移住者の事例紹介(南陽市移住者向けガイド)

「南陽市移住者向けガイド」に掲載されている事例を御紹介します。

東北の大地が育むブドウで 自分の思う最高のワインをつくりたい

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2018年移住の矢野陽之さん ワイン醸造のためI ターン
神戸市出身。調理師学校卒業後に神戸市のイタリアンレストランに勤務。ソムリエの資格取得後、イタリア、オーストラリア、ニュージーランドに渡り、ブドウ栽培、ワイン醸造を学ぶ。2018年、南陽市のワイナリー「グレープリパブリック」に就職、南陽市へ移住した。
ライフステージは厨房からワイナリーへ
料理の世界からワイン醸造の仕事に転身した矢野陽之さん。かつて、神戸市内のレストランの厨房で働いていた際にワインの奥深さに惹かれソムリエの資格を取得、ワインの本場イタリアでソムリエの仕事を経験しました。

さらに、オーストラリア、ニュージーランドに渡り、ブドウ栽培やワイン醸造を基礎から学んだそうです。「ワインづくりは料理に似ている。大きさは異なるが、厨房がワイナリーになり、調理器具がフォークリフトや、プレス機に変わっただけ」と笑顔で語ります。そんな矢野さんが、ニュージーランドで醸造家アレックスと出会い、彼の紹介により就職した場所が、南陽市にある2017年創業のワイナリー「グレープリパブリック」でした。
 
地域の方とつながりながら自分の思う最高のワインをつくる
神戸市出身の矢野さんにとっては初めての東北。南陽市は身近に里山やブドウ畑、田園の風景が広がっていて、自然が豊かで静かな暮らしは、大阪やシドニーのような都会よりも過ごしやすく性にあっているそうです。

農家の方と最初に会ったときには、全く「やまがた弁」が分からず衝撃を受けましたが、「今では地域で作ったサクランボなどの農作物や山で採った山菜などをいただいている。自分の地元では考えられないことだと思う。そういう人間関係がいい。自分でも山菜を採りに行きたい」とのこと。南陽市にはイタリアのような街並みはもちろんありませんが、食や生活の知恵、生きていく上での技、コミュニティのつながりなどの地域に根差した文化を感じられるそうです。

移住して2年目を迎え、現在は南陽市の風土を活かして作られたぶどうで、Made of 100%Grape のナチュラルワインを仕込んでいて、世界市場への出荷も考えているそう。「来年は、南陽産のデラウェアで自分の思う最高のワインをつくりたい」と、ブドウ畑を見つめながら嬉しそうに教えてくれました。

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(※写真・インタビュー内容は取材当時のもの)
 

仕事と子育ての調和を求めふるさとへ 夫婦で美容室を開業

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2013年移住の山口さん一家 Uターンして子育てしながら美容室を開業
夫・貴志さんは南陽市出身。熊本県出身の妻・まき子さん、小学3年生の長男、小学1年生の長女、2歳の次女の5人家族。2013年に南陽市に移住し、美容室「BELLE」を開業。ご両親に助けてもらいながら、子育て、仕事を両立中。
 
仕事と子育てを両立させるためふるさとへ
貴志さんとまき子さんはお勤め先の東京にある有名美容室で出会い結婚、まき子さんは長男を出産後、1歳のときに仕事に復帰しましたが、ご両親と離れて暮していたため、自分達で仕事と子育てを両立させなければなりませんでした。「子どもを預けて遅くまで仕事をしたり、子どもが急に熱を出してお客さんや同僚に迷惑をかけたりして心苦しかった」と当時を振り返ります。

長女を妊娠し、さらにこの想いが強くなり、仕事と子育てを両立させる自信が持てなくなったそうです。貴志さんの実家がある南陽市で開業すれば、「家族の時間を持つことができ、両親の手を借りながら好きな仕事もできて、すべてうまくいく」2013 年の南陽市への移住は、山口さん家族にとってライフスタイルを変える大きな転機となりました。
 
美容室の開業から暮らしのゆとりが生まれる
南陽市に開業したお店は1階が美容室、2階が自宅です。まき子さんは、朝、子どもたちを送り出すと、美容室を開店。子ども達は学校から帰宅すると、お店の中で宿題を済ませ、夕方には子どもと2階に上がり夕食をとります。貴志さんは閉店まで仕事を続けます。
「子どもと一緒に過ごす時間ができ、生活の中で仕事に向かう姿を見せることができるのも自営業ならではです」と語るまき子さん。東京での暮らしは、朝の通勤ラッシュから始まり、毎日ヘトヘトで、仕事以外のことは考えられなかったそうですが、今では家族でマラソンに挑戦するほど暮らしも仕事も充実している様子です。

「川沿いの桜もきれいだけど山の桜が好きです。山一面に咲く烏帽子山の桜は最高です」四季折々の風景や食べ物を子ども達と一緒に楽しみながら暮らす、南陽市への移住は、仕事と子育てを両立させながら楽しむ余裕を生むきっかけとなりました。
「南陽市は、東京、仙台方面への交通アクセスもよく、人の出入りも多いので、開業しやすい環境だと思います。挑戦したい方は是非チャレンジしてみては」と、笑顔で話してくれました。

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(※写真・インタビュー内容は取材当時のもの)
 

