南陽市学校給食センター

名称:南陽市学校給食センター

位置:南陽市宮内2303番地の2
建設年月:平成22年10月
給食開始日:平成23年1月から実施(平成23年4月から本格稼働)

給食センター外観


建設の経緯

 南陽市教育委員会では、未来を担う子どもたちのために、望ましい教育環境の整備に取り組んでいますが、給食センター建設当時(平成22年度)は、急激な少子化により生徒数が激減するとともに、中学校校舎の老朽化も著しい状況であり、その整備が急務の課題となっていました。そこで、南陽市では、中学校再編整備事業を実施し、市内中学校を3校に統合するとともに、安全・安心な学びの場を確保するため、宮内中学校改築整備事業を行いました。
 当時、宮内中学校の校舎は、すでに築39年が経過し老朽化が進んでおり、耐力度調査により危険建物と判定され、改築の必要な建物となっていました。また、宮内中学校には調理場がなかったため、近接する宮内小学校から親子給食形式で給食の提供を受けていました。
 宮内小学校においても耐震診断の結果、改築の必要な校舎となったため、新しい調理場建設が急務となりました。そこで宮内小学校の学校給食にも応えられ、かつ安全で衛生に配慮した最新設備による共同調理場として給食センターを建設をしました。
 この施設は、宮内中学校のほかに6校への配給もできる規模の調理を可能とした施設です。また、防災拠点施設として炊飯も重要な要素です。学校教育の一環として食文化や食の教育の観点から自校炊飯が最良であり、地産地消や季節感、自然を感じる豊かな感性を育てるためにも、調理場と合わせたランチルームの設置を行いました。


特徴

 この給食センターの特徴としては、宮内中学校と併設した施設、設備があります。1階が調理場とランチルームで2階が武道場と機械室からなっております。1階の調理場は1800食の給食を提供が可能な施設です。建物は鉄筋コンクリート造り2階建1,011平方メートルで検収室・下処理室・調理室・炊飯室・洗浄室・食品庫・事務室・ランチルームなどが設けられています。2階には調理中に煙が出ないように機械室でお湯を作り調理室内には煙が出ない構造にしております。また2階は並列して中学校の武道場が設けられています。
 調理室は独立したクリーンルームで、出入りの際にほこりを落とすエアーシャワーがついています。又作業動線も調理毎に区分され、壁・床を色分けすることで、汚染地域と非汚染地域を完全に分離し、調理員が常に衛生管理意識を持つよう工夫されています。


具体的な特色

(1)  ドライシステム及びHACCP概念の導入
 ドライシステムとは乾いた状態の床で調理や洗浄作業を行う方式で、高温多湿や細菌やカビの繁殖を抑制し害虫の発生防止にも効果があり、また床からの跳ね水による食品への食中毒の二次汚染を防ぐことができます。
 HACCP方式とは清潔・汚染区域を明確に区分し、原料・製造から流通に至るまで各段階で安全管理する方式で、確実な安全性を確保します。

(2)明確なゾーンについて
 調理エリア等食材の受け入れから調理、配送まで人や食材による交差汚染が発生しないように、適切な温度管理、衛生管理や食材の流れに配慮しました。衛生的なエリアへの入室は靴の履き替え、エアーシャワーの設置、手洗い消毒で病原菌の流入を防いでいます。

(3) 食物アレルギー対応について
 食物アレルギーを有する児童生徒のために、アレルゲンを除去した給食を提供できるように、アレルギー専用の調理室を設けました。

(4)地産地消の推進について
 地元産の食材を多く取り入れた献立により、郷土のすばらしい季節の移り変わりが実感できる給食を提供します。特に地産地消推進のために地元の農家との納入契約栽培を行い、給食に提供します。(特定野菜6品目)又自校炊飯を行い、地元産米を提供できるように推進します。

(5)食育をすすめていくために
 PEN樹脂食器やトレイの導入により安全安心に使用いただけるように配慮し、残菜計量器の導入により、子どもたちの喫食状況を把握し、献立作成や食に関する指導に生かします。ランチルームも有効に活用します。

(6)環境に配慮するために
 廃棄量を低減できる残菜処理機の導入、高い処理能力をもった廃水処理施設(除外施設)の完備、夜間電力の有効利用をしています。
 

運搬計画

 宮内小学校、沖郷小学校、漆山小学校、梨郷小学校、荻小学校、宮内中学校、沖郷中学校の7校分の給食を調理し、宮内中学校を除く6校分を専用の運搬車で運搬します。運搬ルートは沖郷方面に1台、宮内・漆山・梨郷方面に1台としてそれぞれ2往復します。また、荻小学校に1台で運搬します。各学校では給食専用の保管場所、配膳室があり、運転手がそこまで運搬しています。


調理計画

 調理については、市職員の直営で行っており、職員の配置はセンター所長、栄養士、調理師を配置し、上限1,800食まで調理可能となっております。
 実際の調理は、HACCPの概念の構造の為に各個別の部屋になっています。汚染区域と非汚染区域が明確化され入場の際には靴の履き替えエアーシャワーの通過そして一方通行となっていますので、各作業動線も献立に合わせて人員の配置を考えて調理を進めています。
 炊飯についても、平成23年4月からこのセンターで炊飯したものを各学校へ搬送しています。


環境的な配慮

 炊飯用の燃料にはガスを使用し、その他調理用の熱源として、回転釜用の蒸気ボイラーに灯油を、オーブンやフライヤーには電気を使用しております。熱源を多様化することにより、災害時の対応が臨機応変に可能となります。なお、冷暖房は夜間電力を利用しております。
 また、騒音、振動、臭気、汚染等の防止に配慮した施設となっており、具体的には、建物の中に機械室を作ることで、騒音が外に出ず、洗浄中の騒音も特に外に出ません。臭いも、特に悪臭は出ておりません。汚染については、汚水は下水道施設に流出していますので特に問題はありません。下水道対応として、除外施設を設置しています。

(更新日:令和6年1月10日)