P18-19 第32回(平成30年度) 須藤克三賞 最優秀作品紹介 [作文の部] 中学校の部 最優秀作品 赤湯中学校3年(現高校1年)正木うらんさん 「自分の人生を生き抜く」 暗闇の中、もがき苦しんでいる人々。おびえ、泣き叫ぶ子どもたち。町が壊れていく様子……。皆さんは、想像することができますか。 一九四五年八月十五日、第二次世界大戦が終わりました。それから七十三年。戦争を経験した方々は年々減ってきています。おそらく二十数年後には、私たちは、戦争を経験した方々から話を聞くことができなくなるでしょう。私は、この日本で戦争が起きたことを忘れてはならないと思います。私たちには、日本はもちろん、他国でも同じ過ちが繰り返されないように、事実を伝えていく責任があるのではないでしょうか。 では、どのようにして次の世代へ伝えていけばよいのでしょう。私は、まず戦争について詳しく知る必要があると考えました。そこで、昨年度、「南陽市中学生地域間交流セミナー」に応募し、沖縄県糸満市を訪問しました。 初めに、私たちは「轟壕」という当時の防空壕を訪れました。一人ひとりがライトを持ち、洞くつの中に入ります。足元は岩石でゴツゴツしており、直前まで雨が降っていたために滑りやすく、とても歩きづらかったです。一歩一歩下っていくにつれて、暗闇が近づいてくるのを感じ、私の心臓はうるさく鳴りました。さらに奥へ進むと、天井が高く開けた場所に出ました。そこにしゃがみ、ガイドさんの話をみんなで聞きました。その内容は、驚くものばかりでした。「赤ちゃんが泣くと敵に見つかってしまうので、口を押さえて殺した」という話や、「真っ暗闇の中、ろうそくのろうを食べながら二週間あまり過ごした」という話……。これらは、教科書には載っていません。私は、日本で唯一地上戦があった沖縄でこの話を聞く機会が得られてよかったと思いました。 最後に、ガイドさんが、 「では、ライトを消してみましょう。」 とおっしゃいました。私たちは、それに従って一斉に灯りを消しました。するとそこには、目を開けていても何も見えない、真の闇が果てしなく広がっていました。私は、とてつもない恐怖と共に、まるで自分一人が取り残されたような心細さを感じ、言葉が出ませんでした。洞くつには二十分ほどしかいませんでしたが、もっと長くいたように感じました。そして、外に出たとき、改めて命の重みを実感しました。そのときの感覚は、今でも忘れることができません。 平和祈念公園にある石碑には、敵味方関係なく、沖縄戦で亡くなった全ての方のお名前が刻まれているそうです。その名前の分だけ人生があるのだと思い、胸が締め付けられるようでした。その後、平和祈念公園にも行きました。隣接している資料館には、沖縄戦の写真や戦争を経験した方々の証言が展示してありました。その中には、私たちと同じぐらいの年齢の女学生たちも、戦ったり命を落としたりしたという資料がありました。教科書で読んで知っているつもりだったけれど、現地を訪れ、生々しい資料を手に取ったときの衝撃は全然違いました。 「死」が身近にある日々とは、どのようなものなのでしょうか。いくら資料や映像を見ても、私には分かりませんでした。しかし、唯一言えるのは、戦争は、人格を破壊し、人間らしい感情を失わせてしまう、ということです。自分が生きていくために誰かを傷つけたり、簡単に自分の子どもを殺したりしてしまうのが、戦争です。戦争は、人を人でなくしてしまいます。そんなことを考えていたとき、「戦争を始めるのは人間、戦争をなくす努力をするのも人間」という言葉を見つけました。この言葉を知り、私たちは、戦争をなくす努力をしなければならないのだと強く思いました。 私は、この経験を通して、 「平和な今が普通だと思ってはいけない。命の重さや一生懸命生きていくことのすばらしさを伝えたい。」 と考えるようになりました。私たちは、戦時中とは違い、今にも死ぬかもしれないという恐怖を抱くことなく、平和に暮らしています。そんな時代に生きている私たちは、戦争の悲惨さをより多くの人に伝えることはもちろん、一日一日を大切に生きていかなければならないと思います。