公立学校施設の耐震診断結果と耐震化の公表について
小中学校施設は、子どもたちが一日の大半を過ごす活動の場です。また、その多くが災害時には地域住民の避難場所としての役割を果たすことから、安全性の確保は極めて重要です。本市においては、平成20年より幼稚園、小中学校校舎等の耐震診断を実施し、その結果に基づいて順次耐震化を進め平成23年10月に補強が必要とされた全ての学校施設の耐震化が完了しました。
今回、地震防災対策特別措置法が改正(平成20年6月)され、同年12月に小中学校の校舎等について耐震診断を実施した結果を公表することが義務付けられておりますので、これまで実施してきました耐震診断の結果と補強後の数値について建物ごとに公表いたします。
(1)耐震診断・耐震化結果(平成24年1月4日現在)
耐震診断の結果と耐震化進捗状況については「耐震二次診断調査結果一覧」のとおり
【表の見方】
◇対象としない施設 {網掛け表示}
(1) 昭和56年以降の建物で、新耐震基準で設計されているもの
(2)非木造施設で、1階建又は延べ床面積200平方メートル以下の校舎等
(3)木造施設で、2階建以下又は延べ面積500平方メートル以下の校舎等
上記は、網掛けで表示しています。
◇建物区分
校:校舎(普通教室、特別教室、管理教室) 屋:屋内体育館
◇構造
R:鉄筋コンクリート造 S:鉄骨造
◇優先度調査ランク
耐震化優先度調査をいい、初めに、建物の建築年、構造形式、コンクリート強度、耐震壁などから第2次診断実施の優先順位を判断するための調査。結果は1から5までの5段階の優先度ランクに判定し、小さい数字ほど優先度が高い。本市では、平成16年、17年及び19年に実施済みです。
◇耐力度調査
概ね昭和45年以前に建築された校舎等を対象に、経過年数、構造耐力及び立地条件等の影響度合を総合的に判断する調査。耐力度を点数化し4500点以下を危険建物として改築整備等の対象とします。
◇耐震診断結果(第2次診断)
柱・壁・コンクリート強度・鉄筋量から建物の強さと粘り(地震力を受け流せる能力)を推定する診断方法。Is値(構造耐震指標),CT×SD値(累積強度指標×形状指標),q値(保有水平力に係わる指標)により、耐震補強内容を検討し、設計を行うための詳細な診断方法です。他に、第1次、第3次診断法あります。
特にIs値が0.3未満のものは、崩壊の危険性が高い建物として、不適格建物の地震改築又は耐震補強の対象となります。
◇工事内容
耐力度調査及び耐震診断の結果を受け、その対策を耐震補強又は改築で区分しています。
基本的には既存施設の利用として補強工事を選択しますが、補強が不可能な構造のもの、また改築に匹敵する補強費用大のもの、そして学校用地に建替え可能な面積があるかを判断し選択します。
◇補強改築工事年度
施工実施の年度を区分で、矢印は2ヵ年に渡って施工されるものであり、造成、外構工事等の建物建築以外の工程は含まれていません。
【用語の説明】
◇耐震診断
昭和56年以前に建築された建物について、国が定めた診断基準に基づき、現況状況(コンクリート等の劣化状況など)、構造計算及び工学的判断等により、その耐震性能を診断するため、指標で表示します。
◇新耐震
昭和56年6月に建築基準法を改正し、これまで高層建築に採用されていた保有水平耐力等の耐震基準を一般建築にも採用する新耐震設計を適用するもので、地震に対する建築物の強度を高めることとなった基準です。
◇Is値(構造耐震指標)
第2次診断の結果、建物の粘り強さに形状や経年等を考慮して算出される構造耐震指数で、対象建物のうち最小値を標記しています。耐震改修促進法の基準では、Is値0.6以上で耐震性能を満たすこととされていますが、学校施設については児童・生徒の安全性、避難場所としての機能性を考慮し、Is値0.7以上を確保する必要があります。
・Is値の目安 「文部科学省基準」
0.7以上 だいきぼな地震の場合に倒壊、又は崩壊する危険性が低い。
0.3以上0.7未満 大規模な地震の場合に倒壊、又は崩壊する危険性がある。
0.3未満 大規模な地震の場合に倒壊、又は崩壊する危険性が高い。
◇CT×SD値(累積強度指標×形状指標)
第2次診断の結果、建物に水平力が加わった際に、建物の靭性に形状を考慮した総和により耐えうる力の指標。値が大きいほど耐震性が対愛とされ、0.3以上が目標値とざれ、Is値と合わせ、鉄筋コンクリートの耐震性を判定する指標です。
◇q値(保有水平力に係わる指標)
第2次診断の結果、建物が水平方向の力に耐えられる力の指標で、その最小値を標記しています。値が大きいと耐震性が高いことを示しています。特に鉄骨造の場合に、Is値と合わせ、耐震性を判断する指標であり、概ね1.0以上が目標値とされています。