桑 原   仁 議員 質 問 ○議長 最初に、7番桑原 仁議員。 〔7番 桑原 仁議員 登壇〕 ○桑原 仁議員 おはようございます。7番桑原 仁であります。  ことしは21世紀幕あけの記念すべき年に当たり、新たな気持ちで市民生活の向上と市政の健全運営に当たる市長を初めとする関係各位にまずもって敬意を表したいと思います。 さて、今、新聞、テレビ等で、毎日のように政治家や官僚の汚職の問題が報じられております。外務省の元要人外国訪問支援室長による内閣官房機密費詐欺事件やKSD事件、アメリカ原子力潜水艦による練習船えひめ丸との衝突事故の際の森首相の対応、3月5日の内閣不信任案の採決後の動き、そして3月10日夜の密室での党5役との会談による総裁選の前倒しという、国民には到底理解のできない玉虫色の総理退陣など、全く国民を無視した行動が随所に多く見られ、政治に対する不信はますます高まるばかりであります。  NHKの最新の世論調査では、森内閣を支持するが9%、支持しないが82%と発表されました。さらに、きのう内閣府が発表した昨年10月から12月期の国内総生産GDP速報は、物価変動を除く実質で昨年7月から9月期に比べ 0.8%増、年率換算で 3.2%の増となったと報道されました。 しかしながら、森首相が事実上、退陣表明をしたにもかかわらず、物価はきのう、ことしの最安値を更新し1万 2,171円37銭をつけました。このことは森政権ではもうだめだということを意味しております。  また、現在、年間8億トンもの農産物が外国から輸入され、さらに中国、韓国、東南アジア等からさまざまなものが低価格というだけでどんどん輸入され、日本市場は大混乱を来しております。 規制緩和や効率化、IT化、あらゆる分野における促進効果は全国的なコンビニの増加や大型スーパー等の進出が目立ち、地域の商店街は競争する体力もなく、客足が奪われ活力を失い火の気の消えたような状況にあります。また、中小企業ばかりでなく大企業さえも外国資本に対抗するのが難しく、効率化という名のもとに人減らしをしているところであります。  農業に至っては、稲作ではことしも南陽市で 766ヘクタールにも減反面積が拡大し、市全体面積の 36.44%を占めるまでになり、生産コストの低落、後継者不足に加え、果樹等においては、ことしの豪雪被害の大きさに全く元気がない状態であります。  そして、職場では、極度のリストラ・競争等で働く者同士の人間関係さえも失われ、働く意欲さえ奪われているのが現状であります。 さて、当市においても、このような状況に変わりはなく大変厳しい状態にありますが、旧ヤマザワ赤湯店を改装したえくぼプラザがもうすぐオープンの運びとなり、赤湯商店街を中心に活性化の波が市全体に波及してくれるものと確信するものであります。さらに、赤湯小学校建設工事がことしから始まり、平成15年度の開校に向け大きな一歩を踏み出します。これらのことが少しでも活気を取り戻すことに期待をしているものであります。  第3次南陽市総合計画では、バブル最盛期のさなか、21世紀の橋渡しとして多くのプロジェクトが計画され、ハイジアパーク南陽の建設、夕鶴の里、結城豊太郎記念館、さらには市民体育館や中央花公園など、多くの財産をつくってきました。これからは、これらの財産を大切にしながら、心豊かな、市長がモットーとしています「安全で安心なうるおいのあるまち・南陽」をつくっていかなければなりません。  昨年開業した置賜総合病院と南陽病院の経営については市民の注目するところであり、市民の健康を守る意味からも、より利用しやすい便利な施策が必要と考えます。 また、赤湯駅前開発は、観光及び地域の発展のためにも早急な問題ではありますが、地元との話し合いを十分にして、二度と前回のような轍を踏まないようにしていただきたいと思っております。 さらに、果樹と温泉をタイアップした企画の拡大や、熊野門前町を中心とした観光の拡大、中学校の再編統合については2校にするとの一定の方向性と時期については三つの案が示されました。  さらに、広域合併問題など、まだまだ大きな問題がメジロ押しでありますので、今後とも将来を見据え、市政のかじ取りを誤らないようにしていただきたいと思います。 では、さきに通告しております第4次南陽市総合計画の内容について質問をいたします。 一つ、失われた10年とはよく言われますが、21世紀は、それを取り返す世紀にしなければなりません。そこで、第3次南陽市総合計画の反省点と、それを踏まえた第4次南陽市総合計画の違いを伺います。 