令和4年度 第3期目市長訓示

任期満了に伴う令和4年7月10日の南陽市長選挙の無投票当選を経て、第3期目のスタートを切った白岩市長は本日初登庁し、市職員へ初のオンラインによる訓示を行いました。市職員は各課のパソコンから市長訓示を聴きました。以下、訓示の内容になります。

おはようございます。本日より市長として3期目の市政の舵取りを担わせていただくことになりました白岩孝夫です。今回の選挙は4年前に続いて無投票となりましたが、8年間の市政に、市民の皆さんから肯定的な評価があるとすれば、それは私個人への評価よりもはるかに上回って、同僚職員の皆さんの、職務への精励に対する評価です。そのことについてまず心から御礼申し上げますと共に、改めて今後4年間、よろしくお願い致します。

私は実は、落選を覚悟していました。なぜか。ハイジアパーク南陽の民間譲渡と事業停止、公衆浴場の再編統合と料金見直し、いずれも大きな変化を伴う厳しい決断を行っていたからです。利用されていた市民の方には大変心苦しさを禁じ得ずも、施設のあり方を見直すことは避けて通れない道でした。幸い両課題とも、同僚職員の皆さんのご努力のおかげで、なんとか前に進んでいます。しかし新型コロナや、原油・食料・資材等の物価高騰、物流停滞など、世界的に予断を許さない状況は続きます。いずれにしても、その時々の状況に応じて臨機応変に対応し、市と市民の将来にとって最善の選択をとれるよう、一身を顧みず、緊張感を持って取り組んでまいりますので、ご協力をお願いします。

さて、これからの4年間は、大きな岐路に立たされる4年間となります。コロナ禍は収束します。その時に、漫然と何も考えずコロナ前の世界に後戻りするという選択がある一方、コロナ禍の危機を契機として、変えるべきを変え、前に進むという選択があります。また、人口減少やDXの進展などの変化、さらに大きく見れば、地球温暖化や安全保障環境の激変などに対して、それを見過ごすという選択と、直視して将来を見据えて適応していくという選択。そしてそれらの選択を、のんびりやる、或いは先送りするという選択と、スピード感を持って対応するという選択。この4年間は、本市の将来にとっても、もっと広い世界にとっても、大きな岐路に立っている4年間です。

コロナ禍やウクライナ侵略、気候変動などは、私たちにとって、また世界全体にとって、明らかに危機であり、困難な局面です。だからなんとかこの難局を乗り切っていこう、とは私は思いません。コロナは必ず収束しますが、その他の問題はしばらく息をひそめていればやりすごせるような問題ではありません。私たちがいまこの時に南陽市の職員として籍を得ているのは、この難局だからこそ、市民生活を第一に考え、守る役割を与えられているからです。私が願うのは、市民の皆さんから信頼され託されているその役割、責務を、歯を食いしばってでも、同僚職員の皆さんと共に果たし、まずは一日も早く市民の笑顔、日常を取り戻すこと。そして、次の世代につなぐまちづくりをさらに前へ、未来に向かって進めていくことです。そのためには、皆さんが必要です。どうかお力をお貸し下さい。

最後に、8年前の初登庁訓示の内容を、一言一句そのまま、4年前に続き、みたび申します。
同僚職員の皆さんにぜひお願いしたいことがあります。自らが所管する事務に精励することはもちろんですが、それだけではなく、自分も市長とともに南陽市を経営するのだという誇りと矜持を持っていただきたいのです。全体の奉仕者として、自分が市長だったら、という視点を常に持っていただきたい。皆さんは私の方針を部下や同僚、市民の皆さんにわかりやすく伝え実現していく責任と、現場の状況を上司や私に正確に伝え方針を提案する責任を負っています。私たちの仕事は、数十年、百年先の本市の将来に責任を持つ仕事です。市役所職員一人一人が、全体最適を考える経営者としての視点を持ってその責任を履行していただくことを強く求めます。

市民福祉の向上を現場において実現させるのは私ではありません。同僚職員の皆さんです。私は大きな方向を示し責任をとるのが仕事です。風通しのいい働きやすい雰囲気のもとで、皆さんと共に力を合わせて、公正で持続可能な政治、市民福祉の向上を実現するため、今後より一層のご尽力をお願いしまして、3期目の初登庁に際しての訓辞といたします。どうぞよろしくお願いいたします。

令和4年8月1日 
南陽市長 白 岩 孝 夫