令和2年9月定例会

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午後 1時00分  再  開

○議長  再開いたします。
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山 口 正 雄 議員 質 問
○議長  次に、8番山口正雄議員。
〔8番 山口正雄議員 登壇〕
○山口正雄議員  8番、政風会、山口正雄でございます。
  それでは、早速、先に通告をしております質問をさせていただきます。
  1点目は、未来に伝える山形の宝、白竜湖についてであります。
  白竜湖周辺は、約1,000ヘクタールにわたって大谷地泥炭層が展開し、1955年10月25日、泥炭形成植物群落地域90.59ヘクタールが県指定文化財天然記念物に指定されました。
  しかし、様々な影響から年々湖底が浅くなり、面積も狭くなり、何も対策しなければ今世紀中に消滅する可能性まで言及される状況に至っております。
  私たちの小さい頃は、上級生に連れてこられ、ボートに乗ったり、釣りをしたりして楽しんでいたものであります。その当時の美しい白竜湖の原風景をよみがえらせたいという思いで、市民の方も行政も努力を積み重ねてこられました。
  白竜湖の環境保全の手段については白竜湖調査報告書に記されてありますが、難しい課題が山積している中で、現在はヒシ除去を継続的に行っている状況にあります。
  今日は、「よみがえらせたい原風景の姿」にもう一つの目標を加え、長期的な視点で白竜湖、夕鶴の里、合唱組曲南陽讃歌白竜湖などを結びつける「ツル」という存在を活用して、さらに観光資源として磨き上げることができないかという提案でございます。
  日本には、釧路湿原に生息するタンチョウヅルのほかに、2種の鶴が生息しているそうであります。冬、ロシアや中国から西日本に渡ってくるナベヅルとマナヅルであります。江戸時代には、北海道から九州まで広く生息していたそうですが、明治時代になると、乱獲や生息環境の悪化によって、その数は減少しました。この危機に、山口県周南市や鹿児島県出水市で保護活動が始まり、現在はナベヅル約1万羽、マナヅル約3,000羽が国内に生息しているそうであります。
  しかし、狭い場所で密集してねぐらを取っていることから、伝染病などが発生した場合、全体に蔓延する危険性が高まるため、早急に越冬地の分散化を図る必要があるようで、鶴の世界も東京一極集中是正とコロナウイルス感染防止対策の状況と似ているような気がいたします。
  日本野鳥の会では1980年代から鶴の保全に取り組み、近年は新しい鶴の越冬地づくりに取り組んでいるようであります。佐賀県伊万里市では、2004年から市と野鳥の会が協働で、農道の通行制限やねぐらの創出を行うことにより、現在は毎年数つがいが利用し、北帰行には数百羽が立ち寄る中継地になっているようであります。
  本市には、昔話「鶴の恩返し」の夕鶴の里があり、漆山地区には織機川、鶴巻田という地名、現在も鶴巻池と呼んでいる池があると聞いています。また、錦 三郎先生作詞、安達弘潮先生作曲で1993年に作られた「合唱組曲南陽讃歌白竜湖」があります。この合唱組曲は全10曲からなり、南陽市の象徴としての白竜湖や鶴の恩返し、雪を知らせる雪迎え、赤湯のふるさと祭りなど、本市の文化や観光資源として大事にすべきものが詰まっております。これらの観光資源を現実的なストーリー性あるものとし、日本一小さい湖白竜湖を拠点に、さらなる観光資源に磨き上げてはどうでしょうか。
  錦 三郎先生は、伊達政宗の父の「伊達輝宗日記」や「上杉家御年譜」などの記録から、南陽の里にも鶴が飛来していたことを突き止めたと言われております。ちなみに、上杉藩では鶴の塩漬けを幕府に献上していたそうであります。
  この話を裏づけるかのように、東北生態系ネットワーク推進協議会が平成27年、28年度にかけて調査した結果の中には、江戸時代のタンチョウヅル、ナベヅルの分布状況推定地図があります。そこには山形県も分布していたことが分かります。また、大型水鳥類の生息適性を表した地図には、本市もマナヅル、ナベヅルの越冬ポテンシャルが高いと読み取ることができます。
  私は、3年ぐらい前、ある会合で白竜湖に鶴を呼ぶことができないものだろうかとある方に話したことがあります。その後、その方は、北海道大学、山形大学の理系OBの方たちに調査協力をお願いし、その結果について御報告いただきました。その内容は、1つ目は、現在の白竜湖には獰猛な雷魚がいることが、カモ類や白鳥等の水鳥の飛来を拒む状況になっていること、2つ目は水質汚染が原因の藻、ヒシの繁殖も水鳥を拒む要因の1つに挙げられることということでありました。この2つの対策がとられ、ドジョウや鮒などの数が増えれば、水鳥の飛来も増え、新潟で増えつつある天然記念物のトキやナベヅルの飛来も可能性あり得るとのことでありました。
