P2-7 コロナ禍でも災害は起こりうる ◆総合防災課(☎㊵-0267) 写真:台風19号の影響による大雨で浸水した大橋地区の一部(令和元年10月13日早朝撮影) 新型コロナウイルス感染症の完全な収束の見通しが立たない現在でも、大地震、洪水などの自然災害は起こりえます。 昨年10月、台風19号の影響で南陽市内は記録的な大雨に見舞われました。市内全域に避難勧告が発令され、住宅の床上・床下浸水、一部損壊をはじめ、道路冠水、農作物・農業施設にも被害がありました。今後も、いつどこで災害が起きてもおかしくない状況です。 新型コロナウイルスが完全に収束していない現在の状況では、避難所では「3密(密閉・密集・密接)」の環境が生じやすく、今まで通りに行動すると感染のリスクが高まってしまいます。 感染症対策の正しい知識がないまま避難したり、感染を恐れるあまり必要な避難をしなかったりすると、自分だけではなく周りの人の命も危険にさらしてしまいます。 そこで皆さんにお願いしたいのは、1人ひとりが自分の状況を考え、自分の命は自分で守るよう心掛けて行動することです。自分や大切な人の命を守るため、これまで以上に備えておきましょう。今回の市報では、出水期を前に洪水や土砂災害を想定した避難行動についてお知らせします。 ▶平成30年に金山公民館で行われた防災訓練(避難訓練)。同じ空間に多くの人が長期間とどまる避難所では、これまでとは異なる感染対策が必要 今こんなに人と人の接触を避けているのに、災害が起きたらどうすればいいの? 避難所って「3密」じゃないの? 避難所に行くことだけが 避難ではありません。自宅の2階や親戚・知人・友人の家など 状況に応じた避難行動をとりましょう 市内全域に避難勧告が発令されても、市の避難所に約31,000人の市民全員が避難することはできません。 避難とは「難」を「避ける」こと。水害の場合、自宅が浸水する恐れがあれば、ためらわずに避難が必要です。しかし、自宅の位置が浸水域から離れていれば必ずしも外に出て危険を冒して避難所に行く必要はありません。 自宅や近くの頑丈な建物の2階以上で浸水を逃れる(垂直避難)、安全な場所の親戚や知人・友人の家に身を寄せる(立退き避難)ことも考えられます。 1人ひとりが自分の状況を考えて行動することが、移動中のリスクを減らすことや、避難所での「3密」を回避することにつながります。 建物の2階へ「垂直避難」 外に出るのが危険なときは、家や近くの頑丈な建物の2階以上に避難しましょう。土砂崩れの恐れがある山が近くにあるときは、山の反対側の部屋に避難しましょう。 親戚宅などに「立退き避難」 家に2階がなく、指定緊急避難所まで行くのにリスクのある方等は、安全な近所・友人・親戚の方の家に避難しましょう。普段から災害時に身を寄せてよいか相談して決めておきましょう。 災害のとき、自分の家は安全なの? 避難するべきなの? 皆さんの家の状況は 1人ひとり異なります。必ずハザードマップを確認して、自宅や家族の家の状況を確認しておきましょう 1人ひとり住んでいる場所や生活スタイルが違うように、災害の際にどう行動すべきかは異なります。 3月に全戸配布したハザードマップを見て、自宅や家族の家、職場の状況を確認しましょう。 ハザードマップは市HPからもダウンロードできます▶ http://www.city.nanyo.yamagata.jp/bousaisuiboukeikaku ▲南部版▶北部版 ハザードマップで、家の周りに色はついていますか? いいえ 原則、立退き避難は必要ありません。ただし、周りと比べて低い土地や川のそばなどにお住まいの方は、市からの避難情報を参考に安全な場所に避難しましょう。 はい 浸水深が3.0m以上の区域ですか? はい 浸水深が5.0m~10.0m未満の区域、浸水深が3.0m~5.0m未満の区域 早期の立退き避難(その場から移動)が必要家屋の2階以上が浸水する恐れがあります。市からの避難情報に関わらずその区域から安全な場所(親戚・友人宅、避難所など)に速やかに避難してください。 いいえ 浸水深が0.5m~3.0m未満の区域、浸水深が0.5m未満の区域 立退き避難が望ましいが 万一の場合は垂直避難 床上・床下浸水の恐れがあるため、原則は立退き避難です。