美味しい農作物を全国に届けたい 農園を家族で経営する暮らし

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2012年移住の平さん一家 Uターンして新規就農
夫・一晃(かずあき)さんは南陽市出身。東京都出身の妻・良子(よしこ)さん、小学3年生の長女、小学1年生の次女の4人暮らし。南陽市へ移住し、両親とともに「たいら農園」を経営。
 
自分の手で娘たちに美味しい農作物を作りたい
一晃さんと良子さんは、お勤め先の東京都内の同じバイク用品店で出会い結婚、お子さん2人に恵まれました。東京で暮らす中で、農業を営む一晃さんのご実家から季節ごとに送られてくる新鮮な農産物を食卓に並べると、幼かった娘さんが、「おじいちゃんおばあちゃんの作ったお米っておいしいね」といつも喜ぶ笑顔がありました。
長年抱いていたふるさとの想いも重なり、「家族で山形に戻り、自分の手で娘たちに美味しいものを作りたい」と、2012 年に南陽市への移住と就農を決意しました。

ご両親の経営する「たいら農園」は、お米やりんご、さくらんぼ等の果物、リンゴジュースやドライアップルなどの加工品を生産しています。
ご両親とともに農園の規模を拡大し、農作物が育ち収入を得られるようになるまでは貯金を切り崩す生活で不安もありましたが、市役所から新規就農者向けの支援金制度の紹介を受けたそうです。「農業が軌道に乗るまでの間、支援金のおかげでとても助かりました」と一晃さんは当時を振り返ります。
 
新しい発見と作る喜びにあふれる暮らしに
東京で生まれ育った良子さんは、「南陽市は自然豊かで名所がいっぱい。りんご畑がある山の景色も最高」と笑顔。一晃さんのご両親に、ホタルが見られる場所やおいしい水が流れているところ、眺めのいい場所など「知る人ぞ知る」スポットを教えてもらっていて、次はどんな所を教えてもらえるのだろうと楽しみに暮しています。友達もたくさんできたそう。

経営も軌道に乗り、「南陽市の農作物が一番おいしい」と思ってもらえるように、ご両親とともにご夫婦力を合わせて農作業に取り組んでいます。「減農薬の特別栽培米やりんご、さくらんぼを全国の皆さんに食べてほしい。作った農作物を振る舞って友達やたくさんの人に楽しんでもらえるような場所をつくりたい」と語るおふたり。
平さん家族の夢は大きく膨らんでいます。

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(※写真・インタビュー内容は取材当時のもの)

一歩踏み出し拓けた道 理想の味を求めてラーメン店開業

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2012年移住の井村さん一家 Iターンしラーメン店を経営
夫・賢悟さん、妻・三智代さん、小学4年生の長男、小学2年生の長女の4人家族。2012年に東京都から南陽市に移住。賢悟さんはラーメン店「麺屋葵」を経営。三智代さんはラーメン店を手伝いながらダンススクールを運営。
 
充実した子育て環境とラーメン店開業の夢
「移住のきっかけは、両親が古民家暮らしに憧れ、南陽市内の古民家を購入し、移住していたことです」と語る賢悟さんご一家。それまで東京都内に住み、賢悟さんは飲食店に勤務、妻の三智代さんはダンスで生計を立てていましたが、時折ご両親が住む南陽市へ家族で訪れるうちに、「環境のいいところで子育てしたい」という想いが強くなり、2012 年に南陽市へ移住しました。

賢悟さんは、ご両親の勧めで古民家の空き部屋を使いラーメン店「麺屋葵」を開業しました。その後、魚介豚骨ラーメンや焦がし担々麺など、日々おいしいラーメンの研究と努力を重ね、「麺屋葵」は開業から数年で県内外からお客様が訪れる人気ラーメン店となり、お店を国道沿いに新築移転しました。「あまり南陽市のラーメン店の情報を知らなかったからできた。起業前に情報を得ていたら、あれこれと考えて大切な一歩が踏み出せなかったかもしれない。知らないからこそしがらみもなくフットワークを軽くできた」と当時を振り返ります。
一歩踏み出すことから道が拓けてきた
ご夫婦は現在、お店の他に一戸建ての家を建てて、子ども2人、大型犬2匹と生活しています。「東京圏で暮らしていたら実現できなかったと思う。移住したことで生活レベルが向上し、家庭のベースを築くことができた」と賢悟さん。田舎に暮らしていてもインターネットで情報が入るし、買い物もできるので不便は感じないそう。
「仕事は忙しいけれども、家族の時間や子どもの習い事など、自分たちで時間を有効に使うことができているとのことです。犬と田んぼ道を散歩していると、田園風景から季節の移り変わりを感じ、ふっと肩の力が抜けて、リラックスできる」と笑顔で話されていました。

「移住に興味があるのなら、まずは一歩踏み出すことだと思う。踏み出さないと楽しみも後回しになって、1年、5年と過ぎてしまう。まずは来てから悩みましょう。目の前のことに妥協せずに向かっていくと自然と道が拓けてくるし、やった分だけご褒美が返ってくると思って仕事に取り組んでいる」と未来の移住者に向けてメッセージをいただきました。

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(※写真・インタビュー内容は取材当時のもの)