  市長は、50年先、100年先を見据えて政治を行っていくんだと常々言われております。今すぐにできなくとも、10年後、20年後、あるいはもっとかかるかもしれませんが、様々な方々のお知恵とお力をお借りして、白竜湖に鶴や水鳥が飛来し、花鳥風月の言葉のとおり、美しい自然風景を取り戻すことに夢を馳せながら進んでいけたらと思います。
  そこで、市長のお考えを伺います。白竜湖の問題解決とともに、将来、白竜湖にトキや鶴、その他の水鳥、白鳥やカモなどが飛来するような環境づくりのための調査研究に取り組んでみてはいかがでしょうか。
  2点目です。安全・安心なまちづくりの観点から森林整備についてであります。
  コロナウイルス感染拡大の中、今年も梅雨前線による豪雨が列島各地で猛威を振るいました。7が3日から8日にかけては九州地方各県、7日から8日には岐阜県、長野県、13日から14日は広島県、島根県、26日から29日は本県と秋田県。このように、九州地方から東北地方まで広範囲に甚大な被害をもたらしました。犠牲になられた方々、被災された皆様に心からお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、1日も早い復旧、復興されますことをお祈り申し上げます。
  気象庁は、今回の豪雨は、インド洋の海面水温が高くなり、雨量の増大につながる水蒸気の大量発生が長雨になったと分析しております。
  気候変動時代を迎え、従来の経験が通用しない災害への備えが待ったなしとなっております。国の来年度予算編成の指針となる修正骨太方針では、相次ぐ豪雨災害や防災強化は「国の重大責務」と明記するなど、国土強靭化に関する記載を拡充いたしました。この中で、災害から国民の命と暮らしを守るための1つに、「森林整備を加速する」としています。2019年度に施行された森林環境譲与税はその一環で、地球温暖化の防止、災害防止、国土保全、水源涵養などの機能を発揮することを目的にしております。
  私は、豪雨災害を防止するには、山と川、治山治水を一体的に進める必要性があると考えております。7月の水害では、吉野川、織機川の河川整備が進んでいることで災害を最小限に抑えることができたものと思います。しかし、森林整備率は、2018年9月の答弁で経営計画策定分を含めて8.6%ということでありました。
  このように、河川整備が進む中で、様々な問題があって森林整備は遅れを取っている状況にあります。森林整備は、倒木や土砂災害、川の増水などのリスクを低減させ、市民の安全・安心に寄与するものであります。気候変動の時代だからこそ、森林整備を急ぐことが求められていると思います。
  そこで、市長のお考えをお伺いいたします。
  (1)現時点での森林整備についてお伺いいたします。
  (2)第6次総合計画の中で、災害防止対策等としての森林整備をどう位置づけるのかお伺いいたします。
  (3)市が森林の経営管理の委託を受け、林業経営者等に再委託して適切な森林経営管理を行う森林経営管理制度の現在の進捗状況及び今後の実質的な森林整備の始まる時期の見通しについてお伺いいたします。
  以上、壇上からの質問といたします。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  8番山口正雄議員の御質問にお答え申し上げます。
  初めに、未来に伝える山形の宝、白竜湖についての環境課題の解決と野鳥が飛来する環境づくりのための調査研究についてでございますが、白竜湖は白竜湖泥炭形成植物群落として山形県指定天然記念物に指定されており、県下に残存する極めて貴重な自然遺産であり、また地域の方々には心の原風景として愛されている大切な資源でございますので、後世に伝えていくため、何としても残していかなければなりません。
  平成9年3月の白竜湖報告書には、計51種の野鳥が確認されたとの記録もございます。昨年度及び本年度、湖面のヒシ除去に取り組んでおりますが、こうした湖面の維持確保への努力を積み重ねていくことにより消滅の危機を防ぎ、野鳥の飛来をはじめ動植物の生態系の保持につなげてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
  次に、安心・安全なまちづくりの関連での森林整備についての1点目、現時点での森林整備率についてでございますが、平成30年度末時点での過去10年間における伐採届けや森林経営計画として認定され、施業を実施中のものなどをカウントすると、森林整備率は約22%となっております。
  次に、2点目の第6次総合計画における災害防止対策としての森林整備についてでございますが、第6次総合計画基本構想の計画の大綱、基本目標の中では災害に強いまちづくりを謳っており、議員の御質問のとおり、森林は災害防止、国土保全など様々な防災に資する機能を有しておりますので、これまでどおり森林整備は着実に進めていく必要があると認識しております。
  現在、基本計画及び実施計画の策定を進めており、森林の持つ防災的機能の視点を持ちながら第6次総合計画の中に適切に位置づけをしてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
