令和2年度施政方針

施政方針とは、市長の市政運営の基本方針として、翌年度の主要事業や予算について方向性を示すものです。 
令和2年2月18日の南陽市議会令和2年3月定例会において、白岩市長が令和2年度施政方針を述べました。(関連ファイルからPDF版をダウンロードできます。)

令和2年度施政方針

1 はじめに

 令和2年度予算案をはじめとする重要な議案をご審議いただく南陽市議会3月定例会の開会にあたり、市政運営に臨む所信の一端と施策の大要を申し上げます。

 はじめに、昨年を振り返りますと、5月1日に天皇陛下の皇位継承が行われ、国民全体が祝賀ムードに包まれる中、「令和」という新しい時代を迎えました。
 本市においては、4月の東北中央自動車道、南陽高畠‐山形上山IC間の供用開始にはじまり、新公立置賜南陽病院や民間透析診療所の開院、市内全小中学校へのエアコン設備設置、平成25年、26年の豪雨災害を受けての吉野川の5橋架け替えと1橋撤去という大規模な事業も、残すところ国道13号の大橋のみとなり、吉野川の改修も進んでいます。10月に発生した台風19号災害では、5年振りとなる避難勧告を発令いたしました。一部地域において、家屋等の床上、床下浸水被害が発生したものの、河川の復旧、復興が進められてきた吉野川及び織機川流域において、水害から地域を守ることができましたことは、国、県をはじめ関係各位のご尽力の賜物であると受け止めております。
 市内産業においては、新たに6社目のワイナリーが誕生し、東北中央自動車道開通による相乗効果もあり、ワインフェスティバルやワインツーリズムへの参加者数が増加する等、観光交流への大きな波及効果が見られます。ラーメン課R&Rプロジェクトにおいては、全国放送のテレビ番組やラジオ番組での紹介、大人気漫画「ラーメン大好き小泉さん」とのコラボレーションへの発展が見られたほか、地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミットの南陽市開催など、全国に向けて本市の魅力を強力に発信することができました。
 また、「第64回山形県縦断駅伝競走大会」における南陽・東置賜チームの総合優勝8連覇、「ヤマザワカップ第36回山形県女子駅伝競走大会」では女子チームの連覇達成など、市民の方々の活躍も目覚しいものがあり、総じて実り多き一年でございました。

 さて、我が国においては、人口減少、少子高齢化の進展により、令和元年の出生数が86万人余りと過去最少を更新する見通しであり、これは少子化が国の予測よりも2年早いペースで進んでいるものであります。合計特殊出生率は、平成30年が1.42と前年比0.01ポイント下がり、更に下振れする可能性もあります。本市における合計特殊出生率は、平成17年の1.36を底として、平成30年は17年以降で最も高い1.53と着実に回復を続けていますが、今後も少子化傾向は続くものと推測され、人口構造の変化に対応した持続可能な社会を築いていくことが大切になります。
 また、政府は、国全体では地方における経済の厳しさはあるものの、経済のゆるやかな回復基調と好循環の前向きな動きを持続させ、直面する様々な課題を克服し、持続的かつ包括的な経済成長の実現と財政健全化の達成の両立を最重要目標としており、その達成に向けては、これまでの考え方や制度から脱却し、社会構造の変化に対応した新たな視点による取組が重要としています。

 本市では、第5次南陽市総合計画10年間の最終年度であり、令和3年度からの第6次総合計画を策定する重要な年を迎えます。人口減少、少子高齢化に正面から立ち向かい、持続可能な社会を構築していくためにも、足元の地域経済を分析しながら更なる「地方創生」に取り組んでいかなければなりません。そのためには、東北各県を結び、高速交通の環状ネットワークを形成する東北中央自動車道をはじめ、既存のインフラ、人や物など、多様な地域資源を磨き、つなぎ合わせながら新たな価値を創造していくことが求められています。未来への投資となる人材育成はもちろんのこと、ワインやラーメンと観光交流、農業と企業の連携に代表されるように、それぞれの分野を生かした連携により、地域産業の振興、交流人口の拡大、文化の醸成に努めてまいります。併せて、若者もご年配の方も女性も障がいのある方も全ての方が生きがいを持ち活躍できる社会を目指してまいります。
 地球温暖化による気候変動の影響は、自然災害の頻発化、激甚化、広域化という形で顕在化しています。災害に強い地域をつくるため、国土強靱化地域計画の策定、世界が一体となって進めるSDGsへの対応、グローバル化の進展等も踏まえ、ふるさとを次世代につなげる長期的な視点を持って公正で持続可能な政治を実現してまいります。

