物、活動をつなげることにより新たな価値を創造し、交流人口の拡大を図ってまいります。

 南陽市まち・ひと・しごと創生総合戦略について、基本目標・重要業績評価指標KPIにより進捗状況を検証・総括するとともに、次期5か年の総合戦略を策定してまいります。併せて、平成32年度に目標年次に到達する第5次南陽市総合計画についても効果検証を行い、次期計画策定の検討作業を進めてまいります。

 以上、まちづくりの方針を申し上げてまいりましたが、その実現には、持続可能な財政基盤の確立が不可欠であります。
 今後の南陽市の数十年、百年先の姿に責任を持つことを常に念頭におき、市民ニーズの的確な把握に努め、新たな行政課題や行政需要に対応するため、引き続き効率的・効果的な行財政運営に、厳しい姿勢で取り組んでまいります。また、行政組織につきましても、行政需要に合わせて能動的に組織の見直しを行い、政策課題に的確に対応できる組織体制の整備と人員配置に努めてまいります。

3 平成31年度予算の編成方針と概況

 平成31年度予算の概況について申し上げます。
 国の地方財政対策では、地方が人づくり革命の実現や地方創生の推進、防災・減災対策等に取り組みつつ、安定的に財政運営を行うことができるよう、地方交付税等の一般財源総額について、前年度を0.6兆円上回る62兆7千億円が確保されました。その内訳を見ますと、地方税が増収となる中で地方交付税総額について前年度を0.2兆円上回る16.2兆円を確保するとともに、臨時財政対策債を大幅に抑制するなど質の改善も図られています。本市におきましても、国の施策に歩調を合わせつつ、引き続き財政の効率化・適正化を図りながら、行財政運営に努めなければなりません。
 31年度予算編成におきましては、市民が誇りを持って、安心して暮らせるまちを目指して、地域の持続的な成長・発展を実現すること、市民生活を守ることに考慮し、現在の南陽市の財政状況を勘案し、予算措置を行ったところでございます。
 一般会計では、市民生活に必要な予算を確保しつつ、スピード感を持って諸課題に対応することを重視し、前年比3.3%増の146億7千万円を計上いたしました。特別会計では、前年比3.3%増の78億3581万9千円を計上したところであります。