  次に、3点目の森林経営管理制度の進捗状況及び今後の実質的な森林整備が始まる時期の見通しについてでございますが、現在、林地台帳の整備、意向調査対象森林の抽出まで済んでおります。
  しかしながら、この制度は森林所有者の有する経営管理権、財産権などが市に委ねられることを踏まえ、意向調査の着手に当たっては森林所有者情報の精度向上が必要であること、地籍調査未了のため、境界や所有界が不明であること、林業に適する森林、適さない森林を判断するための樹種や材積などの森林資源の資料が不足していることが課題となっております。
  そのため、森林所有者情報の精度向上、地形等の解析による林地や森林の境界原案作成、森林資源量の調査・解析作業を優先的に進めるとともに、枯損木、いわゆる枯れ木などを対象とした森林整備についても本年度中に取り組んでいきたいと考えております。
  なお、木材需要が増加することが森林整備の促進につながることから、本市を希望事業地として、山形県の林業経営体名簿に「意欲と能力のある林業経営者」として登載されている事業者からも助言をいただくとともに、森林所有者自身が行う森林整備への支援を行いながら、森林経営管理制度の早期の進捗が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
  以上でございます。
○議長  再質問に入ります。
  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  ありがとうございました。
  第1点の白竜湖に関してですが、様々な問題があって今すぐ手をつけられるような状況はないということから、ただいま質問はある意味では現状維持なのかなというふうな思いをしたわけでありますが、そういう難しい課題がある中ではありますが、それは当然理解のできるものだと私も考えております。ただ、壇上で申し上げましたとおり、東北生態系ネットワーク協議会の調査結果として、江戸時代には鶴がいたんだということが1つ。それから、この地は飛来する適地というポテンシャルが非常に高い地だということも読み取れるということから、やっぱりこれからも原風景をよみがえらせるために、いずれその環境を整備する、よくするという手がつけられる状態になる時代が来るかもしれません。そのときはぜひそういう、白竜湖の環境改善というのがある意味で鶴が飛来するという思いの環境と一緒の環境整備という共通したものがあると思いますので、ぜひ今から取り組めるように研究をしていただければなと、こんなふうに思うし、やっぱりそういった環境を夢見ながら、その夢に向けて少しずつでも進んでいただければありがたいというふうな思いで今回はまず御提案をさせていただきましたので、今後とも前向きに検討していただければありがたいと思います。
  それから、次に森林整備の関係なんですが、ただいま約22%ほどが森林整備ですが、進んでいるんだというお話もございました。前回の答弁8.6%から大幅に伸びているということなんですが、30年末ということからすると、1年半ぐらいの間にそのくらい伸びているというのは、何か特別な事情はありましたんでしょうか、進んだ原因が。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  山口正雄議員の御質問にお答えいたします。
  先ほどの8%の数字につきましては、緑環境税による森林整備、あと県のほうで認定をします森林経営計画の計上が抜けた数字でございました。市のほうで把握していませんでしたので、8.6%が市として把握している数字でございました。
  このたびの22%につきましては、先ほどありましたこの経営管理制度に基づきまして、施業実績をカウントするということで県のほうから情報等を頂きまして、各々緑環境税につきましては6%、あと森林経営計画については4%で10%上積みした形になりますが、実際2%ほど市として整備率は向上しているかなと思っております。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  分かりました。
  森林組合さんなどからお聞きしますと、近隣市町の中では南陽市のほうが進んでいるんだというふうなお話をお聞きしますが、近隣市町のこの整備率の状況なんかは分かりますか。分かったら教えていただきたいですが。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  県のほうに確認したところ、市町村ごとの整備率、具体的なその基礎数値はないということでしたが、先ほど森林経営計画というものは適正な森林を管理しているという観点から、そのカバー率でいきますと、山形県の平均が14%、置賜地域は13%という数値をお示しいただいたところです。本市は12%ですので、ほぼ平均的な数値かなと思ってございます。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  分かりました。
