令和6年度 新採職員辞令交付式及び年度初め訓示

 おはようございます。まず、新たに仲間となった新規採用の同僚職員の皆さん、南陽市役所への入庁を心から歓迎します。これから皆さんがするのは、マラソンです。およそ40年間走り続けるマラソンですので、先ほど宣誓したように全力で専念しながらも、短距離走の気持ちでいると、到底走り続けることはできません。このマラソンのコースは、基本的に困難な登り坂です。たまに心臓破りの横倉の壁のような坂もあります。それでも私たちは、退職の日まで、仲間として声を掛け合い、励まし合いながら走り続けます。そのことが、2万9274人の市民のために必要不可欠だからです。今日の緊張感を忘れずに、しかし私たちがするのはマラソンであるという覚悟を持ち、たゆまぬ気持ちで共にがんばりましょう。その上で皆さんに3つだけお願いします。
1つ目、与えられた場所で全力を尽くして下さい。
2つ目、素直に先輩職員に学び、市民の声に耳を傾けて下さい。
3つ目、アンテナを高く上げ、地域に飛び出して下さい。
 さて、皆さんに申し上げます。元旦の能登半島地震の発生から二日後、1月3日の朝7時に出発して富山県高岡市で給水支援にあたられた皆さん。その後、新潟市の住家被害認定調査支援に赴いてくださった皆さん。石川県七尾市の給水支援に行ってくださった皆さん。被災地の復旧復興と、被災者の生活を支えるため、困難な業務に携わっていただき、またそれを理解して送り出し、カバーして下さった所属部署の皆さん、誠にありがとうございました。
 最も被害が大きかった石川県では、断水世帯は最大で5万6千戸に達し、徐々に解消しているものの、発災から3か月が経過した今もなお8千戸が断水したままとなっています。能登半島の自治体には現在も全国から応援職員が現地に入って復旧の支援に携わっておられますが、被害の大きさを見れば、息の長い支援が必要なことは明らかです。
本市は令和6年度、南陽市政において過去2番目の規模となる166億8千万円の当初予算を編成し、それだけ多くの事業を手掛けることとなります。しかし、それを認識した上で、能登半島の自治体からの支援要請があれば、私たちは微力であっても応えなければならないと考えています。
 私たちの南陽市が豪雨災害に襲われた平成25、26年、当時多くの職員の皆さんが、復旧のための膨大な事務事業に追われ、市民生活を一日も早く取り戻すために、日夜非常にご苦労されました。それを思い返すとき、この度の能登半島地震における復旧事業の困難さは、言語に絶する状況だと言わざるを得ません。
 そして、そうした災害はいつ何時どこでも起こり得ることであり、決して他人事ではありません。ましてや私たちの豪雨災害の際には、全国から3千人を超えるボランティアの方々に助けていただいたことを忘れることは決してできません。応援要請があった場合、ぜひ皆さんのご理解とご協力をいただきたいと、心からお願い申し上げます。
 全国の自治体同士、また南陽市役所の仲間同士、支え合い、補い合いながら、いずれ必ず起こる自然災害に備えつつ、市民福祉の向上という使命を果たしていきましょう。令和6年度も同僚職員の皆様のご協力を衷心よりお願い申し上げ、年度初めの訓示といたします。

令和6年4月1日 南陽市長 白岩孝夫