市長のコラムNo.29 その時、後悔を減らすために(R3.12.1発行)

―自分が「被災者」と呼ばれるとは、これっぽっちも思っていなかった。だが、その日は突然やってくる。数分前まで日常の中にいたのに、その瞬間から「被災者」となる。だから他人事と思わず、どう備えるか考えてほしい。

 十年前、東日本大震災で死者・行方不明者が全市民の8%にのぼる未曾有の被害が発生した、岩手県陸前高田市。その戸羽太市長が、11月10日に行われた南陽市防災講演会でお話しされた言葉です。

―災害が起こった瞬間、あなたの命を守る人は誰もいない。自分の命は自分で守るしかない。
 
 行政は言いづらくともその真実を伝えるべきだと戸羽市長は仰いました。

―願いはたった一つ。誰も悲しい思いをしてほしくない。自分は災害後、後悔ばかりだった。だから、どれだけ後悔を減らせるか。今、何ができるか考えてほしい。それを伝えたくて、友達の白岩市長に言われて来た。

 被災地の復興に心を寄せると共に、私たち一人ひとりがいざという時に備えることで、戸羽市長が伝えてくれた教訓を活かさねばと強く思います。
【R3.12.1更新】