ただし、万一逃げ遅れたり、外に出るとかえって危険だと感じる場合は自宅や近くの頑丈な建物の2階以上に垂直避難してください。 危険度に応じて警戒レベルが発令されます。「警戒レベル3」で避難準備を! ひょうはじめ 警戒レベル 住民がとるべき行動 市や気象庁からの情報 高 5 命を守る行動を! 既に災害が発生しており、命を守る最善の行動 災害の発生情報(できる範囲で発表) 4 全員避難! ・直ちに命を守る行動(事態が切迫している場合等) ・避難指示(緊急) 4 全員避難! ・速やかに避難等 ・避難勧告 3 高齢者等は避難! ・高齢者等、避難に時間のかかる方は避難・他の方は避難準備 避難準備・高齢者等避難開始 2 避難行動の確認 気象注意報 1 災害への心構えを高める 警報級の可能性 ひょうおわり 突然の避難で慌てないためには、どうすればいいの? 1人ひとりの避難計画シート「マイ・タイムライン」を作りましょう マイ・タイムラインとは災害時に自分自身や家族のとるべき行動について「いつ」「誰が」「何をするか」をあらかじめ整理した防災行動計画です。3月に全戸配布したハザードマップに掲載したマイ・タイムラインを家族などと作りながら、自分の防災行動を整理しておくことで、いざという時に慌てずに行動することができます。 マイ・タイムラインの作り方 作成の前に 自宅や職場に洪水や土砂災害の危険がどの程度あるか、洪水・土砂災害ハザードマップで確認しましょう。 作成してみよう ①例を参考にしながら、3日前~災害発生までにとるべき行動を書き入れる。 ・台風のニュースに注意 ・非常持ち出し品を点検 ・河川国道事務所HPで川の水位を確認 ・ばあちゃんを家まで迎えに行く ・家の2階に皆で移動(雨が特に強い時は〇〇公民館へ出発) ②そのほか、自分の家で必要な備えを話し合って確認する。 ③出来上がったマイ・タイムラインは定期的に確認して修正する。 マイ・タイムラインの様式はこちらからもダウンロードできます▶http://www.river.or.jp/jigyo/my-timeline_download.html 避難所に避難するときに気を付けることは? 避難所の場所は今のうちに確認 市では、「指定緊急避難所」と「指定避難所」を指定しています。避難する際の目的地として覚えておきましょう。お住まいの地域による指定をしていませんので、どの避難所に逃げても構いません。ハザードマップを確認し、家族で落ち合う場所を決めたり、安全に到達できる避難ルートを調べておくと安心です。 近所に声をかけて集団行動を 避難のときは、2人以上での行動を心がけましょう。また、お年寄りや子ども、病気の人等は早めの避難が必要です。近所に呼びかけて避難に協力しましょう。現場でいち早く対応し、助け合うことができるのは、隣近所や地域の皆さんです。市では、地域の方が互いに協力して防災活動を行う「自主防災会」を支援しています。定期的に防災訓練を行うのが理想的ですが、それが難しい場合は、避難困難者の把握、危険個所の情報などを地区内で共有しておくだけでも、いざというときの迅速な行動につながります。 避難するときは動きやすい格好で 厚底の歩きやすい靴も、すぐ履けるよう靴紐をゆるめて置いておきましょう。 避難するときは何を持って行けばいいの?避難所に行ったら全部準備してあるんじゃないの? 避難所にも可能な限り備蓄しますが、感染防止に使うものも含めて自分のものはできるだけ持参するようご協力をお願いします 避難所に向かう際は、食料・飲料水・その他身の周りで必要なものは自分で持っていくことが基本です。 避難所でも備蓄していますが、全員分を十分準備できるわけではありません。これまでの持ち物に加え、マスク・消毒液・体温計などもできる限り準備しましょう。 避難生活で必要なものの一例(準備できたらチェック☑!) □飲料水・食料(最低でも3日分) □救急用品・常備薬 □毛布・寝袋・衣類 □懐中電灯 □携帯ラジオ □予備の電池・携帯電話のモバイルバッテリー □ウエットティッシュ □ラップ・ビニール袋 プラス 新型コロナウイルス感染防止対策 □体温計 □マスク □消毒液 感染防止のためできる限り準備しましょう ※準備したものは、リュックサックなどにひとまとめにして、すぐ持ち出せるようにしましょう。 ※使用期限切れがないよう、定期的に点検しましょう。 避難所での感染が怖い。どうすれば予防できるの? 1人ひとりの感染防止に対する意識が必要です 避難所では密集した環境下での集団生活により、新型コロナウイルスや他の感染症に感染するリスクも高まります。新型コロナウイルスが収束する前に避難所を開設した場合、3つの密(密閉・密集・密接)をできるだけ避けるため、市民の皆さんに次のとおりご協力をお願いします。互いを気遣う思いやりの心をもって生活しましょう。 避難所の数を増やします 市では、1か所の避難所に避難する方の人数を減らすため、「指定緊急避難所」や「一時避難所」を含め開設する避難所を増やす予定です。現在場所を検討しており、決まり次第お知らせしますが、開設・運営に関するご協力をよろしくお願いします。 避難所での感染症対策に協力いただきたいこと 人との距離を確保 避難所では、避難者同士が密集しないように十分なスペース(2m以上、難しいときは身体の向きを互い違いにする)を確保できるよう努めます。通常よりも広いスペースが必要になりますので、本当に避難の必要な方が避難所を利用できるよう配慮をお願いします。また、炊き出しや掲示板の近くなど、人が集まりやすい場所ではできるだけ距離をおくようにご協力をお願いします。 手洗い・咳エチケット・換気 現在も皆さん1人ひとりが行っている感染防止対策が、とても大切です。 気温に関わらず定期的に十分な換気をする、断水などの影響がない時はこまめに手洗いをする、咳エチケットを守るなどの基本的な感染症対策の徹底をお願いします。 具合が悪い時は申し出て 発熱や息苦しさ、だるさ(倦怠感)等の症状がある方は可能な限り動線や生活区域を分けます。避難所に入るときや、避難所で生活しているときは、具合の悪い方は必ず申し出てください。 正しい情報を得るにはどうすればいいの? 災害発生時には以下のような方法で情報をお伝えします。動作を確認したり、登録したりするなど、いざという時にスムーズに使えるよう事前に準備しておきましょう。 防災行政無線 音声で一斉に情報を伝達します。 「防災行政無線の音が聞きとりづらい」という方へ 防災行政無線の音が天候や風向きによって聞こえにくい場合は、電話で放送の内容を聞くことができます。 ◆災害情報テレホンダイヤル ☎㊵-3001・自動音声 ラジオ 持ち運びができ、気象予報や災害情報、地域の情報を聞くことができます。予備の電池も忘れずに。 ■各局放送の周波数 ▷NHKFM 84.2MHz ▷YBC(AM) 918kHz ▷NHK第1(AM) 540kHz、1026kHz ▷エフエム山形 77.3MHz、80.4MHz ▷エフエムNCVおきたまGO! 83.4MHz 緊急告知防災ラジオ 災害時に緊急情報を受信すると自動で起動し放送するラジオです。通常時は普通のラジオとして使えます。 緊急告知防災ラジオを無償貸与します ■無償貸与の対象者(1世帯につき1台まで) ①災害時避難行動要支援者(以下の要件のどれかに当てはまる方)▷立ち上がりや歩行などが自力でできない高齢の方(要介護3~5を受けている方)▷身体障がい者手帳(1、2級)、療育手帳(A)または精神障がい者保健福祉手帳(1級)をお持ちの方▷自ら避難することが困難な、避難行動要支援者名簿への掲載を希望する65歳以上の方②土砂災害特別警戒区域にお住まいの方市のハザードマップで確認ください) ■申込先 総合防災課(市役所2階) ■持ち物 ▷本人の印鑑(シャチハタ以外)▷本人確認のできるもの▷対象者①について、資格要件を確認できるもの(障がい者手帳・介護保険証等) ※代理人による申請もできます。申請の際は代理人の本人確認書類もお持ちください。 ■申込締切 6月19日㈮ ◆総合防災課(☎㊵-0267) 広報車による巡回 限られた地域への情報提供や防災行政無線の補完として車による広報を行います。 