2 市政運営の基本方針

 令和2年度施策の骨格を申し上げます。
 市政の柱に、引き続き「子どもを産み育てやすいまち」・「年をとっても安心して暮らせるまち」・「人が集まり賑わうまち」を掲げ、行財政改革を一段と進め、最少の経費で最大の効果を発揮する施策展開により、「身の丈に合った対話のある市政」を基本として、市民が主役となり、何事にもチャレンジする気概に満ちた南陽市を牽引し、次世代につながる公正で持続可能な政治を実現してまいります。

 1つ目の柱である「子どもを産み育てやすいまち」としまして、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに、より一層力を注いでまいります。
 4月には、沖郷地区に新たに0~2才児も通所できる保育施設がオープンします。3歳未満児保育の定員を51名増加し、子育て世代のニーズに応えるとともに、地域子育て支援センターを施設内に併設し、子育て世代の交流の場として、育児相談や子育て情報を提供してまいります。また、学童保育の需要増に対応し、漆山第二学童保育施設を漆山小学校内に開設いたします。 聴覚障害を早期に発見し、できるだけ早い段階で適切な措置を講じられるようにすることを目的として、10月から新生児に対する聴覚検査の実施に要する費用の一部助成を開始いたします。昨年10月から国の幼保無償化がスタートしましたが、3人っ子政策につきましては、3人目以降の副食費無償化など、国の基準を超える子育て支援を行ってまいります。放課後子ども総合プラン推進事業につきましては、子育て世代のニーズを捉え、平日毎日型の放課後子供教室を新たに宮内小学校に拡大してまいります。安全、安心な教育環境の実現に向けて、南陽市学校施設長寿命化計画に基づき、施設設備の安全・安心、教育環境の質の向上を図ってまいります。さらに、ICT活用の推進やプログラミング教育の充実、教員の働き方改革につながる学校現場への統合型校務支援システムの導入を推進してまいります。

 2つ目の柱である「年をとっても安心して暮らせるまち」としまして、全ての世代の方が住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けることができるよう、公立置賜総合病院や公立置賜南陽病院を核として、住まい、医療、介護、予防、生活支援等の地域資源を連携させた地域包括ケアシステムの構築を実現してまいります。4月開所に向けて進められている障がい者施設の整備の支援とともに、県内初の施設となる医療的ケアを要する人を対象とした民間の多機能型重症児者通所施設の誘致にも取り組んでまいります。これにより、置賜において、子どもから大人まで医療的ケアを切れ目なく行う拠点となることを期待しています。

 3つ目の柱である「人が集まり賑わうまちづくり」としまして、今年の7月に56年ぶりに開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、市民にとりまして数十年後もレガシーとして残る大会となるように、6月には聖火リレー、7月にはバルバドス選手団の事前キャンプ受け入れ、8月には市民が直接応援できる機会の創出に取り組んでまいります。また、全国2000ヵ所で2000万人が応援・感動を分かち合うプラットホーム「全国応援村(OUEN-MURA)」の取組を活用し、子ども達をはじめ各家庭や飲食店等において多くの人がともにオリンピック・パラリンピックの感動を共有する場の創出に努めるとともに、ホストタウン推進を通じて、スポーツのみならず、人材育成等多様な分野でレガシーを創ってまいります。

 国土利用計画、都市計画マスタープランの見直し及び立地適正化計画の策定により、更に良好な都市環境の保全とともに、居住や都市の生活を支える医療、福祉、商業等の誘導と、公共交通の連携による「コンパクト」で「ネットワーク」に優れたまちづくりに努めてまいります。さらに、近隣自治体、企業、団体との連携を強化し、人や物、活動など様々な資源をつなげることにより新たな価値を創造し、交流人口の拡大を図ってまいります。
 南陽市まち・ひと・しごと創生総合戦略につきましては、基本目標・重要業績評価指標KPIにより進捗状況を検証・総括するとともに、計画期間を1年延長し、第6次南陽市総合計画との整合を図って次期5か年の総合戦略を策定してまいります。併せて、第6次南陽市総合計画につきましては、昨年より多くの市民の方々に参画いただきながら検討を進めてまいりました。10年後にあるべき理想のまちの姿を基本構想、基本計画にまとめ、長期的な視点に立ったまちづくりを市民の皆様とともに推進してまいります。