2番目に、第4次南陽市総合計画の最重点目標は何かを伺います。 3番目、市長が目標に掲げている「安全で安心なうるおいのあるまちづくり」の基本理念はどこにあらわれているか伺います。 4番目、今後のまちづくりと経済対策について、そして最後に、平成8年8月に住民福祉の向上を目指し、大きく分けて九つの項目に対し見直しや整理・改善を図るべく策定されました南陽市行政改革大綱ですが、それを見直すとあるが、どこをどのように見直すのか伺います。また、今後どのようなスケジュールで進むのか教えていただきたいと思います。 以上、当局の誠意ある御答弁をお願いいたしまして、私の質問といたします。 ○議長  ただいまの7番桑原 仁議員の一般質問に対して答弁を求めます。 市長。 〔荒井幸昭市長 登壇〕 ○市長  おはようございます。御苦労さまでございます。 7番桑原議員の御質問にお答え申し上げます。 初めに、第3次総合計画の反省点と第4次総合計画との違いについてですが、第3次総合計画はバブル経済時期の平成2年6月に策定いたしたため、インフレ基調の右肩上がりを前提としたまちづくり、プロジェクト開発型でありました。その背景には、立ちおくれていた社会資本整備の必要性があったこともまた事実であり、道路や鉄路における高速交通網の整備を初め、結城豊太郎記念館並びに夕鶴の里などの文化施設や体育施設等の整備を進めてまいりました。反省点につきましては、インフラ整備の陰に身近なところの課題解決が手薄になったものと認識をいたしております。 このたびの第4次総合計画につきましては、この反省点を踏まえ、策定段階からの市民参画、地域課題の解決や地域ごとのまちづくり白書を踏まえ、身近なところから出発をいたしております。また、人口推計や産業・経済予測におきましても、時代の主流を十二分に踏まえ現実に立脚した計画づくりを目指したところでございます。 2点目の重点目標につきましては、昨日の17番塩田議員の御質問にもお答えいたしましたように、「安全で安心なうるおいのあるまち・南陽」と定めております。 3点目の安全で安心なうるおいのあるまちづくりの基本理念は市民憲章に求めておりますが、安全、安心、潤いのキーワードにつきましては、社会資本の分野から生涯学習に至るまで行政施策各般の基本目標としてあらわしております。 4点目の今後のまちづくりと経済対策についてですが、地域経済は産業経済全般の影響を受け、しかもおのおのが厳しい競争を強いられておりますので、本市まちづくりだけでは解決できる課題ではございません。 しかしながら、本市産業の三本柱は、農林業、商工業、観光・温泉産業でありますが、農業につきましては農地の集団化等による経営の効率化、優良農地の保全、後継者対策、稲作からの転換、流通対策、環境保全型農業の推進などが中心課題になるだろうと考えております。  商業につきましては中心市街地の活性化、工業につきましてもものづくり人材の育成を通じ競争力のある合理化された市内企業を育成すること、また企業間交流を活発にすることであると思います。工業団地の拡張につきましては、昨日もお答え申し上げたとおり、このような経済状況下でございますので、景気動向や設備投資の需要に敏感になりながら、柔軟に対応をしていく必要があろうかと存じます。  観光につきましては、市民と一体となった観光推進を基本に、観光資源の有効活用と農業観光資源の開発、また広域観光の推進が課題かと思われます。  これらの課題に的確に対応し、豊かで活力あるまちづくりを進め、地域経済を活性化してまいりたいと思います。  最後に、行政改革について申し上げます。  現在の行政改革大綱は平成12年度を目標年次としておりますので、新年度早々に見直しを始めてまいります。基本構想の中では定数管理や給与の適正化を中心として、組織や機構、事務のあり方について市民の意見を大胆に取り入れ、目標を数値で具体化し、情報を公開しながら強力に行政改革を進めるとしております。どのように見直すかにつきましては、平成9年11月に現総務省より示されました「地方自治・新時代に対応した地方公共団体の行政改革推進のための指針」に基づき進めてまいりたいと考えておるところでございます。以上でございます。 ○議長  それでは、再質問に入ります。 7番桑原議員。 ○桑原 仁議員  答弁ありがとうございました。では、再質問を二つほどさせていただきたいと思います。 実は、安全で安心なうるおいのあるまち・南陽と、私がいつも言っています、子供たちが住んでみたい、住みたいまちづくりということであるわけでありますけれども、そのことについて二つほど質問させていただきたいと思います。 