  この12%、あるいは22%の中で、南陽市の吉野川流域、あるいは織機川流域、こういったことに絞った場合、今の12%、あるいは22%という数字は、流域で見たときの状況はどうなっていますか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えいたします。
  流域でいきますと、その大半が吉野川流域になるかと思います。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
  大半が吉野川流域だと。私、今回の7月の大雨で吉野川の流れてくる状況を見ていると、25年、26年と比較して大木が流れてくるというのは本当少なかったです。そして、逆に織機川の上流の災害を受けたところ、あの辺に行ってみますと本当に大木が散乱しているという状況がございました。これは、森林整備が進んでいるところ、進んでいないところという、まさにそういうことなのかなという感じがいたしましたが、その辺、市長、どのようにお感じになられましたか。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  そこについてはまだ何とも私からは申し上げかねるところなんですが、もしあれでしたら主幹のほうから答弁いたさせますが、よろしいでしょうか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  大変申し訳ありません。その解析については及びませんでした。今後研究してまいります。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  私は、吉野川流域、あるいは織機川流域、両方ともとにかく整備を早くしていただきたいというのがあるわけでございますが、特に織機川流域はほとんどなっていないというような状況があるわけですが、今までその22%、あるいは12%というのは吉野川流域が進んで織機川が進まなかったという特別な原因あるんでしょうか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  その辺につきまして解析をしてございませんので、今後ちょっと経営計画を策定した方たちに意見を伺ってみたいと思います。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  私、聞くところによりますと、織機川流域の中に財団法人山形県林業公社の分収林が多く含まれているというように聞いてありますが、それは違いありませんか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  今議員からありましたとおり、山形県林業公社の分収林はあるとお聞きしております。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  それはどのくらいの面積があって、織機川流域の何パーセントくらいを占めておられるかというのは分かりますか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えいたします。
  織機流域何パーセントという把握はしていませんが、大字漆山に位置する林業公社の分収林につきましては約140ヘクタールほどとなってございます。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  140ヘクタールということで、何パーセントに相当するかは分からないということでしたが、山形県の林業公社は山形県が100%出資しているところでありまして、県は緑環境税を徴収し、森林(モリ)ノミクスというのを進めているという状況にあるわけです。この森林(モリ)ノミクスは、川上から川下まで一体的に捉えた緑の循環システムをつくろうというふうにしているわけであります。まさにこれも整備をして、そこから収益を生んで元気な山を作ると、あるいは地域活性を図るということなわけでありますが、それとともに県土強靭化というものにも資するものだと思います。
  そういう中で、林業公社さんが現在管理する森林は1万5,600ヘクタールあるそうでございます。まさに今、市の1.7倍ぐらいの森林を管理されているというような状況だそうであります。そのたくさんの森林があって、織機川のほうの140ヘクタールに手が回らないのかどうか分かりませんが、織機川流域に住んでおられる方々のためには、上流をしっかりしてもらわないと困るわけです。上がしっかりしないと、下の人が、川下の人が被害を被ると。それ吉野川も同じ。吉野川の上流も整備しないと、赤湯地域に住んでいる方が被害を被るんです。そのためには、上流の整備をしっかりしてもらう、これが必要だと思うんですが、まして県の100%の出資している会社なんです。