 以上、まちづくりの方針を申し上げてまいりましたが、その実現には、持続可能な財政基盤の確立が不可欠であります。 今後の南陽市の数十年、百年先の姿に責任を持つことを常に念頭におき、市民ニーズの的確な把握に努め、新たな行政課題や行政需要に対応するため、引き続き効率的・効果的な行財政運営に、厳しい姿勢で取り組んでまいります。 また、行政組織につきましても、行政需要に合わせて能動的に組織の見直しを行い、政策課題に的確に対応できる組織体制の整備と人員配置に努めてまいります。

3 令和2年度予算の編成方針と概況

 令和2年度予算の概況について申し上げます。
 国の地方財政対策では、地方が人づくり革命の実現や地方創生の推進、地域社会の維持・再生、防災・減災対策等に取り組みつつ、安定的に財政運営を行うことができるよう、地方交付税等の一般財源総額について、前年度を0.7兆円上回る63兆4千億円が確保されました。
 その内訳を見ますと、地方税が増収となる中で地方交付税総額について前年度を0.4兆円上回る16.5兆円を確保するとともに、臨時財政対策債を抑制するなど質の改善も図られています。本市におきましても、国の施策を注視しつつ、引き続き財政の効率化・適正化を図りながら、行財政運営に努めなければなりません。
 令和2年度予算編成におきましては、市民が誇りを持って、安心して暮らせるまちを目指して、地域の持続的な成長・発展を実現すること、市民生活を守ることに考慮し、現在の南陽市の財政状況を勘案しながら市民生活に直結する事業に重点的に予算措置を行ったところでございます。
 一般会計では、スピード感を持って諸課題に対応することを重視し、前年比1.0%増の148億2千万円を計上いたしました。特別会計では、前年比2.8%減の76億1,494万円を計上したところであります。