今まで第3次南陽市の総合計画の中では建物をつくってきたということで、これからはそういうものを大事にしながらということがあるのかなと私は思うわけですけれども、安全で安心なということになれば、一番みんなにかかわるものといえば環境問題だろうと私はいつも思うんですよね。  環境問題で去年とことし大変な大雪があったわけですけれども、その中でいろんな人と話をしますと、どうしても雪の問題というものは一番とかかわってくると。要するに少子化になって、だんだんとお年寄りだけが残ってくるというような状況もありながら、なかなかやっぱり年寄りだけ残れば屋根に上って雪おろしするというような状況がどんどんとふえてくるというようなことがあるわけですけれども、さまざま市民のボランティアの中にはひとり老人のところの雪おろしをしたりというようなことがあるわけですが、だんだんとそれもみんなが年をとってくれば、そういうふうなこともできなくなるというような状況になるのかなと私は思っています。  ことしも屋根から落ちたということで人的被害が14件ほどということで、報告なっている分だけでもこのぐらいあるわけですが、いずれ何というか、屋根に上らなくても雪おろしができるようなものをつくっていかないと、どうしてもこっちの方には住む人がいなくなるんじゃないのかなと。私の方の知っている人でも、子供がやっぱり雪のないところに大学だ専門学校だと行けば、こっちの方に帰ってこないというのが現実なんですよね。私の方でも同級会をしたときに、できれば雪のないときにしてくれというようなことで、雪というものについては大変こっちの方で言えば、やっかいものになっているという部分もあるので、何とか雪を克服しなければならないと私は思っているわけですが、雪を楽しむか、その辺で何とかこれからの高齢化社会に向けて、住宅のつくりにしても何とか2階の方に上がらないで済むような、何かその辺の研究もやっぱり私はする必要があるだろうということで思っていますし、核家族化と言われて久しいわけですが、それもこれも世帯数だけふえて人がふえていないというような状況もありますので、この辺をやっぱり、今言った安全で安心なというような部分からいけば、何とか3カ月だけではありますけれども、この雪を克服しなければならないと私は思っていますので、この辺の何か対策等があれば、私もいろいろ考えているわけですが、なかなか簡単なことはできませんけれども、そんなことでひとつお考えがあったらお願いしたいなと思っています。 あとは環境問題の中で、どうしても南陽市の場合、水が問題なのかなと私は思っています。平成17年から綱木川ダムからの給水が始まるというような話があるわけですが、実は3月3日のときに午前6時10分ごろ、長井市の方からの丸和産業からの油漏れ事故があったと。たまたま、南陽市の水道の人が見つけたというようなことで新聞には書かれていたわけですけれども、実際あそこから60%近くの水を南陽市で持っているわけですね。今言った形で、今は13年ですので、実際のところ何年かそんな形に頼らざるを得ないと思っています。本当に一番大事な空気と水の中で、その水があのような状況でということで、前から丸和産業についてはいろんなことで指摘を受けているわけですけれども、その辺もう少し何かの解決策があればなということでお伺いをしたいと思っています。  まず、その二つだけお願いします。 ○議長  市長。 ○市長  環境問題の最初に克雪対策であります。議員御指摘のとおり、現実的に雪おろし等をなさる方々は、若い方は勤めておりますから、どうしても老人に頼らざるを得ない。そういう関係上、今期の冬かなりの人身事故がありましたし、シルバー人材も屋根には上らないと。下の雪片づけはお手伝いできるということでございます。  では、現実的に、どのような形が屋根に上らないで雪おろしできるのかなと。これは動力的なもの、あるいは設計上の問題で解決できるものがあろうかと思いますが、土地も膨大に広ければ屋根の傾斜を急にして玄関以外を片屋根にすれば、すっと滑り落ちるわけなんですが、なかなかそういう対策も現実的に難しいだろうと思いますし、現在建っている家をすべて建てかえることもまた非現実的で、できるわけでございません。  そういう中で、動力を使ってということもあります。