4 平成31年度の主要施策

 31年度主要施策を総合計画の大綱に沿ってご説明申し上げます。
 最初に【教育】のまちづくりについて申し上げます。
 「国際的な視野を持つたくましい人づくり」につきましては、多文化共生の視点に立った国際理解教育の推進として、外国語指導助手3名の体制により、各学校や幼児教育施設等での「生きた外国語」に触れる機会を充実させるとともに、様々な体験を通じて子どもたちの興味関心を高めながら、実践的なコミュニケーション能力の向上を図ってまいります。
 ホストタウン推進事業として、各学校に国際交流員を派遣し、ホストタウンパートナー国であるバルバドス国の文化、風習等、異文化に触れる機会を創出します。
 心豊かな児童生徒の育成として、各学校に「特色ある学校経営補助金」を交付することにより、それぞれの地域の特性を生かした活動や、社会参画活動、ボランティア活動等の諸教育活動の展開を通して教育の質の向上を図り、第五次南陽市教育振興計画における「地域総合型教育」を推進いたします。
 引き続き南陽市教育相談室を週5日間開設し、保護者も含めた不登校等児童生徒への支援を行ってまいります。さらに、就学前特別支援教育充実事業では、臨床心理士等による巡回相談及び教育相談を行い、幼児教育と義務教育が円滑に接続するよう支援の充実を図ります。
 創造性に富んだ人材育成については、第一に、本市が掲げる「幼保小中一貫教育」の確実な実施に向けて、他市町村での事例も研究しながら、これを推進してまいります。
 次に、国際社会の中で活躍できる人材を育成するために、ジュニアサイエンティストプログラムを実施し、理数教育と国際理解教育の充実を図ってまいります。
 南陽市中学生地域間交流セミナーでは、沖縄県糸満市に中学生を派遣し、現地の中学生との交流や、異文化の体験を通して、自ら考え主体的に学ぶ力を身につけさせ、将来の南陽市を支え、牽引していく人材の育成に努めます。加えて、海洋(キャリア)教育推進事業を、生徒が教科横断的に総合的な学びができる機会として実施するほか、心身の健全育成を目的として、現役や元スポーツ選手を『夢先生』として講師に迎え、市内全小学校の5年生を対象に、JFAこころのプロジェクト『夢の教室』を引き続き実施いたします。
 一方で、個別の支援が必要な児童生徒への対応や小規模校の教育を充実させるため、学習支援員の小中学校全校配置を継続し、児童生徒の生活及び学習面を支援してまいります。
 英語教育アドバイザーを引き続き教育委員会に配置し、外国語指導助手と連携した、小中学校での英語教育の充実のための取り組みを進めるとともに、JETプログラムコーディネーターに位置付け、JETプログラム関連事業の円滑な推進を図ります。
 小・中学校の安全で機能的な教育環境を実現するため、老朽施設の改修、体育施設の整備を進めます。新学習指導要領への対応に向けて、情報教室パソコン等の更新によりICT環境を整備します。
 「生涯にわたり人を思いやる徳育の向上」については、中学校連合運動会を「地域総合型教育」の実践の場の一つとして位置付け、生徒の市民意識の醸成や、地域社会に貢献できる主体への成長を促すため、引き続き運営に要する経費の補助を行ってまいります。
 小中学生議会では、児童生徒の市民意識や社会参画意識の高揚による「人づくり」を進めてまいります。
 「スポーツ交流の推進」につきましては、都市公園長寿命化計画に基づき市民体育館等の改修整備を進めます。また、これまでの指定管理によるノウハウを活用し、利用者満足度の高い施設運営を行います。
 南陽さわやかワインマラソン大会は、本市最大のスポーツイベントであり、第20回を記念して幅広い世代の交流が生まれる大会を目指します。
 「ふるさと教育の推進」でありますが、文化の継承・発展を目的に、民話まつりなどの文化イベントを継続開催してまいります。
 食育計画に基づき学校給食における地産地消の推進や農業祭の開催、食文化の理解・継承を行い食農教育の充実を図ります。
 山形県若者定着奨学金返還支援事業の活用と市奨学金制度の拡充を行い、地域の担い手となる若者の回帰、定着を促進します。
 「地域を活性化する実践的なまちづくり」につきましては、「市民が主役の地方創生事業」により、市民団体等の発案によるまちづくりを支援します。
 若者が夢と希望を持って地域活動ができるよう「青年教育推進事業」を継続するとともに、若者の公民館事業への積極的な参画を図るなど、これから南陽市を支えていく若い世代、将来の地域のリーダーを育成してまいります。
 南陽市役所ラーメン課R&Rプロジェクトは、昨年実施した「ラーメンカードラリー」が各方面のメディアに取り上げられ、参加された方々からの反響も非常に大きいものがございました。引き続き、南陽市のラーメンを主役にした地域活性化を進めてまいります。
 4月に赤湯小学校敷地内に第二学童保育施設を開設します。放課後子供教室と学童保育の一体型の取り組みである放課後子ども総合プラン推進事業を一層推進し、地域社会全体で子育てを支えます。
 放課後における安全な居場所づくりと多様な体験を通して、次世代の育成を図るため、7つの小学校における放課後子供教室の運営を継続します。さらに、平日毎日型の放課後子供教室の拡大を検討してまいります。
 特色ある地域づくり交付金事業を継続し、地域の活性化と住民意識の向上、コミュニティの再生を図ります。
 シェルターなんようホール(南陽市文化会館)を、人が集まり賑わいのある南陽、芸術文化の拠点として活用し、地域文化の発信と文化交流を推進します。
 ブラスト!全国ツアー公演が、リハーサル合宿のため2年ぶりに本市を訪れ、7月10日には全国ツアーの初日公演がシェルターなんようホールで開催されます。滞在期間中は、一昨年と同様に市内中学生及び高校生の吹奏楽部へのアウトリーチなど、ブラスト!のメンバーと市民の方々との多様な交流を促進し、地域の芸術文化の醸成を図ってまいります。