4 令和2年度の主要施策

 令和2年度主要施策を総合計画の大綱に沿ってご説明申し上げます。
 最初に【教育】のまちづくりについて申し上げます。
 「国際的な視野を持つたくましい人づくり」につきましては、多文化共生の視点に立った国際理解教育の推進として、外国語指導助手3名の体制により、各学校や幼児教育施設等での「生きた外国語」に触れる機会を充実させるとともに、様々な体験を通じて子ども達の興味関心を高めながら、実践的なコミュニケーション能力の向上を図ってまいります。
 心豊かな児童生徒の育成として、各学校に「特色ある学校経営補助金」を交付することにより、それぞれの地域の特性を生かした活動や、社会参画活動、ボランティア活動等の諸教育活動の展開を通して教育の質の向上を図り、第五次南陽市教育振興計画における「地域総合型教育」を推進してまいります。
 南陽市教育相談室、社会福祉士等を任用したスクールソーシャルワークコーディネーターが連携し、不登校など問題を抱える児童生徒及びその保護者への支援を行ってまいります。さらに、就学前特別支援教育充実事業では、臨床心理士等による巡回相談及び教育相談を行い、幼児教育と義務教育が円滑に接続するよう支援の充実を図ってまいります。    
創造性に富んだ人材育成につきましては、本市が掲げる「幼保小中一貫教育」の確実な実施に向けて、全国の事例も研究しながら、これを推進してまいります。
 海洋教育推進事業を、生徒が教科横断的に総合的な学びができる機会として実施するほか、心身の健全育成を目的として、現役や元スポーツ選手を『夢先生』として講師に迎え、市内全小学校の5年生を対象に、JFAこころのプロジェクト『夢の教室』を引き続き実施いたします。
 一方で、個別の支援が必要な児童生徒への対応や小規模校の教育を充実させるため、学習支援員の小中学校全校配置を継続し、児童生徒の生活及び学習面を支援してまいります。
 小・中学校の安全で機能的な教育環境を実現するため、老朽施設の改修、体育施設の整備を進めてまいります。
 「生涯にわたり人を思いやる徳育の向上」につきましては、中学校連合運動会及び小中学生議会を「地域総合型教育」の実践の場の一つとして位置付け、児童、生徒の市民意識の醸成や社会参画意識の高揚による「人づくり」を進めてまいります。
 「スポーツ交流の推進」につきましては、都市公園長寿命化計画に基づき市民体育館等の改修整備を進めてまいります。また、これまでの指定管理によるノウハウを活用し、利用者満足度の高い施設運営を行ってまいります。
南陽さわやかワインマラソン大会は、本市最大のスポーツイベントであり、幅広い世代の交流が生まれる大会を目指してまいります。
 「ふるさと教育の推進」につきましては、文化の継承・発展を目的に、民話まつりなどの文化イベントを継続開催するとともに、芸術文化事業として、県民芸術祭開幕式典及び記念公演が南陽市を会場に開催されることから、開幕にふさわしい華やかなステージとなるよう市芸術文化協会と協力し創り上げてまいります。
新たな食育・地産地消推進計画に基づき、学校給食における地産地消の推進や農業祭の開催、食文化の理解・継承を行い食農教育の充実を図ってまいります。
昨年、有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」で開催された山形大移住相談会には、県出身者や移住希望者など、山形に関心を寄せる方々が多く訪れており、今後もそうした方々に本市の暮らしや魅力を伝えていく必要がございます。引き続き、首都圏での移住相談や移住体験ツアー等を開催し、ふるさと南陽市へ移住を希望する方々へ情報を届けてまいります。
 「地域を活性化する実践的なまちづくり」につきましては、「市民が主役の地方創生事業」により、市民団体等の発案によるまちづくりを支援してまいります。
 若者が夢と希望を持って地域活動ができるよう「青年教育推進事業」を継続するとともに、高校生をはじめ、若い世代とのつながりを構築し、将来の地域のリーダーを育成してまいります。
 放課後における安全な居場所づくりと多様な体験を通して、次世代の育成を図るため、新たに宮内小学校へ平日毎日型の放課後子供教室を拡大するとともに、市内全小学校における放課後子供教室の運営を継続し、地域社会全体で子育てを支えます。
 特色ある地域づくり交付金事業を継続し、地域の活性化と住民意識の向上、コミュニティの再生を図ってまいります。宮内公民館においては整備検討委員会を設置いたします。
 シェルターなんようホール(南陽市文化会館)を、人が集まり賑わいのある南陽、芸術文化の拠点として活用し、地域文化の発信と文化交流を推進してまいります。本年は開館5周年の節目の年でもあり、文化の高揚を図るとともに、更に市民の交流の場として、年齢を問わず気軽に文化に親しめる会館運営に邁進してまいります。