そういう意味からして、市長は県、あるいは林業公社さんに整備を早くしてほしいという要請をすべきだと思うんですが、その辺いかがですか。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  すいません。私、林業公社のことについては不勉強で存じ上げなかったんですけれども、当然県が100%出資している会社として、県が推進している森林(モリ)ノミクスの実質的な進捗を図るためにも適切に事業を行っていただきたいということは、機会を捉えて要望してまいりたいというふうに感じたところでございます。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  ぜひ、機会を捉えてということでなくて、積極的に出向いていただいて要望していただければありがたいなと思います。よろしくお願いいたします。
  次に、6次総の件なんですが、着実に進めるよということでのお話でございました。この件についてはしっかりと取り組んでいただければありがたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
  それから、進捗状況についてでございますが、先ほどのお話をお聞きすると、所有者の意向調査までには至らない。その前に、境界の問題、あるいはどこの山にどういう木がどのくらいあるのかというものが必要だ。あるいは、それとこの地籍調査というのはある意味で境界の問題だと思いますが、それが進まないとなかなか意向調査が進まないということの理解でよろしいんですか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えいたします。
  今回の森林経営管理制度につきましては、対象森林につきましては約1,900ヘクタールということで絞り込んでおります。その内訳につきまして申し上げますと、施業班数としては1万1,426班、あと筆数として1万6,655が森林簿等のデータから把握したところでございます。
  意向調査につきましては、最終的に今後の進め方も含めて説明しますと、境界や経営管理案を作成、協議、同意、あと経営管理権集積計画の公告を経て、管理着手となります。意向調査以降の作業期間を短くするには、この課題を前段でしっかり精度向上していくことが円滑な進捗につながると思っているところでございます。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  これは、全ての全体の森林の中で、要するに今回この経営管理制度に該当するところと、今管理されているところは別なわけですね。そのレーザー調査をするという、その分析をする、そういったものは全体を言っておられますか。それとも、この森林管理制度の部分だけですか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えいたします。
  解析につきましては、意向調査対象森林となります。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  私、確認のためお聞きしますが、これから意向調査するまでの間にいろいろなものをやらなければいけないとありましたが、経営管理制度の対象となるところをエリア別に分けて区分をして、どのように進めていくかということになると思うんですね、おそらく。そうすると、どのくらいのエリアか分かりませんが、それを一括して進めるということは非常に難しいと思います、実際。だから、今急がなければならないのは、災害に直結するようなところがどこなのか、そういう優先順序をつける。そうして、その部分からやっていくということが必要なんじゃないかと思うんですが、その辺どうですか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えします。
  山口議員がおっしゃられたとおり、そういう災害の観点からも解析を含めながら優先順位を決めて取り組むことが必要かと思っております。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  そういうふうなことからすると、先ほどの答弁の中で実際に作業が進むという見通しの時期というのが正確には何もなかったように思いますが、今現在どの程度の見通しを立てておられますか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えいたします。