 続いて【産業】のまちづくりについて申し上げます。
 「地域資源を活かした新たな産業のブランド化」については、菊のまち南陽として、菊文化の継承、菊づくりの後継者の育成を図ります。
 菊まつりについては、一昨年より熊野大社を中心とした宮内会場と中央花公園会場の2会場開催としております。昨年は、フラワーアートと熊野大社境内の雰囲気が重なった宮内会場の幻想的な風景が口コミで話題となり、老若男女を問わず、幅広い層の方々が訪れていました。それぞれの会場のコンセプトを大切にしながら魅力を高め、より集客力のある祭りとして開催できるよう引き続き努めてまいります。
 農業分野では、農業者の高齢化や耕作放棄地の急増等の課題解消に向けて、完成した十分一山ワインぶどう実証実験圃場において、ワインぶどう品種の適性や品質の検証を行い、付加価値の高いぶどうによる農地再生モデルを県と共同し構築します。南陽市ワインぶどう研究会の発足を機に、ワイナリー及び希望する若手耕作者による担い手のいない園地の引き継ぎ、ワイン専用種による耕作放棄地改善といったぶどう産業活性化を一層推進します。
 「意欲ある後継者の育成と雇用の確保」については、引き続き実践型地域雇用創造事業により人材を育成するとともに、雇用拡大に向けた企業向けセミナーの開催や、新たな南陽産品の開発・多面的な滞在型ツアー商品の開発に取り組み、雇用の確保に努めます。さらに、ハローワーク等の関係機関と連携しながら雇用機会の拡大を図ります。
 農業就業人口が大きく減少する中で、深刻な高齢化に直面し販売農家戸数も減少していることから県や農業関係機関で構成される置賜地区農業経営支援チームと連携しながら、農業所得の向上や農業経営の法人化に向けた取り組みを支援します。地域農業の担い手の掘り起こし及び担い手不足の解消を図るため、農業研修に関する宿泊費助成、受入体制の充実により農業研修の間口を広げ、南陽市の農業に触れてもらう機会を増やします。
 秋に、市内6番目のワイナリー開設が予定されております。ぶどう等の農産品を加工し、流通、販売等により付加価値を高めていく取り組みは、地域産業の活性化や地域のブランド力向上に資するものでございます。引き続き、元気な6次産業化ステップアップ支援事業費補助金等を活用し、6次産業化に取り組む事業者を支援してまいります。昨年10月の酒税法改正や海外ワインの関税引き下げによる輸入拡大が懸念されることから、既存ワイナリーの設備近代化・原料確保を支援するなど経営基盤の強化に注力します。同じワイン特区である上山市と連携したワイン観光の充実を図ります。両市とも新しいワイナリーの設立が続き、地域ワインの評価が高まっています。両市のワイナリーを巡るワインツーリズムを開催し、市外、県外からの誘客を促進し、街中観光として経済効果の高い事業を目指します。
 年々拡大する鳥獣被害を防ぐため、猟友会員の捕獲活動の充実を図るとともに、地域が主体となった継続的・総合的な鳥獣被害防止対策を確立するため、地域ぐるみで行う集落環境点検の実施、被害対策研修会の開催、電気柵設置等の取り組みを推進するための支援を強化します。銃による捕獲の安全性及び射撃技術の向上を図るとともに、クマやイノシシ等の大型獣の捕獲を推進し、農業被害をより一層軽減させるため、南陽市鳥獣被害防止対策協議会が行うライフル射撃場の整備に要する経費の一部を支援します。
 「観光資源のネットワーク化」については、東北中央自動車道の開通効果を最大限に取り込むため、各種団体と協力しながら隣県との広域的な観光振興、来訪者拡大を図ります。インバウンド事業、アウトバウンド事業により、外国人観光客の積極的な誘客を図ります。長井市、白鷹町、飯豊町と連携した2市2町の広域観光を促進する地域連携DMOを設立いたします。地域連携DMOは、観光事業における多様な関係団体との合意形成を図り、コンセプトとデータに基づく観光事業を促進する組織で、旅行免許を持った一般社団法人となります。外国人観光客を誘客するインバウンド事業を中心に、地域経済に直接効果がある旅行商品を造成しプロモーションを実施して、観光による地域づくりと経済の活性化を図ります。
 「中心市街地の商業活性化」については、各商店街が開催する特色あるイベントを支援し、賑わいづくりを推進します。商工会の一店逸品事業に対する補助を継続し、市内企業の支援に取り組みます。
 「ものづくりの開発力強化と情報発信」については、仙台経済圏域との交流人口の拡大を図るため「仙台南陽会」を設立しました。会員には、本市出身者ばかりではなく、本市に縁がある人や南陽ファンを含め受け入れを広く行い、本市の情報を仙台圏域で発信していただき、観光による来訪を促進するとともに、交流を図ります。
 「付加価値の高い産業開発」については、市外からの企業の誘致や市内既存企業の新たな工場等への投資を促進するため、企業立地奨励金を継続します。付加価値の高い産業開発及び雇用の場の創出を図るため、企業ニーズを的確に把握し、新たな産業団地の整備並びにビジネスホテルの誘致を推進します。
 「環境にやさしい循環型社会」につきましては、元気がでるまちづくり交付金事業による地域コミュニティにおける環境意識の向上や、小型家電リサイクル推進事業を継続し、廃棄物の再資源化と減量化を推進してまいります。住宅用太陽光発電装置設置に対する補助等に引き続き取り組み、市民生活の向上に努めます。
 「森林の保全・森づくり」につきましては、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)を活用し、林業及び関連産業の収益向上や林業就業者の増加を図ります。
林道橋梁等の林道施設について、長寿命化計画の策定に取り組みます。効率的かつ適正な林業経営及び森林管理に向けた一体的な促進を図るための新たな森林経営管理制度の取り組みとして、森林所有者の意向調査の実施や森林経営管理に関する基本方針を確立してまいります。
 「未来に伝える山形の宝」に登録されている「白竜湖」について、昨年度、本市教育委員会により「山形県指定天然記念物白竜湖泥炭形成植物群落調査報告書」がまとめられました。文化財保護の観点を基本に、関係各所と連携をとりながら、段階的なヒシの除去等を含めた白竜湖一帯の環境保全を進めます。