 続いて【産業】のまちづくりについて申し上げます。
 「地域資源を活かした新たな産業のブランド化」につきましては、菊のまち南陽として、菊文化の継承、菊づくりの後継者の育成を図ってまいります。
 菊まつりにつきましては、歴史と伝統、高い技術を誇る菊花と菊人形が並ぶ花公園会場と、熊野大社周辺の景観に現代的なフラワーアートが映える宮内会場の2会場開催が好評を得ております。引き続き、両会場のコンセプトを大切にしながら、ターゲットを明確にすることで、菊まつりのより高い集客と南陽市のブランドとしての菊のまちづくりに努めてまいります。
 ラーメン課R&Rプロジェクトは、引き続き市内ラーメン店、大学、各種関係先と連携しながら、南陽市のラーメンを主役にした地域活性化を進めてまいります。
 ワインにつきましては、昨年秋に市内6番目のワイナリーが自社醸造を開始し、南陽市のワインは市内外で注目を集めています。ワインの里南陽としてのブランド力・認知度の向上を目指し、50回目を数えるワインフェスティバルと、上山市と連携してのワインツーリズムの両イベントを軸に、首都圏を含む県内外へ向けて南陽ワインを発信するとともに、ワインをきっかけとした街中周遊観光の充実を図ってまいります。加えて、更なるワイン振興を目指して、ワイナリーの設備の近代化を支援してまいります。また、ワイナリーが増えたことにより今後原料不足が懸念されることから、その対策にも力を入れ、経営基盤の強化に力を注いでまいります。
 「意欲ある後継者の育成と雇用の確保」につきましては、農業経営者の高齢化、後継者不足等で離農や経営規模を縮小する農家が増えている現状から、農地整備事業により農業機械の効率化と維持管理費の負担軽減、担い手への農地の集積・集約化を推進し、持続的発展が可能な農業の確立を図ってまいります。
 また、新たに6次産業化推進業務及び市内農家等で農業に従事する5名の地域おこし協力隊員を募集してまいります。
 地域農業の担い手の掘り起こし及び担い手不足の解消を図るため、農業研修に関する宿泊費助成、受入体制の充実により農業研修の間口を広げ、南陽市の農業に触れてもらう機会を増やしてまいります。
 年々拡大する鳥獣被害を防ぐため、令和元年度に完成するライフル射撃場の活用による猟友会員の技術向上と捕獲活動の充実を図るとともに、地域が主体となった継続的・総合的な鳥獣被害防止対策を確立するため、地域ぐるみで行う有害鳥獣捕獲団体への支援、被害対策研修会の開催、電気柵設置等の取組を推進するための支援を強化してまいります。
 新たに起業する事業者を支援する創業支援補助金を新設し、需要や雇用を喚起し、地域経済の活性化を図ってまいります。
 「観光資源のネットワーク化」につきましては、インバウンド観光と広域観光連携を意識した市内観光資源のブラッシュアップを図ることで、魅力的な観光地づくりを目指してまいります。
 インバウンド関連事業としましては、9月に本市として初めて「南陽市民台湾DAYS」を開催してまいります。この事業は、昨年の南陽市民アウトバウンド事業で交流した方々の来日訪問に合わせて行われるものですが、この機会に「東北6県華僑総会」の会合が同時開催されることが決まり、台湾からの訪問団に加え、東北在住の台湾出身者へも交流が広がる機会となります。
 また、広域連携事業の一つである地域連携DMO「やまがたアルカディア観光局」では、南陽、長井、白鷹、飯豊の各観光資源をつないだ旅行商品を造成するとともに、連携事業のスケールメリットを生かし、国内外へ向けたプロモーションとマーケティングを展開してまいります。また、地域全体が観光推進に取り組むための素地づくりとして、観光関係団体や各地域の方々との交流の場を設けながら、信頼関係の構築と合意形成を図り、観光による地域づくりと経済の活性化を図ってまいります。
 バリアフリーに対応した観光地の整備が、多方面への共感を呼び、交流人口の拡大につながっており、引き続き心のバリアフリーを推進してまいります。
 「中心市街地の商業活性化」につきましては、各商店街が開催する特色あるイベントを支援し、賑わいづくりを推進してまいります。商工会の一店逸品事業に対する補助を継続し、市内企業の支援に取り組んでまいります。
「ものづくりの開発力強化と情報発信」につきましては、中小企業振興基本条例に基づき、中小企業の持続的な発展並びに地域経済の活性化を図ってまいります。
 「付加価値の高い産業開発」につきましては、企業立地奨励金により、市外からの企業の誘致や市内既存企業の新たな工場等への投資を促進し、雇用の場の確保を図ってまいります。また、先端設備等導入計画の認定により、生産性向上と付加価値の高い産業開発を推進してまいります。引き続き、企業ニーズを的確に把握し、新たな産業団地の整備並びにビジネスホテルの誘致を推進してまいります。
 「環境にやさしい循環型社会」につきましては、元気がでるまちづくり交付金事業による地域コミュニティにおける環境意識の向上や、小型家電リサイクル推進事業を継続し、廃棄物の再資源化と減量化を推進してまいります。住宅用太陽光発電装置設置に対する補助等に引き続き取り組み、市民生活の向上に努めてまいります。
林道施設について、森林の適正な整備を行うために将来にわたって必要となることから、長寿命化計画の策定に取り組んでまいります。
 経営や管理が適切に行われていない森林が増加傾向にあることから、林業の成長産業化と森林の持つ多面的機能の両立を図る森林管理システムについて、森林所有者の意向を確認しながら進め方を検討してまいります。