水を上げて常に水を流す、あるいはヒーターを通す、あるいは太陽光発電といっても冬の間はなかなかうまくいかないだろうというふうに思いますが、行政として1万戸以上の住宅の屋根の雪おろしというすべてを克服するということは到底至難のわざでございまして、ことしは少なくともひとり暮らしの老人世帯等には大変気を使いながら、 190戸、約 200戸近くあるところは事故のないように民間にお願いをしながら対応をさせていただきました。 雪は活用次第では有効的に克雪もできるかとか思いますが、現実的には大変厳しいものだなという認識をいたしております。我々も、どのような形でこの雪問題を解決したらいいか、まだうまい考えが及びません。議員もいろいろ考えておるがということでありますから、今後ともいろんな御意見等を賜りながら、少しでも雪に強い、そして雪が降っても今まで以上に不便を感じないようなまちづくりが行政でできるものかどうかを含めて今後検討をさせていただきたいと思います。 それから、2番目の環境問題の水の問題、大変心配をいたしております。ことしに入って20回くらい、いろんな油漏れ事件・事故がございまして、水道部で関係機関、県なりあるいは交通国土省と連携をとりながら対応をしてまいりました。先ほど御指摘の丸和さんも一時取水を中止して断水にまで発展するんじゃないのかなという心配もいたしておりましたが、万全の体制で取水停止しても水窪の水等もありますから何とか断水をしないで済んだわけなんですが、確かに私もかつて昔、議員時代に、必ず施政方針には、おいしい、安全で安定的な供給という言葉がありました。私も質問させていただきました。おいしい水というのは現状で設備改革・改善しないでできるのかということでありましたが、言葉上そう挙げただけなんだということで大変がっかりした経緯がありますが、今後の課題として綱木川ダムが平成17年度に予定でいけば完成する予定でございます。実際、取水できるのはそれより若干ずれるかと思いますが、ただ最初に手を挙げておった時期が、我々は最上川の長井の浄水場から揚げるということで、量的に全部賄えるほどの、長井浄水場を廃止して賄えるほどの量の確保はしてございません。 しかしながら、非常に心配なことでありますし、おいしく安全な水を安定的に供給するには、私は綱木川ダムから不足分を全量買った方がいいんじゃないかというようなことで、県の企業局そして水道部にも指示をいたしておる現状でございます。 それともう一つは、長井浄水場から配管等も既に四十数年たっておりまして設備の再投資をする時期でありますから、どっちがプラスなのかも十二分に計算視野に入れながら、そのような対応、水を分けていただければ、私はそのような対応の方が安全で心配のない安定的な水供給ができるのかなと、こんな思いでいるところでございますので、議員にも御理解をいただきたいなと、かように考えているところでございます。以上です。 ○議長  再々質問に入りますが、桑原議員。 ○桑原 仁議員  大変突っ込んだ話をいただきまして、ありがとうございました。 質問ではなくて要望にさせていただきたいんですが、雪に対する対応ということで、私のところの職場の人も共稼ぎの人が結構いるわけですよね。その人も転勤になったときに、どっちが転勤するんだという話になっているようなところもあるんです。実は冬のことを考えれば、女の人が雪のないところに転勤した方がいいというような、実際はそんなことになっているわけでないんですけれども、そんなことも出ていますので、かなり難しい部分もあろうかと思いますけれども、雪に対するものについては、雪国に住む運命ですので、これはひとつ何とか安全で安心に暮らせるような方策がとれるように、少しでも近づくようにお願いをしたいなと思っています。 水についても、ことしだけで20回ということで初めて聞いたわけですが、私だけでなくて市長もこの水を飲んでいるわけですから、そんなことのないように気をつけていると思いますけれども、より一層水の安全確保にお願いをしたいと思います。 あとは、まず何だかんだ言いながら、農業が元気にならなければ、市政もまちの中の活性化も全然ないということで私は思っていますので、ことしは本当に豪雪で、まだ被害の確認にも行けないというようなところもあるわけですけれども、そんなことで少しでも農業が活性化になるようにお願いをしたいなと思っています。 今まで市長がやってきました市民と目線を合わせた市政ということで、これからもそのような形で今後進んでいけるように御祈念申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長  以上で7番桑原 仁議員の一般質問を終了いたしました。御苦労さまでした。