 3点目【健康】のまちづくりについて申し上げます。
 「明るく元気な子を育む地域づくり」につきましては、子育て支援サービスの充実、産み育てやすい環境づくりの推進としまして、医療・福祉の充実及び出生率の向上につながるよう、特定不妊治療費助成事業、中学生までの医療費無償化を継続いたします。3人っ子政策としまして、3人目以降の妊娠確定前診療費助成と幼稚園、保育園、児童館や認定こども園に入所している3人目以降の子どもについての保育料軽減、小中学生の給食費の助成を継続いたします。
 「南陽市子育て世代包括支援センター」において、保健師及び助産師が母子保健コーディネーターとなり、母子手帳交付時から訪問・健診、両親学級等の各種事業で母子を支援しておりますが、「産後ケア事業」を新たに実施し、産後間もない母親への支援の充実を図ります。子育てを応援する居住環境の充実については、子育て世代定住促進交付金事業を継続し、子育て世代・南陽市出身者の定住を図ります。
 「健康体力づくり都市宣言の発展化」及び「地域コミュニティによる健康サポート」につきましては、地域福祉計画及び高齢者福祉計画・介護保険事業計画に基づいて、地域住民相互の支え合いを推進します。生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)を1名増員し2名体制で住民主体型通所サービスを実施する団体の設立支援など、地域のニーズに合った多様なサービスの創出に向けた取り組みを積極的に進めます。健康寿命の延伸及び介護予防を目的として実施しておりますシニアカフェ支援事業については、老人クラブや高齢者地域サロン等に加え、65歳以上の一般の方にも利用できるよう継続し、利用拡大に努めます。
 「定住を進める社会基盤の整備」につきましては、都市計画マスタープランの見直しに着手し、本市の良好な都市環境の保全と、住宅・商業・工業などの土地利用の振興を図ります。また、都市公園長寿命化計画に基づく適切な管理を行います。烏帽子山公園につきましては、さくらの樹勢回復に継続して取り組みます。道路網の整備につきましては、東北中央自動車道の効果を高めるため、スマートインターチェンジ設置の調査検討を進めます。さらに横軸となる新潟山形南部連絡道路「梨郷道路」の早期完成と都市計画道路赤湯停車場線の整備促進等について、国・県に強く要望してまいります。歩道整備など通学路の交通安全確保に万全を期してまいります。
 交通対策といたしましては、山形新幹線の増便、通学生の利便性向上及び確実な運行について強く要望していくとともに、フラワー長井線及び市内循環バス3路線の維持と安全運行に努めてまいります。昨年には沖郷地区において、地域公共交通検討会による新たな地域交通に向けた意向調査や実証実験が行われました。それらの結果を分析し、持続可能な公共交通となるよう地域へのサポートを引き続き行ってまいります。
 ライフラインについては、安全・安心・強靭な上下水道施設を構築するため、施設の耐震化や長寿命化計画を推進いたします。
 河川におきましては、吉野川の災害復旧・復興事業の早期完成に向けて関係機関と一体となって取り組んでまいります。災害の防止・抑制を図る治山、治水の取り組みとなる砂防事業、急傾斜事業、土砂災害事業等の一層の促進に努め、安全安心を確固たるものとしてまいります。
 現在、改築工事が進められている公立置賜南陽病院が6月に開院いたします。同時期に民間の透析診療所も開院予定であり、更なる医療環境の充実を図ります。
 「安心して生活しやすい環境づくり」といたしましては、自主防災組織の育成強化を図るため、「自主防災組織推進事業」を実施し、各自主防災組織間の連携を高め地域防災力の充実強化に努めます。
 消防団を中核とした地域防災力の充実強化のため、「消防団活性化対策整備事業」や「消防団装備整備事業」等を実施します。昨年、市内7小学校の4年生を対象に防災学習を実施しました。未来ある子どもたちが災害に関する知識を身につけ、防災の意識を育むため、引き続き防災学習を実施します。全市民を対象とした避難訓練につきましては、出水期前に水防訓練と合せて実施するとともに、近年頻発している大雨による水害等大規模災害を踏まえ、訓練内容の充実に努めます。
 集中豪雨時の被害防止と軽減を図るため、市街地を流れる準用河川について改修事業に取り組みます。
 雪対策としましては、市民生活に支障が出ないよう効果的な除排雪及びオペレーターの育成に引き続き取り組みます。
 通学路や生活道路の安全確保のためLED防犯灯への補助を継続します。
 消費生活におきましては、トラブル等解決のための消費生活相談体制を維持し、消費生活の安定と向上を図るため、専門家による相談業務と連携した取り組みを継続します。
 「空き家に係る問題解決に向けた協働の推進」につきましては、空家法及び空き家等対策計画に基づき、引き続き地区及び職員による空き家の調査把握と所有者の管理意識の喚起に努めるとともに「南陽市老朽危険空き家除却支援事業」などの除却補助を継続的に進めます。「南陽市空き家バンク事業」につきましては、市の空き家バンク(市ホームページ)に登録・公開することにより広く利用希望者に紹介し、空き家利用を促進します。