 3点目【健康】のまちづくりについて申し上げます。
 「明るく元気な子を育む地域づくり」につきましては、子育て支援サービスの充実、産み育てやすい環境づくりの推進としまして、医療・福祉の充実及び出生率の向上につながるよう、特定不妊治療費助成事業、中学生までの医療費無償化を継続してまいります。
 3人っ子政策としまして、3人目以降の妊娠確定前診療費助成と幼稚園、保育園、児童館や認定こども園に入所している3人目以降の子どもについての副食費無償化、小中学生の給食費の助成を継続してまいります。
 「南陽市子育て世代包括支援センター」において、「産後ケア事業」を実施し、産後間もない母親への支援の充実を図ってまいります。
 子育てを応援する居住環境の充実につきましては、子育て世代定住促進交付金事業による子育て世代の移住及び定住の促進、持家住宅建設助成金事業よるリフォームの支援を継続し、安心してゆとりある子育てができる住環境の整備を推進してまいります。
 新温浴施設の整備につきましては、施設の基本構想と設備等の基本計画の結果を十分に踏まえて、地域の方々に末永くご利用いただける浴場となるよう、赤湯財産区とともに検討し、可能な限り早期に予算措置を行い、整備に着手してまいります。
 障がい児者福祉の充実を図るため、今後も増加、多様化が見込まれる福祉サービスを計画的に提供できるよう、第6期障がい福祉計画及び第2期障がい児福祉計画を策定してまいります。
 また、障がいを理由とする差別の解消を推進するため、関係者の合意形成に努めつつ、障がい者差別解消条例の制定に着手してまいります。
 介護保険運営協議会を新たに設置し、幅広く各層からご意見をいただきながら、令和3年度からスタートする第8期介護保険事業計画を策定してまいります。
 地域包括ケアシステム構築の核となる地域包括支援センター機能の充実を図るため、社会福祉協議会から専門職の派遣を受け入れます。
 健康寿命の延伸及び介護予防を目的として実施しておりますシニアカフェ支援事業につきましては、老人クラブや高齢者地域サロン等に加え、65歳以上の一般の方にも利用できるよう継続し、利用拡大に努めてまいります。
 「定住を進める社会基盤の整備」につきましては、都市公園の長寿命化計画に基づき適切な管理に努めてまいります。
烏帽子山公園につきましては、さくらの樹勢回復への継続した取組と合わせ、烏帽子山公園周辺整備計画に基づき、景観整備事業を進めてまいります。
 また、令和3年度までに都市計画図を電子化し、より正確な情報を短時間で提供することにより、市民サービスの向上に努めてまいります。
 未来に伝える山形の宝に登録されている白竜湖について、クラウドファンディングによる寄附金及び県補助金を活用させていただきながら、湖面からヒシを段階的に除去し、水質改善により白竜湖周辺の景観を保全するとともに、採取したヒシの農業リサイクルに取り組んでまいります。
 高速交通網の整備と活用につきましては、東北中央道南陽高畠―山形上山間の開通により、高速道路で本市と首都圏が結ばれた効果を一層高めるため、スマートインターチェンジの早期設置に向け検討を進めてまいります。
 さらに、県境の重要な横軸を担う新潟山形南部連絡道路の一部を成す梨郷道路と渋滞緩和を目的とした国道13号南陽登板車線事業の早期完成を国に要望してまいります。
 一般県道赤湯停車場線等の整備促進、山形県道路中期計画2028の前期5ヶ年に位置付けられている主要地方道山形南陽線板宮工区の早期の事業着手について、県に強く要望してまいります。
 さらには、幹線道路の新設、生活関連経路の整備、通学路の安全対策、橋梁長寿命化修繕計画に基づく補修工事を計画的に進めてまいります。
 交通対策といたしましては、山形新幹線の福島・米沢間のトンネル整備による抜本的な防災対策や運休、遅延を防ぐ対応策の充実、通学生の利便性向上に向けた奥羽本線(山形線)の輸送改善等について強く関係機関に要望していくとともに、フラワー長井線及び市内循環バス3路線の維持と安全運行に努めてまいります。
 沖郷地区において昨年より地域が主体となり運営する地域公共交通「おきタク」について、持続可能な公共交通となるよう地域へのサポートを引き続き行ってまいります。
 ライフラインにつきましては、安全・安心・強靭な上下水道施設を構築するため、施設の耐震化や長寿命化計画を推進いたします。
 河川におきましては、吉野川の災害復旧・復興事業の早期完成に向けて、関係機関と一体となって取り組んでまいります。災害の防止・抑制を図る治山、治水の取組となる砂防事業、急傾斜事業、土砂災害事業等の一層の促進に努め、安全安心を確固たるものとしてまいります。
 「安心して生活しやすい環境づくり」といたしましては、自主防災組織の育成強化を図るため、自主防災組織推進事業を実施し、各自主防災組織間の連携を高め地域防災力の充実強化に努めてまいります。
消防団を中核とした地域防災力の充実強化のため、消防団活性化対策整備事業や消防団装備整備事業等を実施してまいります。
 未来ある子ども達が災害に関する知識を身につけ、防災意識を育むため、市内全小学校の4年生を対象に引き続き防災学習を実施してまいります。
 全市民を対象とした避難訓練につきましては、出水期前に水防訓練と合せて実施するとともに、昨年の台風第19号被害をはじめ風水害等大規模災害の教訓を生かし、訓練内容の更なる充実を図ってまいります。
 今年9月に、山形県と合同での総合防災訓練が実施されます。防災関係及び住民が一体となった各種訓練を実施し、災害時における防災活動の円滑化を期すとともに、関係機関相互の協力体制の強化、あわせて地域住民の防災意識の高揚を図ってまいります。
 集中豪雨時の被害防止と軽減を図るため、宮内地内の準用河川と郡山地内の雨水幹線事業を計画的に進め、浸水対策に努めてまいります。
 また、地区要望を受けて排水路整備事業を実施し、住みよい環境づくりに継続して取り組んでまいります。
雪対策として、気象条件、道路状態を考慮した出動体制を心がけ、効果的な除排雪を実施してまいります。また、除雪技術の向上と若手技術者の育成を図るため、オペレーター技術向上講習会を継続して開催してまいります。
 通学路や生活道路の安全確保のためLED防犯灯への補助を継続してまいります。
 消費生活におきましては、トラブル等解決のための消費生活相談体制を維持し、消費生活の安定と向上を図るため、専門家による相談業務と連携した取組を継続してまいります。
 安心・安全な住環境の整備を図るため、老朽化が著しい市営関口住宅につきましては、セーフティネット住宅制度による家賃補助制度を活用した転居を推進してまいります。昨年度は先駆的に戸建ての空き家1戸を耐震改修し、1家族が転居を行いましたが、新年度以降は対象住宅を広く確保し、居住者の住環境の改善につなげてまいります。
 空き家対策につきましては、空き家バンクに登録した中古住宅を利用して移住する方に対するリフォーム費用の補助事業を新設し、空き家の利活用と移住・定住を促進してまいります。また、老朽危険空き家除却支援事業を継続し、安全安心な住環境の保全に努めてまいります。