私は、生きたくても生きられなかった方々の分まで、夢に向かって、一生懸命自分の人生を歩んでいきます。 ※南陽想い出グラフィティはお休みです。 市長の自然体コラム No.17 南陽市長 白岩孝夫 ひさびさの全国規模のサミット 南陽市ではひさびさの全国から首長(市町村長)が集まる会議が先月開催されました。それが「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミット」です。 北は北海道から南は九州まで、8人の首長と公務員や民間の方を含め100人を超える方が、サミットに参加するため南陽市に集結しました。 多くの参加者が山形県自体はじめての訪問で、まして南陽市は名前も聞いたことがないという方もいました。 そんななか、南陽市を好きになってもらおう、再び訪れたいと思ってもらおうと、市の職員は必死に頑張りました。サミットはスムーズに進み、交流会では「いも煮や菊のおひたしは初めてだけどおいしい!」と喜ばれました。 「温泉すごく温まりました」「白岩市長はじめ職員の方々お一人お一人の笑顔とおもてなし、そして前向きなエネルギーがとても素晴らしい」「南陽市の人々の人柄もよろしく最高の2日間」「南陽市最高です!」これらの言葉、人と人との繋がりが最高の財産です。 ※サミットについては本号4ページに詳しく掲載しています。 図書館にようこそ  南陽市立図書館(☎㊸-2219) ■開館時間 火~金曜 10時~18時 土・日曜 10時~17時 今月から閉館時間が変わります ■休館日 2日㈪、9日㈪、16日㈪、23日㈪ ■年末年始休館 12月29日㈰~令和2年1月3日㈮ ※休館時の図書の返却は1階正面玄関脇ブックポスト(24時間対応)をご利用ください。(CD,DVD資料などは破損の恐れがあるため入れないでください) おススメの一冊「えくぼの本棚」 『祝祭と予感』 恩田陸/著 幻冬舎/ 出版 直木賞・本屋大賞をW受賞し、映画化もされた大ベストセラー『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ小説集。本編のピアノコンクールに出場した彼らのその後と、そこに繋がるさまざまな“運命の出逢い”が6つの短編で描かれています。 新着図書紹介 一般書 ■小箱/ 小川洋子 ■人間/ 又吉直樹 ■スマホをおいて、ぼくをハグして!/司馬理英子 児童書 ■蝶の羽ばたき、その先へ/森埜こみち ■きらいきらい!/武田美穂 ■百桃太郎 原京子/文、原ゆたか/絵 おはなし会(読み聞かせ室) ■おばあちゃんのおはなし会(更生保護女性会) 12/7㈯11時 ■どんぐりおはなし会(どんぐりお話会) 12/14㈯11時 ■しんちゃんおはなし会(しんちゃんおはなし会)12/28㈯11時 市立図書館おたのしみ会 12/21㈯11時           おうちで簡単クッキング 菊芋入りシューマイ 今月は宮内地区食改メニューです  材料(4人分) シューマイの皮 20枚 豚ひき肉 200g (Aはじめ)酒 小さじ2 塩・こしょう 適量 砂糖 小さじ1 ごま油 小さじ1(Aおわり) 玉ねぎ 1/2個 菊芋 200g 片栗粉 大さじ2 白菜 葉の所4~5枚 水 200㏄ 作り方 ①玉ねぎはみじん切りにし、片栗粉をまぶす。菊芋の半分はみじん切り、残り半分はすりおろす。 ②豚ひき肉にAの調味料と①を入れ粘りが出るまでよく混ぜる。20等分に分け、シューマイの皮で包む。 ③フライパンに白菜のざく切りを敷き詰めてシューマイをくっつかないようにのせていく。 ④フライパンに200㏄の水を注いでふたをして強火~中火で10~15分蒸す。 宮内食改からのワンポイント 蒸し器の代わりにフライパンに白菜を敷いて蒸します。ブロッコリーも一緒に蒸して肉の旨味で野菜がたっぷり食べられます。菊芋にはイヌリンという不溶性食物繊維が多く含まれていて、腸内環境の改善や食後の血糖値上昇を抑える効果が期待されます。 ◆市食生活改善(母子保健)推進員連絡協議会 事務局・すこやか子育て課すこやか係(☎㊵-1691)