市長のコラムNo.50 紙の本(R7.6.1発行)
「昔はこうだった」という言い方をするのは気が引けるのですが、私が子どもの頃、「テレビや漫画ばかり見るな」と叱られていました。
今はネットニュースやユーチューブで事足りる時代。私の5人の子のうち、進学で一人暮らししている2人はテレビを持っておらず、本など紙離れの傾向も強くなっていると感じます。
だからという訳ではありませんが、毎年、市内全ての小学校で絵本の読み聞かせを続けています。必ず読むのが『うんちっち』という絵本です。
4月、幼稚園や児童館の入園式で、市長のお祝いの言葉に代えて『うんちっち』を読み聞かせしました。子ども達は楽しそうに笑ってくれましたが、ふと見ると園長先生が泣いています。
この春に初めて園長になったその先生は、15年くらい前、私にその絵本を勧めてくれた先生です。
式のあと、涙の訳を尋ねると、「あの絵本を大事にしてくれているんだな、新任園長の自分を励ましてくれているみたいだな」と感激されたそうです。
時を超えて人の感情を動かす紙の本。子ども達にも好きになってほしいです。
【令和7年6月1日更新】