  目途というよりは、実質的な着手へ向けて、時期ということだと思いますけれども、この精度向上に関する業務につきましては、このたび補正予算のほうで債務負担行為ということで計上させていただいてございます。その調査については、結構費用を要することでありますので、切れ目なく実施するという予定でおりますが、意向調査そのものにつきましては調査解析がある程度出た段階で一定の目途をつけて、場所を特定して取り組みたいと考えてございます。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  やっぱり順序としては、先ほどの優先順位という意味からいろいろなエリアがあって、どこの部分を優先するかというその順序をつける。そして、レーザー解析をする、あるいは意向調査をするという1つの順序をそれぞれエリア別にやって、このレーザーだってこれから5年ぐらいかかるわけですよね、おそらく。かかりませんか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えいたします。
  作業そのものにつきましては、1か月程度あれば計測は終わると。あと、解析ということですので、実際にこの財源として森林管理譲与税を使うものですから、切れ目なくやると。あと財源に合わせて債務負担行為をやっていますが、実作業的にはそんなに長い時間はかからないものと思っております。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  分かりました。そういう意味で、じゃ解析する前の段階では早く終わると。解析する時間がかかる。そういう意味からしても、やっぱり優先順位をつけてやっていけば、実際に作業が始まる時期というのは優先順位どおりに進むわけでありますから、そういう手順でやったほうがより災害や、あるいは森林そのものも切れ目なく進んでいくのではないかと思うのですが、そういう進め方をされますか、お聞きします。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えします。
  ただいま山口議員からございました助言も含めまして今後検討していきます。よろしくお願いいたします。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  よろしくお願いいたします。
  それから、1つお聞きしたいのですが、先ほど管理に向かない土地と向く土地というか、それがありました。あるいは、意向調査したときに、所有者から回答がない、あるいは所有者不明の土地がある。そういうところについての取扱い、これはどうなるのか。例えば、不明な土地で、所有者不明のため回答が得られない森林、これは所有者の探索、公告をし、県知事の裁定を得て市が経営管理権設定が可能となるというふうに書いてあります。あるいは、所有者が分かっていても回答なく、整備されていない場合は、市が経営管理権の設定を促すというふうに書いてあります。この辺については、結果的に市が管理する方向でということになりますか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えいたします。
  今の件につきましては、先ほど議員からありましたように、災害も含めて必要な箇所ということであれば、優先的にそういうリスクは避けて先に進捗することがいいと思いますので、その調査、解析等を踏まえて順次スライドするとか、そういう検討も必要かと思っております。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  じゃ、それもひとつよろしく、抜かりなくお願いをしたいと思います。
  それで、今回経営管理制度が始まって、所有者は未管理の部分が管理される土地になる。あるいは、木材販売などによる収益も期待できる。自治体としては、土砂災害の災害リスクの発生を抑えることができる。あるいは、それを再委託受ける事業者は、広範囲なところで効率的な作業を行うというメリットがある。三者三様のメリットがあるというふうに言われているわけであります。
  そこで、今まで山形緑環境税や、あるいは森林整備地域活動支援交付金を活用して実際森林整備をされている方々と、今回の新しく出た森林経営管理制度の2本立てでこれから森林整備が進んでいくということの理解でよろしいですか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えいたします。
  先ほどありました地域活動というか、いわゆる森林経営計画、あと市が行う管理制度、あと緑環境税とあるわけなんですが、この緑環境税についてはちょっと私のほうでも県の対応ございますのでお話はできませんという部分があるんですが、今回、うちの先行して課題整理のために行う作業、いわゆる境界の素案作りとか資源利用につきましては、林業事業体からも市からこういう整備できると森林の経営、所有者も交渉をしやすいという話もお聞きしていますので、今回の管理制度、併せて森林所有者、またはその委託を受けた森林経営者と一緒に森林整備が行えればいいのかなという期待はございます。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  これからも、緑環境税は、山形県緑環境税は継続なるわけですね。それから、国の森林整備地域活動支援交付金、これもこれからも存在するわけですね。そういう意味では、今まではこれを使った整備が進んできたわけです。今回の経営管理制度というのは、要するに管理されていないところをどうするかという問題なわけですね。あるいは、経営、所有者が自分でやれないというところをどうするかという問題に対して使われるわけですよね。そういう意味では、今までのやり方とこれからのやり方の2本立てで進むということでよろしいですかという考え方でいいですか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えいたします。