ホームページ・SNS発信 ▷市公式ホームページ(http://www.city.nanyo.yamagata.jp/) ▷山形河川国道事務所ホームページ(現在の道路や河川状況をライブカメラで見ることができます)http://www.thr.mlit.go.jp/yamagata/ ▷市公式Facebook(https://www.facebook.com/city.nanyo) ▷市公式Twitter「南陽市防災情報(@bousai_nanyo) ▷市LINE公式アカウント 「安全安心なんよう」登録はこちらから▶http://www.city.nanyo.yamagata.jp/line_bosai 電話がつながらない時はLINEやTwitterで救助を求めることができます 災害時に、万が一救助を求める際、救助の通報が殺到する等で電話がつながらないときは、市LINE公式アカウントやTwitterに書き込むことで市に救助を求めることができます。周りの状況や位置、住所が分かるように文章や写真を送信してください。 ■LINE「安全安心なんよう」にメッセージを送信 ■Twitter 「南陽市防災情報」にダイレクトメールを送信 無料アプリ「Yahoo!防災速報」 事前に登録とエリア設定をすると、災害時に市町村からの災害情報を携帯電話やパソコンで受け取ることができます。https://emg.yahoo.co.jp/ 「新しい生活様式」で一丸となってコロナウイルスに立ち向かいましょう いったん新規感染者数が限定的となっても、地域活動や経済活動を再開することで、人と人との接触が生まれ、感染拡大の第2波・第3波が起こる可能性があります。ワクチン等の開発により新型コロナウイルスが収束するまで、長期的にこの感染症とたたかう必要があります。自分や周りの大切な人の命を守るため、一丸となって立ち向かいましょう。 (1)一人ひとりの基本的感染症対策 感染防止の3つの基本 ①身体的距離の確保、②マスクの着用、③手洗い □人との間隔はできるだけ2m(最低1m)空ける □遊びに行くなら屋内より屋外へ □会話は可能な限り真正面を避けて □外出時、屋内にいるときや会話をするときは無症状でもマスク着用 □家に帰ったらまず手や顔を洗う、できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる □手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗う(手指消毒薬の使用も可) 移動に関する感染対策 □感染流行地域からの行き来は控える □帰省や旅行は控え目に、出張はやむを得ない場合に □発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモ□地域の感染状況に注意する (2)日常生活を営む上での基本的生活様式 まめに手洗い・手指消毒 せきエチケットの徹底 3密の回避(密集 密接 密閉)身体的距離の確保 こまめに換気毎朝の体温測定、健康チェック 発熱やかぜの症状がある場合はムリせず自宅で療養 (3)日常生活の各場面別の生活様式 買い物 □1人または少人数ですいた時間に □通販も利用 □電子決済の利用 □計画を立てて素早く済ます □サンプルなど展示品への接触は控えめに □レジに並ぶときは前後にスペース 公共交通機関の利用 □会話は控えめに □混んでいる時間帯は避けて □徒歩や自転車利用も併用する   食事 □持ち帰りや出前 デリバリーも □屋外空間で気持ちよく □大皿は避けて、料理は個々に □対面ではなく横並びで座ろう □料理に集中、話は控えめに □お酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けて 冠婚葬祭などの親族行事 □多人数での会食は避けて □発熱やかぜの症状がある場合は参加しない 娯楽、スポーツ等 □公園はすいた時間や場所を選ぶ □筋トレやヨガは自宅で動画を活用 □ジョギングは少人数で □すれ違うときは距離をとるマナー □予約制を利用してゆったりと □狭い部屋での長居はしない □歌や応援は十分な距離かオンライン (4)働き方の新しいスタイル □テレワークやローテーション勤務 □時差通勤でゆったりと □オフィスは広々と □会議はオンライン □名刺交換はオンライン □対面での打ち合わせは換気とマスク