 最後に、「計画を推進するための取り組み」について申し上げます。
 「効率的な行財政運営」としまして、南陽市公共施設等総合管理計画により、長期的な視点をもって、財政負担を軽減・平準化するとともに、将来的な更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、公共施設等の最適な管理に努めてまいります。
 「市民に開かれた市政の推進」を目指し、「市長とみらいトーク」については第6次総合計画に描く地域の未来を市民の方々と一緒に考える機会にしていくとともに、市民と対話する「市長の出前~訪問広聴会~」に引き続き取り組んでまいります。フェイスブックなど、様々な方法での広報広聴活動を展開し、行政への関心・理解と参画意識の喚起に努めてまいります。

5 結び

 以上、新年度における市政運営と主要施策の大要を申し述べました。
 江戸時代後期、全国六百余の農村の救済に手腕を発揮した二宮金次郎尊徳の弟子が記した「報徳記」に、このような文章があります。
 「大事を成さんと欲する者は、まず小事を務むべし。大事を成さんと欲して小事を怠り、その成り難きを憂いて、成り易きを務めざる者は、小人の常なり。それ小を積めば大となる。」
 小事をおろそかにしていて、大事を成すことはできない。小さな努力の積み重ねが、やがて大きな収穫や発展に結び付く。すなわち、小を積んで大と為す、「積小為大」という言葉に収斂するこの思想は、小田原藩政のみならず全国の多くの農村を救った二宮金次郎の根本哲学です。そして令和の時代の日本にあっても、基礎自治体を運営し発展を期す上で私たちが心掛けるべき基本姿勢だと考えております。
 一握りの苗がやがて大きな収穫をもたらした金次郎の故事のように、五十年、百年後の本市のために、市民生活に直結する自治事務の一つ一つに心を込めて、次の世代に大きな収穫となって実るよう、全力で邁進してまいります。
まちづくりの主役である市民の皆様並びに議員各位におかれましては、より一層のお力添えを賜りますよう、心からお願い申し上げます。

(更新日:令和2年2月18日)