  基本的には、経営管理森林整備、あと経営管理制度によってその管理が行き届かない、できない場所をするということで、2本立てがメインになろうかと思います。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  それから、この森林環境譲与税の使われ方といいますか、活用の仕方なんですが、森林整備及びその促進に関する費用に充当するというふうなことになっているわけですね、この譲与税は。そういう意味からすると、今まで整備されてきた方々にもこの譲与税は活用できるという考え方になりますか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えいたします。
  基本的に、この森林環境譲与税につきましては森林整備ということで、今回市が行う管理制度、あと個人の所有者が行う森林整備、その他活用ができることになってございますので、その有効的な活用法も踏まえ、制度設計しっかり検討したいと思います。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  そういう意味では、あるところの譲与税の活用の仕方の中で、機械化のリース代であるとか、あるいは路網整備、産業道路ですね。あるいは、作業する方々そのものの安全という意味での使い方、様々なことがやっておられるところがあったんですが、そういった本市のこの譲与税の活用というのはどの辺までとか何か今考えておられることはありますか。
○議長  答弁を求めます。
  寒河江農村森林整備主幹。
○農村森林整備主幹  お答えします。
  具体的にどこまで活用ということは考えてございませんが、その辺につきましては県からも一応使途について一定の方向性を示されていますので、その中での検討というか、活用になると思います。
  以上です。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  なお、整備される方の意向もお聞きした上で、その辺十分に活用が図られることを期待したいと思います。
  それから、市長にお聞きしたいんですが、先ほど木材の需要の問題ございました。まだ決定しているわけではありませんが、これから新温浴施設という課題もございます。そういう中で、この地元木材を活用するというお考えはどうでしょうか。
○議長  答弁を求めます。
  市長。
○市長  今検討しているデザインの中には、様々な用途に使えるところは使いたいという意向でデザインを検討してもらっているというふうに思っております。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  分かりました。
  ちょっとかけ離れたことになるかどうかなんですが、森林組合さん辺りにも話をお聞きしますと、これからの仕事量を考えたときに、やっぱり増員しなくちゃいけないということも考えておられるようですが、なかなか地元からは集まらないということで、都会から人を呼ぶしかないというようなお話があるようでございます。その場合に問題なのが住む家だそうでございます。そういうことからすると、建設課長にお聞きいたしますが、空き家バンクという利用、この辺も併せて森林組合さん辺りと連携で進めることができないのかどうか、その辺についてお聞きしたいと思います。
○議長  答弁を求めます。
  粟野建設課長。
○建設課長  ただいまの質問にお答えいたします。
  今の御提言いただいたばかりでございますので、その辺が可能かどうかも含めて検討してまいりたいと思います。
○議長  8番山口正雄議員。
○山口正雄議員  引き続きその辺よろしくお願いしたいと思います。
  地球温暖化、気候変動、災害の頻発化という中で、森林整備をしていくことで森林の多面的機能が発揮され、災害のリスク軽減とともに市民の暮らしの安全、安心、そして経済活性化というものにつながっていくと思いますので、ぜひ最善の努力を振り絞って森林整備に取り組んでいただきますようお願い申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。
○議長  以上で8番山口正雄議員の一般質問は終了いたしました。御苦労さまでした。
  ここで暫時休憩といたします。
  再開は2時5分といたします。

午後 1時48分  休  憩

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