風しん抗体検査・任意予防接種を希望される方へ(必ずお読みください)

1.風しんとは
  風しんは、風しんウイルスが風しんにかかっている人の咳やくしゃみによって感染する病気です。免疫がない人が感染すると、2~3週間の潜伏期間の後に、主に発熱、発疹、リンパ節の腫れといった症状が出ます。ときに合併症として、関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎などがみられます。

2.ワクチンの効果
  ワクチンを接種することによって95%以上の人が免疫を獲得しますので、ワクチンを接種してからであれば、風しんの患者さんと接触してもほとんどの場合、発症を予防することができます。しかし、いつまで免疫が持続するかについては、獲得した免疫の状況や、その後の周りでの流行の程度によって異なります。
  現在は、定期予防接種として、麻しん風しん混合ワクチンを1歳の時と小学校入学前の時の2回、接種するよう勧められています。

3.抗体検査・予防接種の目的
  風しんは、免疫のない妊娠初期の女性がかかると、胎児にも感染し、「先天性風しん症候群」と呼ばれる病気により心臓病、白内障、聴力障害などを持って生まれてくる可能性が高くなります。そのほかにも網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球などの様々な症状が現れることがあります。
  このたびの風しん抗体検査及び予防接種に対する費用助成は、「先天性風しん症候群」の予防を第一の目的としています。

4.ワクチンの副反応
  麻しん風しんワクチンは、「生ワクチン」といってウイルスの毒性を弱めたもので、接種後から体内でウイルスの増殖がはじまります。主な副反応として、発熱、発疹などがあり、そのほか頭痛、関節痛などの様々な全身症状が現れることがあります。これらは、通常数日の経過で自然によくなります。
  まれに重大な副反応として、ショック、アナフィラキシー(重症のアレルギー反応)、血小板減少性紫斑病、脳炎・脳症、けいれんなどがみられます。また、頻度は不明ですが、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が現れることがあります。接種を受けた後は30分程度、接種を受けた医療機関などで様子を観察しましょう。

5.健康被害の救済制度
  この予防接種は、予防接種法に基づかない任意接種です。万が一、ワクチンによる重篤な健康被害が生じた場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)及び南陽市が加入する全国市長会予防接種事故賠償補償保険により救済が行われます。

6.予防接種を受けることができない方
  (1)妊娠をしている方及び妊娠している可能性がある方
  (2)ワクチンを受ける3か月以内にガンマグロブリン(血液製剤の一種で、重症の感染症の治療などに使われます)の注射あるいは輸血をうけたことがある方
  (3)接種直前の体温が37.5度以上の方
  (4)重い急性の病気にかかっている方
  (5)その他、医師から接種しない方が良いと判断された方
  (6)風しんワクチンに含まれる成分でアナフィラキシーを起こしたことがあることが明らかな方

7.予防接種を受ける際に注意を要する方(接種を受ける前に、かかりつけ医に相談する必要があります)
  (1)心臓、腎臓、肝臓、血液の病気など、何らかの病気の治療を受けている方
  (2)これまでの予防接種で、接種後2日以内に発熱やアレルギーを疑う症状(全身の発疹やじんましんなど)がみられた方
  (3)これまでにけいれんを起こしたことがある方
  (4)これまでに免疫不全の診断がなされた方
  (5)薬や食物でアレルギーを疑う症状(全身の発疹やじんましんなど)がみられた方

8.予防接種を受けた後の注意事項
  (1)接種部位は清潔に保ちましょう。接種当日の入浴は差し支えありませんが、接種部位をこすることはやめましょう。
  (2)当日は、激しい運動はひかえましょう。
  (3)接種後、接種部位の異常な反応や体調の変化があった場合は、速やかに医師に相談してください。
  (4)女性がワクチンを接種した場合、少なくとも2か月間は避妊する必要があります。