 最後に、計画を推進するための取り組みについて申し上げます。
 「効率的な行財政運営」としまして、南陽市公共施設等総合管理計画により、長期的な視点をもって、財政負担を軽減・平準化するとともに、将来的な更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、公共施設等の最適な管理に努めます。
 地理空間情報システムの導入により得られた地番図を基に、適正課税と可視化された土地情報の有効活用を図ってまいります。
 第6次南陽市総合計画策定に向けて、地域課題やニーズを的確に反映できるよう市民の方々の参画できる仕組みを検討してまいります。
 「市民に開かれた市政の推進」を目指し、「市長とみらいトーク」を継続開催し、市民と対話する「市長の出前~訪問広聴会~」に引き続き取り組みます。フェイスブックなど、様々な方法での広報広聴活動を展開し、行政への関心・理解と参画意識の喚起に努める所存であります。

5 結び

 以上、新年度における市政運営と主要施策の大要を申し述べました。
 来年に半世紀ぶりとなる東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えておりますが、かつて、講道館柔道の創始者である教育者 嘉納治五郎は、「精力善用・自他共栄」の理念のもと、江戸から明治へと価値観が大きく変化する中、日本のオリンピックへの参加、日本への招致、近代スポーツの発展に尽力されました。「精力善用・自他共栄」とは、「個々の持つ全ての力を最大限に生かして社会のために善い方向に用い、自他共に栄えある世の中にしようとする」ことであります。まちづくりの主役は、一人ひとりの市民です。私は、様々な地域課題が混在する現代社会においても、市民の皆様と手を携え、個々の力を合わせて、実り多き豊かな社会を実現してまいりたく存じます。
 いまは「人生百年時代」であります。これから産まれてくる赤ちゃんは、22世紀を見ることになります。子どもたちこそ、この国の未来そのものであり、そのときにも安心して暮らせる南陽市にするため、主役である市民の皆様とともに、平成最後の年であり、新たな時代の幕開けとなる本年を全力で邁進してまいります。
市民の皆様並びに議員各位におかれましては、より一層のお力添えを賜りますよう、心からお願い申し上げます。

(更新日:平成31年3月4日)